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2019年10月18日
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【迷子になったツンデレからきたメールの内容とは?】

2010年01月26日
 みことと一緒に街まで遊びに来たのに、気がつけばひとり。
 ははぁこれは知らない間にみことを傷つけてしまい、俺に愛想をつかして一人帰ってしまったのだなあと視界を滲ませていると、携帯がぶりゅりゅと震えた。こんな一大事に誰だと思ったら、みことだ。
 慌ててメールを開くと、『どこへ行った馬鹿。早く来い馬鹿。私を一人にするとは何事だ馬鹿。ここはどこだ馬鹿』と、馬鹿まみれな文面が並んでいた。
 とりあえずみことに電話する。1コールで出た。
『早く連絡しろっ!』
「や、そう言われても。それより大丈夫か? 一人で泣いてないか?」
『子供扱いするなっ! ……ぐすっ、泣いてなどいない!』
 泣いてるじゃん。
「まあもう大丈夫からだ安心しろ。それで、今どこにいるんだ?」
『……ビルが並んでる』
「いや、もうちょっと分かりやすい場所を指定してくれるとありがたいんだが」
『ええと……車が走ってる。あ、バイクも!』
 ダメだ。説明が下手すぐる。方向音痴間違いねぇ。
『どうだ? 分かったか? すぐ来てくれるか?』
「いや、もうちょっと情報を……」
『意地悪か!? 普段貴様をなじっている私への意地悪か!? 分かってるのに分かってないフリをするなんて……卑怯な奴め!』
「いや、普通に分からないだけです。それより、近くに店がないか調べろ。店名が分かれば場所を特定できそうなんだが……」
『店など……あ、コンビニがある。いれぶんぴーえむ? とかいう店名だ。……コンビニなのに24時間営業じゃないのか? 怠慢だな』
 コンビニは……どこにでもあるしなぁ。うーん。
『どうだ? 分かったか? 早く迎えに来い』
「他に店は?」
『また店か! そんなに店が好きなら店と結婚しろ!』
 いや、どんなキレ方だ。
「結婚はみこととする予定なので辞退させていただくとして、他に店はないか?」
『わっ、わわわわわ私と!? そっ、そんなの聞いてないぞ!?』
「いーから店。探せ」
『うう……え、ええとだな、青空書店という店がある』
「あ、そこは知ってる。よし、その店でじっとしてろ。すぐ迎えに行く」
『そっ、そうか! ……あ、言っておくがな、私は迷子になったんじゃないぞ? 貴様の危機管理能力と索敵能力を測ったまでで』
「黙らないとこのまま帰る」
『待ってるからなっ!』
 それだけ言い残して、みことは通話を切った。さて、行くか。
 数分後、店先で不安そうな顔をしてきょろきょろしてるみことを発見した。よし、せっかくなので驚かそう。そーっと後ろから忍び寄り、黙って肩に手を置く。
「ひょわあああ!?」
 飛び上がらんばかりに驚くみことの声に驚いた店内の爺さん店主が入れ歯を客に発射していた。すまない、客!
「や、悪い悪い。俺だ俺」
「う……ふ、う……?」
 みことはへたりとその場に座り込み、状況が分かっていないのか俺を見て何か言っていた。
「大丈夫か? 立てるか?」
「う……? ……! き、貴様、不意打ちとは卑怯だぞ! どういうつもりだ!」
 ようやっと目が覚めたのか、みことは俺にまくし立てた。
「不安そうな顔してるみことが大変可愛くて、つい。ごめんね」
「だっ、誰が不安そうか! そも、貴様が私から目を離さなければこんなことにはならなかったのだ!」
「幼子か」
「誰が幼子かっ! いいか、繰り返すがこれは迷子じゃないぞ!? 貴様の危機管理能力と」
「へーへー。分かったから帰ろうぜ。なんか疲れた」
「……う、うむ」
 みことの頭に手を乗せ、ぐりぐりとなでると途端に大人しくなった。
「……な、なあ、皆には私が迷子になったこと黙っていろよ?」
 その帰路、不意にみことが口を開いた。
「それは構わないが……迷子って認めるのか? いや、俺は最初から頑なに迷子だと信じているけど」
「信じるなっ! 便宜上迷子という単語を使ったまでだっ! 実際は貴様がいざという時動けるかどうか試しただけだからなっ!」
「へーへー。で、なんでまた迷子なんかになったんだ?」
「……だって、犬が」
「犬?」
「散歩してる可愛い犬がいたからふらふらついていったら一人になっていたのだ! 悪いかっ!」
「幼子か」
「違うと言ってるだろうっ!」
 ぎゃーぎゃー叫ぶみことの頭をなでて大人しくさせる俺だった。

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