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2024年04月26日
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【ツンデレに太った?って言ったら】

2010年02月12日
 知らない間に俺がみことの鞄持ちになってる件。
「遅いぞ、愚図。この私を待たせるとは何事だ。貴様の一秒と私の一秒、比べるのもおこがましいほどの価値の差があるか理解しているか、低脳め……うああっ、ぐりぐりするなっ!」
 折角迎えに来たのに朝から不愉快な事を言う娘のこめかみをぐりぐりする。
「謝ったらぐりぐりしない」
「だっ、誰が貴様のような下等生物に謝罪など……ああ痛い痛いごめんなさい私が悪かったです!」
 簡単に折れたので、手を離してやる。
「い、いたた……貴様! このみこと様の可憐なる脳細胞が死滅したらどうする! 世界にとってどれほどの痛手になるか分かっているのか!」
「ぐりぐり程度で滅する細胞なら、俺が手を出さなくても死んでると思わるる」
「うるさい馬鹿!」
 騒いでるのは目の前のちっこいのだけだよなあ、と思いながらみことを眺める。
「……な、何を見ている。ま、まあ、この私の美麗なる姿、肢体に見とれるのも無理はない話だ。よ、よし、特別だ。今だけ見つめる事を許可しよう」
 不愉快なので鼻をつまんでやる。
「ひゃ、ひゃなをつまむなあ!」
「乳首をつまめというのか! とてもいい案だ! 流石は天才、着目点が常人と違う!」
 物凄い勢いで手を噛んできたので、違うみたい。
「歯型がつきましたが」
「うるさいっ、このド低脳が! 貴様の脳は赤褐色に変色しているに違いない!」
「いやあ」
「何を照れている!? ああもうっ、貴様といたら調子が狂う! いいから早く学校へ行くぞ! ほら、鞄を持て!」
 ぶっきらぼうに差し出された鞄を受け取る。重い。
「太ったか?」
「太ってない!!!!!」
 なんかものすげー怒られた。
「いや、鞄の話。重いんだけど」
「な、なんだ……今日は辞書を入れているからな。まあ、私には必要ないものだが」
 信じられないことだが、みことは七ヶ国語以上を話せる何リンガルやねんという才女だ。流石は同級生でありながら幾つもの博士号を持つ女。……ん?
「必要ないなら、なんで辞書なんか持ってるんだ?」
 そう言うと、みことは目に見えてうろたえた。
「い、いや、その……貴様がいつもいつも忘れて教師如きに怒られて、その……」
 何かゴニョゴニョ言っているようだが、声が小さすぎて聞き取れない。
「聞こえん。性感帯を言う時はもっと大きな声で」
「貴様のような低脳に言う必要などないッ!」
 耳キーンってなった。あまりの音量にクラクラする。するあまり足がもつれ、体がよろけてみことにもつれて。
「「あ」」
 こう、手がね。手の野郎がいい感じにみことの胸部をね、こう、もにゅっと。いや、そんなボリューム感はないな。
「どちらかと言えばむにむに? いや、ぺたぺただな。はっはっは」(もみもみ)
「揉むなッ!」
 目にも止まらぬ速度の掌底が人中に叩き込まれる。とても痛い。
「この私の……誰にも触らせたことのない私の胸を、よくも!」
 いかん、死ぬ。
「貴様は私の下僕、いや奴隷として一生を送れ! 命令だ、拒否は許さん!」
 死ぬより大変っぽい事態が舞い起こっている。
「いやらしいことしていいならやる」
「だっ、ダメに決まっているだろう、この変態めが! 貴様は私に命じられたまま動けばいいのだ!」
「命令了解。直ちにみことの乳を揉む」
「そんな命令などしてないッ!」
「しまった、揉むほどボリュームがない!」
「あるわっ! さっき揉んだろうが!」
「いや、それは別府家に古来から伝わる秘術の賜物であり、一般人には実行不可能なレベルの乳だぞ?」
「ふん。どうせ貴様しか触らんのだ、問題ない」
「…………」
「ん? どうした、変な顔がいつも以上に変……なっ、なんでもない! さっきのは嘘だ、間違いだ、幻聴だ! 忘れろ! いいな、今すぐさっきの記憶を消せ! 命令だ!」
 真っ赤な顔でがなりたてるみことから逃げるように、鞄を担いで学校へ向かう俺だった。

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