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2019年10月15日
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【ツンデレがお年玉をせびったら】

2013年01月07日
「お正月です、おにーさん」
 近所の中学生、ふみが我が家にやってきた。これは俺の財布が大変にピンチな予感。
「そ、そうだな。あけましておめでとう、ふみ」
「あけましておめでとうです、おにーさん」
 ふみはペコリと頭を下げた。礼儀正しいので頭をなでる。
「新年から中学生の頭をなでるとは。今年もおにーさんの性欲は留まることを知らないようです」
「ただなでただけでこの扱いとは。今年もこの娘さんには困らされそうだ」
「まったく、これだからロリコンは危険です。……えへへ」
 ちゃんと最後まで毒を吐いてて。せめて分からないように笑って。どうしたらいいか分からなくなるよ。
「こ、こほん。……ところでおにーさん、私は年下です」
「そ、そうだね。小さくて可愛いね」
「小さくないですが、可愛いのは異論ないです」フンス
「…………」
「……おにーさんから言っておいて、可愛くないと言うのですか。社交辞令だったのですね」ションボリ
「いやいやいや! 超可愛いですよ! ただ、今は別の心配事がありましてね?」
「ほう。ちょー可愛いのですか」
「あ、ああ。ちょー可愛いです」
「そんなちょー可愛くて年下の私に、おにーさんはどんな評価を下すのでしょうか」
 さあ。来たぞ。
「おにーさん。お年玉、ください」
「……ふみ。古典には古典の良さがあってだな、その良さを確認してもらうために」
「あ、『玉を落としてお年玉ー』とかやったら半裸になって叫びます」
 奥の手を潰された。もう何もない。
「どしました? さあ、お年玉ください」
「う、うむ……」
「お年玉、おとしだま。おっとしっだまっ、おっとしっだまっ♪」
 ふみは節をつけて歌い出した。それどころか、楽しげな踊りまで繰り出した。ただ、依然として無表情を貫いたままだが。
「い、いや、まあ。その、だな」
「おっとしっだまー、おっとしっだにゃー。にゃっにゃにゃっにゃにゃー♪」
「もう全部猫です」
「可愛いですか?」
「鼻血が出そうな程度は」ナデナデ
「うにゃうにゃ」
「うぅむ。……分かった、ここまでサービスをされては俺も異論はない。お年玉をやろう!」
「わーい」
「わーいと言う時くらい笑ってくれませんかねェ?」
「これ以上のサービスには追加料金が発生しますが、大丈夫ですか?」
「もはや風俗ですね」
「お、おにーさん、えっちです……」
「なんでそういう時はキチンと恥じらいの表情をするのですか!!!」
 これだけで一週間はオカズに困りそうにないですよ。全く。
「お正月だけの特別サービスです。ただ、思い出す度にいちおくえんください」
「嫌です」
「おにーさん、けちです……」
「お年玉だけで我慢しとけ。んーと……ああ、あったあった」
 引き出しに入れておいたポチ袋を取り出し、さらに自分の財布も取り出す。……うーむ、あまり芳しくないな。
「有り金全部でも構いませんよ?」
「強盗か」
「かねをだせー」ペシペシ
「こんな可愛い強盗には金を差し出すしかない」
 札を数枚入れて、ふみにポチ袋を渡す。
「わ。……ありがとうございます、おにーさん。大切に使いますね?」
「ん、そうしてくれると嬉しい」
「じゃあ、窓からお金を投げ捨てて、愚民どもがそれを必死に拾う様を鑑賞する遊びをするので、おにーさんも一緒に見ますか?」
「大切の意味って知ってる?」
「おにーさんが私に対して思ってることですね?」ニヤリ
「はい。あ。……い、いやいや、そんなこと思ってませんよ? 厄介な奴としか思ってませんよ?」
「そ、そですか。あ、あはは」
「ははは」
 二人して乾いた笑い声をあげる。やたらめったら顔が熱い。ふみも真っ赤なまま、はははと笑ってる。ええい。
「ど、どんなに大切に思おうとも私は手に入らないのに、それでも私を大切にするおにーさんは滑稽ですね。は、ははは」
「そ、そうだな。はっはっは」
「……うぅ。……一度、仕切りなおすのが互いのためだと思うのです」
 絞りだすような声で、真っ赤なふみがつぶやく。
「う、うむ。異論はない」
 というわけで、二人同時に深呼吸。……ふう、少し落ち着いた。
「……ふぅ。えと、ここからやり直します。大切……つまり、おにーさんが私に対して思ってることですね?」
「えーと……いやいや、何言ってんだこの娘は」
 そう言うと、ふみはほっとしたように息を吐いた。
「うん、それでいいのです。まったく、なんで最初に『はい』とか言っちゃいますかね、このおにーさんは」ペシペシ
「や、急に質問が来たので、つい本音が──」
 ……あ。いかん。
「……わざとですか。一度やり直した上での先の台詞。わざとですね。わざと私の顔の毛細血管を活発にさせているのですね。おにーさんは今年も悪魔のようです」
 真っ赤で涙目のふみが、俺をじろーっと睨む。
「もしそうなら、俺の顔が熱を持っている理由がないのだが」
「ただの間抜けでしたか。非常に厄介な間抜けです。えいえい」
 チョップされた。完璧に俺が悪いので、粛々と受ける。
「……うー。もういいです。罰です、どっか連れてってください。いっぱいおごってもらいます」
「貴様、お年玉まで強奪しておいてさらに俺の財布にダメージを与えようというのか」
「こんな可愛い女の子とデートできるのだから、喜ぶべきではないですか?」
「む。本当だ。嬉しい」
「そこは、『何言ってんだコイツ』とか言うところじゃないのですか! 今年のおにーさんはなんだか素直で厄介です!」
「すいません冬休みの野郎が俺の頭を朦朧としやがりまして!」
「うー! えいえい!」
 またしても真っ赤な顔で俺に何度もチョップするふみだった。

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無題
ロリコンは脳の病気だけど治さなくていいよね!
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