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2024年05月22日
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【ちなみは俺の嫁】

2012年05月10日
「……おい。起きろ。……起きろ」
「ん、うあ……ん、ん?」
 ぺちぺちと頬を叩かれ、目を開ける。視界に映るはちなみのどアップ。
「うわあっ!?」
 ものすっごい覗き込まれてた。超びっくりした。
「……人の顔を見て驚くとは許しがたい」
「あ、はい、ごめんなさい。ていうかなんでいるの?」
「……嫁だから」
「あ、あー」
 そうだった。結婚したんだった。超寝ぼけてた。それにしても、学生だってのに結婚するとは……我ながらすごいな!
「…………」
 寝ぼけた頭を起動させていると、何やら目の前のちっこい娘さんの顔が不機嫌そうなものへシフトしていた。
「どした、ちなみ?」
「……おはようのちゅーがない。……早くも倦怠期?」
「…………」
「……え、本当に? ……よもや、これほど早く裸ランドセルの出番が訪れようとは」
「ちげー! それの出番は今後な……あ、いや、ないとは言い切れないけど」
「……流石はタカシ、嫁への強制コスプレの最初が裸ランドセルとは。変態レベルがとても高い」
「おまいは結婚しても相変わらず毒舌なのな。ちょっとは甘々な感じになると思ったのだけれども」
「……つまりは、こんな感じ?」(猫耳を素早く装着)
「いみがわかりません」
「ふにゃふにゃ」
「いみがわかった! かわいい!」
「……ネコミミをつけることにより、甘えんぼうな子猫へと変貌を遂げる私の特殊能力に心胆寒からしめられるといい」
「可愛いなあ俺の嫁は可愛いなあ」(なでなで)
「おおおおお。おお。おおお。おおー」
「まあそれはそれとして学校に行かないとね」
「……あれだけ人の頭をなでておいて放置とは。……新手の焦らしプレイ?」
「焦れているのか」
「……実を言うと、焦れていない。ただ、未だちゅーがないのが納得いっていない」
「なるほど。んじゃ、おいで」
 来い来いとやったら、素直に近寄ってきたので、ちゅー。そのまま頭もなでなで。
「……ちゅ、ん。……うーん、弱った」
「何が」
「……ハミガキがまだなので臭い」
「その辺りは愛の力でどうにかしてください」
「無理。……早く歯を磨く」
「俺の嫁はシビアだなあ」
 洗面所へ向かい、シャコシャコ歯を磨く。ちなみとお揃いの歯ブラシで、バカップルっぽくて気に入っている。
「ぐしゅぐしゅぐしゅ……ぺっ。ふぅ、スッキリした」
「……本当にしっかり磨けているか、実験」
「お?」
 ぐいーっと髪を引っ張られ、乱雑にキスされた。
「ちゅ、んちゅ……ちゅ。……ふむ、ミント味」
「歯の裏まで舐めないでください」
「……うーむ、朝から二度もちゅーをしたせいで、興奮してきた。……これも調教された身体故の悩みか」
「まだ調教してませんよ?」
「……結婚する前もしてからもいっぱいちゅーしておいて、調教などしたことねえとタカシはのたまう。貧乳は勝手に自分を慰めてろ、とタカシは言う」
「本当におまいは結婚しようがしまいが変わらないな」
「……そんなことはない。肩書きが可愛い学生から、可愛いお嫁さんになった。初めまして、新妻です」
「これはご丁寧に、……いかん、新妻に値する男性の呼称が分からない」
「やーいばーかばーか。おたーんちーん」
「ご注意ください。小学生の罵声にしか聞こえませんが、俺の嫁の発言です」
「……自慢の嫁。……照れ照れ」
「褒めてねえ。そんなことより、お腹が空きました」
「あ、ご飯はできてる。作った。……偉い?」
「ああ偉い偉い。いつもありがとうな」(なでなで)
「……これは、子作りフラグが立った?」
「立ってねえ! 卒業するまでは自重してるの!」
「……その割にはガンガンしてるよね?」
「ご、ゴム使ってるからいいの。妊娠しない分には大丈夫なの」
「……中出しが大好きなタカシにとって、それはまさに拷問と呼んで差し支えない行動だった。彼が廃人になるのも時間の問題だと言えよう」
「人の性癖を捏造するな」
「……おかしい。……タカシのパソコンには、嫌がってるちっちゃい女の子に注ぎ込んでる画像が大量にあったのに」
「セキュリティクリアランスUVを破っただと!?」
「ZAPZAPZAP。……はっ、まさか、嫌がっているのかポイントか? ……おなかくるしいからもう出さないでぇ?」(棒読み)
「そろそろ泣きますよ」
「……そういうプレイが好きだと思ったのに」
「フィクションだからいいんですよ。本当に泣かれたら萎えちゃいますよ。あと、棒読みに過ぎる」
「……まあ、そんなのはどうでもいい。早く飯を食え。湯気が消える」
「了解。今日のご飯は何ですか?」
 ダイニングへ向かう途中、ネコミミの揺れる頭に問いかける。
「……白飯、味噌汁、目玉焼き。さらに海苔まで追加という豪華仕様」
「おお。THE・朝食って感じだな!」
「……じゃあ、今から裸エプロンの準備をするので、その間ご飯食べてて」
「結構です」
「……全裸? 春とはいえ流石に寒いけど、旦那の頼みだ。頑張ろう」
「違う。違うっての! 脱ぐな!」
「はぷしゅ。……寒い」
「ええい、鼻を垂らすな! 全く、ネタのためにそこまで頑張る必要ねーだろ」
「ふがふが」
 袖でちなみの鼻を拭ってやる。
「むぅ。せっかく肌を露わにしてやったのに、ちっとも興奮してない。……飽きた?」
「飽きてねぇ。ずっと好きだよ」
「う。……た、タカシはずるいよね、そういうことを照れもせずに言うから」
「ただの事実だ」
「……む、むぅ。……わ、私も、そ、その。……好き、だったり?」
 ちょこちょこっとこちらに寄ってきて、ちなみは頬を染めながらぼそぼそっとつぶやいた。それはいい。大変に可愛いし。ただ。
「いい加減服を着ろ。目に毒だ」
「……道理で寒いと思った」
「俺の嫁は少し頭が悪いかもしれないね」
「……失礼な。ふが」
 またしても鼻を垂らす嫁の顔を拭う羽目になりました。でも可愛いからいいや!

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【ツンデレを代用品にしたら】

2012年03月31日
 パソコンにたまった画像データを整理してたら、バンブーブレードのタマちゃんの画像か大量に出てきたので、似た背格好をしてるちなみをなでよう。
「ちなみ、ちなみ」
 ちょいちょいと手招きすると、こちらに気づいたちなみがちょこちょこと寄ってきた。
「……何?」
 何やら不機嫌そうにつぶやいているが、それがコイツのデフォルトなので特に気にせず頭をなでる。
「……なでたいだけか。今日もタカシは人の頭部に興奮する変態だ」
「失敬な。別に興奮はしてないぞ。ただちなみをなでたくなっただけだ」
「…………」
「無言で頬を染めるな」
「そっ、染めてない。……や、やれやれ。今日もタカシは私を好き過ぎる。ちょっとは隠せばいいのに」
「いや、別にそういうわけでは。ただバンブレのタマちゃんの代用品にお前が調度良いと思ったので」
「ほう」
 ちなみからプレッシャーが発生した。こいつぁマズイ。
「……人を漫画やアニメの代用品にするとは。……これは許せない。……本当に」
「い、いや、その、なんというか」
「……言い訳は?」
「ごめんなさい何も思いつきません」
「……はぁ。本当に、タカシは愚かだ。……そんなこと言われて気分を悪くしない者などいないというのに」
「いや、本当に悪かった。とはいえ、タマちゃんに恋焦がれてしまったのもまた事実。俺はどうすればいいんだろうか?」
「……ないすあいであを閃いた。死んで来世は漫画のインクになり、バンブーブレードの作者に使われるのを期待するのはどうだろうか」
「のっとないすあいであ。あまりに期待値が低すぎるし、そもそも死ぬのは嫌です」
「……ダメだ、このタカシは使えねえ」
「人に言われるままホイホイ死ぬのが使える奴なら、俺は使えない奴でいいです」
「……ちぇ。じゃあ、とりあえず、代用品扱いした私へ謝罪するにだー」
「そうだな。それは本当にごめんなさい」(ぺこり)
「……あと、その謝罪の意を込めて頭をなでろ」
「はい。ごめんな」(なでなで)
「ん。ん。……じゃ、可愛いとか言いながらなでろ」
「え、いや、なんで」
「なでろ」
「……はい」
 何か先ほどとはまた違うプレッシャーを感じたので、素直に応じることにする。
「ちなみは可愛いなあ」(なでなで)
「……ん。んぅ。ん。……次、片手でほっぺをふにふにしながらなでろ」
「…………。ええと、俺の勘違いでなければ、もはやこれは謝罪とか関係ないような」
「早くしろ、のろま」
「……まあいいか」(なでなでふにふに)
「ん。んー。ん。……ほふぅ。左右交代」
「はい」(ふにふになでなで)
「ん。んにゃー。にゃむ。……次は両手でほっぺ」
「……ええと」
「……は、早くする」
「はい」
 何か色々思ったが、向こうも色々思っているようで、何やら頬が赤かったので素直にちなみのほっぺを両手でつつみこむ。そして、優しくすりすりふにふにする。
「……ん。んー。次、抱っこ」
「もうなんというか、結婚でもしませんか?」
「……な、なんといううぬぼれ。誰がタカシなんかに惚れているというのか」
「んで、抱っこはするのか?」
「……す、する。……わ、悪い?」
 両手をこちらに差し出しつつも、ちなみはすねたような視線を俺に向けた。
「よし、じゃあ抱っこが終わったら結婚しましょうね」
「……しない。……調子に乗るな、ばか」
「痛え」
 俺に抱っこされながら、肩をがじがじかじるちなみだった。

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【花粉症に悩むツンデレ】

2012年03月29日
「くしゅっ。はっくしゅ。はぶしゅ」
「花粉症か。辛そうだな。だが、どうしてわざわざ俺の席まで来る。……いや、そこまではいい。どうして、俺を凝視しながらくしゃみをし、くしゃみのしぶきを俺に浴びせるのだ」
 さっきから俺にくしゃみまくるちなみのほっぺを引っ張りながら訴えかける。
「……タカシにくしゃみを浴びせると、青緑色のあぶくになって消えるという噂を聞いたため」
「ヤベェ、こいつ俺を殺す気だ」
「……だが、情報に少々誤りがあったようだ。美少女のくしゃみではならないようだ」
「美少女?」
「……可愛くないと申すか」(不満げ)
「申しません」(なでなで)
「むふー。……というところで、追加情報。美少女のくしゃみを浴びると、タカシは美少女の悩みを聞きたくなる症状に襲われるらしい」
「ほう。折角だし聞いてみるか。ちなみ、何か悩みあるか?」
「……タカシなんかに話すほど落ちぶれてない」
「…………」
「……でも、どうしても聞きたいと言うなら、話さなくもない」
「いや、別にそこまでは」
「……ちなみの悩み、聞いてくれないの?」(うるうる)
「よし騙されよう! ちなみ、どうか俺に悩みを話してくれ! お前の助けになりたいんだ!」
「……特にない。仮にあっても、ロリコンに悩みを話すとか無理だし」
「分かってましたよ、この展開は」
「……ただ、まあ、くしゃみが止まらないのが悩みと言えば悩み。さあ、解決しろ。失敗したら鼻をもぐ」
「目の前のお嬢さんが怖いです」
「……お鼻さんを、もぐもぐしちゃうぞっ☆」
「言い方を可愛くすればいいという話ではないと、どうか気づいて」
「……ぶひーって言わない。これはタカシには効かないか」
「冷静に俺への対処を記録しないで。ていうかそんなのどうでもいいんだ。花粉症か、俺はかかったことないからイマイチ分からんが、辛そうだな」
「……辛い。くしゃみをするたび、近所のようじょが『おねえちゃん、ちゅーしてー』って寄ってくるのが面倒だ」
「花粉症にそんな素敵な症状が!? ちなみ、それ俺にうつせ!」
「しめしめ、今日も騙されてる。……それじゃ、くしゃみをするので、口を大きく開けるように」
「汚いから嫌です」
「……しょうがない。直接キスをするので、目をつむって震えているように」
「悪化してる! あと、分かってるとは思うが、汚いってのは冗談だからな?」
「……ふむ。じゃあ、今度瓶に涎を詰めて進呈しよう」
「汚いです」
「解せぬ」
「解せ。しっかし、花粉症なあ……薬とかないのか?」
「ある。……けど、眠くなる。ぐーぐー」
「ここで寝るな」
「……どこでも寝る子供みたいで可愛い?」
「可愛い」(なでなで)
「……可愛かろう可愛かろう。存分に可愛がるがいい」
 周辺から「あの二人何?」という囁き声が聞こえ出したので、なでなでを止める。
「……むぅ」(不満げ)
「とにかく、お悩み解決だな。花粉症は薬を飲みゃ大丈夫、眠気も可愛いので問題ナシ、と」
「……しかし、寝てる私は天使のように可愛いので、タカシに襲われる可能性が出てきた。……このままでは寝てる間に処女を奪われかねない。……いや、奪われる」
「なんで訂正した」
「……なので、これからは眠くなったらタカシのタカシにゴムをつけよう。これなら、奪われた際に妊娠する可能性を大幅に軽減できる」
「なんかもう色々間違ってるけど、どこから訂正したらいい?」
「……私が花粉症にかかっている、というところから」
「最初の最初だと!? え、じゃあ本当はかかってないの?」
「……そう。騙したった。……すごい?」
「ちょっとびっくりした。すごいすごい」(なでなで)
「……タカシを騙すことなど、私にかかれば楽勝だぜー」
 とか言いながら、得意げに鼻息を漏らすちなみだった。

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【ホワイトデーを忘れてたら】

2012年03月16日
「総入れ歯、ホワイトデーが過ぎてた」
「……やっと気づいたか、おろかもの」
 学校から帰る最中、はたと気づいたことを言ってみたら、隣を歩いてる目付きの悪いちっこいのがため息を吐きながら俺を睨んだ。
「……折角人が一生懸命、心をこめて作ったチョコレートをやったというのに、そのお返しもしないとは。人として劣っている」
「明らかに言い過ぎだ。そしてお前のチョコは市販品の板チョコだった」
「……ていせい。どっかの誰かが心を込めて作ったチョコレートをやったというのに」
「どっかの誰かじゃ意味がねーよ。お前が心を込めろ」
「……私が込めると、悪意だけになってしまい確実にタカシの腹を粉砕してしまう。……なので、心を鬼にして市販品を買った。その気遣いが分からないとは、やはりタカシは愚かだ。ハリケーンミキサーでも食らって死ね」
「なんでそれ限定なんだ。つーか、悪意じゃなくて好意を込めてくれよ」
「……?」
「いや、そんなイノセントな目をされても」
「……元からないものを、どうやって込めろと言うのか。まったく、今日もタカシは不可思議だ」
「薄々分かってはいたが、こうもはっきり言われると泣けてくるゼ……!」
「ばーかばーか」
「ええい、腹立たしい。しかし、それはそれとしてお返ししないとな。何がいい?」
「……心臓」
「死にます」
「……ちなみ、お兄ちゃんの心臓、欲しいな?」
「よし分かったちょっと抉り出すから待ってろ! とはならないです」
「……ちっ。無駄に媚びてしまった」
「ただ、腎臓なら分からないでもなかったです。なぜなら二個あるから」
「……よし。じゃあ媚びるから、媚びパワーをちょうだい」
「初耳のエネルギーですね」
「……タカシの気持ち悪い妄想力を変換することにより、生成可能なマテリアル。……なので、接触が必要」
「こうか?」
 ちなみのほっぺを両側から引っ張る。
「……はなへ」
「あ、この行為は気持ち悪いと言われたことのお返しです」
 ぱっと手を離す。ちなみは俺を睨みながら自分のほっぺをさすさすさすった。
「……悪魔め。いつか復讐してやる。巨乳にしか興味がなくなる呪いとかかけてやる」
「ごめんなさい全面的に俺が悪かったです!!!」
 全力でちなみに謝る。
「……びっくり。そんなに貧乳が好きなの?」
「巨乳も確かに好きだ。だが……だが! 貧乳を嫌う俺なんて、そんなの俺じゃない! 許せるものか!」
「……う、うぅ。あ、あんまりそういうことを堂々と言うな。この変態めが」
「常にちなみの小さいおっぱいを付け狙う……そんな自分が、たまらなく好きなんだ!」
「ぜ、全力で自分の変態っぷりを宣伝するな、ばか」
「や、失敬失敬。つい興奮しました。……ん? どした、なんか顔赤いぞ」
「う、うるさい。こ、こっち見るな、ばか」(べしべし)
「ぶべらはべら」

「……べしべし叩いて妄想力を奪ったが、まだ足りない」
「まだそんなこと言ってんのか」
「うるさい。……なので、もうちょっと接触が必要だ」
「はぁ」
「……だから、さっきみたいに、もっかい私のほっぺ触れ」
「…………。えろい! よし分かった、触ろう!」
「早まった……」
 何やら後悔してる感が強いちなみのほっぺを、今度は優しくふにふにする。
「ほにゃほにゃだな。ああ……なんだろう、嗚呼! これが幸せというものか!」
「……イチイチ叫ぶな、ばか。ただのエネルギー補給だ」
「これはいいなあ、これはいいなあ! 今後も補給の際は俺に連絡を! すぐに駆けつけますので!」
「……じゃあ、深夜3時とかに連絡する」
「寝てます」
「……駆けつけると言ったのに」
「TPOを考えてください」
「……ん。もういい、十分。あとで呪いを送るので、ちゃんと腎臓を取り出しておくように」
「了解、嫌です」
「……騙された」
 何やらショックを受けている様子。
「代わりに何か菓子でもやるよ。あ、丁度そこにコンビニあるし。何がいい?」
「……店舗」
「ホワイトデーのお返しに店をやる、なんて豪気なマネはできません」
「……じゃあクッキーでいい。……あれ? マシュマロだっけ? 飴?」
「何が」
「……な、なんでもない。タカシが気にすることじゃない」
「お前が聞いたんだろーが」
「う、うるさい。喋るな、ばか」
「ちなみに、色々な説があるが、マシュマロは嫌いって意味らしいぞ」
「……ふ、ふーん。……偶然にも、今はマシュマロは食べたくない気分。偶然だけど」
「んじゃ、クッキーと飴を買いますかね」
「う、うん。偶然だから仕方ない。偶然」
 コクコクうなずくちなみと一緒にコンビニに入るのだった。

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【ツンデレにジャッジメント待ち伏せをしたら2】

2012年03月11日
 今日もリナをからかおう。先日のように教室で待ち伏せして……今だ!
「ジャッジメントですの!」
「……おぉう」
 失敗。相手はドリル髪ではなく、寝ぼけ眼娘であるちなみだった。
「……よく分からないが、間違えた?」
「そのようです。許せよ乙女」(なでなで)
「……ぜったいに許さんぞ、虫けらども。じわじわとなぶり殺しにしてくれる」
「そんなドラゴンボールを盗られるのと比肩するほど怒られることしましたっけ?」
「……しました、としましま、という言葉が似ている。……知らない間に私のパンツを覗いたことを暗に言ってきてるに違いない」
「明らかな言いがかりだ! しかし、ということは、しまぱんなんですか?」
「……見たい?」
「いいのっ!?」
「……特別だよ? ……でも、恥ずかしいから、こっち、来て?」
「なんという僥倖! 行く行く、パンツのためならたとえ火の中水の中! どこだって行くさ!」
 恥ずかしげに頬を染めるちなみに吸い寄せられるように、彼女の誘導するまま教室の隅に移動し、何の疑いもなく少女の前に正座し、眼前にスカートを迎える。
「……じゃ、スカートめくるけど、恥ずかしいから、目、つむって?」
「任せろ!」
 ぎゅっと硬く目をつむり、その時を待つ。まだか、まだか、まだか!
「……いいよ?」
 がぶあっと目を開けると、眼前に──
「なんで本当にスカートの中に俺を入れてんだッ!」
「わあ」
 全力でスカートから頭を抜く。びっくりした。びっくりした。
「目開けたらしましまがありましたよ! びっくりしましたよ! もう明らかな罠だったのでそれ用のリアクションを用意してたのに全部吹っ飛んじゃったよ! 逆にびっくりだよ!」
「……やったね。だーいせーいこーう」
「お前は……芸人じゃないんだからネタのためにそこまで体張るな」
「……えろいくせに、変な所で真面目だ。……これだから童貞は」
「どっ、どど、どどうど、どどうど、どどう!」
「……童貞ネタで返すと思いきや、まさかの宮沢賢治とは。これだからタカシは侮れない」
「実はよく知らないんだ」
「……実を言うと、私も。……それより、どだった? 興奮した?」
「びっくりしたあまり、ろくに見てないので正直よく分かりません」
「……折角合法ロリのパンツを拝めるチャンスだったのに。……タカシにはがっかりだ」
「自分で自分を合法ロリとか言うな。そういうのは自称大人のアレで十分だ」
 廊下の遠くで可愛らしいくしゃみが聞こえた気がした。
「……なるほど、ガチロリの方がいいと。……今日もタカシは業が深いね」
「おまいはどうしても俺を犯罪者に仕立て上げたいようだな」
「……じゃっじめんとでーすの。逮捕でーすの」
 やる気なさげに呟きながら、ちなみは俺の頭をぺちぺち叩いた。
「なんか違う。こうだ。──ジャッジメントですの!」
「……おお、かっくいー」
 ぱちぱちと拍手された。これには俺も得意満面。
「でへへぇ」
「……オタク的なことはタカシにお任せだね?」
「…………」
 間違っちゃいないが、どういうことかあまり愉快ではない。
「……じゃっじめんとでーすの。でーすの」
 間違ったイントネーションのまま、ちなみが俺をぺそぺそ叩く。
「だから、違うっての。ポーズもきちんと。せーの、ジャッジメントですの!」
「……じゃっじめんとでーすの」
「馬鹿が増えてますわ!?」
 偶然教室に入ってきたリナが、ポーズを決める俺達を見て何やら驚いていた。

拍手[14回]