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2024年05月01日
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【ツンデレに思ったことを言ったら】

2012年09月15日
「あっ! 幼女と触れ合いたい!」
「…………」
 思ったことを言っただけなのに、さっきまで普通に会話をしていたちなみが俺から明らかに距離を取った。
「どうして離れる」
「……タカシは日々成長するのだなあ、という事実をまざまざと見せつけられたので」
「どういうこと?」
「……言動が気持ち悪い」
「なるほど。ところでちなみ、ものは相談なのだが」
「嫌」
「俺に」
「嫌」
「ぺろぺろ」
「嫌」
「されることに抵抗はあるか?」
「……三連嫌をこれほど容易く無力化するとは。タカシにはほとほと脱帽だ」
「いやぁ。でへへぇ」
「……褒めていない。早く死ね」
「なんと」
「……そして質問の答えだが、死ね」
「なんと」
「……どうしてタカシなんかにぺろぺろされなければいけないのか。それならまだ硫酸の海に身を投じる方が遥かにマシだ」
「生きながら溶ける方がマシとは。どれほど俺は嫌われているのだ」
「……これくらい?」
 ちなみは無表情なまま俺の頬に触れると、両手でむいむい引っ張った。
「痛い」
「……私に力があればこのまま引き千切れたものを。無力な自分が憎い」
「おや、知らず死に瀕していたようだ。世界は常に危険と隣り合わせと再確認できてよかったよ」
「……それはよかった。じゃあ死ね」
「嫌です」
「……死んで?」(こてりと小首を傾げながら)
「はいっ! ああしまった、罠にはまった!」
「……死ね、死ーね」
 ちなみは嬉しそうに(と言っても無表情は崩していないが)腕をぱたぱたさせながら、俺を囃し立てた。
「うーん。分かった、俺のお願いを聞いてくれたら死ぬ」
「……嫌だ。何もできずに虫のように死ね」
「虫だけに俺のお願いを無視する。なんちて。うひゃひゃ」
「…………」
「……分かってる。分かってるんだ。だけど、言わずにはいられなかったんだ」
「……がんばれ、がんばれ」
 ついさっき死ねと言ってきた奴に慰められたうえ、頭までなでられた。超泣きそう。
「……あまりに哀れなのでお願いを聞いてやる。なに?」
「自爆した甲斐があった。ええとだな、お前の顔をぺろぺろさせ」
「却下」
「なんと」
「……とても気持ちが悪いので」
「俺は気持ちよくなるよ?」
「……却下」
「なんと」
「……じゃあ、聞いたので、死ね」
「うーん、まあ、いっか。じゃあ数十年後に寿命で死ぬよ」
「がーん。騙された。……だが、死因を聞いてなかったのはこちらの落ち度か。仕方ない、今回は諦めるが、次はちゃんと死ぬように」
「はい」(なでなで)
「……なんでなでる」
 ちなみは迷惑そうに顔をしかめた。
「ちなみの顔を舐められなかったので、その代償行為」
「……うーん、いつだって気持ち悪い。すごい才能だ」
「じゃ、なでるのは諦めてちなみをぺろぺろするよ。ああ残念無念」
「……却下」
「ままならぬ」
 しょうがないので、ちなみをなでてました。
「……ん」
 あと、ちなみが迷惑そうだったのは最初だけで、なでられてなんかちょっと嬉しそうになってることは、俺だけの秘密だ。

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【ツンデレが毎日家に入り浸ったら】

2012年08月27日
 気がつけば夏休みが残り一週間を切ってる罠。
「スタンド攻撃か何かか?」
「小麦粉か何かだ」
 そして今日もちなみが俺の家にいる。
「何の話だ」
「……タカシは今日も私が大好きという噂が立ち込めており非常に気持ち悪いので、一刻も早く死んで欲しいという話?」
「小麦粉関係ねえ。そしてそんな噂は存在しねえ」
「……私が広めたから、存在はしている」
「だから誰も俺に寄ってこなかったのか。非常に迷惑なのでやめてください」
「……いや、それは噂とは関係なく、タカシの人格の問題」
「なるほどそうか。真実は時に死にたくなるな」
 ちなみが目をきらきらさせて身を乗り出した。
「わくわくしないでください。別に今すぐ死んだりはしません」
「タカシにはがっかりだ……」
「この娘は人の死を願うのでとても怖いね」
 怖いのでちなみのほっぺを両手で挟み込み、むいむいする。むいむいとは、両手でほっぺを挟み込み、うにうにと優しくこねることを指す俺の造語だ。
「んー」
 しかし、この刑罰はちなみには罰則にならず、むしろ少し嬉しそうなので残念。
「はい、終わり」
「むいむいが終わってしまった……」
「なんでそんな残念そうやねん」
 ぺしーん、とちなみのおでこにツッコミを入れる。
「……痛い」
 無表情は崩さず、ちなみは自分のおでこをさすさすさすった。
「はぁー……しかし、過ぎてみれば早いもんだなあ、夏休みってのは」
 ごろりとベッドに転がり、天井を眺める。一ヶ月以上休みがあったはずだが、光陰矢の如しとは正にこのことだな。一体何やったっけ。……あれ、ほとんど覚えてねえ。
 などと考えていると、何か物体がのそりと俺の上に乗ってきた。
「重い」
「……女の子の重量は羽と同程度、という文献を読んだことがある。なので、重いわけがない。はい論破」
「論破じゃねえ。重いっての。どけ」
 ちなみが俺の上に乗ったままむすーっとしていた。
「……重くない」
「頑なな奴め」
「重くないったら重くない」
「いていて」
 俺の胸にあごをつけ、微妙にぐりぐりしてきた。なんて地味な攻撃だ。
「分かった、ちなみは重くない。だからぐりぐりするない」
「ん。分かればいい」
 そしてどういうことか、そのままぐりぐりからすりすりに移行した。
「……なに」
 その様子を見てたら、ちなみが少し恥ずかしそうに頬を染めてこっちを見てきた。
「いや、別に」
「……別に、タカシなんて好きじゃないもん」
「聞いてねえ」
「……誘導尋問だ。卑怯なので死刑」
「一切誘導してねえ。ただの自爆だろ」
「……しょがない。頭なでてくれたら、特別に減刑してやろう」
「そもそも刑罰を受ける覚えはないのだけど」
「……いーからなでろ、ロリコン」
「あっ、はい俺のことですね」
 呼ばれたからにはなでざるを得ないので、合法ロリをなでなでする。
「……はふー」
 ちなみは気持ちよさそうに吐息を吐いた。毛づくろいされてる猫みてえ。
「あ、思い出した。夏休みはほぼ毎日こんなことやってたから、ほとんど覚えてなかったんだ」
 ちなみをなでることが日常に組み込まれていたがために起こった悲劇だろう。悲劇?
「……じゃあ、覚えられるようにこれからも毎日来てやろう。私に感謝し、崇め奉れ。そして将来的には私を教祖とした宗教団体を旗揚げしろ」
「いいえ、結構です」
「左うちわの予定が……」
 なんかショック受けてる奴を、今日もなでなでしたり抱っこしたりしました。

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【ツンデレが女豹だったら】

2012年08月25日
 昨今は夏休みなので学校の級友たちと会う機会もめっきりと減り、何かと寂しい。
「とか言いてえ」
「いきなり何を言っているのか。今日もタカシは意味不明だ」
 人の頭をぺしぺし叩きながら、ほぼ毎日のように俺の家に入り浸っているちなみが馬鹿にした様子で言う。
「いやね、聞いてくださいよちなみさん。なんか知り合いが毎日俺の家に来るんですよ」
「ほほう。それは実に興味深い」
「なんで来るんでしょうかね?」
「私の勘によると、嫌がらせではないだろうか」
「やっぱりか」
 悔しいのでちなみのほっぺをぐにーっと引っ張る。
「ひはひ」
 全くの無表情で痛いと言われても、信用ならない。とはいえ、あまり女性の頬を引っ張るのもなんなんで、適当なところで離してあげる。
「……傷物にされた」
「人聞きが悪い」
「膜を貫かれ」
「違う! してない! ほっぺ引っ張っただけ!」
「言葉に誘導された。そういえばまだ処女だった。てへ、しっぱい☆」
「あら可愛い」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「何を普通に喜んでいるか」
「よ、喜んでなどいない。いないが、もう少しなでなでを続けてみると面白くなること請け合い」
「ほう、それは興味深い。では早速やってみよう」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「もういいか?」
「まだ」
「…………」(なでなでしているが、少し疲れてきた)
「…………」(嬉しい)
「そろそろいいか?」
「まだ」
「…………」(頑張ってなでてるが、いい加減疲れた)
「…………」(嬉しい)
「もう十分だろ」
「まだ」
「もう十分!」
「ぶー……」
 ぶーたれられたが、なでなでを終える。単純なこととはいえ、数をこなすと結構疲れる。
「で、面白くなることとは一体如何様なことで?」
「タカシの腕が疲れる」
「はぁ」
「おしまい」
「ええっ!?」
「ああ愉快愉快。愉快なのでもっとなでろ」
「いや、ちっとも愉快じゃねえ」
「じゃあ不愉快でもいいからなでろ」
「嫌です」
「…………」
「…………」
「…………」(じわーっ)
「んなことで泣くなッ! ああもう、ああもう!」(なでなでなで)
「な、泣いてない。泣いてないが、そのまま続けるように」
「この娘はすぐに女の武器を使うから厄介だ」(なでなで)
「女豹なので。あと、抱っことかもしろ」
「……何故?」
「女豹なので」
「女豹なら仕方ない」(むぎゅー)
「がおーがおー」(むぎゅー)
 そんなわけで、女豹を抱っこしたりなでなでしたりしてました。あと、よく考えると女豹だから抱っこしないといけないとか超意味分からん。
「その辺りどうお考えでしょうか」
「がおがお」(すりすり)
 問い質しても、この女豹は人の頬に自分の匂いをなすりつけるのに夢中なようで答えてくれない。残念。

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【ツンデレを後ろからなでたら】

2012年05月31日
 だらりだらりと登校してると、見覚えのある頭がゆらゆらしてたので、後ろからなでてみた。
「……この手の動き、そしてこの放射される波動。タカシとみた」
「当たり」
 頭がくるりと振り返る。見慣れたちなみの顔が現れた。そのままなでり続行。
「つーか、なんだ波動って」
「……タカシの手から放たれる殺人光線?」
「知らぬ間に殺人鬼に成り果てていようとは。ちなみ、俺がこれ以上罪を重ねないよう、その手で俺を止めてくれ……!」
「分かった。殺す」
「少しくらいためらいがほしいですよね」
「……うーん。よし、殺す」
「葛藤が軽い! 愛しの人を殺すのだから、もうちょっと悩んで!」
「……別に愛しくない。むしろ、タカシがいない方が世界のためだ」
「酷い言われようだ」
「……タカシがいないと、世界中のようじょがのびのび出来て幸せだ」
「別に今でものびのびすればいいのに。さんはい」
「……私はようじょではない」
「小さいのに?」
「……小さいのに」
 そう言いながら、さりげに俺の足をグリグリと踏んでくる。気にしていないようで気にしているようだ。
「……中学生に間違われるのはともかく、小学生に間違われるのはありえない」グリグリ
「その怒りをここで発散しないで」
「……背か? 胸か?」
「どっちもです」
「…………」グリグリグリ
「そろそろ足の甲に穴が空きそうな具合です」
「……ヒモを通して携帯するのに便利」
「非常食扱いするのやめてください」
「……なら、いい加減私の頭をなでるのを止めるべき」
「ん? おお、そういえばずっとなでてたね」ナデナデ
「……無意識の領域か。今日もタカシは私が好き過ぎる。その想いが届くことなど未来永劫ありえないというのに」
「いや、別に好きではないです」
「…………」グリグリグリグリッ
「痛い痛い痛いっ! 踏むな! 百歩譲って踏んでいいとしても、踵で踏むな!」
「……私のことを好きなくせに好きじゃないフリをする。……ツンデレとでも呼んで欲しいのか」
「いや、だから別に」
「……やーいツンデレ。ばればれだっちゅーの」
「いや、古すぎるうえ、胸をよせてもお前には無理だ。0はいくらかけても0のままなんだ」
「……貧乳が好きなくせに、貧乳を貶める。……こんなところにまでツンデレの弊害が」
「お前もうツンデレって言いたいだけだろ」
「……少し」
 なんでちょっと恥ずかしそうなんだ。
「まあいいや。ほれ、一緒に行こうぜ」
「……でも、一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし」
「ときメモるな。そして今は下校ではなく登校中だ」
「……じゃあ安心だ」ギュッ
「ええっ!?」
「……うるさい」
 迷惑そうな顔でじろりと睨まれた。いやしかしそれどころではなくて!
「な、なんで手を握るのでせうか」
「……一緒に学校に行く場合は、友達に噂とかされないので恥ずかしくないから」
「いや、手を握ったりなんてしたら噂はされると思うのですが」
「……それは盲点だった」
「しまった、こいつ思ったより馬鹿だ!」
「……そういうこと言うと、手を離す」
「なるほど、じゃあ言わない」
「……ん」
 そんなわけで、なんか知らんがおててつないで学校へ行くことになった。でもちなみの手がやわこいからいいや!

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【ツンデレがイタズラで放つ曼陀羅ふにゅー】

2012年05月28日
 ちなみがちょこちょこ寄ってきて、俺の服をクイクイと引っ張る。
「……技を覚えたので喰らってはどうか」
 もう嫌な予感しかしねえ。
「あの、嫌です」
「……流石はタカシ、何の憂いもなく受け入れるとは。あっぱれ」
「いや断ったよ俺!? 聞いてる!?」
「……いでよ、必殺」
「必殺!?」
「……曼荼羅ふにゅー」
 ちなみの全面の空間に曼荼羅模様が現れ、ふにゅーと鳴いた。
『ふにゅー』
「……ふにゅー」
 曼荼羅とちなみがステレオでふにゅーと言ってる。どう収拾をつければいいのか。
「ええと。個人的にはこっちのが好きです」
 ちなみの頭をなでながらそう言ってみる。
「……やれやれ、また告白された。タカシは私が好き過ぎる」
「してねぇ」
「……ふにゅー」
「これは可愛い」ナデナデ
「……ほら見たことか」
 心なしか誇らしげな表情でちなみが呟く。
「んで、なんでこんなことをしますか」
「……イタズラ」
「いたずら、かなぁ……?」
 俺の知ってるイタズラとはかけ離れているような気がする。まず、曼荼羅を放つという事態が分からない。
「それより、あの曼荼羅いい加減うるさいのだが」
 さっきからずっとふにゅーふにゅー言っててうるさい。
「……ふにゅーふにゅー」
「なんで対抗するか」ナデナデ
「……負けん気が刺激された」
 俺もよっぽどだが、コイツも結構な変人だと思った。あと、やっぱり曼荼羅のふにゅーがうるさい。

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