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2024年04月21日
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【ツンデレが毎日家に入り浸ったら】

2012年08月27日
 気がつけば夏休みが残り一週間を切ってる罠。
「スタンド攻撃か何かか?」
「小麦粉か何かだ」
 そして今日もちなみが俺の家にいる。
「何の話だ」
「……タカシは今日も私が大好きという噂が立ち込めており非常に気持ち悪いので、一刻も早く死んで欲しいという話?」
「小麦粉関係ねえ。そしてそんな噂は存在しねえ」
「……私が広めたから、存在はしている」
「だから誰も俺に寄ってこなかったのか。非常に迷惑なのでやめてください」
「……いや、それは噂とは関係なく、タカシの人格の問題」
「なるほどそうか。真実は時に死にたくなるな」
 ちなみが目をきらきらさせて身を乗り出した。
「わくわくしないでください。別に今すぐ死んだりはしません」
「タカシにはがっかりだ……」
「この娘は人の死を願うのでとても怖いね」
 怖いのでちなみのほっぺを両手で挟み込み、むいむいする。むいむいとは、両手でほっぺを挟み込み、うにうにと優しくこねることを指す俺の造語だ。
「んー」
 しかし、この刑罰はちなみには罰則にならず、むしろ少し嬉しそうなので残念。
「はい、終わり」
「むいむいが終わってしまった……」
「なんでそんな残念そうやねん」
 ぺしーん、とちなみのおでこにツッコミを入れる。
「……痛い」
 無表情は崩さず、ちなみは自分のおでこをさすさすさすった。
「はぁー……しかし、過ぎてみれば早いもんだなあ、夏休みってのは」
 ごろりとベッドに転がり、天井を眺める。一ヶ月以上休みがあったはずだが、光陰矢の如しとは正にこのことだな。一体何やったっけ。……あれ、ほとんど覚えてねえ。
 などと考えていると、何か物体がのそりと俺の上に乗ってきた。
「重い」
「……女の子の重量は羽と同程度、という文献を読んだことがある。なので、重いわけがない。はい論破」
「論破じゃねえ。重いっての。どけ」
 ちなみが俺の上に乗ったままむすーっとしていた。
「……重くない」
「頑なな奴め」
「重くないったら重くない」
「いていて」
 俺の胸にあごをつけ、微妙にぐりぐりしてきた。なんて地味な攻撃だ。
「分かった、ちなみは重くない。だからぐりぐりするない」
「ん。分かればいい」
 そしてどういうことか、そのままぐりぐりからすりすりに移行した。
「……なに」
 その様子を見てたら、ちなみが少し恥ずかしそうに頬を染めてこっちを見てきた。
「いや、別に」
「……別に、タカシなんて好きじゃないもん」
「聞いてねえ」
「……誘導尋問だ。卑怯なので死刑」
「一切誘導してねえ。ただの自爆だろ」
「……しょがない。頭なでてくれたら、特別に減刑してやろう」
「そもそも刑罰を受ける覚えはないのだけど」
「……いーからなでろ、ロリコン」
「あっ、はい俺のことですね」
 呼ばれたからにはなでざるを得ないので、合法ロリをなでなでする。
「……はふー」
 ちなみは気持ちよさそうに吐息を吐いた。毛づくろいされてる猫みてえ。
「あ、思い出した。夏休みはほぼ毎日こんなことやってたから、ほとんど覚えてなかったんだ」
 ちなみをなでることが日常に組み込まれていたがために起こった悲劇だろう。悲劇?
「……じゃあ、覚えられるようにこれからも毎日来てやろう。私に感謝し、崇め奉れ。そして将来的には私を教祖とした宗教団体を旗揚げしろ」
「いいえ、結構です」
「左うちわの予定が……」
 なんかショック受けてる奴を、今日もなでなでしたり抱っこしたりしました。

拍手[16回]

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Comment
GJ
今日も生きる糧をありがとう
無題
これでまだ付き合ってないというのだから。
無題
小麦粉どっから出てきたwwwww
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