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2024年04月20日
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【ツンデレにジャッジメント待ち伏せをしたら2】

2012年03月11日
 今日もリナをからかおう。先日のように教室で待ち伏せして……今だ!
「ジャッジメントですの!」
「……おぉう」
 失敗。相手はドリル髪ではなく、寝ぼけ眼娘であるちなみだった。
「……よく分からないが、間違えた?」
「そのようです。許せよ乙女」(なでなで)
「……ぜったいに許さんぞ、虫けらども。じわじわとなぶり殺しにしてくれる」
「そんなドラゴンボールを盗られるのと比肩するほど怒られることしましたっけ?」
「……しました、としましま、という言葉が似ている。……知らない間に私のパンツを覗いたことを暗に言ってきてるに違いない」
「明らかな言いがかりだ! しかし、ということは、しまぱんなんですか?」
「……見たい?」
「いいのっ!?」
「……特別だよ? ……でも、恥ずかしいから、こっち、来て?」
「なんという僥倖! 行く行く、パンツのためならたとえ火の中水の中! どこだって行くさ!」
 恥ずかしげに頬を染めるちなみに吸い寄せられるように、彼女の誘導するまま教室の隅に移動し、何の疑いもなく少女の前に正座し、眼前にスカートを迎える。
「……じゃ、スカートめくるけど、恥ずかしいから、目、つむって?」
「任せろ!」
 ぎゅっと硬く目をつむり、その時を待つ。まだか、まだか、まだか!
「……いいよ?」
 がぶあっと目を開けると、眼前に──
「なんで本当にスカートの中に俺を入れてんだッ!」
「わあ」
 全力でスカートから頭を抜く。びっくりした。びっくりした。
「目開けたらしましまがありましたよ! びっくりしましたよ! もう明らかな罠だったのでそれ用のリアクションを用意してたのに全部吹っ飛んじゃったよ! 逆にびっくりだよ!」
「……やったね。だーいせーいこーう」
「お前は……芸人じゃないんだからネタのためにそこまで体張るな」
「……えろいくせに、変な所で真面目だ。……これだから童貞は」
「どっ、どど、どどうど、どどうど、どどう!」
「……童貞ネタで返すと思いきや、まさかの宮沢賢治とは。これだからタカシは侮れない」
「実はよく知らないんだ」
「……実を言うと、私も。……それより、どだった? 興奮した?」
「びっくりしたあまり、ろくに見てないので正直よく分かりません」
「……折角合法ロリのパンツを拝めるチャンスだったのに。……タカシにはがっかりだ」
「自分で自分を合法ロリとか言うな。そういうのは自称大人のアレで十分だ」
 廊下の遠くで可愛らしいくしゃみが聞こえた気がした。
「……なるほど、ガチロリの方がいいと。……今日もタカシは業が深いね」
「おまいはどうしても俺を犯罪者に仕立て上げたいようだな」
「……じゃっじめんとでーすの。逮捕でーすの」
 やる気なさげに呟きながら、ちなみは俺の頭をぺちぺち叩いた。
「なんか違う。こうだ。──ジャッジメントですの!」
「……おお、かっくいー」
 ぱちぱちと拍手された。これには俺も得意満面。
「でへへぇ」
「……オタク的なことはタカシにお任せだね?」
「…………」
 間違っちゃいないが、どういうことかあまり愉快ではない。
「……じゃっじめんとでーすの。でーすの」
 間違ったイントネーションのまま、ちなみが俺をぺそぺそ叩く。
「だから、違うっての。ポーズもきちんと。せーの、ジャッジメントですの!」
「……じゃっじめんとでーすの」
「馬鹿が増えてますわ!?」
 偶然教室に入ってきたリナが、ポーズを決める俺達を見て何やら驚いていた。

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