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2019年10月15日
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【風邪引くとデレだけになるツンデレ】

2010年02月15日
 ちなみが風邪をひいたとかひいてないとか裸祭り開催中とかで、放課後、見舞いに来た。
「こんにちは! 裸はどこだ! 隠し立てすると容赦しないぞ!」
「……けほんけほん」
 しかし、そこには布団に寝そべり咳をするちなみがいるだけで、裸などどこにも存在しなかった。というか、裸祭りなんてしてるわけねー。どこでノイズが入ったのだ。
「あー、病気なのに騒いだりしてすまん。それで、具合はどうだ?」
 ちなみが寝てるベッドの側に椅子を寄せ、その上に腰を下ろす。
「……んー、と。……ちょっち寝て、……ちょっち元気になったような、……そうでもないよな」
 ちなみの顔を見る。普段よりやや赤らみ、汗でうっすら濡れてる顔はなんだか色っぽ……いやそうじゃなくて! 落ち着け!
「……どしたの? 顔ぶるんぶるん振って」
「急に俺の顔に小型の知的生命体が住み着いたので、神として地震という試練を与えている最中だ」
「……タカシは熱のある私より熱があるっぽいよね」
 微妙に馬鹿にされてる感がある。
「夏風邪という馬鹿しかひかない病気にかかる奴は、言うことが違うな」
 ちなみの頬が膨れた。
「むくれんな。……さて、あまり長居しても疲れるだろうし、そろそろ帰るな」
「え……」
 思ったより良さそうなちなみの姿に安心したので、とっとと帰ろうとしたら、ちなみの奴が悲しそうな顔をするんですの。眉が八の字になってるんですの。
「……も、もう帰るの?」
 そんな顔されたら困るんですの。声を震わせないでほしいんですの。裾を掴まないでほしいんですの。
「帰らない予感」
 色々考えた末にそう言って腰を落ち着かせると、ちなみの奴はふにゃっと柔らかい笑みを浮かべた。
「……その予感は、とても好ましい」
「そいつは重畳」
 なんとなくちなみの頬に手をやると、ちなみはその手を取り、両手でにぎにぎ握った。
「……タカシの手、おっきい」
「おまいの手が小さいだけだ。というか、病気なんだから寝てろ」
「……昼間寝すぎて、眠くない」
「眠くなくとも、寝るのが病人の仕事だろ」
「……転職する。……今から私はタカシ遊びが仕事」
 そう言って、ちなみはがじがじと俺の指を甘噛みした。
「それで金が貰えるなら、俺もその仕事したい」
「ダメ。……これは、私だけの特権」
 人の指をがじがじぺろぺろしながら、満足そうに鼻息を漏らすちなみ。
「……まずい」
「勝手に人の指食べておいて、あまつさえまずいと。どこの王様だ」
「……美食王なので」
 なんか偉そうなので、舌引っ張ってやる。
「ひゃ、ひゃひー」
 困った顔に満足したので離してやる。
「うう……タカシは病人が相手だろうとも手加減ナッシングのドS。……受け止められるのか、私に」
「なんか余裕っぽいので帰ります」
 腰を浮かそうとしたら、ちなみが全身を使って俺に抱きついてきたので再び椅子に座る。
「……帰るの、禁止」
「無茶を言うな」
「…………」(じわーっ)
「分かったいるずっと側にいるから泣くな泣かないでごめんなさい!」
 ちなみの瞳に涙が貯まり始めたので、慌てて頭をなでなでしながら謝る。どうして俺が謝っているのか。
「…………」
 しかし、まだ安心してないのか、ちなみは俺をじーっと見つめたまま離れようとしない。つーか近い。近すぎる。呼気がここまで届きそうだ。
 なんだか急に恥ずかしくなって視線を顔から体に移すと、襟ぐりから覗く妙に色っぽい鎖骨が視界に入る。ふらふらと……いやいや、いやいやいや! 病人相手に何しようとしてるか、俺!
「ほ、ほら、ここにいるから。お前が寝てる間にどっか行ったりしないから、もう寝ろ。な?」
 できるだけ声が上ずらないよう注意しつつ、ちなみから体を離す。
「……ん」
 しばらく逡巡した後、ちなみはこっくりうなずき、ぽふりと布団に寝そべった。
「……おやすみ、タカシ」
「ああ、おやすみ」
 眠くないと言っていたが、ちなみは目を瞑るとすぐに寝息を立て始めた。呼吸と共に上下する薄い胸、軽くはだけた服、そこから覗く可愛いヘソ。
 ここが生き地獄か、とか思いながら衣服の乱れを必死に直す俺だった。

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