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2019年10月15日
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【メカちなみん】

2010年05月28日
 ちなみが事故に遭って三ヶ月。今日、彼女が退院するらしく、俺は急いでちなみの元へ向かった。
「ちなみ、元気になったんだな! 良かった、俺、心配して……」
「……ア、タカシ。オイスー」
「…………」
 なんか、頭からアンテナみたいなのが生えてる。しかも口調がカタカナだ。……メカ?
「……ん、喋りにくい。普通に話す」
「喋れんのかよ! てーか、おまえ、それ……」
「……いや、事故で体の中無茶苦茶になっちゃって、このままじゃ死ぬからって、こうなった?」
「なんで疑問系なんだよ! ああもう!」
 助かったことを喜ぶべきなのか、メカっぽくなったことを嘆けばいいのか分からない。
「……だいじょぶ。体は柔らかいままだから。……最新の技術を使ったって」
 そう言って、ちなみは自分のほおを俺に触らせた。確かに彼女の言うとおり、以前のちなみと同じかそれ以上にぷにぷにする。
「……えっちもできるらしいよ?」
「女の子がそういうこと言うな! 最近の娘っ子は恥じらいがなくて困る!」
「……照れてる。……タカシ、ちょっとかわいい」
「うがー! からかうな!」
「……まぁ、マルチみたいな感じで接すれば、ぐー?」
「なんでマルチとか知ってんだよ……まぁいいや、マルチと同じように接するぞ?」
 俺はちなみの頭をなでた。ちょっとアンテナが邪魔。
「……はわわわわー」
 ちゃんと律儀に返すちなみは偉いと思う。棒読みなのは減点だが。
 そのまましばらく撫でていると、ちなみが悲しげな顔をしているのに気がついた。
「ん、どした?」
「……クラスのみんな、受け入れてくれるかな。……体中機械になったからって、……嫌われないかな」
 俺は、少し強くちなみの頭をなでた。
「ぐだぐだ考えるな。大丈夫、みんないい奴だから笑って受け入れてくれるって。……それに、最悪俺がいるだろ?」
「……偉そう。……でも、ありがと」
 それからしばらく、ちなみは俺になでられるままだった。少し笑ってくれたのが、嬉しかった。

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