忍者ブログ

[PR]

2019年10月15日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【イモートコントロールダンディ】

2010年05月08日
 学校からの帰り道、変なのを拾った。
「……リモコン?」
 なんか、鉄人を操れるっぽいレトロなリモコン。レバーふたつの、あれ。それとアンテナ。
「……あ、タカシ。拾い食いはほどほどに」
「こんなもん食えるか。ていうか、拾い食いなんかしたことねーよ」
 ぽてぽてやってきたちなみにつっこみ一閃。そのはずみに、手に持っていたアンテナがちなみの頭にくっついた。
「……あ」
 途端、ちなみの顔がとろんと。目が潤みだして、なんか頬が染まってる。
「……命令は? お兄ちゃん」
「お兄ちゃん!?」
 いかん、これは夢だ。ちなみを妹と見立てて日々えろい妄想するあまり、白昼夢を見てしまうとは!
「覚めろ~覚めろ~夢覚めろ~」
 呟きながら近くの電柱に頭をぶつけまくる。おかしい、血が出るばかりで一向に覚めない。
「……お兄ちゃん、普通に怖いよ」
「出血多量で死にそうだが、とりあえず痛みを感じるので夢ではない、と」
「あ~もう、お兄ちゃんは私がいないと何にもできないんだから」
 いそいそと嬉しそうに止血するちなみをそのままに、俺は腕を組んで考えた。
 なんか知らんがちなみが妹になったしいいか(0.5秒)。
「よしちなみ、命令だ! 一緒に買い物行ったり映画行ったり手繋いだりするのだ!」
「おまかせだよ、お兄ちゃん」
 妹は満面の笑みを浮かべるのだった。

「……へへ、だーいせーいこーう」
 自分の部屋に戻り、ちなみは小さく笑った。
「……入念な下調べの甲斐があったね。……妹、だーいせーいこーう」
 頭についたアンテナをはずす。アンテナもリモコンも全て、ちなみが用意したものだった。
 今日あったこと──ホラー映画を観てタカシに抱きつき、頭をなでなでしてもらったことを思い出し、ちなみは頬が緩むのを止められないでいた。
「えへへ……明日は、どうしようかな」
 どうやってタカシに甘えるか考えながら、ちなみは瞳を閉じた。

拍手[5回]

PR
Comment
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
トラックバックURL: