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2019年10月18日
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【イカちなみん】

2010年05月24日
「……あの、困る。……あの」
 あくびしながら登校してると、ちなみの声が聞こえた。
「おーっす、おはよちなみ。何が困る……ん」
 イカの格好をしたちなみが、何十匹という猫に取り囲まれていた。にゃーにゃーうるさい。
「……あ、タカシ。……早く助ける」
「……えーっと、何やってんだ?」
「……猫に……からまれた」
 そう言ってる今も、猫がイカの足に噛み付いている。
「……困った。……猫、好きなのに」
「しかし、すごいな。十本の足全部に噛みついてんのか? 猫まみれだな」
「……これ、足は本物のイカ使ってる。……猫が食べたら、腰抜かす」
「いや、大丈夫だ。単に消化が悪くて腹壊した猫見て、昔の人が腰を抜かしたと勘違いしたらしいぞ。ただの迷信だ」
「呼んだカ?」
 突然、俺の脇からメイシンが現れた。
「うおっ! なんつータイミングで出てくんだよ! メイシン違いだ! ……しかし、おまえまだチャイナ服か。エロいな」
「エロくない! エロい思う方がエロいネ! それより猫、可愛いネ。猫、猫~♪」
「食うなよ」
「食べないネ! 中国人なんでも食べる思たら大間違いネ! 中国で父さん食べてたけど」
 メイシンの家には近づかないよう心に誓う。
「……えい」
 顔に猫を貼り付けられた。その猫がまた爪を立てるわけで大変痛い。
「なにすんだよ!」
 猫をはがしながら怒鳴ると、ちなみは不満そうに口を尖らせた。
「……私のことほっといてメイシンさんとイチャイチャしない。……早く助ける」
「だっ、誰がメイシンなんかとイチャイチャしてるってんだ!」
「そ、そうネ。ワタシ、タカシなんて興味ないネ。ホントホント」
「……ふん。……いいもん。このまま学校行く」
 猫を多数引き連れて、ちなみが学校へ向け発進した。
「待て待て待て! そのまま学校行ったら大騒ぎになるぞ!」
 そして怒られるのはたぶん俺。畜生。
「しかし、これ猫取り除くの無理だぞ。剥がすそばから取り付いてるし」
「そうネ……ちょと無理ぽいネ」
 メイシンと二人してちなみから猫を除去するが、状況は芳しくない。剥がすたびに手噛まれるし。俺だけ。
「もう脱げ。イカ着ぐるみで注意を逸らしてる間に急いで学校へ行くしかない」
「……無理。……この下、水着」
「なんでだよっ!?」
「今日、体育が水泳だからネ。ワタシも着てるよ、ホラ」
 メイシンが制服をずらし、水着を見せた。スク水の魔力で一瞬正気を失うが、超頑張って理性を保つ。
「てーかおまえら下に水着着てくるって、小学生か」
 ちなみとメイシンからダブルつっこみを受ける。メイシンのつっこみが妙に痛い。謎の中国拳法め。
「いててて……しょうがねえだろ、いいから脱げ!」
 ちなみの着ぐるみに手をかけ、無理やり脱がす。
「いーやー、やーめーてー」
「ええい、じたばたすんなこのアマ!」
「助けてー、お母さーん」
「た、タカシやめるね! こんな道端でなんてことするネ! 大変ネ!」
 メイシンがどっか行ったけど、それどころじゃない。今はちなみを脱がせるのが最優先だ!
「うう……せめて、優しくして……」
「へっへっ、随分としおらしくなったじゃねぇか。なぁ?」
 隣にいる青っぽい制服に身を包んだおっさんに話しかける。
「キミ、ちょっと署まで来てもらおうか」
 あれ? 俺、善意でやったんだよ? そこでしたり顔してるメイシンさん、どう思う?

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