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2024年04月27日
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【男がツンデレを起こしたら】

2010年01月25日
「うー……いかん、ダメだ。おい別府、少し寝るから20分くらいしたら起こせ」
 生徒会室で書類を片付けてると、会長がそんなことを言った。
「任せてください、会長。寝たことを後悔するくらい素晴らしい起こし方をしますので」
「普通に起こせ! ……あと、いちおー言っておくが、変なことしたら絶対殺すからな」
「変なこと。と言うと、具体的にはどのような」
「そっ、それは、その……ええいっ、そうやって私をからかう行為全てだっ!」
 会長は顔を真っ赤にして俺を一発殴ると、肩をいからせたままソファの元へ歩き、そのまま座った。
「いーか、絶対変なことするなよ! 絶対だかんなっ!」
「ダチョウ倶楽部か。竜ちゃん最近病的な痩せ方してて心配ですよね」
「違うっ! そーゆーのではないっ! 少しでも私に触れてみろ、その時がお前の最後だからなっ!」
「触れずにどうやって起こせと言うのですか。超能力?」
「うるさいっ! もーいい、私は寝るからな!」
 それだけ言って、会長は備え付けてある毛布を頭からかぶってしまった。ものの数秒もしないうちに、寝息が俺の耳まで届いてきた。
「どれだけ眠かったんだか……」
 とまれ、俺は俺の仕事を片付けよう。
 しばらく黙々と書類を片付けてると、会長が寝てから20分ほど経った。さて、そろそろ起こすか。
 足音を立てないよう注意しながら、会長の下へゆっくり歩み寄る。
「ふひゃー……ふひゃー……」
 頭までかぶっていた毛布はすっかり剥ぎ取られており、見事なまでの寝相の悪さを俺に見せ付けていた。制服の裾がまくれ、腹が丸出しだ。へそが可愛い。
「むにゅむゆ……むー」
 さて、どうやってこの愉快生物を起こそう。触ることは禁止されていたが、そんなことは俺の、俺様の膨れ上がるパッションの前には無効だ。
 とりあえず、さっきから愉快な寝息を立てる口元をどうにかしてみよう。そっと、会長の口に指を差し入れる。
「む……ゆ? ……むー」
 変化なし。てっきり擬似フェラとかしてくれると思ったのに! がむでぶ!
 それはともかく次だ次。指を引き抜き今度は……って、指が抜けねえ!
「あぎあぎあぎ」
「俺の指が!?」
 何と勘違いしてるのだか知らないが、会長が俺の指を捕食し始めた! がじがじがじと結構な力でかじられており、このままではヤのつく職業と間違われかねない!
「待て会長、待て! 大変痛いのであぎあぎは勘弁!」
「……んぅ?」
「甘噛みとかならウェルカムなのでそっちの方向でひとつ!」
「……あぎあぎあぎ」
「大変痛い!」
 起きてるのか寝てるのか分からないが、とにかく俺の指が大変に痛い。ここは空いてる手でどうにかすべきだと判断したので断行! 会長のほっぺをむにーっと引っ張る!
「これならさしもの会長も起きるだろ! 起きて俺の指から離れるのだ!」
「……ぅゆ?」
 会長の目がうっすら開いた! 今だ、ほっぺむにーの力をさらに上げるのだ!
「くらえっ! 俺の持てる力の全て、ここにぶつけてやるっ!」
「……ほっぺ、いたいー」
「ああごめんねごめんなさい会長俺が全部悪かったです」
 夢うつつの会長には勝てず、すぐさま手を離して土下座。しようとしたが、未だ指を食われたままなのでできない。
「……ん? ……うあっ、何だコレ!?」
 ようやっと目が覚めたのか、会長は俺の指をぷっと吐き出した。すぐさま保護。痛かった。
「やっぱお前か、別府! 変なことするなって言ったのに!」
「幼女が寝てたら変なことするに決まってるじゃないですか」
「幼女じゃないっ! 私はお前より年上だっ! あと、そんなことを当然のように言うな、この変態っ!」
「まあそんなことより擬似フェラしてくれませんか? 不完全燃焼でどうにもこうにも」
「ふ、ふぇ……!?」
「そう、フェラ。俺の指をアレに例えて、ちゅぴちゅぱお願いします」
 真摯に頼んだのに、ダメみたい。だって、会長が怒りのあまり震えてるんですもの。
「……ああ、そうだ。殺そう」
「やめて」
 何故か生徒会室に置いてある木刀を手に取り、ゆらりと会長がこっちに来たので部屋から飛び出て逃げる。
「逃げるなっ、別府!」
「いやホントごめんなさいもう指ちゅぱしてくれなんて言いませんから!」
「そっ、そーゆーことを大声で叫ぶなっ、ばかーっ!」
 夕暮れの校舎を二人で駆けずり回りました。まあ、捕まりましたけど。

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