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2024年05月14日
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【ツンデレがエロ本を見つけたら】

2010年03月22日
 とある日の夕方、仕事に飽いた父が娘と遊ぼうと台所に顔を出すが、そこには誰もいなかった。
「これは面妖な、何者かに連れ去られたか。いやしかしあの娘が何の抵抗もなく連れ去られるだろうか、いやない」
 ぷらぷらと探し回る最中、突如猛烈な腹痛に襲われ父は便所に籠もった。
「く、このような痛みに屈するとは。屈辱である」

「父、父? ……なんだ、いないのか」
 父が便所で屈辱の涙を流している頃、娘は父の書斎に顔を出していた。
「夕食に何がいいか聞こうと思ったが……まあいい、今のうちに掃除をしてしまおう。父がいたら色々と理由をつけて断られるしな」
 娘はハタキを持ってきて、背伸びをしながら本棚を軽くはたいた。
「うっぷ、なんたる埃だろうか。……ん?」
 埃を払っていると、ハタキに当たって本棚から本が一冊落ちてきた。
「ふむ、なにやら難しい漢字だな。なんと書いてあるのか、子供ゆえ読めないのが残念だ。仕事関係の本か?」
 表紙をめくると、そこには娘と同じくらいの少女が裸で転がっている絵があった。
「こ、これは、噂に聞くエロ本ではないか。ああ父よなんたることだ、私という小学生の娘がいるというのに、私と同年代の少女が題材のエロ漫画を所持しているとは」
 娘は大きく目を見開き、興味津々な様子で次々ページをめくっていった。
「む、これは……まったく胸がないではないか。父はこういったものが好みなのか。ああ完全に犯罪だ、性犯罪者ではないか」
「ああ娘よ、ここにいたのくぁーっ!?」
 ズボンの位置を直しながら部屋に入ってきた父は、自分の愛読書を読む娘の姿を見て奇声を発した。
「父、隠すなら私の手が届かない場所に隠すべきだ。カバーを違う本で偽装していたとしても、何かのはずみで見つかってしまうぞ。今この時のように」
「は、はは、何を言ってるのか皆目分からないな」
 父は素早く娘の持つ本を奪い取り、背中に隠した。
「……これは驚いた。父、思いのほか素早い動きができるのだな。いわゆる火事場の馬鹿力という奴か」
「む、娘よ、掃除は感謝する。だがしかし、ここは父の仕事場。触られると困る品もあるゆえ、掃除はやめてほしい」
「困る品というと、いま父が後ろ手に持っている明らかに未成年の少女が出てくるエロ漫画のことだな」
 父は慌てて後ろ手に持った本を棚の奥に隠した。
「娘よ、父をいじめて楽しいか」
「父、大人なのだから泣くのはやめてほしい」
「大人だからこそ泣けてくることもある」
「父、父はその……いわゆる、幼児性愛者なのか? 病気なのか?」
「前者は半分肯定だが、後者は否定だ」
「ああなんたることだ。父はもうダメだ、投獄されるに違いない」
「娘よ、父はまだダメではない。父は別に幼児性愛者ではなく、ただ胸が慎ましい女性が好みなだけだ」
「本当か?」
「本当だ。まだ少女を襲った事はない」
「ああなんたることか、父はやはりダメだ。“まだ”などと言っている。いつか実行するに違いない」
「娘よ、たまには父を信用してみるがいい」
「あまり無理を言うものではない。父は信用という言葉から最も離れた場所に存在している。信用されたいのなら、普段から信用されるような事をするべきだ」
「信用……こうか?」
 父は娘を抱き寄せ、向かい合わせになるように自分の膝に乗せた。そして、優しく頭をなでた。
「ち、父? 何をいきなり……」
 突然のことに、娘は目を白黒させた。
「いやなに、ただのスキンシップだ。こういった小さな事を重ねることが肝要と思ってな。どうだ?」
「ふ、ふん。こんな小細工をされても、信用などできるはずがない」
 顔を背ける娘だが、口元が小さく笑っている事を父は見逃さなかった。
「娘よ、信用はともかく、気持ちいいか?」
「……ふん、特に気持ちよくなどない」
 憎まれ口を叩きつつ、娘は父の胸に頭を寄せるため、軽く腰を揺すった。
「あ」
「……父、娘である私の瑞々しくも張りのあるお尻に何か当たっているのだが」
「全くの気のせいだ」
「ああ父よ、娘のお尻で勃つとは何事か。それとも父を鬼畜道に堕とす程の魅力を持つ私が悪いのか」
「娘よ、父の気のせいでなければ、どこか嬉しそうなのだが」
「ま、全くの気のせいだ」
「…………」
「……ふ、ふゅーふゅー」
「娘よ、嘘が下手な上に口笛までも下手なのだな」
「……父、意地が悪いぞ」
 そう言って、娘は照れくさそうに頬を染めながら口をとがらした。

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