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2019年10月15日
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【わきの下で1秒間に10個おにぎりを作ることのできるタカシ】

2010年05月21日
 メイシンがおにぎりを食ったことがないと言うので、作って食わせてやった。
「おいしネ! これ、凄くおいしネ!」
「俺の血と汗と涙と得体の知れない何かの結晶だ。味わってくれ」
「……それ聞くと物凄くまずくなるから、言葉て不思議ネ」
 口に入れたおにぎりを嫌そう咀嚼しながら、それでもメイシンは次々とおにぎりを食べていった。
「むぐむぐ……やっぱおいしネ。タカシ、もっと作るヨロシ」
「白っぽくて粘々した液体を入れていいなら」
 殴られた。色んな奴に殴られたけど、メイシンの突きが一番痛い。
「何考えてるカ! タカシはやぱり馬鹿ね!」
「それとも直接飲むか?」
 殴られて壁まで吹き飛んだ。突っ込みに中国拳法使うのは、やめていただきたい。
「ごめんなさい冗談です……えぐっ」
「いいから早く作るネ! ワタシお腹空いたネ!」
 メイシンに急かされ、台所へ向かう。
 普通に手で握ってもできないことはないが、どうしても作るのが遅くなる。メイシンを待たせないためにも、ここは一つ特技を用いるか。
 まず服を脱ぎ、炊飯器を開ける。そしておもむろに米を取り、わきに当てる。で、わきを閉じる。はい、完成。
 この技なら、1秒で10は作れるだろう。難点はわき毛やら汗が多少おにぎりに付着することだが、まぁ瑣末な事だろう。
 出来上がったおにぎりを山盛り皿に載せ、メイシンに持っていく。
「うぃ、追加だぞー」
「待てたネ!」
 皿を机に置くと、メイシンは恐ろしい勢いでおにぎりを口に入れた。まぁ、自分の作ったものを喜んで食ってもらうと嬉しいよな。
 なんて思って見てると、ぴたりとメイシンの動きが止まった。ゆっくりと自分の手を口の中に入れ、中から何か取り出した。……ちぢれた、毛だ。
「……タカシ。まさかホントに白いの、入れたカ……?」
「ち、違う! んなことやってない! たぶんそれは俺のわき毛だ!」
 俺は誤解を解くため、いかにしておにぎりを製造したか事細かに説明した。
「……そカ。白いのは入れてないカ」
「理解していただいて幸いです」
「……でも、わきで作ったの食べさすなんて最低ネ。タカシは一度死んだ方がいいネ!」
 善意は伝わりにくいものだなぁ、と壁にめり込んだまま思った。

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