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2024年04月24日
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【ツンデレのほっぺにクリームが付いてたので取ってあげたら】

2010年03月03日
 かなみが甘いものが食べたいと言うので、近所の喫茶店にやって来た。
「何にしよっかな……チョコパフェかな、クレープもいいわね。ねータカシ、どっちがいいと思う?」
「どちらにしても贅肉の元だと思うが、クレープの方が贅肉への変換率が低い気がする。いや、カンだが」
 そう答えた瞬間、おしぼりが俺の口に突き刺さった。気に食わない答えのようだ。
「お決まりになったで……そっ、それは食べ物じゃありませんっ! 手を拭くものですっ!」
 注文を聞きにきたウェイトレスさんが俺の惨状を見て驚いていた。
「気にしないでいいわよ。えっと、あたしチョコパフェ。この乙女心がちっとも分かってない馬鹿には水だけでいいわよ」
「勝手に決めるねい。コーヒー頂戴」
 口からおしぼりを取ってから、ウェイトレスさんに注文する。
「は、はい……少々お待ちください」
 俺をちらちら見ながら、ウェイトレスさんは去って行った。
「……惚れられたか? ははっ、困ったな」
「アンタみたいな変人に惚れる奴なんて、この地球上にいないわよ」
「目の前にいますが」
「だっ、誰がアンタなんかに惚れてるってのよ! 自惚れてるんじゃないわよ!」
 再び口におしぼりを入れられ困惑してると、さっきのウェイトレスさんが再びやってきた。
「ま、また食べてる……。え、えっと、チョコパフェとコーヒーになります」
 テーブルの上に注文の品を置き、ウェイトレスさんはなにやら怯えながら一礼して去って行った。
「さって、食べるわよー♪」
「贅肉の元を!」
 また俺の口におしぼりを入れ、かなみはパフェを一口食べた。こいつには一度、俺の口はおしぼり入れではないと教えなければならない。
「ん~! たまに食べるとやっぱおいしいわねー♪」
「……ちょっとうまそうだな。俺にも少し」
「あげないわよ」
「…………」
 かなみは俺の事なんてちっとも気にせず、ぱくぱく食べ続けた。
 パフェの中身が半分ほどなくなった頃だろうか、かなみのほっぺにクリームがついていることに気がついた。
「かなみ、ほっぺにクリームついてるぞ。子供みたいでかーわいい。あと、胸も子供みたいでかーわいい」
「うっさい!」
 かなみはクリームがついてるのとは逆のほっぺを拭った。
「こっちだ、こっち」
 手でクリームを拭い取ってやる。
「ちょっ、ちょっと! 何すんのよ!」
「クリームを拭った。俺の手で」
「分かってるわよ! そうじゃなくて……あああああ!」
 拭った手がべたべたするので舐め取ろうとしたら、かなみがとてもうるさくなった。
「なっ、ななななな、何してんのよアンタ!」
「あー……指の掃除?」
「そっ、そうやって舐めたりしたら、その……、間接キスになるじゃない! ばかばか!」
「気にするな」
「するわよっ! なんでアンタみたいなのとそんなのしなきゃいけないのよ!」
「うーむ……む、名案が浮かんだ! 俺が舐めると間接キスになるので、かなみが舐めてくれれば間接キスにならない!」
 言っておいてなんだが、よりやばいような気がする。
「そっ、そうね。……ん?」
 かなみもおかしいと思っているようだが、考える前に行動させてしまおう。ほら、指ちゅぱされたいし!
「ほら早くほら早くほら早く」
「わ、分かったわよ」
 俺の言葉に急かされるように、かなみは小さく口を開けて俺の指を咥えた。
「ん……」
 舌先でちろちろとクリームを舐め取っているようだ。くすぐったくて、なんだかとても気持ちがいい。
「かなみ、なんかえろい」
「ん……え、えろくなんてないわよ。普通よ、普通」
 喋るために出した指をもう一度口に含み、かなみは目をつむって俺の指をしゃぶった。
「あむ……ちゅ、ちゅちゅ……れろ」
 舌がまるで別の生き物のように俺の指を蹂躙する。指の上から下まで、順番にゆっくりと舐め回される。ぞくぞくした刺激が背骨を駆け下りた。
「ちゅー……ちゅ。……はい、綺麗になったわよ」
 最後に一度大きく吸い込み、かなみは俺の指から口を離した。一筋の涎が指と口とを繋いでいた。
「…………」
「な、何よ。何ぼーっとあたしの口見てんのよ」
「かなみはえろいなあ」
「だから、えろくないって言ってるでしょっ! ……ま、とにかくこれで間接キスはなくなったからいいわ」
「あむ」
「っきゃーーーーっ!!! あ、あ、あ、アンタ! 何してんのよっ!」
 おもむろに指を咥えたら、かなみが奇声をあげた。
「へふひ(別に)」
「別に、じゃないっ! なんであたしが口にした指をしゃぶってんのよ! あたしが舐めた意味ないじゃない! こら、口から離しなさい!」
「なんか甘いような気がする」
「いらんこと言うなッッ!!!」
 とても怒られた。
「あと、指をキレイにするには別に舐める必要はなく、おしぼりか何かで拭けばよかったと思う」
「あ……アンタ、気づいてたならもっと早く言いなさいッ! アンタが急かすから、気づかなかったじゃないのっ! この馬鹿この馬鹿この馬鹿!」
「計算の内です」
「絶対殺すっ!」
 ものすごく怒られた。 

 さんざっぱら怒られ殴られた後、会計をするためレジに向かう。
「アンタ、あれだけのことしたんだから、ここ奢りなさいよね」
「断るとひどい目に遭うような気がするので、払います」
「当ったり前じゃない」
 奢りになった途端、かなみの機嫌が目に見えてよくなった。
 レジには、俺たちに接客してくれたウェイトレスさんがいた。何か俺らを見てぼーっとしてるが……。
「はふー……近頃のカップルはすごいですねえ。お姉さん、ちょっとカルチャーショックを受けましたよ」
「カップルじゃないわよっ! ただの友達よ、友達!」
「友達だけど、指ちゅぱをする関係です」
 いらんことを言ったので、また殴られた。
「あはは……あ、1000円になります」
 お姉さんに1000円札を渡し、外に出る。
「いい? 今日のこと、誰にも言ったらダメだからね」
 外に出た途端、かなみが俺にそう言ってきた。
「今日のこと、というと、かなみが突然俺に指ちゅぱしてきたことか?」
「言うなって言ってるでしょうがッ!」
 俺を叱りつけて、かなみは小さく咳払いをした。
「そ、その、……言わないならさ、またやってあげるから。……その、指ちゅぱっての」
 足を地面にぐりぐり擦りつけながら、かなみは恥ずかしそうに言った。
「絶対に言わない! 墓まで持って行く! なんなら念書も書く!」
「そ、そこまでやらなくていいけど……なに、そんなよかったの?」
「死ぬほど。いや、まさかそこまでしてくれるとは……」
「か、勘違いしないでよ? 別にアンタがしてほしそうだからするんじゃなくて、言いふらされないためにするだけなんだから!」
「て、テンプレだーッ!」
「うっさい!」
 怒られた。
「こほん。……で、その、これから……、する?」
 首よもげよ、とばかりに激しく首を縦に振る。
「そ、そう。……じゃ、あたしの家、行こっか?」
 恥ずかしそうな笑みを浮かべるかなみと一緒に、かなみの家へ行きました。で、色々と。

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