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2019年10月15日
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【ツンデレと一緒にプールで泳いだら】

2010年09月10日
 欠伸をしつつだらだらと登校してると、俺と同じように暑そうにだらだら歩いてる奴発見。
「おっす、かなみ。暑そうだな」
「暑いわよクソ暑いわよ暦の上では秋だってのにこの暑さは何よどうにかしなさいよ!」
 挨拶しただけなのに、ものすごい詰め寄られた。しょうがないのでどうにかする。
「むにゅむにゅむにゅ……どうにか!」
 両手をばっとあげ、大きく叫ぶ。
「どうにもなってない! 暑いまんま!」
 失敗。俺の術は世界に嫌われているようだ。
「もー! 暑い暑い暑い暑い!」
「うるさいなあ……んじゃ、学校終わったらプールでも行くか?」
 プールと聞き、かなみは目を輝かせた。
「あっ……で、でもアンタとなんて行きたくないし。……で、でも、アンタがどーしてもって言うなら、行ってやらなくもないわよ?」
「そこまでして一緒に行きたくありません」
「どーしても一緒に行って欲しいって言え!」
「それもう強制だろ」
「いーから言うの!」
「やれやれ感が非常に強いが……まあいいか。ええと、どうしても一緒に来て欲しい」
「へへー、じゃあしょうがないから行ったげる。感謝するのよ?」
「でもよく考えるとお金がないので行かない」
「行くの! お金ないなら貸したげるから!」
「友人間とはいえ、お金の貸し借りはトラブルの元だからよくないぞ?」
「じゃあもうおごるから一緒に行くの!」
「女性におごられて平気な顔をしていられるほど厚顔無恥でもないからなあ」
「もーっ! どーしろって言うのよ!」
「だから、放課後に学校のプールに忍び込んで勝手に泳ごう」
「水泳部がいるから無理よ、馬鹿」
「そこの部長と部員と顧問の先生の弱み握ってるから大丈夫だ」
「悪魔!?」
 そんなわけで、放課後かなみと一緒に学校のプールで泳ぐことになった。今から楽しみだ。

 放課後。待ちに待ったふわふわプールタイムだ。だがしかし、ここで俺は驚愕の事実に気づいてしまった。
「水着持ってきてねえ……」
 俺一人なら裸の開放感! とか言いながら屋外に飛び出して逮捕されるのも問題ないのだが、かなみも一緒なので色々と問題が山積みだ。あと、よく考えると捕まるので問題ある。
 どうしたものかと頭を悩ませながら廊下を歩いてると、見るからに浮かれているかなみがスキップしながらこっちにやってきた。
「あっ……あ、あーあ。とうとう放課後になっちゃったわね。あーあ、やだやだ」
 俺を見た途端スキップをやめ、かなみは殊更嫌そうに顔をしかめた。
「もうちょっと前からそういう所作はお願いします」
「う、うっさい、ばか! 暑いからプールが楽しみなだけ! アンタと一緒なのは嫌なんだからね!?」
「それは丁度よかった。実は水着を持ってきてなくて、俺は泳げそうにないんだ。だから、お前だけ泳いでくれ」
「えっ……」
「それでも一応水泳部には話つけておくよ。まあ、俺がいなくても平気だろ?」
「あ、当たり前でしょ。……で、でも、そなんだ。一緒じゃないんだ。……そ、それはラッキーね。……らっきー」
 ラッキーならそれらしい顔をして。そんな今にも泣きそうな顔しないで。
「と、とりあえずプール行くか」
「……うん」
 ものすごい落ち込んだかなみを連れてプールへ向かう。その途中、購買部の前を通りがかった。
「あ。かなみ、ちょっと待ってて」
「うん? ……うん、待ってる」
 かなみをその場に置いて購買部に入り、ちょちょっと買い物する。
「お待たへ。行こ」
「ん」
 相変わらずしょげかえってるかなみを連れ、プール前へ到着。
「んじゃちょっと話つけてくるから、その間に着替えてて」
「……ん」
 背中からとんでもない悲壮感を噴出してるかなみを見送り、顧問がいる部室棟へ侵入、必殺の弱みを使ってプールの一レーンを借りることに成功。
「ううう……気をつけてたのに、気をつけてたのに……。一体どこで仕入れてくるのよ、そんな写真!」
「コミケ等」
 見た目はボーイッシュで普段は男らしい格好を好む先生の、ありえないほどフリフリロリロリした衣装で決めポーズしてる写真を片手に高笑いする。
「ところでこの服何? さくら? CCさくら? 今更感が強いですが、今でも根強い人気が俺内部であるのではにゃーんとか言え」
「はにゃーんッ!」
 殴られはしたが、そんな感じでプールを借りられたので、今度は男子更衣室へ向かう。さて、と。

「……あー、涼しいわね。……あー、楽しい。……ふん。ばか」
「独り言とは楽しそうで何よりですね」
「うっさい! ……え、あれ?」
「どした、狐につままれたような顔をして」
 実際にかなみのほっぺをふにーっと引っ張る。やーらかくて素敵。
「え、だって、水着ないんじゃ……?」
「購買部で買った」
「……わ、わざわざ?」
「かなみと一緒に泳ぎたかったからな」
 やめて。そんな染み渡るような笑顔見せないで。そこまで喜ばれると恥ずかしいです。
「はっ! ……へ、変態。そこまであたしと一緒に泳ぎたかったなんて、泳いでる最中にあたしの身体を触るつもりね!?」
「酷い言われようだ。もう泳ぐのやめようかなあ」
「えっ、嘘! やだ、ダメッ!」
 かなみは俺を抱きつくようにして引き止めた。
「……あ、いや、冗談なんだけど」
「うっ! ……う、うぅ~! ず、ずるい!」
 冗談と気づき、かなみは俺からぴょいんと離れると顔を真っ赤にして俺を責めた。
「ずるいと言われても」
「わざとそーゆーこと言ってあたしを抱きつくように仕向けた! ずるい!」
「や、そこまで好かれてるとは思ってませんでした」
「だっ、誰がアンタなんかを好きってのよ!? あ、アンタなんてだいっ嫌いなんだからっ!」
「へー」
「う、嘘なんかじゃないわよ! ホントのホントに嫌いなんだからねっ!」
「じゃあ、そんな嫌いで嫌いでしょうがない俺と一緒に泳いだりはしないのだな?」
「……お、泳ぐけど。一緒に泳ぐけど! でも嫌いなの!」
「ほへー」
「超馬鹿にしてえ! 嫌いなの! ホントにホントにホントにホントに!」
「ライオンだー」
「富士サファリパークは関係ないッ!」
「あれ歌ってるの和田アキ男とみせかけ、実は違う人らしいな」
「知んないわよっ! ……て、ていうか、なんかさ。そっちはどうなのよ」
「何が」
「だ、だから、その……あ、あたしのことをさ。その……す、好き? とか、そーゆーの」
「え」
「……や、やっぱなし! 今のうそ! なんもなし!」
 かなみは素早く水に潜ると、ぴうーっと潜水したまま泳いでいってしまった。
「ふ……甘いぞ、かなみ! ぼくドザエモンの異名を持つ俺に勝てると思ったか!」
 近くの水泳部員が「水死体……?」と怪訝な顔をしているのを尻目に、かなみを追いかける。
「わっ、なんか来た! くっ、来るなっ、ばかっ!」
「ふふん。俺様から逃げられると思ったら大間違いだ!」
 かなみの尻目掛けざぶざぶ泳ぐ。目の前の尻がふりふり動くたび、俺の運動能力が+1されるのを確かに感じる。
 10mほど泳いだ所でかなみを捕獲成功。後ろからがっしとかなみを掴み、動きを封じる。
「うー! ううー!」
「こら、暴れるな、ばか」
「馬鹿はそっちよ! 馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿!」
「馬鹿でいいから落ち着け」
「うぅー!」
「まあ、なんだ。答えを言う前に逃げられたので、一応は言っておこうと思いまして」
 ぴたり、とかなみの抵抗が止んだ。じぃーっと物言いたげな視線が俺を貫く。その視線の持ち主の耳元に顔を近づける。
「うっ……ばっ、ばかっ!」
 口を開く前にかなみは俺を突き飛ばすと、ばしゃばしゃと水をかけた。
「ぷわ。ぷわ。ぷわ」
「ばっ、ばか! ばかばか! ばかばかばか!」
「馬鹿馬鹿言うな。ぷわ。自覚はしてる。ぷわ。ていうか水をかけるのやめろ。ぷわ。まだ言ってないんだから」
「うっ、うるさい、ばか! アンタの気持ちなんてどーでもいいわよ! どっちにしろ、あたしはアンタなんて大嫌いなんだからっ!」
「嫌いであろうとなかろうと、俺の気持ちは別に」
「わ、わーっわーっわーっ! 聞こえない聞こえない聞こえないーっ!」
「ちくわ大明神」
「全く関係ないッ!」
 聞こえてるじゃん。
「うう……なによ、この敗北感は!」
「知らん。ていうかなんか疲れた。もう普通に泳ごうぜ……」
「そ、そうね。普通が一番よね」
 そんなわけで、かなみと一緒にしばらく泳ぐ。
「あー……涼しくて気持ちいいわねー。プールって大好き!」
「全くだな」
「でしょ? アンタもそう……」
 油断してるかなみに背後からすいーっと近づき、耳元でぽしょぽしょ囁く。
「!!!!?」
 そしてすぐさますいーっと逃げる。
「こっ、こら、ばか! そ、そういうこと言うだけ言って逃げるとかずるい! ばか、ばかばか!」
「いやははは、これでも人並みに羞恥心がありましてね。ああ、返事はまた後日で結構」
「ばか、ばかばか、ばかばかばか! 今すぐ返事言わせろ、ばかーっ!」
 真っ赤な顔で泳いでくるかなみから逃げるぼくドザエモンだった。

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