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2019年10月15日
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【お腹痛いツンデレ】

2010年01月25日
 放課後になったのでふらふら部室にやってきたら、既にかなみがいた。
「うぃす。早いな」
「お前が遅いんだ、ばかー……」
 かなみは席に着いたまま、ぐでーっと頭を机に乗せていた。いつものように悪態は吐いているものの、どこか元気がない。
「どした、どっか痛いのか?」
 頭をもふりながらそう言ったら、途端、かなみはぴんっと背筋を伸ばした。
「ぜっ、ぜんっぜん! どっこも痛くない!」
「…………」
「ほ、ホントだよ? どこも痛くないよ?」
 じーっとかなみを見つめる。頭、顔、鎖骨、胸、……腹。そこに手が添えられていた。
「腹?」
 びびくんっとかなみの身体が跳ねた。
「な、なんで分か……はっ!」
「……はぁ。とっとと保健室行くぞ」
「嫌だー! 注射とか打つんだろ!」
「言うこと聞かないと医師免許を持ってない俺が打つ」
「悪魔だーっ!」
 そんなわけで、引きずるように(というか、後半担ぎ上げた)かなみを保健室へ連行する。
「これこれこういうわけなんで、先生、ここは一つ特大で極太で激痛の注射を」
「そんなのお前が打たれろーっ!」
「お薬飲みましょうね」
 残念なことに注射は打たないようだ。しかし、ここでまた問題が発生。
「嫌だ! 薬なんか飲まなくても、寝てれば治る!」
「断るな。お前のことだ、どうせ苦い薬が嫌なだけだろう」
「そっ、そそそ、そんなことない……ヨ?」
 目が泳いでる。汗も大量に発生している。吹けもしない口笛も吹いている。……ここまでコンボを決められると、逆に感心する。
「はぁ。困ったわねえ、先生ちょっと出ないといけないし」
 先生は頬に手を当て、ため息を吐いた。ちらりとこちらに視線を向ける。
「じゃ、後は俺に任してください。注射器のある場所だけ教えてくれれば、後はなんとかします」
「すぐ注射しようとすんな、ばかーっ!」
 逃げようとするかなみを追いかけ、どうにか捕まえる。
「うーっ! 離せ、ばかーっ!」
「暴れるな。先生、鎮静剤を」
「はいはい。丁度いいからそのまま持っててねー」
「きゃうわっ!?」
 先生はかなみの前へやってくると、めろりと制服をまくった。すわ百合行為が俺の目の前に、と思ったが、違ったみたい。
「……うーん、ね、かなみちゃん。ここ押すと痛い?」
「う、ううん」
「ここは?」
「……うー、ちょっと痛い」
 先生は触診しているようだ。かなみのお腹に手を当て、何か探っている。
「なんだ。それなら俺も触診したかった。胸とか」
 思ったことを言っただけなのに、かなみが獣のような目で睨んできたのでしないことにする。
「……うん、ただの腹痛ね。寝てれば治るわ」
「だから言ったのにぃ……」
 終わったようなので、拘束を解く。かなみは俺を一発蹴ってから慌てて逃げた。
「いちいち蹴るな」
「うっさい、ばか!」
「はいはいはい、喧嘩しない。じゃ、かなみちゃん。そういうことなんで、しばらく休んでおいてね」
「うん!」
 かなみはすっごい笑顔を先生に見せると、ベッドに飛び乗った。そのままぼふぼふスプリングの柔らかさを楽しんでいる。
「跳ねるな」
「お前の言うことなんて聞かないもんねー」
「かなみちゃん、跳ねたりしちゃダメよ」
「はーい!」
 先生の言うことなら素直に聞きやがる。……寝てる間にその馬鹿みたいにでかいリボンを赤から黒にしてやる。
「……? なんだろ、寒気がする」
「じゃ、先生ちょっと出てくるから、別府くん、後は頼むわね」
「えーっ!? コイツいるの? ……いたづらされそうで嫌だなあ」
 先生がぼくを犯罪者を見る目で見ます。
「……うん。分かった、します!」
「先生助けて!」
「……じゃ、後は任せるわね」
 どこか疲れた様子で先生は部屋から出て行った。後に残される我ら二人。
「……ホントにいたづらしたら、教頭せんせーに言って退学にしてもらうかんね」
「じゃあ今のうちに校長に根回ししとく」
「ず、ずるい!」
 同好の士なので、校長とは仲が良い。たまに泣かすが。
「冗談はともかく、寝てろ。腹痛いんだろ?」
「んー……なんか、お前とぎゃーぎゃー言いあってたら、ちょっと戻った」
「いーから寝てろ」
 起き上がろうとするかなみの頭を押して、ベッドに寝かせる。近くにあったパイプ椅子を持ってきて、そこに座る。
「見ててやるから、安心して寝ろ」
「よけーに寝れないっての……」
 ぶつくさ言ってるかなみの頭をくしゃくしゃっとしてから、持ってた文庫本を取り出し、暇を潰す。
「……うー」
 全体の2割ほど読んだ頃だろうか、かなみが声をあげた。
「どした? 腹痛むのか?」
「……ちょっと」
「だから薬飲めって言ったのに……」
「う、うるさいっ! 過ぎたことをぐにゃぐにゃ言うな、ばかっ!」
「ぐにゃぐにゃは言わんが……しかし、どこに何の薬があるか分からないしなあ」
 勝手に探るのもまずいだろうし……仕方ないか。
「うにゃっ!?」
 布団に手をつっこみ、そのままかなみの腹にも手をつっこむ。
「なななななな、なに!? いたづらするのしてるのされてるの!?」
「落ち着け、ただの手当てだ。何もしないよりマシだろ」
 そのまま、ゆっくりかなみの腹をさする。
「うう……私のお腹が陵辱されてる」
「よくもまぁ人聞きの悪い言葉がポンポン出てくるな」
 言葉は俺を全否定していたが、それ以上嫌がる様子もなかったので、そのまま続けて腹をさすりつづける。
「どうだ? ちょっとはマシか?」
「んー。もうちょっとやんないと分かんないカモ」
「間違って手を上部に動かし、乳を揉みしだく可能性があるが、言われた通りもうちょっとお腹をなでます」
「…………」
 悪魔のような目で見られたので、乳は揉まない。
「……まったく、お前は私の魅惑のぼでぃーに釘付けだな」
「貧乳が大好きだからね!」
「ひっ、貧!?」
「ていせい。無乳が大好きだから!」
「無ーっ!?」
「だって、ほら」
 布団をまくりあげ、さらに制服もまくりあげる。仰向けに寝てるせいか、全くと言っていいほど膨らみのない胸部と、その真中にある桜色の蕾が──って。
「ブラが──ない!?」
「にゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
「あぐっ」
 かなみは俺のあごを蹴り上げ、すぐさま布団を被りなおした。
「みっ、みっ、みっ、見ーっ!?」
「あいたたた……いや、あの、まさか直で制服だとは思いませんでしたので」
「うう……うううううー!」
 見る間にかなみの瞳に涙が溜まっていく。大変いけない。
「いやそのあの、ごめんなさい。故意ではないにしろ、許されることではないです」
 地面にぺたーっと土下座する。おでこも床にぐりぐりこすりつける。
「……わざとじゃないのだな?」
「自身に誓って」
「……ぐすっ。じゃ、許す」
「…………」(ニヤリ)
「計算どーり!? やっぱ絶対許さない!」
「冗談だよ。いやはや、よかった」
「私のおっぱい見れてか!?」
「いや、それはもちろんそうですけど、そうじゃなくて、許してもらえて」
「う、にゅ……」
 かなみはしばらく自分の手をこねこねこねていたが、やがてちらりとこちらに視線を向けた。
「……お腹、痛くなくなるまでさすってくれてたら、許す」
「そいつぁ願ってもない命令だ」
「でっ、でも次おっぱい見たら許さないからなっ!? 絶対だかんな!」
「あんま女の子がおっぱいおっぱい連呼するな」
「誰のせいだっ!?」
 依然ぎゃーぎゃーうるさいかなみのお腹を、ずっとさすっていた。

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