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2019年10月15日
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【関西にたこ焼きっておいしくないよなっていったら】

2010年01月31日
 いずみが腹が減ったと言うので、学校帰りに屋台のたこ焼きを食うことになった。公園のベンチに座り、いずみと並んでたこ焼きをほうばる。
「はふはふ……はふ。あふひはー、タカひゃん」
「そうだな、断然後者の方がタイプだ」
「何の話やねん!」
「何言ってんだか全く分からなかったので、ボンキュッボンとつるぺたーんどちらが好み? と聞かれたと思い込んだ」
「そんな長いこと喋ってへんし、そんなこと聞かへん! タカちゃんのあほー!」
「ふふん」
「なんで嬉しそうやねん……あんな、熱いなあって言うてん」
「なんだ、たこ焼きの話か。……これ、うまいか?」
 そう言った途端、いずみの目が妖しく光った。いかん、と思ったが後の祭り。
「あったり前やんか! こんなおいしいもん、世界中探してもないで! ええか、小麦粉っちゅうんは何にでもあうねん。それを丸めて、しかもタコ! タコやで、タコ入れて焼いてんで、おいしいに決まってるやんか!」
「あ、ハト。くるっくー」
「ウチの話聞けっ!」
 いずみがどでででーと駆けてハトを蹴散らす。
「負けるか!」
「ひゃああああ!?」
 負けん気を刺激されたので、ハトを蹴散らしたいずみを蹴散らす。
「ウチを蹴散らすな!」
「いや、つい」
「ついやない! タカちゃんのあほー!」
 申し訳なく思ったので、いずみの頭をなでて労わる。
「こ、こんなんで誤魔化されるほど、ウチ子供やないもん」
「悪かった。金輪際なでない」
 いずみが物凄く恨みがましい目で僕を見ます。
「……タカちゃんのあほー」
「たこ焼きなんておいしくないって宣言したら、なでなでを再開する」
「…………。だっ、誰がそんなこと言うか、あほー!」
「その間は何ですか」
「なんでもあらへん! なでなでなんてしてほしないわ、あほー! タカちゃんのあほー!」
「阿呆ではないむしゃむしゃ」
「むしゃむしゃて……たこ焼き食うてるやないの! しかも、ウチの! 食うな!」
「うまひ」
「まずい言うてたやんか! どういうこっちゃ!」
「いや、前にいずみが作ってくれたのに比べたらおいしくないな、って話。これ単品だとそこそこ美味いよ?」
「……そ、そないか。そーゆーことやったらええわ」
「いずみさん、いずみさん」
「な、なんやねんな」
「顔赤いぞ」
「あっ、赤ないわっ! あほー! タカちゃんのあほー!」
「湯気が出そうな勢いで赤いのは俺の気のせいなのか」
「き、気のせいに決まってるやろ! 性格に加えて、目まで悪なったんちゃう?」
「成長の悪い奴は言うことが違うな。いつ第二次性徴が来るんだ?」
「うっさい!」
「もがもがもが」
 口の中に次々たこ焼きが詰められる。とても熱い。
「ふー……あああああ! 全部詰めてもーたやんか! もー、何すんねんな! タカちゃんのあほー!」
 俺は悪くない、と思いながら口の中のたこ焼きを必死で咀嚼する。もぐもぐごくん。
「げふー」
「うー……ウチのたこ焼きやのにぃ……。ウチがげふー言いたかった……」
「俺のことは気にせず言えばいい。さんはい」
「げふー。……たこ焼きでお腹一杯なってから言いたいんや!」
「ふむ。じゃ、自分で作ればいいじゃない。そして俺にも食べさせればいいじゃない」
「……タカちゃん、ウチの作るたこ焼き、食べたいん?」
「食べたい」
「しゃ、しゃーないなあ。そこまで言うんやったら作ったるわ。あーめんどくさ♪」
「じゃあいい」
「作るから食え! 食べへんかったら殺す!」
 知り合いに脅迫される放課後だった。

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