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2026年03月17日
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【おばあちゃんの家に行くとおやつに出てくる、仏壇に供えてある四角くて砂糖コーティングの不味いゼリーの商品名が思い出せないツンデレ】
2010年04月05日
「うーんうーんうーん」
自分の席で漫画読んでたら、ボクっ娘がやってきてうんうん唸りだした。
「便秘だな。尻出せ」
「違うよっ! スカートめくんな!」
スカートをまくったら怒られた。今日もボクっ娘のパンツは白い。
「じゃあなんだ? 便秘か? 尻出せ」
「だから違うよっ! いちいちスカートめくんな! 犯罪ってこと分かってる!?」
何度めくってもパンツが白い。大変喜ばしい。
「もー、ばか。……えっとね、こないだおばあちゃんの家行ったんだ」
「ふんふん」
「それでね、おばあちゃんにお菓子もらったんだ。仏壇に供えてたゼリー」
「ほうほう」
「四角くて砂糖のコーティングがしてるやつ。……それの名前がどーしても思い出せないんだ。タカシ、知らない?」
「わははは」
「珍しくちゃんと話を聞いてると思ったら漫画読んでる!?」
「梓あずさ、これ見ろこれ。すげー面白いぞ」
「見ないよっ! ボクの話聞けっ!」
「そう怒るな。漫画を読みつつも話は聞いてたから大丈夫だ」
「本当かなぁ……」
「成長したら大きくなる可能性がないわけでもないから、希望は捨てるな。俺は小さい方が好きだけど」
「そんな話してないっ! タカシのえっち変態ロリコニア!」
適当言ったら怒られた。ロリコニアって何?
「やっぱり聞いてなかったんだね。……はぁ、もっかい言うよ」
ため息一つ吐いて、梓はもう一度おばあちゃんゼリーの話をした。
「……ってワケ。タカシ、知らない?」
「知ってる。梓の言うゼリー状の菓子とは、婆さんのエキスを固めたものだ」
「違うよ! 気持ち悪いよっ! 想像しちゃったじゃん!」
「婆さんが風呂に入った後の湯を抽出し、そうして出来たエキスを三日三晩煮詰めると、ゼリー状の菓子“婆寒天”になります」
「ならないよっ! 嘘説明するな、ばかっ!」
「熟女好きには堪らないんじゃないか? 俺は勘弁願いたいけど」
「ボクだって勘弁願いたいよ! もー、タカシは適当ばっかり言って困るよ……」
「俺から適当を取って、一体何が残ると言うのだ!?」
「逆切れされた!?」
何かショックを受けてる梓をよそに、俺から適当を取ったら何が残るか考える。
「……ふむ、美男子が残るな。うむ、それだけ残れば満足だ」
「変な顔の性犯罪者が残るんじゃないの?」
真顔で大変失礼なことを言う娘さんのほっぺを引っ張る。
「ひへへへへ! ひはひ、ひはひほ!」
「やあ、愉快な顔だ」
愉快な顔に満足したのでほっぺから手を放す。
「うー……取れたらどうすんだよぉ!」
「大変だと思う」
「そうじゃなくて! ……うぅ、やっぱ適当だ」
「そうでもないぞ。取れた後のほっぺの保管場所をどこにするか今も考え中だ」
「そんなどーでもいいこと考えてないで、一緒にゼリーのこと考えてよ」
「しかし、ほっぺが! 取れたほっぺのことを考えるとあまりに不憫で、俺にはほっぺを見捨てることなんてできない!」
「取れないから考えなくていいよっ!」
「じゃあ、まずは取る方法から考えよう」
「考えるなッ! いーからゼリーゼリーゼリー! ゼリーのこと考えてよ!」
「おいしいよね」
「そうじゃなくて!」
「……うむ、たまにはゼリーもいいな。梓、帰りにコンビニでゼリー買うぞ」
「え、いやそうじゃなくて、ボクはおばあちゃんちのゼリーのことを……」
「奢ってやるからお前も来い」
「え、ホント? 行く行く行く!」
おごりという餌をぶらさげることにより、誤魔化すことに成功。……帰ったらゼリーのこと調べるか。
自分の席で漫画読んでたら、ボクっ娘がやってきてうんうん唸りだした。
「便秘だな。尻出せ」
「違うよっ! スカートめくんな!」
スカートをまくったら怒られた。今日もボクっ娘のパンツは白い。
「じゃあなんだ? 便秘か? 尻出せ」
「だから違うよっ! いちいちスカートめくんな! 犯罪ってこと分かってる!?」
何度めくってもパンツが白い。大変喜ばしい。
「もー、ばか。……えっとね、こないだおばあちゃんの家行ったんだ」
「ふんふん」
「それでね、おばあちゃんにお菓子もらったんだ。仏壇に供えてたゼリー」
「ほうほう」
「四角くて砂糖のコーティングがしてるやつ。……それの名前がどーしても思い出せないんだ。タカシ、知らない?」
「わははは」
「珍しくちゃんと話を聞いてると思ったら漫画読んでる!?」
「梓あずさ、これ見ろこれ。すげー面白いぞ」
「見ないよっ! ボクの話聞けっ!」
「そう怒るな。漫画を読みつつも話は聞いてたから大丈夫だ」
「本当かなぁ……」
「成長したら大きくなる可能性がないわけでもないから、希望は捨てるな。俺は小さい方が好きだけど」
「そんな話してないっ! タカシのえっち変態ロリコニア!」
適当言ったら怒られた。ロリコニアって何?
「やっぱり聞いてなかったんだね。……はぁ、もっかい言うよ」
ため息一つ吐いて、梓はもう一度おばあちゃんゼリーの話をした。
「……ってワケ。タカシ、知らない?」
「知ってる。梓の言うゼリー状の菓子とは、婆さんのエキスを固めたものだ」
「違うよ! 気持ち悪いよっ! 想像しちゃったじゃん!」
「婆さんが風呂に入った後の湯を抽出し、そうして出来たエキスを三日三晩煮詰めると、ゼリー状の菓子“婆寒天”になります」
「ならないよっ! 嘘説明するな、ばかっ!」
「熟女好きには堪らないんじゃないか? 俺は勘弁願いたいけど」
「ボクだって勘弁願いたいよ! もー、タカシは適当ばっかり言って困るよ……」
「俺から適当を取って、一体何が残ると言うのだ!?」
「逆切れされた!?」
何かショックを受けてる梓をよそに、俺から適当を取ったら何が残るか考える。
「……ふむ、美男子が残るな。うむ、それだけ残れば満足だ」
「変な顔の性犯罪者が残るんじゃないの?」
真顔で大変失礼なことを言う娘さんのほっぺを引っ張る。
「ひへへへへ! ひはひ、ひはひほ!」
「やあ、愉快な顔だ」
愉快な顔に満足したのでほっぺから手を放す。
「うー……取れたらどうすんだよぉ!」
「大変だと思う」
「そうじゃなくて! ……うぅ、やっぱ適当だ」
「そうでもないぞ。取れた後のほっぺの保管場所をどこにするか今も考え中だ」
「そんなどーでもいいこと考えてないで、一緒にゼリーのこと考えてよ」
「しかし、ほっぺが! 取れたほっぺのことを考えるとあまりに不憫で、俺にはほっぺを見捨てることなんてできない!」
「取れないから考えなくていいよっ!」
「じゃあ、まずは取る方法から考えよう」
「考えるなッ! いーからゼリーゼリーゼリー! ゼリーのこと考えてよ!」
「おいしいよね」
「そうじゃなくて!」
「……うむ、たまにはゼリーもいいな。梓、帰りにコンビニでゼリー買うぞ」
「え、いやそうじゃなくて、ボクはおばあちゃんちのゼリーのことを……」
「奢ってやるからお前も来い」
「え、ホント? 行く行く行く!」
おごりという餌をぶらさげることにより、誤魔化すことに成功。……帰ったらゼリーのこと調べるか。
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【ツンデレに捧げる殺し文句】
2010年04月05日
なんでも、この世界には殺し文句というものがあるらしい。それを使うと、メロメロになるとか。
「何にやにやしてんのよ。笑うのは勝手だけど、こっち見ないでくれる?」
なれば、隣の席で不機嫌そうに俺を睨むレミットも俺にメロメロになるという訳だな。よし、いくぞ!
「レミット。……キミの瞳に乾杯」
死ねって言われた。
「なんで!? 殺し文句ですよ!? なんでメロメロにならない!?」
殺すぞって言われた。
「……照れ隠し?」
5回くらい殴られた。
「すいません、調子に乗りました」
もう殴られるのは嫌なので素直に土下座する。
「……ったく。殺し文句言うなら、もうちょっとマシなの言いなさいよ」
「分かった、ちょっと待て。いま調べるから」
携帯を取り出し、殺し文句検索開始。……終了。
「よし、完璧だ。惚れる準備はOKか?」
「惚れないから大丈夫」
「…………。い、言うぞっ! ”僕に会いたい”っていう願いは叶ったよ。さぁ、あと二つの願いは何だい?」
「うわ、サイテー。自意識過剰すぎ」
「あれぇ!? 殺し文句ですよ!? 一位ですよ!?」
「どんなとこで調べたのよ、ちょっと見せなさい」
見せなさい、と言いながら俺の携帯を奪うレミット。
「……アンタこれ、殺し文句ワースト30じゃない!」
投げつけてきた携帯をどうにか受け止める。
「や、でも一位だし、その」
「意味ないじゃない!」
「……それもそうな。レミット、貴方は何て言われたらメロメロになりますか?」
「別にそういうのないし、あってもアンタには教えない」
「じゃあ適当に考えるる。……お嬢ちゃん、チョコレートあげるからお兄ちゃんと結婚しよう」
「すごい台詞ね……」
おやつ用チョコレートを差し出すと、レミットは呆れたように口を開いた。
「惚れた? 惚れた? 結婚しよう」
「しない。……それを殺し文句と考えるアンタが少し哀れだけど、なんでそんな子供相手の台詞を?」
「や、胸が子供っぽいし」
馬乗りされて殴られた。
「褒め言葉なのに殴るとはどういうことか!」
「褒めてないッ!」
そんなつもりはないのだが、どうにも火に油を注いでいるように思えて仕方がない。
「……もしかして、貧乳を気にしているのですか? 今の世は貧乳の方が人気高いですよ? 俺とかに」
「それは嬉しいわねッ!」
嬉しいと言いながら俺の頭を鷲づかみにして潰しにかかるのはどういうことか。
「……ったく、ホントに馬鹿ね。殺し文句の一つも言えないなんて」
泣いて謝り解放された後、頭が取れてない事を確認している俺にレミットは馬鹿にしたように言った。
「むぅ……やっぱこういうのは苦手だな。思ったことしか言えねーや」
「馬鹿ねー。それなら人の言葉なんか使わないで、思ったこと言えばいいじゃないの」
「……と言ってもなぁ。レミットが好きで好きで仕方ないっていう想いに足る言葉が、俺の語彙の中にゃ見当たらないんだ」
「なっ……!」
どうしたらいいかな、と思いながらレミットを見ると、なんだか顔が赤い。
「どしたレミット? 顔が赤いようだが……」
「う、うるさいっ! なんでもないっ!」
なんでもないはずがないのだが、しつこく言うと殴られるので追求を止める。
「ふむ……言葉じゃとても伝えきれないな。どうだろう、言葉ではなく態度で示してはダメかな?」
「た、態度?」
「キスとかどうだろう? きっと俺の熱い想いが伝わるかと」
「き、き、き、キス!? ふざけるにゃ、誰がアンタなんかと! ばーかばーかばーか!」
両手の指で口の端を引っ張って舌を出すと、レミットは駆け足で教室を出て行った。
「……んー、ままならんなぁ」
「あはは、別府くんて鋭いんだか鈍いんだか分からないね」
そばで見ていた女生徒のよく分からない言葉に、俺は変な顔で応戦した。すごい笑われた。
「何にやにやしてんのよ。笑うのは勝手だけど、こっち見ないでくれる?」
なれば、隣の席で不機嫌そうに俺を睨むレミットも俺にメロメロになるという訳だな。よし、いくぞ!
「レミット。……キミの瞳に乾杯」
死ねって言われた。
「なんで!? 殺し文句ですよ!? なんでメロメロにならない!?」
殺すぞって言われた。
「……照れ隠し?」
5回くらい殴られた。
「すいません、調子に乗りました」
もう殴られるのは嫌なので素直に土下座する。
「……ったく。殺し文句言うなら、もうちょっとマシなの言いなさいよ」
「分かった、ちょっと待て。いま調べるから」
携帯を取り出し、殺し文句検索開始。……終了。
「よし、完璧だ。惚れる準備はOKか?」
「惚れないから大丈夫」
「…………。い、言うぞっ! ”僕に会いたい”っていう願いは叶ったよ。さぁ、あと二つの願いは何だい?」
「うわ、サイテー。自意識過剰すぎ」
「あれぇ!? 殺し文句ですよ!? 一位ですよ!?」
「どんなとこで調べたのよ、ちょっと見せなさい」
見せなさい、と言いながら俺の携帯を奪うレミット。
「……アンタこれ、殺し文句ワースト30じゃない!」
投げつけてきた携帯をどうにか受け止める。
「や、でも一位だし、その」
「意味ないじゃない!」
「……それもそうな。レミット、貴方は何て言われたらメロメロになりますか?」
「別にそういうのないし、あってもアンタには教えない」
「じゃあ適当に考えるる。……お嬢ちゃん、チョコレートあげるからお兄ちゃんと結婚しよう」
「すごい台詞ね……」
おやつ用チョコレートを差し出すと、レミットは呆れたように口を開いた。
「惚れた? 惚れた? 結婚しよう」
「しない。……それを殺し文句と考えるアンタが少し哀れだけど、なんでそんな子供相手の台詞を?」
「や、胸が子供っぽいし」
馬乗りされて殴られた。
「褒め言葉なのに殴るとはどういうことか!」
「褒めてないッ!」
そんなつもりはないのだが、どうにも火に油を注いでいるように思えて仕方がない。
「……もしかして、貧乳を気にしているのですか? 今の世は貧乳の方が人気高いですよ? 俺とかに」
「それは嬉しいわねッ!」
嬉しいと言いながら俺の頭を鷲づかみにして潰しにかかるのはどういうことか。
「……ったく、ホントに馬鹿ね。殺し文句の一つも言えないなんて」
泣いて謝り解放された後、頭が取れてない事を確認している俺にレミットは馬鹿にしたように言った。
「むぅ……やっぱこういうのは苦手だな。思ったことしか言えねーや」
「馬鹿ねー。それなら人の言葉なんか使わないで、思ったこと言えばいいじゃないの」
「……と言ってもなぁ。レミットが好きで好きで仕方ないっていう想いに足る言葉が、俺の語彙の中にゃ見当たらないんだ」
「なっ……!」
どうしたらいいかな、と思いながらレミットを見ると、なんだか顔が赤い。
「どしたレミット? 顔が赤いようだが……」
「う、うるさいっ! なんでもないっ!」
なんでもないはずがないのだが、しつこく言うと殴られるので追求を止める。
「ふむ……言葉じゃとても伝えきれないな。どうだろう、言葉ではなく態度で示してはダメかな?」
「た、態度?」
「キスとかどうだろう? きっと俺の熱い想いが伝わるかと」
「き、き、き、キス!? ふざけるにゃ、誰がアンタなんかと! ばーかばーかばーか!」
両手の指で口の端を引っ張って舌を出すと、レミットは駆け足で教室を出て行った。
「……んー、ままならんなぁ」
「あはは、別府くんて鋭いんだか鈍いんだか分からないね」
そばで見ていた女生徒のよく分からない言葉に、俺は変な顔で応戦した。すごい笑われた。
【野性っ娘 試作】
2010年04月05日
今日も遅刻。なので、全力で学校へ向かってます。
なのに、どうして曲がり角でぶつかりますか。あれですか、フラグが立ちましたか。
「う……いたた、おまえ、なにするのだ!」
うちの高校の制服に身を包んだ小さな娘さんが、座ったまま話しかけてきた。パンツ丸出しはサービス?
「パンツを見てる。朝からありがとう」
「パンツ……うきゃっ!」
娘さんは猿のような声を出し、慌ててスカートでパンツを隠した。そして赤い顔で俺を睨む。
「おまえ、見たのだ! ナコのパンツ見たのだ!」
「うん、見た。目を閉じれば鮮明に思い出せる」
目を閉じると、脳裏に純白の美しいパンツが蘇る。それだけでなく、火花まで現れた。ていうか痛い。
「……なぜ殴る?」
「当たり前なのだ! 朝から不愉快なのだ!」
娘さんは俺を置いて、土煙を巻き上げとんでもない速さで行ってしまった。
……何者だ? とにかく、俺も行こう。
頑張って走っていると予鈴が聞こえた。さらに走って学校へ。教室へ入ると同時にチャイムが。
「ぜはーぜはーぜはー……。セーフ?」
「アウト」
担任の無慈悲な言葉に、がくりと膝をつく。
「もう帰ろう……」
「ああ待て待て、帰るな。折角生徒が増えたというのに」
担任の言葉に、俺は今更ながら教師の隣に立つ生徒に気がついた。
「ナコだ、よろし……おまえ、さっきの!」
「はじめまして、別府タカシです」
「はじめまして違うのだ! さっき会ったのだ!」
「なんだ二人とも、知り合いだったのか?」
担任の言葉に、娘さんは憤って言った。
「こんな奴、知り合い違うのだ!」
「好きな食べ物は玉子焼きです」
「聞いてないのだ! さっきからおまえ何言ってるのだ!?」
「のだのだうるさいなぁ。おまえはバカボンのパパか?」
「のだなんて言ってないのだ! バカボンてなんなのだ!?」
すげえ言ってます。バカボンは愉快な漫画です。
「あー……まあいい。とにかく席に着け、別府」
担任に言われるがまま、のたのたと窓際の席に着く。
「……うぉっほん。あー、アフリカっぽい所からの交換留学生、ナコさんだ。みんな、仲良くしろよ」
「えっと、ナコなのだ。そこの変な奴! 以外、よろしくなのだ。仲良くして欲しいのだ」
変な奴、という所で俺付近を指した。可哀想に、いきなり誰か嫌われてるな。
「席はそこだ」
担任の指した場所は、さきほどナコとかいう奴が指した場所と同じだった。ていうか俺の前の席が空いてる。
「あ、あいつの近くは嫌なのだ! 別の場所がいいのだ!」
「誰を嫌ってるのか知らないが、わがままはよくないぞ」
「おまえを嫌ってるのだ!」
ナコをたしなめると、驚くべき言葉が返ってきた。
「それは知らなかった」
「ずっと言ってるのだ! どうにかしてほしいのだ、先生!」
「まぁ、別府のことは諦めろ。そのうち慣れる」
担任の言葉に諦めたのか、ナコは肩を落として俺の方へやってきた。
「これからよろしくな、ナコたん」
「馴れ馴れしく呼ぶな! 話しかけるな! たんとかつけるな!」
親愛の情を示したら、拒絶された。
「そんないっぱい覚えられん。どれか一つにしろ」
「話しかけるな!」
まぁそういうわけで、どうなることでしょうね、ナコさん。
「頭をなでるな! 喋らなかったら何をしてもいいということじゃないのだ!」
なのに、どうして曲がり角でぶつかりますか。あれですか、フラグが立ちましたか。
「う……いたた、おまえ、なにするのだ!」
うちの高校の制服に身を包んだ小さな娘さんが、座ったまま話しかけてきた。パンツ丸出しはサービス?
「パンツを見てる。朝からありがとう」
「パンツ……うきゃっ!」
娘さんは猿のような声を出し、慌ててスカートでパンツを隠した。そして赤い顔で俺を睨む。
「おまえ、見たのだ! ナコのパンツ見たのだ!」
「うん、見た。目を閉じれば鮮明に思い出せる」
目を閉じると、脳裏に純白の美しいパンツが蘇る。それだけでなく、火花まで現れた。ていうか痛い。
「……なぜ殴る?」
「当たり前なのだ! 朝から不愉快なのだ!」
娘さんは俺を置いて、土煙を巻き上げとんでもない速さで行ってしまった。
……何者だ? とにかく、俺も行こう。
頑張って走っていると予鈴が聞こえた。さらに走って学校へ。教室へ入ると同時にチャイムが。
「ぜはーぜはーぜはー……。セーフ?」
「アウト」
担任の無慈悲な言葉に、がくりと膝をつく。
「もう帰ろう……」
「ああ待て待て、帰るな。折角生徒が増えたというのに」
担任の言葉に、俺は今更ながら教師の隣に立つ生徒に気がついた。
「ナコだ、よろし……おまえ、さっきの!」
「はじめまして、別府タカシです」
「はじめまして違うのだ! さっき会ったのだ!」
「なんだ二人とも、知り合いだったのか?」
担任の言葉に、娘さんは憤って言った。
「こんな奴、知り合い違うのだ!」
「好きな食べ物は玉子焼きです」
「聞いてないのだ! さっきからおまえ何言ってるのだ!?」
「のだのだうるさいなぁ。おまえはバカボンのパパか?」
「のだなんて言ってないのだ! バカボンてなんなのだ!?」
すげえ言ってます。バカボンは愉快な漫画です。
「あー……まあいい。とにかく席に着け、別府」
担任に言われるがまま、のたのたと窓際の席に着く。
「……うぉっほん。あー、アフリカっぽい所からの交換留学生、ナコさんだ。みんな、仲良くしろよ」
「えっと、ナコなのだ。そこの変な奴! 以外、よろしくなのだ。仲良くして欲しいのだ」
変な奴、という所で俺付近を指した。可哀想に、いきなり誰か嫌われてるな。
「席はそこだ」
担任の指した場所は、さきほどナコとかいう奴が指した場所と同じだった。ていうか俺の前の席が空いてる。
「あ、あいつの近くは嫌なのだ! 別の場所がいいのだ!」
「誰を嫌ってるのか知らないが、わがままはよくないぞ」
「おまえを嫌ってるのだ!」
ナコをたしなめると、驚くべき言葉が返ってきた。
「それは知らなかった」
「ずっと言ってるのだ! どうにかしてほしいのだ、先生!」
「まぁ、別府のことは諦めろ。そのうち慣れる」
担任の言葉に諦めたのか、ナコは肩を落として俺の方へやってきた。
「これからよろしくな、ナコたん」
「馴れ馴れしく呼ぶな! 話しかけるな! たんとかつけるな!」
親愛の情を示したら、拒絶された。
「そんないっぱい覚えられん。どれか一つにしろ」
「話しかけるな!」
まぁそういうわけで、どうなることでしょうね、ナコさん。
「頭をなでるな! 喋らなかったら何をしてもいいということじゃないのだ!」
【ツンデレにこれって間接バナナだよなって言ったら】
2010年04月05日
去年の夏に転校してきた野性っぽい娘さん、ナコといまだに仲良くなれない日々。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を持ち、頭頂部にぽふりと)
「ナコの髪で変なことするな!」
こうやってコミュニケーションを取ろうとしても、一方的に断ち切られてしまう。
「何がいけないんだろうか、友よ」
「全部だ」
隣の友人に問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「全部か。……なにっ、全部だと!?」
思わずノリつっこみするくらい驚いた。
「言葉、行動、容姿。全てダメだ」
それでは生まれ変わるくらいしか手段がない。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を以下同文)
「だから、ナコの髪で変なことするな!」
髪をガードされたので、今回は諦めることにする。
「ナコに構うな!」
「しかし、それでは級友と親交を温めることが出来ないではないか」
「ナコ以外の誰かと温めるのだ。どっか行け」
反骨心が首をもたげる。どっか行けと言われてどこかへ行く別府タカシではないのだ!
「構って欲しいのだ」
ナコの机の上にごろりと頭を置く。見る人が見れば生首のように見えるよう細心の注意を払うことも忘れない。
「ナコのまねするな! あと、机の上に頭置くな! 気持ち悪いのだ!」
「ナコのマネなどしてないのだ。これはバカボンのパパのマネなのだ。いわばパパマネ」
「パパマネをやめるのだ! まったく、不愉快なのだ。ぷんぷん」
ぷんぷん、などと口で言われたら、俺にできることは悶えることくらいだ。
「ナコの机の上で転がるな! なんでこんな狭い場所で転がれるのだ!?」
「頑張ったのだ」
「うー……マネをやめるのだ! 第一、ナコは“のだ”なんて言ってないのだ」
「超言ってますが」
「言ってないのだ! お前、耳が腐ってるのだ!」
「頭が腐ってるとか醗酵しきってるとか熟成しすぎて逆にすごいとかは言われたことあるが、耳が腐ってると言われたのは初めてだ」
「なんで嬉しそうに笑ってるのだ!? お前おかしいのだ!」
「あ、バナナ」
ナコの鞄からバナナが顔を覗かせていたので、一本頂く。
「あーっ!? ナコのバナナン取った、バナナン取ったのだ!」
「もぐもぐもぐ、おいしい」
「あげるなんて一言も言ってないのに食べてるのだ! おいしいとか言ってるのだ!」
「ナコもどうだ? うまいぞ」
「元々ナコのなのだ! 返すのだ!」
食いかけのバナナを取られる。
「全く……嫌な奴なのだ」
その食いかけのバナナを、ナコは口にした。
「あ、これって間接バナナだよな」
「うぐ」
「俺のラブがつまったバナナはどうだ? うまいか?」
「……もったいないけど、捨てるのだ」
「なんと、捨てると!? ああ、米粒には100の神様が詰まってるというのに! お百姓さんが苦労して作ったというのに!」
「お米じゃないのだ。お百姓さんは苦労してないのだ。これは、ナコの住んでたジャングルから持ってきたバナナンなのだ」
「お猿さんが苦労して作ったというのに!」
「別に猿が作ってるわけじゃないのだ! さてはお前馬鹿なのだな?」
クラス中の生徒全員が口を揃えて「その通り!」と言いやがった。
「なんて統率の取れたクラスなのだ……」
こんな時だけ一致するクラスが憎たらしい。
「俺の脳についてはともかく、捨てるならくれ。俺が食う」
「うー……確かに捨てるのはもったいないけど、お前なんかにやるのはもっともったいないのだ」
「じゃあゴミ箱に捨てろ。それを漁って食うから」
「お前最悪なのだ! ……もういいのだ、やるからどっか行くのだ」
なげやりに放られたバナナを受け取り、口にする。スーパーとかで売ってるのより、なんだか美味しい。
「うむ、一度ナコが口にした分より美味しく。具体的にはナコの唾液成分が」
仲良くなりたいのに、どうしたことか大変嫌そうに顔をしかめるナコたんでした。ままならぬ。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を持ち、頭頂部にぽふりと)
「ナコの髪で変なことするな!」
こうやってコミュニケーションを取ろうとしても、一方的に断ち切られてしまう。
「何がいけないんだろうか、友よ」
「全部だ」
隣の友人に問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「全部か。……なにっ、全部だと!?」
思わずノリつっこみするくらい驚いた。
「言葉、行動、容姿。全てダメだ」
それでは生まれ変わるくらいしか手段がない。
「ちょんまげ」(ナコの髪の房を以下同文)
「だから、ナコの髪で変なことするな!」
髪をガードされたので、今回は諦めることにする。
「ナコに構うな!」
「しかし、それでは級友と親交を温めることが出来ないではないか」
「ナコ以外の誰かと温めるのだ。どっか行け」
反骨心が首をもたげる。どっか行けと言われてどこかへ行く別府タカシではないのだ!
「構って欲しいのだ」
ナコの机の上にごろりと頭を置く。見る人が見れば生首のように見えるよう細心の注意を払うことも忘れない。
「ナコのまねするな! あと、机の上に頭置くな! 気持ち悪いのだ!」
「ナコのマネなどしてないのだ。これはバカボンのパパのマネなのだ。いわばパパマネ」
「パパマネをやめるのだ! まったく、不愉快なのだ。ぷんぷん」
ぷんぷん、などと口で言われたら、俺にできることは悶えることくらいだ。
「ナコの机の上で転がるな! なんでこんな狭い場所で転がれるのだ!?」
「頑張ったのだ」
「うー……マネをやめるのだ! 第一、ナコは“のだ”なんて言ってないのだ」
「超言ってますが」
「言ってないのだ! お前、耳が腐ってるのだ!」
「頭が腐ってるとか醗酵しきってるとか熟成しすぎて逆にすごいとかは言われたことあるが、耳が腐ってると言われたのは初めてだ」
「なんで嬉しそうに笑ってるのだ!? お前おかしいのだ!」
「あ、バナナ」
ナコの鞄からバナナが顔を覗かせていたので、一本頂く。
「あーっ!? ナコのバナナン取った、バナナン取ったのだ!」
「もぐもぐもぐ、おいしい」
「あげるなんて一言も言ってないのに食べてるのだ! おいしいとか言ってるのだ!」
「ナコもどうだ? うまいぞ」
「元々ナコのなのだ! 返すのだ!」
食いかけのバナナを取られる。
「全く……嫌な奴なのだ」
その食いかけのバナナを、ナコは口にした。
「あ、これって間接バナナだよな」
「うぐ」
「俺のラブがつまったバナナはどうだ? うまいか?」
「……もったいないけど、捨てるのだ」
「なんと、捨てると!? ああ、米粒には100の神様が詰まってるというのに! お百姓さんが苦労して作ったというのに!」
「お米じゃないのだ。お百姓さんは苦労してないのだ。これは、ナコの住んでたジャングルから持ってきたバナナンなのだ」
「お猿さんが苦労して作ったというのに!」
「別に猿が作ってるわけじゃないのだ! さてはお前馬鹿なのだな?」
クラス中の生徒全員が口を揃えて「その通り!」と言いやがった。
「なんて統率の取れたクラスなのだ……」
こんな時だけ一致するクラスが憎たらしい。
「俺の脳についてはともかく、捨てるならくれ。俺が食う」
「うー……確かに捨てるのはもったいないけど、お前なんかにやるのはもっともったいないのだ」
「じゃあゴミ箱に捨てろ。それを漁って食うから」
「お前最悪なのだ! ……もういいのだ、やるからどっか行くのだ」
なげやりに放られたバナナを受け取り、口にする。スーパーとかで売ってるのより、なんだか美味しい。
「うむ、一度ナコが口にした分より美味しく。具体的にはナコの唾液成分が」
仲良くなりたいのに、どうしたことか大変嫌そうに顔をしかめるナコたんでした。ままならぬ。
【かめちなみん】
2010年04月04日
学校に行くと、なんか変なのが俺の机の上に載ってた。
「……新手のいじめか? なんだこれ、甲羅?」
机の上にある甲羅は、人ひとり入れるほどの大きさだった。……人ひとり?
「しまった、最近なかったから油断してた!」
机から飛びのくより早く、甲羅の穴ぼこから手が伸びて俺の腕をがっしと掴んだ。
「……かめです。かめかめ」
かめかめ言いながらちなみが顔を出した。
「亀はかめかめ言いません」
「……しゅん」
しゅん、と言いながらも俺の手を放そうとしない亀。
「てーかここ学校だぞ? 学び舎に亀が入ってきていいと思ってるのか?」
「……亀にそんなこと言われても、分かりません」
む、亀であることを逆手に取るとはやるな。
「じゃあ池にでも放しに行こう」
「がぶ」
甲羅を持とうとしたら手を噛まれた。
「亀は噛まないよ?」
「……噛み付きカメです。噛みます、よ?」
よ、と言いながら小首を傾げられても困る。
「知らないかもしれないが、噛まれると痛いんだぞ」
違う、誰も噛んだ箇所を舐めろなんて言ってない。いや、気持ちいいけど!
「ぺろぺろ、ぺろぺろ……治りました?」
「まだ! もっと!」
「……タカシは治療とは別の目的で舐めさせようとしてる。……鬼畜」
ばれた。ばれたけど、鬼畜とか言うな。そこまで酷い事してない。
「見た? 別府くん、ちなみに舌での奉仕という鬼畜な行為させてるよ」
「うわ、別府サイテー」
級友たちの微妙に聞こえる程度の囁く声が聞こえる。このクラスでは、治療行為は鬼畜な行為になるようです。あと奉仕とか言うな。
「つーかちなみ、学校に着ぐるみ着てくるな」
「……可愛いのに」
「可愛くても、カメの着ぐるみで学校に登校してはいけません」
「……校長先生が、いいって言いました」
うちの校長、頭おかしい。
「……さっき偶然廊下で会って、『かか可愛いっ! 制服代わりに最適っぽい! ……よし、それで学校生活送るの許可許可!』とか言ってました」
うちの校長、本格的に頭おかしい。
「……なんか、校長先生ってタカシに似てます」
「しし失礼な! 俺は頭おかしくないぞ!」
「……考えなしに勢いで喋るところ、とか」
悲しいことにまるで反論できない。
「そんなことは極めてどうでもいい。いーから着替えて来い、もうすぐ授業始まるぞ」
「むっ。……まだ、褒めてもらってないです。……褒めてもらったら、着替えます」
「えーと、この甲羅硬そうだな」
「……そんなところ褒めてもらっても、嬉しくありません」
カメの褒める場所なんて、甲羅くらいしか思いつかない。
「えーとえーとえーと、防御力高そう」
「……また甲羅。……ダメです、不きょきゃです」
ちなみは不許可と言えなかった。
「不……なに?」
「ふ、ふきょきゃ。……ふきょきゃ、……ふきょ、きゃ」
何度言っても言えないようです。
「きょ、きょきゃ! ……きゅ」
「きょきゃ? 許可じゃなくて、きょきゃ?」
「……うう、タカシがいじめる。……はっ、まさかタカシは浦島さん?」
「ばーか」
ちなみの鼻を軽くデコピンする。
「あぅっ。……カメをいじめるとは、ひどいです。許しがたいです。……カメの恨みを思い知るべきです」
そう言って、ちなみはいきなり俺に覆いかぶさった。甲羅がやけに重い。
「ぐあ、重い……」
「……レディーに対してあんまりな暴言。許すまじ、です」
「の、のいてください、カメさん。重いっす」
「……言うこと聞いてくれるなら、どきます」
「な、なんだ?」
「……抱っこ」
「…………。はい?」
「だ、だから……抱っこ、……してください。……そしたら、のきます」
「え、いや、けど」
「……ダメ、ですか?」
ダメです。ダメですが、とても重くて苦しくて情けない様子をクラスメイトに見られてる現状でダメと言えません。
「ばっちこい!」
「……わ、分かりました」
そう言うと、ちなみは俺から離れてそそくさと教室を出て行った。そしてすぐに制服姿で戻ってくると、ぽふりと俺の膝に収まった。
「ば、ばっちきました」
クラスメイト達の生暖かい視線にさらされ、尋常でないほど恥ずかしい。
「やっぱダメ。のけ」
「…………」(うるうる)
「──と言うほど狭量でもない別府タカシさんを尊敬してもいいよ?」
泣かれるのだけは勘弁。すごく苦手です。
「……ふふ、たやすい」
「あれぇ、嘘泣き!?」
「うるさいぞ、別府」
いつの間にか来ていた教師に叱られた。
「あ、すいません……いやいやいや! 違うっしょ、怒るのは俺の胸に張り付いてる物体にこそ怒るべきでは!」
物体の頬が膨れた。
「いや、別にいいじゃん。先生も学生の頃はそういう風に授業受けたいって欲望あったし、よく分かるぞ」
「いや、分かるな! おかしいだろ、絶対!」
「大丈夫、他の先生たちにも言っておくから今日はそのまま授業受けろ。よかったなー、別府」
よくない。全然よくない。嬉しそうに俺の胸にすりすりする物体を見ながら、そう思った。
「……新手のいじめか? なんだこれ、甲羅?」
机の上にある甲羅は、人ひとり入れるほどの大きさだった。……人ひとり?
「しまった、最近なかったから油断してた!」
机から飛びのくより早く、甲羅の穴ぼこから手が伸びて俺の腕をがっしと掴んだ。
「……かめです。かめかめ」
かめかめ言いながらちなみが顔を出した。
「亀はかめかめ言いません」
「……しゅん」
しゅん、と言いながらも俺の手を放そうとしない亀。
「てーかここ学校だぞ? 学び舎に亀が入ってきていいと思ってるのか?」
「……亀にそんなこと言われても、分かりません」
む、亀であることを逆手に取るとはやるな。
「じゃあ池にでも放しに行こう」
「がぶ」
甲羅を持とうとしたら手を噛まれた。
「亀は噛まないよ?」
「……噛み付きカメです。噛みます、よ?」
よ、と言いながら小首を傾げられても困る。
「知らないかもしれないが、噛まれると痛いんだぞ」
違う、誰も噛んだ箇所を舐めろなんて言ってない。いや、気持ちいいけど!
「ぺろぺろ、ぺろぺろ……治りました?」
「まだ! もっと!」
「……タカシは治療とは別の目的で舐めさせようとしてる。……鬼畜」
ばれた。ばれたけど、鬼畜とか言うな。そこまで酷い事してない。
「見た? 別府くん、ちなみに舌での奉仕という鬼畜な行為させてるよ」
「うわ、別府サイテー」
級友たちの微妙に聞こえる程度の囁く声が聞こえる。このクラスでは、治療行為は鬼畜な行為になるようです。あと奉仕とか言うな。
「つーかちなみ、学校に着ぐるみ着てくるな」
「……可愛いのに」
「可愛くても、カメの着ぐるみで学校に登校してはいけません」
「……校長先生が、いいって言いました」
うちの校長、頭おかしい。
「……さっき偶然廊下で会って、『かか可愛いっ! 制服代わりに最適っぽい! ……よし、それで学校生活送るの許可許可!』とか言ってました」
うちの校長、本格的に頭おかしい。
「……なんか、校長先生ってタカシに似てます」
「しし失礼な! 俺は頭おかしくないぞ!」
「……考えなしに勢いで喋るところ、とか」
悲しいことにまるで反論できない。
「そんなことは極めてどうでもいい。いーから着替えて来い、もうすぐ授業始まるぞ」
「むっ。……まだ、褒めてもらってないです。……褒めてもらったら、着替えます」
「えーと、この甲羅硬そうだな」
「……そんなところ褒めてもらっても、嬉しくありません」
カメの褒める場所なんて、甲羅くらいしか思いつかない。
「えーとえーとえーと、防御力高そう」
「……また甲羅。……ダメです、不きょきゃです」
ちなみは不許可と言えなかった。
「不……なに?」
「ふ、ふきょきゃ。……ふきょきゃ、……ふきょ、きゃ」
何度言っても言えないようです。
「きょ、きょきゃ! ……きゅ」
「きょきゃ? 許可じゃなくて、きょきゃ?」
「……うう、タカシがいじめる。……はっ、まさかタカシは浦島さん?」
「ばーか」
ちなみの鼻を軽くデコピンする。
「あぅっ。……カメをいじめるとは、ひどいです。許しがたいです。……カメの恨みを思い知るべきです」
そう言って、ちなみはいきなり俺に覆いかぶさった。甲羅がやけに重い。
「ぐあ、重い……」
「……レディーに対してあんまりな暴言。許すまじ、です」
「の、のいてください、カメさん。重いっす」
「……言うこと聞いてくれるなら、どきます」
「な、なんだ?」
「……抱っこ」
「…………。はい?」
「だ、だから……抱っこ、……してください。……そしたら、のきます」
「え、いや、けど」
「……ダメ、ですか?」
ダメです。ダメですが、とても重くて苦しくて情けない様子をクラスメイトに見られてる現状でダメと言えません。
「ばっちこい!」
「……わ、分かりました」
そう言うと、ちなみは俺から離れてそそくさと教室を出て行った。そしてすぐに制服姿で戻ってくると、ぽふりと俺の膝に収まった。
「ば、ばっちきました」
クラスメイト達の生暖かい視線にさらされ、尋常でないほど恥ずかしい。
「やっぱダメ。のけ」
「…………」(うるうる)
「──と言うほど狭量でもない別府タカシさんを尊敬してもいいよ?」
泣かれるのだけは勘弁。すごく苦手です。
「……ふふ、たやすい」
「あれぇ、嘘泣き!?」
「うるさいぞ、別府」
いつの間にか来ていた教師に叱られた。
「あ、すいません……いやいやいや! 違うっしょ、怒るのは俺の胸に張り付いてる物体にこそ怒るべきでは!」
物体の頬が膨れた。
「いや、別にいいじゃん。先生も学生の頃はそういう風に授業受けたいって欲望あったし、よく分かるぞ」
「いや、分かるな! おかしいだろ、絶対!」
「大丈夫、他の先生たちにも言っておくから今日はそのまま授業受けろ。よかったなー、別府」
よくない。全然よくない。嬉しそうに俺の胸にすりすりする物体を見ながら、そう思った。


