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2026年03月15日
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【ライムグリーンアルビノベルツノガエルちなみん】

2010年05月24日
 雨が降る日はうっとうしい。特に、玄関先に蛙っぽいちなみがいるような朝は、格別だ。
「……ライムグリーンアルビノベルツノガエルです。けろけろ」
「長い! 長すぎる! ええい粘液を出すな!」
 どこまで凝ってんだ。その無駄な努力を別の場所で生かせ。
「……ライムグリーンアルビノベルツノガエルは、待ち伏せして餌を食べます。……ですので、待ち伏せしてます」
「……分かった。分かったけど、名前長い。もうちょっと短くしろ」
「……ライムたん、とか?」
 なんだ、そのそこらのダメ漫画に出てきそうな名前は。あと、たんとか言うな。
「……悪くないです。今日からライムたんです。……つまり、ライムちなみたん?」
「やめて。お願い」
「……けろけろ」
 不満そうにちなみは鳴いた。気に入ってたのか。
「もういいから学校行くぞ……」
 朝っぱらから疲れ果てた。ちなみの横を通り過ぎて玄関を抜けようとしたら、視界に端に赤い何かが飛び込んできた。
「ん?」
 その赤い何かは俺の体に巻きつき、かなりの力でちなみの方へ引っ張った。そして、俺は蛙に食われた。
「な、なんだ? 何が起きた?」
「……捕獲成功、です」
 ぎゅっ、とちなみが俺の胸に抱きつく。
「……ライムちなみたんには、舌を高速で射出し、目標を捕獲する機能があるのです」
 だから、なんでそんな無駄に凄いんだよ。すりすりしてないで聞いて。
「……この着ぐるみはかなり大きいので、二人入ってもへっちゃらへーです」
「……そっかぁ。へっちゃらへーかぁ。うんうん。馬鹿」
 ちなみは、ぷーと頬を膨らませた。
「……馬鹿じゃないです。馬鹿なのはタカシの方です。最近構ってくれないから……ちょっと、つまんないです」
「あー……最近補習ばっかだったからな。でも、昨日で補習も終わったから、今日からまた遊べるぞ」
「……じゃ、放課後どこか遊びに行きましょう。……当然、タカシのおごりで」
 財布の中身を思い出し軽く冷や汗が出たが、ちなみを放っておいた罰だと無理やり思い込み、俺は笑ってうなずいた。

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【着るものがなくて仕方なく裸エプロンなツンデレ】

2010年05月23日
 急な通り雨に、俺とみことは駆け足で家へと急いでいた。しばらく走って俺の家に着いたが、みことの家はまだ遠い。俺はしぶるみことを無理やり家に上げた。
「……邪魔する」
「いくらでも邪魔してくれ。とりあえず、先に風呂入れ。ちなみにこの家に入った時点で拒否権はないから、そのつもりで」
 みことにタオルを投げて、先に入るよう促す。
「……く、そういうことなら仕方ない。先に入らせてもらう」
 案外簡単に誘導に成功。……勝負はここからだ。
 俺は三段飛ばしで階段を駆け上り、自室に飛び込んだ。そして、前々から用意していた品をタンスから取り出し、四段飛ばしで階段を降り脱衣場に忍び込む。
 みことは風呂場の中で何か鼻歌を歌ってる。心地よい音色に一瞬目的を見失うが、頭を振って自分が何をしに来たか思い出す。
 そう、全ては裸エプロンのため。
 この日のために用意した、ふりふりフリルのついた可愛らしいエプロンを握り締める。俺はやるぜ!
 そのために、まずはみことの着てた服をどうにかする必要がある。……考えるまでもない、雨で濡れているから乾燥機に入れればいいだけの話だ。そして、エプロンを置けばいい。
「みことー、代わりの服置いといたからー」
「あ、ああすまん。迷惑をかける」
 ドア越しに声をかけ、準備は完了。あとは、待つだけ。
 自室に戻り、濡れた服を脱いで体を拭っていると、階下から奇声がした。風呂から上がったな。
 俺は服を着て、ゆっくり階下に降りた。果たして、そこにエプロンだけ着て恥じらうみことの姿があった。
「き、き、き、貴様何を考えておる! なんだこれは! 私の服はどうした!」
 少ない布地で必死に体を隠すみことの姿に、軽くめまいを覚える。いかん、下半身がムズムズする。
「着てた服は濡れてたから乾燥機の中。代えの服はないから、着れそうな女物の服を探したらそれだけだった」
「だ、だからと言ってエプロン一枚などと……何を考えておる! ええい近づくな、手をわきわきさせるな!」
「やはり裸エプロンはいい……。特に、それが貧乳となるとその価値は数十倍に跳ね上がる……!」
「だ、誰が貧乳だ! だから近づくなと、手をわきわきするのをやめよ!」
「そうだ、ちょっとだけ舐めさせて! ちょっとだけでいいから!」
「だ、ダメに決まってるであろう! だから近づくな、手を動かすな!」
「じゃあおっぱい! おっぱいだけ舐めたら満足するから! むしろ乳首を!」
「……貴様、いい加減にしろ!」
 みことの見事なまでの回し蹴りがこめかみに命中した。けど、一回後ろを向いた時にかわいいお尻が見えたからまあいいや、と思いながら昏倒。
 目が覚めたら、もうみことはいなかった。雨やんでるし、帰ったのかな。ちょっと残念。

「……まったく、本当に別府は馬鹿だな。心底馬鹿だ」
 布団の上に座り、みことはタカシから頂戴したエプロンを抱えて夕方にあったことを思い返していた。
「裸エプロンなどと……乙女の柔肌をなんと心得ている」
 エプロンをタカシに見立て、両側から引っ張る。みことの頭に、ほっぺを引っ張られて困るタカシの顔が浮かんだ。
「ふふ、私をからかうのがいけないのだ、バカめ」
 ちょん、と鼻らしき場所を指でつつく。
「……しかし、それほどよいものなのか、裸エプロンとは。……これで、タカシの気持ちを惹けるのでは……いかんいかんいかん! 何を考えているんだ私は!」
 大きく頭を振って気持ちを入れ替える。別府のことなんてどうでもいい。
「そう、別府なんてどうでもいい。大体奴は普段馬鹿なことばかりやってる……くせにいざとなったら頼りがいがある」
「……い、いや、そうじゃない! 奴はいじわるばかりする……くせにさりげない優しい」
「……だから、違う! そ、そうだ! 私をからかう……くせに後で優しく頭なでてくれる……」
 みことは困った。どうでもよくなんてない。それどころか、タカシを思うだけで心を締め付けられる。
「……そ、そうだ! 別府は超鈍い! そんな鈍い奴のことなど、どうでもよいではないか! あはは、あはは……はぁ」
 ため息をついて、みことは布団に倒れこんだ。
「……そのうち、着てみようかな……裸エプロン。……別府の前で」
 そんな日が来ることが待ち遠しいような、怖いような気持ちを抱いたまま、みことは眠った。

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【こいぬボクっ娘】

2010年05月23日
 ボクっ娘の誕生日に、こいぬのぬいぐるみを贈った。口では渋りながらも、喜んで受け取ってもらった。
 で、その一週間後の日曜日。なんでこいぬの格好したボクっ娘が俺のベッドの中で寝息を立ててますか?
「むにゅ……ん、ふわぁぁぁ……あ、タカシ。おはよう」
「あ、おはよう……いや、そうじゃなくてなんで俺の部屋にいるの?」
「え、えっと、……一週間前にね、プレゼントくれたじゃない、こいぬのぬいぐるみ。……その、お返しに何がいいかってちなみちゃんと相談して、これ、貸してくれて、それで、その、こうしろって、ちなみちゃんが……」
 ちなみの奴、余計なことしやがる。あとでほっぺ引っ張ってやる。
「しかし、ボクっ娘にこいぬか……おまえ犬属性だし、まんまだな。お手」
「ボクっ娘じゃないよぉ、梓だよぉ! 覚えてよぉ! それに、犬属性ってなんだよぉ!」
 怒りながらも、梓はちゃんとお手をした。
「よしよし、偉いぞ」
「う……頭、なでないでよぉ。うみゅみゅ……」
 説得力のない言葉をはきながら、梓は相好を崩した。
「うみゅうみゅ言うな。萌えキャラ気取りか」
「なんだよぉ、ボクは萌えキャラとかじゃないよぉ! ボクはかっこいい自立した女性なんだ……あ、なでないでよぉ、うみゅみゅ……」
 かっこいい自立した女性は、頭なでられてもみゅうみゅ言わないと思います。
「んー、ボクっ娘からかうのも飽きたな。……まだ眠いし、寝なおすか」
「だから、ボクっ娘って呼ぶなって……え、寝るの?」
「眠い。寝る」
「あ、じゃ、ボク今日は帰る……ひゃ!?」
 ベッドから出て行こうとする梓を引きずり込む。
「抱き枕の代わりになれ。それでお返しはおーけー」
「う……そ、そうだよね。お返しだもんね。しかたなくだからね」
 犬っぽい生き物を胸に抱き、深く呼吸する。女の子特有の甘い匂いがした。
「んー、いー匂い。やーらかいし、最高」
「そ、そういうこと言わないでよぉ!」
「タカシー? そろそろ起きなさい」

 どうして母親という生き物はノックをしないで入ってくるのですか?
 そして何故俺はこうも土下座をする羽目になるのですか? もう土下座慣れたよ。畜生。

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【犬が怖いツンデレ】

2010年05月23日
「いずみと一緒にラブラブ放課後デートは楽しいなぁ」
「何がラブラブデートや、アホ。たこ焼きおごってくれるゆーから、ついてきただけや」
「人それをデートと呼ぶ!」
「誰がアンタみたいな変人とデートするっちゅうねん、アホ!」
 などと適当にじゃれあっていると、犬の鳴き声がした。甲高いし、子犬かな。
「お、どっかにわんこがいるぞ。いずみ、探し出して撫でよう」
「…………」
「……いずみ?」
 いずみは汗を垂らし、何かに怯えているようだった。
「な、なぁタカシ、急がんとたこ焼き売り切れてまうで。急ご、な?」
「いや、それより俺はわんこを撫でたい。このなで欲求に敵う物などあるものか」
「そ、それやったらうち撫でたらええやん? な? 早よ行こ?」
 珍しいことを言うもんだ、と思ってると電柱の影から子犬が現れた。
「お、わんこ」
「ひっ!」
 しゃがんで子犬を呼ぶと、とてとてとこっちにやってきた。
「人懐っこいな、おまえ。んー、可愛い可愛い」
 ぐりぐりと頭を撫でてると、隣で小刻みに震えるいずみに気がついた。
「どした? ……ひょっとして、怖いのか?」
 びくん、と一際激しくいずみの体が跳ねた。……図星か。
「だ、誰が怖いっちゅーねん! こんな子犬のどこが怖いっちゅーねん! こんな毛玉生物、怖ないで!」
 虚勢を張れば張るほど怖いと認めているようなもんだけど、面白いし、いいか。
「じゃ、抱くか? 可愛いだろ?」
「う……だ、だ、抱か……抱く。抱くわ! 抱けばええんやろ!」
 子犬を持ち上げ、半泣きのいずみにゆっくりと渡す。
「ど……どや? ……ぐすっ、でけたやろ?」
 まばたきするだけで涙がこぼれそうな状態で、いずみは子犬を抱いた。
「わん!」
「ひゃあ!」
 子犬の鳴き声に驚いて、いずみは手を離してしまった。地面に着地した子犬は、一目散に逃げていった。
「う……ふあああ、もう嫌や……犬怖い……犬怖い……」
 地面にぺたんと座り込み、いずみは泣き出してしまった。
「あーごめんごめんごめん! ちょっと調子乗りすぎた!」
 慌てていずみの頭を撫でて慰める。
「怖いん知ってて犬渡したんか。うー……」
 いずみは不満そうに俺をにらんだ。
「たこ焼き二つ奢るから! 許してお願い!」
「……お好み焼きも奢ってくれるんやったら」
「奢る奢る! もうなんでも奢る!」
「……あと、もうちょっと撫でてくれたら、ゆるす」
 うつむきがちに呟くいずみに、俺はいつもより優しく頭を撫でた。

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【シャケちなみん】

2010年05月23日
 今日は待ちに待った水泳だ。この学校は男女混合で体育の授業を行うため、スク水見放題という天国。
 なのに、一番スク水姿を見たいちなみはなんでシャケですか。
「……シャケです。しゃーしゃー」
 しゃーしゃー言いながら悠々とプールを泳ぐシャケに、ビート板を投げる。ヒット。
「……何するんですか」
 ゆるゆるとこっちにやってきたシャケに怒鳴る。
「学校の授業でシャケになるとは何事だ!」
 とりあえず怒りの理由は隠しておく。ほら、あんまり変態なのを公表するのもどうかと思うし。
「……スクール水着が見れないからって怒るのは、どうかと思います」
 2秒で看破された。
「ち、違うヨ? べ、べべ、別にスク水が見れないから怒ってるんじゃないヨ?」
「……嘘へた。ぷぷー」
 殴ろうとしたら潜水された。チクショウ、追いかけてやる! 俺はプールに飛び込んだ。
「……うあ、追ってきた」
「河童の川流れと呼ばれた俺の実力、見せてやるぜ!」
 シャケの尻尾を河童クロールで追っていると、突然足がつった。抗いようもなく、水中に沈む。
 いかん、溺れる。手をかいても、掴めるのは水だけ。まずい。マジでまずい。
 薄れゆく意識の中、ちなみが必死で俺の方に向かっているような気がした。

 目が覚めたら、保健室のベッドの上だった。傍らに、目を赤くした制服姿のちなみがいる。
「……馬鹿。ホントに馬鹿」
 そう言って、ちなみは俺に抱きついた。
「ち、ちなみ?」
「……死んだらどうするの。怖かったよ。……本当に怖かったよ」
 カタカタと小さく震えるちなみの肩に、俺は自分がどれだけ馬鹿なことをしたか今更ながら気づいた。
「……悪かった。心配かけたな」
 静かに嗚咽を繰り返すちなみが落ち着くまで、俺はずっとちなみを抱いていた。
 ……もっとも、俺の様子を見に来た級友たちがこの光景を見て大騒ぎするまでの間だが。

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