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2026年03月20日
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【ちなみんのほか弁】
2010年02月21日
人間、迂闊なことを言うもんじゃないよね。回り回って自分に降りかかるからね。
「『やー、おにゃのこがお弁当作ってくれたら嬉しいよね。交際を申し込みたくなるよね。結婚を前提に付き合いたくなるよね。嫁が欲しいなあ!』。……と泣いて友人を引かせていたタカシのために」
とか言いながら俺に弁当を押し付けるちなみを見ながら、そう思う。
「超嫌な予感がするので断る」
「……折角私が作ってやったお弁当を、タカシは食べないと言う。……貧乳の作る飯は残飯に劣ると言う」
NOという感じの手をして断ったら、恨み言を言われた。そこまでは言ってねえ。
「聞いた? 別府くん、残飯が大好物なんだって」
「うわ、別府くん青空生活者……」
クラスメイトが微妙に聞こえる程度の声で囁きあっている。別に青空を屋根に生活はしてないし、残飯も好物ではない。
「いや、好意は嬉しいが、ほら、パン買ってきてるし」
「…………」(じわーっ)
「ちなみが弁当作ってくれるだなんて感激だなあ! 育ち盛りだからパン+弁当でもヘッチャラさ!」
「……容易し」(ぼそり)
やはり嘘泣きか。分かっててかかる俺もどうかと思う。
「……じゃ、冷めないうちにどうぞ」
「弁当というのは冷めているものだと思うが」
「……特製、ちなみのほか弁。……ほかほか。……触ってみて?」
「そこまで言うなら」
ちなみのほっぺをむにむにする。うむ、お餅みたいにやーらかい。
「……違う。私じゃない。……お弁当」
「分かった上でやったんだ。本当は胸を触りたかったけど、冗談で済まない気がしたんでこっちにしたんだ。そんな俺を褒めろ」
ちなみが不満そうに俺を睨み始めたので、弁当を触ってみる。
「お、まだ温かいじゃん。どういう仕組み?」
「……家庭科室に忍び込んで、チンした。……偉い?」
「偉いのはチンと鳴った機械であり、忍び込んだ人物は偉くない」
「……頑張ったのに、タカシは褒めない。……これだから狭量の男は」(ほっぺぷくー)
「狭量とか言うない。んじゃ、いただきますか」
両手を合わせてから、弁当のフタを取る。玉子焼きにハンバーグ、千切りキャベツにプチトマトと目にも鮮やかな料理が並んでいた。
「へぇ……頑張ったんだな」
「……べ、別に頑張ってない。……こんなの、私にかかればちょちょいのちょい。……タカシ相手に頑張るとか、意味分かんない」
ちなみはちょっと照れ臭そうにして、そっぽを向いた。褒める事を強要するわりに、褒められ慣れしてない奴め。
「や、偉い偉い」
ねぎらいの意を込めてちなみの頭をなでる。
「……タカシはすぐ私を子供扱いする」
不服そうになでられるちなみだったが、その頬は高揚していた。指摘すると怒られるから言わないけど。
「ここまで頑張られては食うしかないな。んじゃ、いただきます」
「…………」(じーっ)
「ごちそうさま」
視線に耐えかね、箸を置く。
「……全然食べてませんが」
「擬音が実際に聞こえそうなほど見つめられては、食べるのにも抵抗がありまして」
「……こうしてるから、気にせず食べる」
そう言って、ちなみは両目を覆った。
「それなら問題ない。いただきます」
「…………」(指の隙間からじーっ)
「ごちそうさま」
「……見てないのに、タカシはお弁当を食べない」
「嘘つけ。明らかに見てたじゃねえか」
「……見てないにゅ?」
ちなみは頭の悪い語尾をつけながら小首を傾げた。
「そんな可愛い感じの語尾をつけても誤魔化されないぞ」
「……ど、どうしてタカシは私をぎゅーっとするのか」
「む」
誤魔化されはしなかったが、俺の体はちなみを抱きしめていました。
「ええい、頭では媚びていると理解しているのに! 畜生、可愛いぞこの娘!」
「……け、計算通りですよ? ここまで過剰な反応するなんて予想だにしていなかったなんて、思ってないですよ?」
目を白黒させながら言われても説得力ありません。
「そっ、それよりお弁当食べなさい、お弁当。……時間、もうないから」
「えー? それよりこのまま保健室に連れ込み、色々なことを」
「…………」
「すいませんご飯食べます」
無言の圧力に負け、抱っこを解いて再び弁当の前に。箸を取り、まずは玉子焼きを。
「もぐもぐもぐ」
「……どう?」
「おいしい」
「……当然。私の作るものに失敗があるはずもない」
どこかほっとした様子で、ちなみは一息に言った。
「タマゴの殻が入ってなければ言うことなし」
ジャリジャリ鳴る玉子焼きを噛み砕きながら言うと、ちなみの頬が膨れた。
「……男なら細かいこと言わない」
「いや、細かくはないと思うが」
「……お弁当を作ってもらっておきながら、タカシは文句を言う。……なんと狭量な生物だろうか」
「狭量はともかく、なまもの言うな。あと、頼んでない」
「……文句言う暇があったら、早く食べる」
「はいはい。がつがつがつ」
多少は問題があるものの、全体的に美味しくいただけました。
「ごちそうさまげふー。うまかったぞ」
弁当にフタをしてちなみに渡すが、そのまま動く様子がない。
「どした?」
「……お弁当作ってもらえて、嬉しかった?」
「? まぁ、悪い気はしないな」
「……そ、そう。……やれやれ、私を嫁にしたいとタカシは言う」
「超言ってねーっ!」
突拍子もない台詞に、全力でつっこむ。
「……言った」(ほっぺぷくー)
「いつ言った何時言った何時何分何秒地球が何回まわったとき言った!?」
「……タカシ、子供みたい」
「子供に言われたくねー!」
「……子供じゃない。大人。超大人」(ほっぺぷくー)
「ちなみが大人なら、俺はもはや中年と言っても過言ではないぞ?」
「……やーい中年」
「まるで嬉しくない! 畜生、畜生! はめられた!」
「……いま分かった。タカシは馬鹿だ。基本的に何も考えずに喋ってる」
「失礼な。時々は考えてるぞ?」
呆れたようにちなみは首を振った。失礼な奴め。
「……まあいい。……それじゃ、また次も作ってくるので、ありがたく食べるように」
「え」
「……私の作るお弁当をタカシは嫌だと言う。……吐き気を催さんばかりだと言う」(じわーっ)
「だから、言ってねーっつの! すぐ女の武器を使うな! 分かったお願いしますどうか俺に弁当作ってきてください!」
「……やれやれ、そこまで言われては断れない。……まったく、タカシはワガママだ」
どっちがワガママだ、と思いながらも次の弁当を楽しみにしている自分がいた。
「……べ、別に私が作ってあげたいんじゃない。……タカシが楽しみにしてるから、作ってやるだけ。……ああ面倒だ」
俺の視線に気づいたのか、慌てたように言い訳を並べるちなみだった。
「『やー、おにゃのこがお弁当作ってくれたら嬉しいよね。交際を申し込みたくなるよね。結婚を前提に付き合いたくなるよね。嫁が欲しいなあ!』。……と泣いて友人を引かせていたタカシのために」
とか言いながら俺に弁当を押し付けるちなみを見ながら、そう思う。
「超嫌な予感がするので断る」
「……折角私が作ってやったお弁当を、タカシは食べないと言う。……貧乳の作る飯は残飯に劣ると言う」
NOという感じの手をして断ったら、恨み言を言われた。そこまでは言ってねえ。
「聞いた? 別府くん、残飯が大好物なんだって」
「うわ、別府くん青空生活者……」
クラスメイトが微妙に聞こえる程度の声で囁きあっている。別に青空を屋根に生活はしてないし、残飯も好物ではない。
「いや、好意は嬉しいが、ほら、パン買ってきてるし」
「…………」(じわーっ)
「ちなみが弁当作ってくれるだなんて感激だなあ! 育ち盛りだからパン+弁当でもヘッチャラさ!」
「……容易し」(ぼそり)
やはり嘘泣きか。分かっててかかる俺もどうかと思う。
「……じゃ、冷めないうちにどうぞ」
「弁当というのは冷めているものだと思うが」
「……特製、ちなみのほか弁。……ほかほか。……触ってみて?」
「そこまで言うなら」
ちなみのほっぺをむにむにする。うむ、お餅みたいにやーらかい。
「……違う。私じゃない。……お弁当」
「分かった上でやったんだ。本当は胸を触りたかったけど、冗談で済まない気がしたんでこっちにしたんだ。そんな俺を褒めろ」
ちなみが不満そうに俺を睨み始めたので、弁当を触ってみる。
「お、まだ温かいじゃん。どういう仕組み?」
「……家庭科室に忍び込んで、チンした。……偉い?」
「偉いのはチンと鳴った機械であり、忍び込んだ人物は偉くない」
「……頑張ったのに、タカシは褒めない。……これだから狭量の男は」(ほっぺぷくー)
「狭量とか言うない。んじゃ、いただきますか」
両手を合わせてから、弁当のフタを取る。玉子焼きにハンバーグ、千切りキャベツにプチトマトと目にも鮮やかな料理が並んでいた。
「へぇ……頑張ったんだな」
「……べ、別に頑張ってない。……こんなの、私にかかればちょちょいのちょい。……タカシ相手に頑張るとか、意味分かんない」
ちなみはちょっと照れ臭そうにして、そっぽを向いた。褒める事を強要するわりに、褒められ慣れしてない奴め。
「や、偉い偉い」
ねぎらいの意を込めてちなみの頭をなでる。
「……タカシはすぐ私を子供扱いする」
不服そうになでられるちなみだったが、その頬は高揚していた。指摘すると怒られるから言わないけど。
「ここまで頑張られては食うしかないな。んじゃ、いただきます」
「…………」(じーっ)
「ごちそうさま」
視線に耐えかね、箸を置く。
「……全然食べてませんが」
「擬音が実際に聞こえそうなほど見つめられては、食べるのにも抵抗がありまして」
「……こうしてるから、気にせず食べる」
そう言って、ちなみは両目を覆った。
「それなら問題ない。いただきます」
「…………」(指の隙間からじーっ)
「ごちそうさま」
「……見てないのに、タカシはお弁当を食べない」
「嘘つけ。明らかに見てたじゃねえか」
「……見てないにゅ?」
ちなみは頭の悪い語尾をつけながら小首を傾げた。
「そんな可愛い感じの語尾をつけても誤魔化されないぞ」
「……ど、どうしてタカシは私をぎゅーっとするのか」
「む」
誤魔化されはしなかったが、俺の体はちなみを抱きしめていました。
「ええい、頭では媚びていると理解しているのに! 畜生、可愛いぞこの娘!」
「……け、計算通りですよ? ここまで過剰な反応するなんて予想だにしていなかったなんて、思ってないですよ?」
目を白黒させながら言われても説得力ありません。
「そっ、それよりお弁当食べなさい、お弁当。……時間、もうないから」
「えー? それよりこのまま保健室に連れ込み、色々なことを」
「…………」
「すいませんご飯食べます」
無言の圧力に負け、抱っこを解いて再び弁当の前に。箸を取り、まずは玉子焼きを。
「もぐもぐもぐ」
「……どう?」
「おいしい」
「……当然。私の作るものに失敗があるはずもない」
どこかほっとした様子で、ちなみは一息に言った。
「タマゴの殻が入ってなければ言うことなし」
ジャリジャリ鳴る玉子焼きを噛み砕きながら言うと、ちなみの頬が膨れた。
「……男なら細かいこと言わない」
「いや、細かくはないと思うが」
「……お弁当を作ってもらっておきながら、タカシは文句を言う。……なんと狭量な生物だろうか」
「狭量はともかく、なまもの言うな。あと、頼んでない」
「……文句言う暇があったら、早く食べる」
「はいはい。がつがつがつ」
多少は問題があるものの、全体的に美味しくいただけました。
「ごちそうさまげふー。うまかったぞ」
弁当にフタをしてちなみに渡すが、そのまま動く様子がない。
「どした?」
「……お弁当作ってもらえて、嬉しかった?」
「? まぁ、悪い気はしないな」
「……そ、そう。……やれやれ、私を嫁にしたいとタカシは言う」
「超言ってねーっ!」
突拍子もない台詞に、全力でつっこむ。
「……言った」(ほっぺぷくー)
「いつ言った何時言った何時何分何秒地球が何回まわったとき言った!?」
「……タカシ、子供みたい」
「子供に言われたくねー!」
「……子供じゃない。大人。超大人」(ほっぺぷくー)
「ちなみが大人なら、俺はもはや中年と言っても過言ではないぞ?」
「……やーい中年」
「まるで嬉しくない! 畜生、畜生! はめられた!」
「……いま分かった。タカシは馬鹿だ。基本的に何も考えずに喋ってる」
「失礼な。時々は考えてるぞ?」
呆れたようにちなみは首を振った。失礼な奴め。
「……まあいい。……それじゃ、また次も作ってくるので、ありがたく食べるように」
「え」
「……私の作るお弁当をタカシは嫌だと言う。……吐き気を催さんばかりだと言う」(じわーっ)
「だから、言ってねーっつの! すぐ女の武器を使うな! 分かったお願いしますどうか俺に弁当作ってきてください!」
「……やれやれ、そこまで言われては断れない。……まったく、タカシはワガママだ」
どっちがワガママだ、と思いながらも次の弁当を楽しみにしている自分がいた。
「……べ、別に私が作ってあげたいんじゃない。……タカシが楽しみにしてるから、作ってやるだけ。……ああ面倒だ」
俺の視線に気づいたのか、慌てたように言い訳を並べるちなみだった。
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【一度も勝ったことのないツンデレ】
2010年02月20日
「勝負よ、タカシ!」
昼下がりの教室。机に頭を乗せ、ぼんにゃりひなたぼっこしてたら、かなみが仁王立ちして俺に指を突きつけた。
「嫌です」
「嫌でも勝負するの! そっちが来ないなら、勝手にするわよ!」
「困ります」
「うっさい! いくわよ!」
頭上に飛来する肘の気配を察し、華麗にかわすと同時に体を翻し廊下に脱兎。
「あっ、こら逃げるな!」
俺の机に大きな穴を開けたかなみが、慌てて追いかけてきた。来なくていいのに。
「あー、いかん。眠い。……ふああああ」
「あくびしながら逃げるな! こら、勝負しろ!」
「嫌だ」
窓のさんに乗り、そこから外の木に飛び移る。
「この、猿みたいに……ちょ、ちょっと待ってなさいよ! すぐそこまで行くからね!」
流石にスカートで飛ぶのは抵抗があるのか、かなみは窓からそう吐き捨てると校舎の中に消えていった。この隙に木から降り、こそこそっと体育倉庫に隠れる。
「ふひゅー。やれやれ、まいたか」
なんだか知らないが、かなみは俺と勝負し、勝ちたいらしい。学校で名のある奴は全部倒し、残りは俺だけとか。しかし、殴られるのは嫌いなのでこうして逃げているのだけど……全く、迷惑な話だ。
「タカシッ! ここかっ!」
がらりとドアが開き、怖い女の子が入ってきた。慌てて息を潜め、気配を消す。
「……いないの?」
いません。だから出ていって。お願い。
「あー、走って汗かいちゃった。誰か拭いてくれないかなー、あたしの体」
「こんな展開を待っていた! 今こそ俺のフキフキぱぅわーを魅せる時!」
あまりの提案に、思わず立ち上がって叫んでしまった。いや、うん。罠って気づいていたんだけど、しょうがないじゃないか!(泣)
「……自分でやっておいてなんだけど、なんでこんなのに引っかかるかね」
「うう、うるさい! 引っかかってやったんだからフキフキさせろ! 股間とか!」
「させるわけないでしょ、この変態! とにかく、勝負よ!」
かなみは一足飛びで俺の懐まで飛び込み、肘打ちを仕掛けてきた。当たると痛い(予想)ので、いなして地面に敷いてあるマットに倒す。
「んきゃっ! ……うう、まだよ!」
かなみは尻餅を着いたまま、鋭い蹴りを連続で仕掛けた。これまた当たると痛い(予想)ので、しっかり見切って足首を掴む。
「きゃっ! は、離しなさいよ!」
「離すと蹴るだろ」
「当たり前じゃない! 早く離しなさいよ、ばかっ!」
「あーうん、ちょっと待って」(じーっ)
「ちょっと、人の話を聞いて……こっ、こらっ、どこ見てんのよ!」
「ぱんつ」
「言うなっ、ばかっ!」
どこを見てるのか聞かれたから言ったのに怒られた。しかも空いてる足で蹴られたので、手を離してしまった。
「うー……」
さらに追撃が来るかと思って身構えていたのだけど、かなみは恥ずかしそうにスカートを押さえているだけだった。
「や、よいパンツでしたよ? ただ、惜しむらくは暗がりなのでよく見えませんでした」
「感想を言うなッ! もー、なんでアンタみたいな変態に勝てないのよッ! 空手部もボクシング部も不良グループも制圧したのに、なんでアンタにだけ勝てないのよッ!」
「いやあ、はっはっは」
ナントカ流の師範代だという近所の爺さんの、稽古という名の虐待を受け続けたガキの頃を思い出し、軽く身震い。あまり思い出したくない記憶だ。
「笑うなッ! あーっ、もーっ! こんな奴に負けた自分が腹立つ!」
「まあそんな日もあるよね」
「うるさい笑うなヘラヘラすんなっ! こーなったら、あたしが勝てるまで勝負しなさい、勝負!」
「嫌。困る。すごい迷惑」
「いいからしなさいよっ!」
「うーん、勝負しても俺にメリットがないしなぁ……あ、そうだ!」
とてもナイスな案が浮かんだ。
「……ほ、ホントにこうしたら勝負してくれるのね?」
「そのたうり。むふー」
ナイスな案、それは勝負する毎に俺とイチャイチャすることだ! そんなわけで、かなみを膝に乗せ、後ろから抱っこしてます。
「うー……」
「ほら、むくれてないで台詞台詞」
「わ、分かってるわよ。……えっと、『ねぇ、タカシ。あたしのこと好き? あたしは、タカシのこと大好きだお♪』」
「うお……うおお、俺も好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「きゃっ、この……変なとこ触るな! ばかあっ!」
感極まってぎゅーっと抱きしめたら怒られた。
「や、失敬失敬。ちょっと感情が溢れまして」
「この、ド変態が……いい、言っとくケドね、アンタのことなんて好きでもなんでもないんだからね! 勝負してもらうために好きって言ってるだけなんだからねっ!」
「はいはい、よーく分かってますよ。んじゃ、また甘い台詞お願い」
「ま、またぁ? い、いいじゃない、もう言ったんだから」
「ダメ。勝負しねーぞ」
「わ、分かったわよ。……た、タカシ、ずっとあたしの側にいてよね」
「もちろんだッ! 一生守ってやるぞ、俺の嫁ッ! 大好きだぞッ!」
「嫁じゃないッ! 好きとか言うなイチイチ抱きつくなほっぺにちゅーするな、ばかっ!」
こんな楽しいご褒美があるのなら、毎日勝負したいです。
昼下がりの教室。机に頭を乗せ、ぼんにゃりひなたぼっこしてたら、かなみが仁王立ちして俺に指を突きつけた。
「嫌です」
「嫌でも勝負するの! そっちが来ないなら、勝手にするわよ!」
「困ります」
「うっさい! いくわよ!」
頭上に飛来する肘の気配を察し、華麗にかわすと同時に体を翻し廊下に脱兎。
「あっ、こら逃げるな!」
俺の机に大きな穴を開けたかなみが、慌てて追いかけてきた。来なくていいのに。
「あー、いかん。眠い。……ふああああ」
「あくびしながら逃げるな! こら、勝負しろ!」
「嫌だ」
窓のさんに乗り、そこから外の木に飛び移る。
「この、猿みたいに……ちょ、ちょっと待ってなさいよ! すぐそこまで行くからね!」
流石にスカートで飛ぶのは抵抗があるのか、かなみは窓からそう吐き捨てると校舎の中に消えていった。この隙に木から降り、こそこそっと体育倉庫に隠れる。
「ふひゅー。やれやれ、まいたか」
なんだか知らないが、かなみは俺と勝負し、勝ちたいらしい。学校で名のある奴は全部倒し、残りは俺だけとか。しかし、殴られるのは嫌いなのでこうして逃げているのだけど……全く、迷惑な話だ。
「タカシッ! ここかっ!」
がらりとドアが開き、怖い女の子が入ってきた。慌てて息を潜め、気配を消す。
「……いないの?」
いません。だから出ていって。お願い。
「あー、走って汗かいちゃった。誰か拭いてくれないかなー、あたしの体」
「こんな展開を待っていた! 今こそ俺のフキフキぱぅわーを魅せる時!」
あまりの提案に、思わず立ち上がって叫んでしまった。いや、うん。罠って気づいていたんだけど、しょうがないじゃないか!(泣)
「……自分でやっておいてなんだけど、なんでこんなのに引っかかるかね」
「うう、うるさい! 引っかかってやったんだからフキフキさせろ! 股間とか!」
「させるわけないでしょ、この変態! とにかく、勝負よ!」
かなみは一足飛びで俺の懐まで飛び込み、肘打ちを仕掛けてきた。当たると痛い(予想)ので、いなして地面に敷いてあるマットに倒す。
「んきゃっ! ……うう、まだよ!」
かなみは尻餅を着いたまま、鋭い蹴りを連続で仕掛けた。これまた当たると痛い(予想)ので、しっかり見切って足首を掴む。
「きゃっ! は、離しなさいよ!」
「離すと蹴るだろ」
「当たり前じゃない! 早く離しなさいよ、ばかっ!」
「あーうん、ちょっと待って」(じーっ)
「ちょっと、人の話を聞いて……こっ、こらっ、どこ見てんのよ!」
「ぱんつ」
「言うなっ、ばかっ!」
どこを見てるのか聞かれたから言ったのに怒られた。しかも空いてる足で蹴られたので、手を離してしまった。
「うー……」
さらに追撃が来るかと思って身構えていたのだけど、かなみは恥ずかしそうにスカートを押さえているだけだった。
「や、よいパンツでしたよ? ただ、惜しむらくは暗がりなのでよく見えませんでした」
「感想を言うなッ! もー、なんでアンタみたいな変態に勝てないのよッ! 空手部もボクシング部も不良グループも制圧したのに、なんでアンタにだけ勝てないのよッ!」
「いやあ、はっはっは」
ナントカ流の師範代だという近所の爺さんの、稽古という名の虐待を受け続けたガキの頃を思い出し、軽く身震い。あまり思い出したくない記憶だ。
「笑うなッ! あーっ、もーっ! こんな奴に負けた自分が腹立つ!」
「まあそんな日もあるよね」
「うるさい笑うなヘラヘラすんなっ! こーなったら、あたしが勝てるまで勝負しなさい、勝負!」
「嫌。困る。すごい迷惑」
「いいからしなさいよっ!」
「うーん、勝負しても俺にメリットがないしなぁ……あ、そうだ!」
とてもナイスな案が浮かんだ。
「……ほ、ホントにこうしたら勝負してくれるのね?」
「そのたうり。むふー」
ナイスな案、それは勝負する毎に俺とイチャイチャすることだ! そんなわけで、かなみを膝に乗せ、後ろから抱っこしてます。
「うー……」
「ほら、むくれてないで台詞台詞」
「わ、分かってるわよ。……えっと、『ねぇ、タカシ。あたしのこと好き? あたしは、タカシのこと大好きだお♪』」
「うお……うおお、俺も好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「きゃっ、この……変なとこ触るな! ばかあっ!」
感極まってぎゅーっと抱きしめたら怒られた。
「や、失敬失敬。ちょっと感情が溢れまして」
「この、ド変態が……いい、言っとくケドね、アンタのことなんて好きでもなんでもないんだからね! 勝負してもらうために好きって言ってるだけなんだからねっ!」
「はいはい、よーく分かってますよ。んじゃ、また甘い台詞お願い」
「ま、またぁ? い、いいじゃない、もう言ったんだから」
「ダメ。勝負しねーぞ」
「わ、分かったわよ。……た、タカシ、ずっとあたしの側にいてよね」
「もちろんだッ! 一生守ってやるぞ、俺の嫁ッ! 大好きだぞッ!」
「嫁じゃないッ! 好きとか言うなイチイチ抱きつくなほっぺにちゅーするな、ばかっ!」
こんな楽しいご褒美があるのなら、毎日勝負したいです。
【ツンデレに後ろから追い掛けられたら】
2010年02月20日
悪友にそそのかれて更衣室を覗いてたら、丁度着替えてたかなみと目が合ってしまったので逃げたら追いかけてきた。
「くぉるぁあああああ! 待ちなさい、このド変態ッ!!!」
悪鬼羅刹のような表情で追いかけてくるかなみを見るに、怒髪天を衝くほど怒っているのだろうなあ。捕まると大変な目に遭いそうだなあ。
「待って違う違うんだ、俺が悪いんじゃない、そそのかれたんだ!」
「そそのかれようが覗いた事実は変わらないっ! そしてアンタがあたしに殺される事実も変わりようがないのよッ!」
いかん、本気で怒ってる。このままではミンチより酷い状態になりかねない。なんとかなだめてお仕置きを緩めてもらわねば……!
「安産型のお尻でしたよ?」
「絶対死なすッッッ!!!」
いかん、火に油を注いでしまった。必死に階段を駆け上り……しまった、この上は屋上だ! 逃げ場がない! しかし、ここでまごまごしていても待ち受けるのは死だけなので、ドアを開け放ち屋上に飛び出る。
「……ふっふっふ、年貢の納め時のようね、別府タカシ!」
ドアを背にかなみは勝ち誇った。屋上は金網で周囲をぐるりと囲まれており、ベンチがいくつかあるだけで隠れられるような場所なんてない。もう……ダメだ。
「何か言い残すことある?」
がっくりと膝を着く俺の前で仁王立ちになり、かなみが問いかける。
「この位置関係だと、ちょうどパンツが見えて大変嬉しいです」
「なっ、み、見るな変態っ!」
思い切り頭を踏まれ、おでこから地面に激突。世界が暗転した。
「……カシ、タカシ、タカシ!」
「……あー、はい。俺の名前です」
「……ばかっ! 早く目を覚ましなさいよ、ばかばか!」
「あい?」
真っ暗な世界にいたかと思ったら、赤の世界に来たようです。風に遊ばれてるかなみの髪も燃える様な赤に染まっていて、とても綺麗です。
「……アンタ、さっきまでピクリとも動かなかったんだから。……死んだかと思ったじゃない」
そう言って、かなみは目をこすった。ちょっと心配をかけてしまったようだ。
「あー、うん。ごめんな」
「う、……ま、まぁ、あたしもちこっとだけ悪かったけど。こんなトコで頭踏んじゃったんだし」
かなみが心配そうに俺のおでこを触った途端、焼けるような痛みが走った。
「いたっ!」
「あ、ご、ごめん、ごめんね。痛かった?」
「ヒリヒリする。下がコンクリなのに、思い切り踏まれるとは予想だにしなかった。恐るべし、かなみ」
「わ、悪かったわよ。……悪かったと思ってるんだから、こうして膝枕してやってるんじゃない」
……?
「膝枕?」
「そ、そうよ。悪い?」
あーそういや木のベンチの割になんか頭の後ろがふかふかするなーって思ってたんだ。そっか膝枕だとふかふかだよなー太ももだもんなーって
「何ィッ!?」
あまりの驚きにバネじかけの人形みたいな動きで跳ね起きる。
「きゃっ! も、もう! 変な動きしないでよ! びっくりするじゃない!」
「びっくりはこっちの話だ! いわゆる吃驚ってえ奴だ! え、膝枕? 予定調和的ラブコメの主人公が頻繁に遭遇する例のアレ?」
「よ、よく分かんないけど、膝枕は膝枕よ。……べ、別に好きでやってるんじゃないわよ。頭ぶつけてたし、他に枕みたいなのがなかったから、仕方なくしてただけよ」
頬を軽く染めながら、かなみは恥ずかしそうに呟いた。
「いーからほら、もうちょっと休んでなさい。頭ぶつけたんだから、急に動いたりしたら危ないわよ」
「む」
優しく誘導され、再び膝枕状態に。
「覗きなんかするからこんな目に遭うのよ。まったく、なんでこんなエッチなのよ……」
「や、また膝枕されるなら、再び覗くのもやぶさかでもない」
「覗くなッ! ちょっとは反省しなさい!」
「それが嫌なら、今後も継続して膝枕を要求する」
「な、なんであたしがアンタなんかのためにわざわざしてあげなくちゃいけないのよ!」
「してほしいなあ……かなみに膝枕してほしいなあ」
「う……そ、そんな捨てられた子犬みたいな目で見ないでよ」
「きゅーん、きゅーん」
「……ああもうっ! そんな目で見られるくらいなら、してやった方がマシよ! 分かったわよ、そのうちまたしてあげるわよ!」
「やった! 絶対だぞ? 約束だぞ?」
「はいはい、分かったわよ」
「楽しみだなあ……かなみとのベロちゅー!」
「んな約束してないわよッ!」
屋上にかなみの叫びが響き渡った。
「くぉるぁあああああ! 待ちなさい、このド変態ッ!!!」
悪鬼羅刹のような表情で追いかけてくるかなみを見るに、怒髪天を衝くほど怒っているのだろうなあ。捕まると大変な目に遭いそうだなあ。
「待って違う違うんだ、俺が悪いんじゃない、そそのかれたんだ!」
「そそのかれようが覗いた事実は変わらないっ! そしてアンタがあたしに殺される事実も変わりようがないのよッ!」
いかん、本気で怒ってる。このままではミンチより酷い状態になりかねない。なんとかなだめてお仕置きを緩めてもらわねば……!
「安産型のお尻でしたよ?」
「絶対死なすッッッ!!!」
いかん、火に油を注いでしまった。必死に階段を駆け上り……しまった、この上は屋上だ! 逃げ場がない! しかし、ここでまごまごしていても待ち受けるのは死だけなので、ドアを開け放ち屋上に飛び出る。
「……ふっふっふ、年貢の納め時のようね、別府タカシ!」
ドアを背にかなみは勝ち誇った。屋上は金網で周囲をぐるりと囲まれており、ベンチがいくつかあるだけで隠れられるような場所なんてない。もう……ダメだ。
「何か言い残すことある?」
がっくりと膝を着く俺の前で仁王立ちになり、かなみが問いかける。
「この位置関係だと、ちょうどパンツが見えて大変嬉しいです」
「なっ、み、見るな変態っ!」
思い切り頭を踏まれ、おでこから地面に激突。世界が暗転した。
「……カシ、タカシ、タカシ!」
「……あー、はい。俺の名前です」
「……ばかっ! 早く目を覚ましなさいよ、ばかばか!」
「あい?」
真っ暗な世界にいたかと思ったら、赤の世界に来たようです。風に遊ばれてるかなみの髪も燃える様な赤に染まっていて、とても綺麗です。
「……アンタ、さっきまでピクリとも動かなかったんだから。……死んだかと思ったじゃない」
そう言って、かなみは目をこすった。ちょっと心配をかけてしまったようだ。
「あー、うん。ごめんな」
「う、……ま、まぁ、あたしもちこっとだけ悪かったけど。こんなトコで頭踏んじゃったんだし」
かなみが心配そうに俺のおでこを触った途端、焼けるような痛みが走った。
「いたっ!」
「あ、ご、ごめん、ごめんね。痛かった?」
「ヒリヒリする。下がコンクリなのに、思い切り踏まれるとは予想だにしなかった。恐るべし、かなみ」
「わ、悪かったわよ。……悪かったと思ってるんだから、こうして膝枕してやってるんじゃない」
……?
「膝枕?」
「そ、そうよ。悪い?」
あーそういや木のベンチの割になんか頭の後ろがふかふかするなーって思ってたんだ。そっか膝枕だとふかふかだよなー太ももだもんなーって
「何ィッ!?」
あまりの驚きにバネじかけの人形みたいな動きで跳ね起きる。
「きゃっ! も、もう! 変な動きしないでよ! びっくりするじゃない!」
「びっくりはこっちの話だ! いわゆる吃驚ってえ奴だ! え、膝枕? 予定調和的ラブコメの主人公が頻繁に遭遇する例のアレ?」
「よ、よく分かんないけど、膝枕は膝枕よ。……べ、別に好きでやってるんじゃないわよ。頭ぶつけてたし、他に枕みたいなのがなかったから、仕方なくしてただけよ」
頬を軽く染めながら、かなみは恥ずかしそうに呟いた。
「いーからほら、もうちょっと休んでなさい。頭ぶつけたんだから、急に動いたりしたら危ないわよ」
「む」
優しく誘導され、再び膝枕状態に。
「覗きなんかするからこんな目に遭うのよ。まったく、なんでこんなエッチなのよ……」
「や、また膝枕されるなら、再び覗くのもやぶさかでもない」
「覗くなッ! ちょっとは反省しなさい!」
「それが嫌なら、今後も継続して膝枕を要求する」
「な、なんであたしがアンタなんかのためにわざわざしてあげなくちゃいけないのよ!」
「してほしいなあ……かなみに膝枕してほしいなあ」
「う……そ、そんな捨てられた子犬みたいな目で見ないでよ」
「きゅーん、きゅーん」
「……ああもうっ! そんな目で見られるくらいなら、してやった方がマシよ! 分かったわよ、そのうちまたしてあげるわよ!」
「やった! 絶対だぞ? 約束だぞ?」
「はいはい、分かったわよ」
「楽しみだなあ……かなみとのベロちゅー!」
「んな約束してないわよッ!」
屋上にかなみの叫びが響き渡った。
【ツンデレに鞄を持たされたら】
2010年02月20日
「おい、そこの人間廃棄物」
帰る準備をしてたら酷いあだ名で呼ばれたので振り向くと、みことが腕を組んで立っていた。
「違います」
「うるさい。貴様なぞ廃棄物で充分だ。特別に私の鞄を持つ栄誉を与えてやろう」
当然のように鞄を俺に放り、みことは教室を出て行った。
「なんつー傲慢な奴だ! この俺がホイホイついていくと思ったら大間違いだ! 今すぐこの鞄を引き裂き、中身を千切っては投げ千切っては投げ」
「早くしろ愚図」
「はい」
廊下からの声に、しょんぼりしながら教室を出る。まだ残ってた数人の級友が可哀想な人を見る目で俺を見ていた。
「遅いぞ莫迦。私を待たせるなぞ100億光年早い」
「光年は距離の単位だと思うますが」
「私に意見するなぞ100兆年早いわ、廃棄物。貴様は黙って鞄を持っていればいいのだ」
くの……この野郎。怒り心頭、犯してくれる!(脳内で) ふははは、スク水姿でよがり狂っておるわ!(脳内で)
「おい、貴様の見るに耐えない醜悪な顔が更に歪んでいる。私の視界に入らぬ位置でやれ」
「はい、すいません」
半泣きでみことの家まで着いていき、鞄を届ける。
「寄っていけ、廃棄物」
「あい」
てってけてーとみことに着いていき、彼女の部屋へ。
「適当に座れ」
言われた通り適当に座布団の上に座り、その俺の上にみことが座る。
「ふん。人間の屑のくせに、座り心地は中々だな」
「そいつはどうも」
偉そうに鼻を鳴らし、みことは俺にもたれた。
「今日の稽古も、貴様が相手しろ」
「とても嫌だ」
「何か言ったか?」
「みことに相手してもらえるだなんて、光栄の至りだなあ」
本当は竹刀でべこんぼこんにされるので、とても嫌だ。
「ふん、当然だ。私に選ばれた栄誉を噛み締めていろ」
「や、別にいいんだけど……俺、弱いよ? みことは強いんだから、俺みたいな素人じゃなくて、門下生の人とやった方がいいんではないかと」
みことの家はなんとかという流派の道場の始祖らしく、今では全国に沢山の道場があるらしい。当然、その娘であるみことはトテモツヨイので、俺なんかじゃ到底相手できないのだが……。
「私に意見するな、愚図。貴様は黙って私の相手をしていればいいのだ」
そう言って、みことは全国から選りすぐられた門下生たちと手合わせせず、俺ばかりいじめる……もとい、稽古をつける。
「……それに、貴様も一応は門下生ではないか」
「誰も頼んでないのにな」
気がつけばみことに無理矢理入門させられていた。本当は俺みたいな素人は門前払いされるらしいが、みことの知り合いということで特別に入門を許されたのだ。
「貴様の軟弱さがあまりに目に余ったからだ。私の優しさに感激し、涙で溺れぬようにな」
「そいつぁどうも」
「……感謝の念が感じられんな。貴様はもっと私を尊敬しろ」
「無茶を言うない。まったく、みことがいなけりゃ、こんなとこ今すぐ辞めてんだけどなあ」
後ろからみことをぎゅっと抱きしめ、胸いっぱいに彼女の匂いを吸い込む。
「……何をしている」
「みこと臭を吸収中」
「やめんか、変態めが! ええい、離せ!」
「うーん、ムラムラしてきた」
「ふ、ふざけるな! そんなつもりで連れてきたのではないわ、たわけ! ええい、いつもいつも私に欲情しおって……この変態が!」
「ちゅーしたいな、ちゅー」
「だ、ダメに決まっているだろう、莫迦が!」
「ちゅー」
「んぷ……む、ちゅ……や、やめろと言ったはずだ、この莫迦が。ど、どうしてお前は毎回私にちゅーをするのか。まったく、貴様の脳はどうかしている」
「…………」
「な、なんだ? 己の低脳さに気づき、命を絶つ事を決心したか?」
「悪口言いながら俺にしがみ付いてるみことラブ」
「んにゃ!? ち、ちちち違うぞこれは違うぞ!? こ、これは……そ、そう、このまま貴様を締め落として殺そうと画策している最中だ!」
「あーもう、たまらんなあ!」
「んにゃ!? こ、このみこと様をぎゅーっとするなぞ、本来なら万死に値するぞ、莫迦めが。……と、特別に今だけは許してやるが」
むぎゅーと抱きしめられ、憮然とした表情で頬を高揚させるみことだった。
帰る準備をしてたら酷いあだ名で呼ばれたので振り向くと、みことが腕を組んで立っていた。
「違います」
「うるさい。貴様なぞ廃棄物で充分だ。特別に私の鞄を持つ栄誉を与えてやろう」
当然のように鞄を俺に放り、みことは教室を出て行った。
「なんつー傲慢な奴だ! この俺がホイホイついていくと思ったら大間違いだ! 今すぐこの鞄を引き裂き、中身を千切っては投げ千切っては投げ」
「早くしろ愚図」
「はい」
廊下からの声に、しょんぼりしながら教室を出る。まだ残ってた数人の級友が可哀想な人を見る目で俺を見ていた。
「遅いぞ莫迦。私を待たせるなぞ100億光年早い」
「光年は距離の単位だと思うますが」
「私に意見するなぞ100兆年早いわ、廃棄物。貴様は黙って鞄を持っていればいいのだ」
くの……この野郎。怒り心頭、犯してくれる!(脳内で) ふははは、スク水姿でよがり狂っておるわ!(脳内で)
「おい、貴様の見るに耐えない醜悪な顔が更に歪んでいる。私の視界に入らぬ位置でやれ」
「はい、すいません」
半泣きでみことの家まで着いていき、鞄を届ける。
「寄っていけ、廃棄物」
「あい」
てってけてーとみことに着いていき、彼女の部屋へ。
「適当に座れ」
言われた通り適当に座布団の上に座り、その俺の上にみことが座る。
「ふん。人間の屑のくせに、座り心地は中々だな」
「そいつはどうも」
偉そうに鼻を鳴らし、みことは俺にもたれた。
「今日の稽古も、貴様が相手しろ」
「とても嫌だ」
「何か言ったか?」
「みことに相手してもらえるだなんて、光栄の至りだなあ」
本当は竹刀でべこんぼこんにされるので、とても嫌だ。
「ふん、当然だ。私に選ばれた栄誉を噛み締めていろ」
「や、別にいいんだけど……俺、弱いよ? みことは強いんだから、俺みたいな素人じゃなくて、門下生の人とやった方がいいんではないかと」
みことの家はなんとかという流派の道場の始祖らしく、今では全国に沢山の道場があるらしい。当然、その娘であるみことはトテモツヨイので、俺なんかじゃ到底相手できないのだが……。
「私に意見するな、愚図。貴様は黙って私の相手をしていればいいのだ」
そう言って、みことは全国から選りすぐられた門下生たちと手合わせせず、俺ばかりいじめる……もとい、稽古をつける。
「……それに、貴様も一応は門下生ではないか」
「誰も頼んでないのにな」
気がつけばみことに無理矢理入門させられていた。本当は俺みたいな素人は門前払いされるらしいが、みことの知り合いということで特別に入門を許されたのだ。
「貴様の軟弱さがあまりに目に余ったからだ。私の優しさに感激し、涙で溺れぬようにな」
「そいつぁどうも」
「……感謝の念が感じられんな。貴様はもっと私を尊敬しろ」
「無茶を言うない。まったく、みことがいなけりゃ、こんなとこ今すぐ辞めてんだけどなあ」
後ろからみことをぎゅっと抱きしめ、胸いっぱいに彼女の匂いを吸い込む。
「……何をしている」
「みこと臭を吸収中」
「やめんか、変態めが! ええい、離せ!」
「うーん、ムラムラしてきた」
「ふ、ふざけるな! そんなつもりで連れてきたのではないわ、たわけ! ええい、いつもいつも私に欲情しおって……この変態が!」
「ちゅーしたいな、ちゅー」
「だ、ダメに決まっているだろう、莫迦が!」
「ちゅー」
「んぷ……む、ちゅ……や、やめろと言ったはずだ、この莫迦が。ど、どうしてお前は毎回私にちゅーをするのか。まったく、貴様の脳はどうかしている」
「…………」
「な、なんだ? 己の低脳さに気づき、命を絶つ事を決心したか?」
「悪口言いながら俺にしがみ付いてるみことラブ」
「んにゃ!? ち、ちちち違うぞこれは違うぞ!? こ、これは……そ、そう、このまま貴様を締め落として殺そうと画策している最中だ!」
「あーもう、たまらんなあ!」
「んにゃ!? こ、このみこと様をぎゅーっとするなぞ、本来なら万死に値するぞ、莫迦めが。……と、特別に今だけは許してやるが」
むぎゅーと抱きしめられ、憮然とした表情で頬を高揚させるみことだった。
【いくらなんでも胸が無さすぎるツンデレ】
2010年02月20日
ちなみと一緒に登校してる最中、ふと視線が彼女の胸に行く。
「……すけべ」
視線を感じたのか、ちなみは胸を隠し、目を三角にして俺を睨んだ。
「いや、そういう意味の視線ではない。膨らみが全くないにゃーと思っただけにすぎないのだ」
「……失礼千万」
機嫌を損ねたようで、ほっぺを引っ張られた。
「いや、そうは言うがな、ちなみ。女性でここまで乳なし芳一だと問題があると思うぞ」
自分でもそう思っていたのか、ちなみは俺から手を離し、悲しそうに目を伏せた。
「……私にだけ、第二次性徴が来ない。……あと、耳なし芳一みたいに言うな」
「じゃ、全身に般若心経書こうか?」
「……別に、耳なし芳一になりたいわけじゃない」
「年頃の娘さんは難しいなあ」
やりきれない感じのため息を吐かれた。
「……とはいえ、直に成長する。……超ナイスボディ確定。……上から90・59・88」
「バスト90cm、ウエスト59cm、足のサイズ88cmか。随分といびつな生き物になりたいんだな。将来の夢はビッグフット?」
「……どう考えてもヒップに決まってる。……どうして足のサイズと思うのか」
「バストウエストと来て、次が首の長さだと変だろ?」
「……足のサイズでも変。……まったく、どうして普通に会話できないのか」
「会話してる相手が普通の胸囲じゃないからな」
再びほっぺを引っ張られ痛い痛い。
「まあそう怒るな。大丈夫、きっと成長するさな」
「タカシ……」
「…………」
「……どうして目頭を押さえているのか」
「いや、成長すると信じきるお前があまりに不憫で」
「……自分で言っておいて、まるで信じてない。……許せぬ」
三度目のほっぺ引っ張り。痛いよ?
「まあ、アレだ。あんま気にするな。そーゆーのが好きなのも近頃はたんといる。問題ない」
「……ロリコンに好かれても、まるで嬉しくない」
「ロリコンを子供好きと変換すると、心温まるラブストーリーが始まりそうだと思いませんか?」
「……いかに言葉を飾ろうと、変態野郎は変態野郎のまま」
「いや、変態野郎が編隊野郎に変身する」
「……変態が増えた」
変態が編隊でやってくる様は、さながら地獄絵図です。
「うう……嫌だ、変態が編隊してやってくる」
「変態野郎Aチーム。ロリの天才だ。リア充でもぶん殴ってみせらあ。でも、熟女だけは勘弁な!」
「熟女に……早く熟女にならないと」
ちなみがおかしくなってきた。
「大丈夫。何が襲ってきたって、俺がちなみを守るから」
「……タカシ」
よし、好感度うなぎ上り!
「……でも、よく考えたら襲ってくるのはロリコンのタカシぐらいだ」
「しまった、冷静になられた! あと、俺はロリコンではないよ? ちっちゃくてつるぺたな女性が好きなだけですよ?」
「……それを人はロリコンと呼ぶ。……寄るな、変態」
「非常に残念」
適当な会話に満足したのでそのまま学校に行こうとしたら、制服の裾をきゅっと掴まれた。
「うん?」
「……た、タカシを放っておくと近所の小学生が非常に危険なので、私が捕まえておかねば」
「人を性犯罪者扱いするねい。分別くらいついてるよ」
「……騙されない。……はい、逮捕」
人を何だと思ってんだ、とか思ってたら、きゅっと手を握られた。
「逮捕ですか」
「……逮捕、連行、処刑」
「死ぬのか、俺」
「……それが嫌なら、このまま学校に行くこと」
「えーと。手、握りたかったの?」
その一言で、耳まで赤くなった。
「か、勘違いも甚だしい。連行しているだけ。やれやれ、タカシは何を言っているのか」
早口に言いながらも手を離そうとしないちなみと一緒に、学校に向かいました。
「……すけべ」
視線を感じたのか、ちなみは胸を隠し、目を三角にして俺を睨んだ。
「いや、そういう意味の視線ではない。膨らみが全くないにゃーと思っただけにすぎないのだ」
「……失礼千万」
機嫌を損ねたようで、ほっぺを引っ張られた。
「いや、そうは言うがな、ちなみ。女性でここまで乳なし芳一だと問題があると思うぞ」
自分でもそう思っていたのか、ちなみは俺から手を離し、悲しそうに目を伏せた。
「……私にだけ、第二次性徴が来ない。……あと、耳なし芳一みたいに言うな」
「じゃ、全身に般若心経書こうか?」
「……別に、耳なし芳一になりたいわけじゃない」
「年頃の娘さんは難しいなあ」
やりきれない感じのため息を吐かれた。
「……とはいえ、直に成長する。……超ナイスボディ確定。……上から90・59・88」
「バスト90cm、ウエスト59cm、足のサイズ88cmか。随分といびつな生き物になりたいんだな。将来の夢はビッグフット?」
「……どう考えてもヒップに決まってる。……どうして足のサイズと思うのか」
「バストウエストと来て、次が首の長さだと変だろ?」
「……足のサイズでも変。……まったく、どうして普通に会話できないのか」
「会話してる相手が普通の胸囲じゃないからな」
再びほっぺを引っ張られ痛い痛い。
「まあそう怒るな。大丈夫、きっと成長するさな」
「タカシ……」
「…………」
「……どうして目頭を押さえているのか」
「いや、成長すると信じきるお前があまりに不憫で」
「……自分で言っておいて、まるで信じてない。……許せぬ」
三度目のほっぺ引っ張り。痛いよ?
「まあ、アレだ。あんま気にするな。そーゆーのが好きなのも近頃はたんといる。問題ない」
「……ロリコンに好かれても、まるで嬉しくない」
「ロリコンを子供好きと変換すると、心温まるラブストーリーが始まりそうだと思いませんか?」
「……いかに言葉を飾ろうと、変態野郎は変態野郎のまま」
「いや、変態野郎が編隊野郎に変身する」
「……変態が増えた」
変態が編隊でやってくる様は、さながら地獄絵図です。
「うう……嫌だ、変態が編隊してやってくる」
「変態野郎Aチーム。ロリの天才だ。リア充でもぶん殴ってみせらあ。でも、熟女だけは勘弁な!」
「熟女に……早く熟女にならないと」
ちなみがおかしくなってきた。
「大丈夫。何が襲ってきたって、俺がちなみを守るから」
「……タカシ」
よし、好感度うなぎ上り!
「……でも、よく考えたら襲ってくるのはロリコンのタカシぐらいだ」
「しまった、冷静になられた! あと、俺はロリコンではないよ? ちっちゃくてつるぺたな女性が好きなだけですよ?」
「……それを人はロリコンと呼ぶ。……寄るな、変態」
「非常に残念」
適当な会話に満足したのでそのまま学校に行こうとしたら、制服の裾をきゅっと掴まれた。
「うん?」
「……た、タカシを放っておくと近所の小学生が非常に危険なので、私が捕まえておかねば」
「人を性犯罪者扱いするねい。分別くらいついてるよ」
「……騙されない。……はい、逮捕」
人を何だと思ってんだ、とか思ってたら、きゅっと手を握られた。
「逮捕ですか」
「……逮捕、連行、処刑」
「死ぬのか、俺」
「……それが嫌なら、このまま学校に行くこと」
「えーと。手、握りたかったの?」
その一言で、耳まで赤くなった。
「か、勘違いも甚だしい。連行しているだけ。やれやれ、タカシは何を言っているのか」
早口に言いながらも手を離そうとしないちなみと一緒に、学校に向かいました。


