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2026年03月19日
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【ツンデレが男の食器を洗ってあげたら】
2010年03月10日
ご飯食べてソファに寝転び、げふー。
「おいタカシ、食べ終わったなら食器を洗え。自分の分は自分でするのが我が家のルールだろうが」
人が折角げふーを堪能しているというのに、姉がみゃーみゃーうるさい。
「うるさいなあ……後でやるよ」
「姉に向かってその口の利き方はなんだっ!」
「ぼく、すぐやるよ!」
とても怖かったのですぐさま飛び上がり、食器を洗うべく流し台へ。
「うん? 姉貴、スポンジがないよ? 食べた?」
「お前じゃあるまいし、食うか」
俺も食べた経験はありません。
「ふむ、スポンジ……あ、汚れてたんで捨てたんだ。いま新しいの出すからな」
「あはは、姉貴のドジー」
流しの下の収納をあさる姉を、軽くからかう。
「ふん、好きに言え。私とて、そういうこともある」
「姉貴のド貧乳」
「好きに言えとは言ったが、好き勝手言えとは言ってない!」
ド貧乳が俺の口に真新しいスポンジをぽんぽん入れるので、苦しい上にまずい。
「もがもがもが」
「ふぅ……全部詰めてやったぞ」
そこでなんで満足げなのかちっとも分かりませんが、それはともかく姉弟にのみ伝わるジェスチャーで切迫してますと伝えたら、どうにか救出してもらった。
「あー、死にかけた。どこに罠が潜んでるか分かりゃしねえ」
「お前が余計なこと言わなければ済む話だ。……あ、スポンジが全部お前の涎まみれだ」
俺の口から取り出したスポンジ全てにぬらりと淫靡なる滴り(俺の涎)が付着しており、俺自身でも触るのが割と嫌っぽい。
「む、名案を思いついたので言う! 姉貴が俺の涎が付着したスポンジをぺろぺろ舐めて、その様子を俺がビデオ撮影すれば大儲けするやも!」
殴られたので、不許可ということらしい。
「じゃあ、直接俺をぺろぺろしてみてはどうだろう」
2回殴られたので、論外ということらしい。
「いやいや、舐めるのは俺の口でなく、俺のちん」
3回殴られたので、この話題は以後封印ということらしい。
「もういい。私が洗うから、お前はそこでじっとしてろ」
コクコク頷くと、姉は俺の涎まみれのスポンジを持ち、流し台の前に立った。
「あ、姉貴、それ俺の涎まみれのスポンジだよ?」
「そうだが?」
それが何か問題あるのか、とでも言いたげに姉貴は少し小首を傾げた。……く、姉貴のくせに可愛いじゃねえか。
「や、俺でも触るのちっとためらうのに……姉貴、よく普通に触れるな」
「? 他の奴ならともかく、お前の涎だから別に平気だぞ?」
「それは愛の告白と受け取ってもよろしいか? よろしい! せーのっ、姉貴ーっ!」
「一人で質問して一人で答えて抱きつくなっ!」
ぴょいんと背中に抱きついたらエルボゥが頭につきささって大変痛い。
「うおお……脳が飛び出そう」
「まったく……姉弟で愛も何もないだろう」
「姉貴姉貴、姉弟愛、という言葉をご存知? ご存知ないなら、馬鹿認定。やーいばーかばーか。あと貧乳」
「いちいち貧乳言うなっ!」
胃を全力で握られ大変痛い。ストマッククローって。
「ううう、胃が飛び出そう……お部屋で寝るる~。お休み姉貴~」
「子どもか」
胃がおかしくなったようなので、部屋に移動して寝ることにする。
「まったく。……愛とか、軽々しく言いすぎだぞ、ばか」
誰もいなくなった台所で、姉はスポンジを軽くなでた。
「おいタカシ、食べ終わったなら食器を洗え。自分の分は自分でするのが我が家のルールだろうが」
人が折角げふーを堪能しているというのに、姉がみゃーみゃーうるさい。
「うるさいなあ……後でやるよ」
「姉に向かってその口の利き方はなんだっ!」
「ぼく、すぐやるよ!」
とても怖かったのですぐさま飛び上がり、食器を洗うべく流し台へ。
「うん? 姉貴、スポンジがないよ? 食べた?」
「お前じゃあるまいし、食うか」
俺も食べた経験はありません。
「ふむ、スポンジ……あ、汚れてたんで捨てたんだ。いま新しいの出すからな」
「あはは、姉貴のドジー」
流しの下の収納をあさる姉を、軽くからかう。
「ふん、好きに言え。私とて、そういうこともある」
「姉貴のド貧乳」
「好きに言えとは言ったが、好き勝手言えとは言ってない!」
ド貧乳が俺の口に真新しいスポンジをぽんぽん入れるので、苦しい上にまずい。
「もがもがもが」
「ふぅ……全部詰めてやったぞ」
そこでなんで満足げなのかちっとも分かりませんが、それはともかく姉弟にのみ伝わるジェスチャーで切迫してますと伝えたら、どうにか救出してもらった。
「あー、死にかけた。どこに罠が潜んでるか分かりゃしねえ」
「お前が余計なこと言わなければ済む話だ。……あ、スポンジが全部お前の涎まみれだ」
俺の口から取り出したスポンジ全てにぬらりと淫靡なる滴り(俺の涎)が付着しており、俺自身でも触るのが割と嫌っぽい。
「む、名案を思いついたので言う! 姉貴が俺の涎が付着したスポンジをぺろぺろ舐めて、その様子を俺がビデオ撮影すれば大儲けするやも!」
殴られたので、不許可ということらしい。
「じゃあ、直接俺をぺろぺろしてみてはどうだろう」
2回殴られたので、論外ということらしい。
「いやいや、舐めるのは俺の口でなく、俺のちん」
3回殴られたので、この話題は以後封印ということらしい。
「もういい。私が洗うから、お前はそこでじっとしてろ」
コクコク頷くと、姉は俺の涎まみれのスポンジを持ち、流し台の前に立った。
「あ、姉貴、それ俺の涎まみれのスポンジだよ?」
「そうだが?」
それが何か問題あるのか、とでも言いたげに姉貴は少し小首を傾げた。……く、姉貴のくせに可愛いじゃねえか。
「や、俺でも触るのちっとためらうのに……姉貴、よく普通に触れるな」
「? 他の奴ならともかく、お前の涎だから別に平気だぞ?」
「それは愛の告白と受け取ってもよろしいか? よろしい! せーのっ、姉貴ーっ!」
「一人で質問して一人で答えて抱きつくなっ!」
ぴょいんと背中に抱きついたらエルボゥが頭につきささって大変痛い。
「うおお……脳が飛び出そう」
「まったく……姉弟で愛も何もないだろう」
「姉貴姉貴、姉弟愛、という言葉をご存知? ご存知ないなら、馬鹿認定。やーいばーかばーか。あと貧乳」
「いちいち貧乳言うなっ!」
胃を全力で握られ大変痛い。ストマッククローって。
「ううう、胃が飛び出そう……お部屋で寝るる~。お休み姉貴~」
「子どもか」
胃がおかしくなったようなので、部屋に移動して寝ることにする。
「まったく。……愛とか、軽々しく言いすぎだぞ、ばか」
誰もいなくなった台所で、姉はスポンジを軽くなでた。
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【ツンデレが犬になりました】
2010年03月09日
かなみが犬になった。という仮説を立ててみる。犬なので、頭をなでられると喜ぶと仮定。実行。
「なでなでなで」
「ちょ、な、なによいきなり……」
補習を終え、教室にて友人らと談笑していたかなみの頭をなでると、困惑した表情で俺を見た。さほど嫌がらないことから、やはり犬の可能性が高い。
「かなみ、顔赤いよ?」
「うっさい! ……あ、あの、タカシ? みんな見てるし、こういうことをここでするのは、その……」
友人がかなみの顔色を指摘しているが、それはともかく、続けて躾けの実験。お手と言ったら、俺の手に自分の手を乗せるだろうか。
「お手」
「だ、だから、そういうプレイは部屋で……」
「プレイだって。常日頃、犬プレイをしていると……恐るべし、かなみ!」
かなみの失言により、友人らが騒ぎ出し、そしてかなみは顔を真っ赤にして俺を睨んだ。なんで俺を。
「それはともかく、お手」
「……ど、どうしても?」
「お手」
「……わ、わん」
かなみはしきりに周囲を見ながら、おずおず俺の手に自分の手を乗せた。しかも、わんと鳴きながら。
「ふむ、かなりの犬度。これはもうズバリ犬と言っても過言ではないだろう。努力により、人は犬になれるのだ。頑張れ、人。負けるな、犬……と」
「……あのさ、タカシ。さっきから何書いてるの?」
「え、あ、いやいやいや。これは全然なんでもないことだから。関係ないから。ほんと。全然」
「…………」
仮説を書いてたメモを無言でひったくられた。そして、無言で蹴られた。
「どういうことよっ!」
「夏休みの自由研究。人は犬になれるか」
「なれないっ! そもそも、自由研究の宿題なんて出てないでしょうがっ! なんでこんなことやんのよっ!」
「いや、急に嫌がらせがしたくなって。できたので満足。むふー」
「もう帰れっ!」
殴られたけど、からかえて満足。明日もやろう。
「なでなでなで」
「ちょ、な、なによいきなり……」
補習を終え、教室にて友人らと談笑していたかなみの頭をなでると、困惑した表情で俺を見た。さほど嫌がらないことから、やはり犬の可能性が高い。
「かなみ、顔赤いよ?」
「うっさい! ……あ、あの、タカシ? みんな見てるし、こういうことをここでするのは、その……」
友人がかなみの顔色を指摘しているが、それはともかく、続けて躾けの実験。お手と言ったら、俺の手に自分の手を乗せるだろうか。
「お手」
「だ、だから、そういうプレイは部屋で……」
「プレイだって。常日頃、犬プレイをしていると……恐るべし、かなみ!」
かなみの失言により、友人らが騒ぎ出し、そしてかなみは顔を真っ赤にして俺を睨んだ。なんで俺を。
「それはともかく、お手」
「……ど、どうしても?」
「お手」
「……わ、わん」
かなみはしきりに周囲を見ながら、おずおず俺の手に自分の手を乗せた。しかも、わんと鳴きながら。
「ふむ、かなりの犬度。これはもうズバリ犬と言っても過言ではないだろう。努力により、人は犬になれるのだ。頑張れ、人。負けるな、犬……と」
「……あのさ、タカシ。さっきから何書いてるの?」
「え、あ、いやいやいや。これは全然なんでもないことだから。関係ないから。ほんと。全然」
「…………」
仮説を書いてたメモを無言でひったくられた。そして、無言で蹴られた。
「どういうことよっ!」
「夏休みの自由研究。人は犬になれるか」
「なれないっ! そもそも、自由研究の宿題なんて出てないでしょうがっ! なんでこんなことやんのよっ!」
「いや、急に嫌がらせがしたくなって。できたので満足。むふー」
「もう帰れっ!」
殴られたけど、からかえて満足。明日もやろう。
【幼女に嫉妬するツンデレ】
2010年03月09日
近頃、というか昔から隣家に住む子供に懐かれてます。「お兄ちゃん」と呼びながら抱きついてくるところから察するに、俺を兄と誤認識しているのだろう。
「違うぞ。俺は赤の他人であり、お前と血の繋がりはない。故に俺をお兄ちゃんと呼ぶのは不許可する」
何度もそう教えてお兄ちゃんと呼ぶのを止めさそうとするのだが、
「えぅぅぅぅ……」(半泣き)
「はーい、お兄ちゃんだよー。泣くのはダメだぞー」
すぐ泣きそうになるので、ついつい兄っぽく振舞ってしまう俺は優しいに違いない。
そんなわけで今日も俺をお兄ちゃんと呼ぶ娘と一緒にだらりと休日を過ごしていたら、ぴんぽんと鳴った。
「正解した! やったぞ麻衣! あ、ちなみに麻衣とは俺をお兄ちゃんと呼ぶお前の名ですね」
俺を置いて一人で客の応対に向かう麻衣。
「……放置プレイは嫌だなあ」
つぶやきながら俺も玄関に向かう。そこに、麻衣を見て目を輝かせているみことがいた。
「レズロリ?」
「だっ、誰がレズロリだっ、誰がっ! 失礼な奴だ」
「んで、何か用? 遊びに来たのか?」
「誰が貴様なんぞと遊ぶか。たまたま近くを通りがかったので、犯罪行為をしていないか様子を見に来たまでだ」
失敬な、とか思ってると、麻衣が俺の服の裾をクイクイ引っ張ってるのに気づいた。
「お兄ちゃん、レズロリってなぁに?」
興味津々な瞳を俺に向ける。好奇心を持つのはいいが、そんなことを教えるのも何なので、適当にあしらおう。
「頭がおかしい人のことだよ」
「お兄ちゃんのことだね!」(満面の笑み)
好かれていると思っていたのだけど、麻衣は俺のことが大嫌いなのかもしれない。
「傷ついた心を癒やすため、青年は旅に出たのだった」
「どっ、どこに頭をつっこんでいる!」
「みことのスカートの中に出かけた青年は、パンツに出会いました」
みことと麻衣の二人から暴力を受けた。
「お兄ちゃん! 麻衣以外の人のスカートに頭つっこんじゃダメでしょ!」
「はい、すいません」
で、居間に戻って麻衣に正座を命じられ、変な説教を受けています。ていうか麻衣ならOKなのか。
「まったく……ごめんね、みことお姉ちゃん。お兄ちゃんって、思ったことをすぐ実行しちゃうから犯罪行為も何のその! なの」
「……ずいぶんと仲がいいんだな」
どこか険のある口調で、みことが俺に言った。
「婚約者だからな」
「ななっ、なんだとっ! きっ、貴様、よもやこんな小さな子相手にあんな事やそんな事してるんじゃないだろうなっ!」
みことが激情して俺の首を絞めにかかった。
「わわわっ! ちっ、違うよ、お兄ちゃんと麻衣は婚約者じゃないよっ! お兄ちゃんを殺さないでー!」
麻衣がとりなしてくれたおかげで、みことは手を離してくれた。
「やれやれ、軽い冗談で死にかけた」
「うるさい! 嘘をつく貴様が悪い!」
「そうだよ! お兄ちゃんが悪い!」
みことに同調し、なぜか麻衣まで俺を責め立ててきた。
「だから、嘘を本当にするべく、婚約者になろっ♪」
ぴょいんと麻衣が飛びついてきて、俺の膝の上に乗った。
「ななっ!?」
それを見て、みことが素っ頓狂な声をあげた。
「お兄ちゃん、婚約指輪ちょうだい♪」
「はい」
「お兄ちゃん、これ輪ゴムだよ!」
落ちてた輪ゴムを渡したら、不満そうな顔をされた。
「今はこれで精一杯」
「あ、ルパンだ。るぱんるぱーん」
「もみあげるゼ!」
麻衣と適当にじゃれてると、みことがやけに冷たい目で俺を見て……いや、睨みつけていることに気づいた。
「……本当に、随分と仲がいいな」
「麻衣とは、かなり昔からの腐れ縁だからな。それこそ、麻衣がオムツに尿を垂れ流してる頃から」
どこが嫌だったのか知らないけれど、麻衣が俺の手に噛み付いてきたので、訂正することにする。
「尿でなく、黄金水と言わないとダメだよな。で、麻衣は今でもオムツ愛用しているオムラーだとか。今でも黄金なる水を垂れ流して生きている可哀想な生物なんだ」
「そんなのしてないもん! ほら見て、ほらほら!」
麻衣がスカートをたくしあげ、股の間にある部位を俺の顔にぐいぐい押しつけてくるので、みことがちょっと直視できないくらい怖い顔になった。
「ええと、麻衣。生暖かい部位を俺の顔に押し付けるのもいいけど、そこにいるお姉ちゃんに後で殺されちゃうので、そろそろやめてほしいと兄は思うのだが」
「んうっ……お、お兄ちゃん、麻衣のパンツに顔を埋めたまま喋らないでぇ……」
「タカシッ!」
どうやらみことの堪忍袋の緒が切れたようで、懐から刀を取り出すところが見えました。
「血まみれだね、お兄ちゃん。包帯足りるかなぁ?」
「わ、私は悪くない。貴様が悪いのだぞ? こんな小さな子に手を出すなど……」
二人から包帯を巻かれながら、みことがぶちぶち言い訳するのを聞く。
「手は出してない。パンツに顔を押し付けただけだ。いわば、顔を出した」
「黙れ」
怖いので黙ることにする。
「……ふぅっ、治療完了! これでまたお姉ちゃんに刀でずぱずぱ切られてもへーきだよ!」
刀で切られたら人は死ぬ事を麻衣には教えないといけない。いや、みことに教えるのが先か。
「みこと。刀で人を切ったら死ぬので、やめなさい」
「安心しろ。この刀は貴様にのみ使っている。死ぬとしたら貴様だけだ」
それが嫌なんだけど、麻衣が隣で「なるほど」とうなずいてるので反論できない。
「つまり、みことお姉ちゃんはお兄ちゃんが嫌いなんだね?」
「無論だ。ただ、こんな奴を野放しにしていては迷惑極まりないので、見張っているだけだ」
「じゃ、私がお兄ちゃんと好き好き同士になってもいいんだね?」
「う……む、無論だ。私はこんな奴、大嫌いだからな」
「俺はみことのこと、結構好きだけどな」
「っ!!」
みことが息を呑んだ。
「ぎゅー」
そして麻衣が俺の首を真顔で絞めるので、俺は息を呑めない。ていうか呼吸不能。
「ま、麻衣ちゃん麻衣ちゃん! タカシの顔が尋常ならざる色になっているぞ!?」
「あちゃー、やりすぎちった。てへ☆」
まるで心配の色が見えない麻衣の声を聞きながら、意識混濁。
「違うぞ。俺は赤の他人であり、お前と血の繋がりはない。故に俺をお兄ちゃんと呼ぶのは不許可する」
何度もそう教えてお兄ちゃんと呼ぶのを止めさそうとするのだが、
「えぅぅぅぅ……」(半泣き)
「はーい、お兄ちゃんだよー。泣くのはダメだぞー」
すぐ泣きそうになるので、ついつい兄っぽく振舞ってしまう俺は優しいに違いない。
そんなわけで今日も俺をお兄ちゃんと呼ぶ娘と一緒にだらりと休日を過ごしていたら、ぴんぽんと鳴った。
「正解した! やったぞ麻衣! あ、ちなみに麻衣とは俺をお兄ちゃんと呼ぶお前の名ですね」
俺を置いて一人で客の応対に向かう麻衣。
「……放置プレイは嫌だなあ」
つぶやきながら俺も玄関に向かう。そこに、麻衣を見て目を輝かせているみことがいた。
「レズロリ?」
「だっ、誰がレズロリだっ、誰がっ! 失礼な奴だ」
「んで、何か用? 遊びに来たのか?」
「誰が貴様なんぞと遊ぶか。たまたま近くを通りがかったので、犯罪行為をしていないか様子を見に来たまでだ」
失敬な、とか思ってると、麻衣が俺の服の裾をクイクイ引っ張ってるのに気づいた。
「お兄ちゃん、レズロリってなぁに?」
興味津々な瞳を俺に向ける。好奇心を持つのはいいが、そんなことを教えるのも何なので、適当にあしらおう。
「頭がおかしい人のことだよ」
「お兄ちゃんのことだね!」(満面の笑み)
好かれていると思っていたのだけど、麻衣は俺のことが大嫌いなのかもしれない。
「傷ついた心を癒やすため、青年は旅に出たのだった」
「どっ、どこに頭をつっこんでいる!」
「みことのスカートの中に出かけた青年は、パンツに出会いました」
みことと麻衣の二人から暴力を受けた。
「お兄ちゃん! 麻衣以外の人のスカートに頭つっこんじゃダメでしょ!」
「はい、すいません」
で、居間に戻って麻衣に正座を命じられ、変な説教を受けています。ていうか麻衣ならOKなのか。
「まったく……ごめんね、みことお姉ちゃん。お兄ちゃんって、思ったことをすぐ実行しちゃうから犯罪行為も何のその! なの」
「……ずいぶんと仲がいいんだな」
どこか険のある口調で、みことが俺に言った。
「婚約者だからな」
「ななっ、なんだとっ! きっ、貴様、よもやこんな小さな子相手にあんな事やそんな事してるんじゃないだろうなっ!」
みことが激情して俺の首を絞めにかかった。
「わわわっ! ちっ、違うよ、お兄ちゃんと麻衣は婚約者じゃないよっ! お兄ちゃんを殺さないでー!」
麻衣がとりなしてくれたおかげで、みことは手を離してくれた。
「やれやれ、軽い冗談で死にかけた」
「うるさい! 嘘をつく貴様が悪い!」
「そうだよ! お兄ちゃんが悪い!」
みことに同調し、なぜか麻衣まで俺を責め立ててきた。
「だから、嘘を本当にするべく、婚約者になろっ♪」
ぴょいんと麻衣が飛びついてきて、俺の膝の上に乗った。
「ななっ!?」
それを見て、みことが素っ頓狂な声をあげた。
「お兄ちゃん、婚約指輪ちょうだい♪」
「はい」
「お兄ちゃん、これ輪ゴムだよ!」
落ちてた輪ゴムを渡したら、不満そうな顔をされた。
「今はこれで精一杯」
「あ、ルパンだ。るぱんるぱーん」
「もみあげるゼ!」
麻衣と適当にじゃれてると、みことがやけに冷たい目で俺を見て……いや、睨みつけていることに気づいた。
「……本当に、随分と仲がいいな」
「麻衣とは、かなり昔からの腐れ縁だからな。それこそ、麻衣がオムツに尿を垂れ流してる頃から」
どこが嫌だったのか知らないけれど、麻衣が俺の手に噛み付いてきたので、訂正することにする。
「尿でなく、黄金水と言わないとダメだよな。で、麻衣は今でもオムツ愛用しているオムラーだとか。今でも黄金なる水を垂れ流して生きている可哀想な生物なんだ」
「そんなのしてないもん! ほら見て、ほらほら!」
麻衣がスカートをたくしあげ、股の間にある部位を俺の顔にぐいぐい押しつけてくるので、みことがちょっと直視できないくらい怖い顔になった。
「ええと、麻衣。生暖かい部位を俺の顔に押し付けるのもいいけど、そこにいるお姉ちゃんに後で殺されちゃうので、そろそろやめてほしいと兄は思うのだが」
「んうっ……お、お兄ちゃん、麻衣のパンツに顔を埋めたまま喋らないでぇ……」
「タカシッ!」
どうやらみことの堪忍袋の緒が切れたようで、懐から刀を取り出すところが見えました。
「血まみれだね、お兄ちゃん。包帯足りるかなぁ?」
「わ、私は悪くない。貴様が悪いのだぞ? こんな小さな子に手を出すなど……」
二人から包帯を巻かれながら、みことがぶちぶち言い訳するのを聞く。
「手は出してない。パンツに顔を押し付けただけだ。いわば、顔を出した」
「黙れ」
怖いので黙ることにする。
「……ふぅっ、治療完了! これでまたお姉ちゃんに刀でずぱずぱ切られてもへーきだよ!」
刀で切られたら人は死ぬ事を麻衣には教えないといけない。いや、みことに教えるのが先か。
「みこと。刀で人を切ったら死ぬので、やめなさい」
「安心しろ。この刀は貴様にのみ使っている。死ぬとしたら貴様だけだ」
それが嫌なんだけど、麻衣が隣で「なるほど」とうなずいてるので反論できない。
「つまり、みことお姉ちゃんはお兄ちゃんが嫌いなんだね?」
「無論だ。ただ、こんな奴を野放しにしていては迷惑極まりないので、見張っているだけだ」
「じゃ、私がお兄ちゃんと好き好き同士になってもいいんだね?」
「う……む、無論だ。私はこんな奴、大嫌いだからな」
「俺はみことのこと、結構好きだけどな」
「っ!!」
みことが息を呑んだ。
「ぎゅー」
そして麻衣が俺の首を真顔で絞めるので、俺は息を呑めない。ていうか呼吸不能。
「ま、麻衣ちゃん麻衣ちゃん! タカシの顔が尋常ならざる色になっているぞ!?」
「あちゃー、やりすぎちった。てへ☆」
まるで心配の色が見えない麻衣の声を聞きながら、意識混濁。
【ツンデレと祭りに行きました】
2010年03月09日
今日は祭りがあるとかで、街全体の空気が浮き足立ってる。
「ねっ、ねっ、お祭り行くでしょ? 一緒に行こ? ね?」
そして、街の空気以上に体全体が浮き足立ってる梓が笑顔で誘いをかけてきた。
「断る!」
「……そ、そうだよね。ボクと一緒に行ってもつまんないよね。……そうだよね」
軽いいじわるで断ったら、さっきの楽しそうな空気を一瞬で粉砕し、梓はこの世の終わりみたいな顔になった。
「冗談に決まっとろーが。なんで落ち込むかな」
「わ、分かってたよ! 冗談って最初っからまる分かりだよ! でも、冗談って気づかなくて悲しむ人もいるかもしんないから、そういう冗談禁止!」
「断る!」
「断んなあ!」
そんな感じで、祭りに行くことになった。
待ち合わせの時間になったので、浴衣に着替え梓の家の前で待っているのだけど、まだ出てこない。着替えに手間取ってんのか?
「梓ー、まだかー? 早くしないと俺だけ先に脳内で祭りに行くぞ? ……ほほう、ここがお祭り会場か。女性は全員着衣禁止とは、粋な計らいだなぁ」
「タカシさぁ、そういうこと思ってもいいけど、口に出しちゃダメだよ。捕まるよ」
「失礼な。失礼な梓は罰として……」
「……な、なんだよぉ」
家から出てきた梓は、色鮮やかなアサガオ柄の浴衣に袖を通し、少し恥ずかしそうに頬を染めていた。その愛らしい姿に、なんだか言葉を失ってしまう。
「……な、なんとか言えよ。可愛いとか」
「あ、ああ、うん。えっと、皮いい」
「……なんだろ、なんか素直に可愛いって言われてる気がしない」
時々梓は鋭い。
「まーなんだ、馬子にも衣装というか、アレだな。悪くないんじゃないか?」
「え、えへ……そう?」
梓は嬉しそうにはにかみ、その場でくるりと一回転した。
「どう? どう? 可愛いっしょ? こんな子連れて歩けるだなんて、タカシは幸せ者だね。らっきー♪」
「これで女だったら言うことないんだけどなぁ」
「メチャ女の子だよっ!? なんてこと言い出すんだよっ!」
「あはは、まったまた」
「いやいやいや、なんで冗談みたいに流されてるの!?」
「さて、こんなところでぼやぼやしてても仕方ないし、ボチボチ行くか」
「なんか納得できない感が強いけど……まぁいいや。じゃ、行こっか?」
「うおっ!」
「うひゃっ!?」
突然手を握られ、思い切り狼狽したら梓も驚いた。
「なななっ、なんだよっ! びっくりしたじゃん!」
「手を握られ、狼狽してうろたえた」
「一緒の意味だよ! もー、手くらいよく繋ぐじゃん。なんでうろたえるんだよ」
「や、いきなりだったので。ところで、手を繋いだなら今度は別の箇所も繋いでみませんか?」
しばらく考えた後、梓の顔が一瞬で赤くなった。
「た、た、た、タカシエッチだよ! エッチが過ぎるよ! いわば過半数エッチだよ!」
「そのいわばはおかしい」
「うるさいっ! いーから手ぇつなぐ! つながないと迷子になっちゃうから! 人多いし!」
「いや、まだ家から一歩出ただけだし、人が多くなってからで充分かと」
「う……わ、分かってるよ! 別に手つなぎたかったんじゃないから平気だよっ! ほら、早く行くよ!」
離された手を、今度はこっちから繋ぎなおす。
「た、タカシ……?」
「梓は手繋ぎたくないかもしれないけど、俺は手を繋ぎたい」
「う……し、しょうがないなあ、タカシは。特別に、繋いであげるよ」
不満そうな顔をする梓と手を繋いで(繋いだ瞬間すげー嬉しそうな顔しちゃってああもう)、祭りが行われている神社へ。
「にぎやかだねぇ。ね、ね、なに食べる?」
色とりどりな浴衣の海を泳ぎながら、梓は顔を輝かせて言った。
「いきなり食い気か。さすがは飽食の梓、食欲にかけては右に出る者はいないな」
「なんだよその二つ名! ボクはハラペコキャラじゃないよっ! 右に出る者いまくりだよっ!」
「じゃ、そこの焼きとうもろこしを食ったりはしないんだな」
指差した先に、こうばしい香りをたてる焼きもろこし屋があった。梓の鼻がひくつく。
「……た、食べないよ。食べるわけないよ」
「なるほど。じゃ、俺だけ食おう」
「あっ、一人で食べるなんてずるい!」
買いに行こうと屋台に向かう俺の腕を、梓は熱烈に引っ張った。
「おまいはいらんのだろうが」
「う……タカシ、ホントにずるい」
「いわばリアルずる」
「タカシって基本的に変だよね」
失礼なので、梓を引きずったまま屋台の前へ。
「あぅぅ……いいよいいよ。タカシ一人で食べちゃえ」
「言われなくとも。おっちゃん、もろこし二本」
「一人でふたつも……嫌がらせだ。ぜったい嫌がらせだ」
梓が不満そうにぶつくさ言ってる中、おっちゃんからもろこしを二つ受け取る。醤油のこうばしい香りが鼻腔をくすぐる。
「うひゃひゃひゃ」
「ど、どしたの? いきなり笑い出して……ちょっと怖いよ」
「いや、くすぐられたんで」
「?」
「……いや、なんでもない。ほい」
梓にもろこしを渡す。
「……いいの?」
「嫌か? だったら返してもら」
最後まで言い切る前に、かぶりつかれた。
「まぐまぐ……おいしいね。おごりだと、なおおいしいよ」
「あー……まぁいいや。うまいなら、何よりだ」
「あぐあぐ、あぐあぐ……んんっ! タカシタカシ、あっちにわたあめ発見だよっ!」
「わたおに?」
「それはタカシの部屋に置いてるロリコンのための本だろっ! なんか、えっちぃ人形がついてる本」
「梓みたいなつるぺたと一緒にいたら誰だってロリコンになろうが!」
「なんでボクが怒られてるの!? ていうかつるぺた言うなっ!」
胸元に膨らみがほとんど(全く?)ない梓が怒った。
「そう怒るな。浴衣には似合うからいいよね。素敵だね」
「ちっとも素敵じゃないよ! もー怒った、今日のデート全部タカシの奢り! けってー!」
「や、それは構わんが……これ、デートなの?」
「えっ、あっ、ちっ、ちがっ、違うよ? 友達どうしで遊びに来ただけだヨ?」
わたわたと手を振りながら、梓は必死で抗弁した。
「まぁ、そうだよな。あーびっくりした」
「……そうだよっ!」
なんだか知らないが、急に怒ったように足音荒くわたあめ屋に進む梓たん。慌てて後を着ける。
「おじさんっ、はじからはじまで全部っ!」
「無茶すんなっ!」
とんでもない大人買いをしようとする梓の頭をはたいて、暴挙を止める。
「無茶じゃないもんっ! どーせタカシのおごりだもん、買いまくるもん!」
「あーもう……おっちゃん、わたあめ一袋くれ」
おっちゃんからわたあめをもらい、にゃーにゃー言ってる梓に押し付ける。
「ほれ。一個で充分だ」
「むー……」
まだ不満そうだったが、一口二口食べると、途端に嬉しそうに顔を綻ばせた。だが、それを俺に見られているのに気づいた瞬間、面白くなさそうに顔をしかめさせた。
「……あー、なんか飽きちゃった。はい、残り食べて」
半分ほど食べた後、梓は俺にわたあめを押し付けた。
「贅沢者め……もったいないお化けに食されるがいい」
「も、もったいないお化けとかいないからへーきだもん。……あ、あの、急に食べたくなったから返して!」
「もう遅い。もがもがもが」
取り返そうとする梓の手をかいくぐり、わたあめを喰らう。甘い。
「あ、あぅ……もったいないお化けが……」
ふるふる震える梓。こういうお馬鹿なところが可愛いな、と思わなくもない。
「大丈夫。もったいないお化けは好き嫌いなんてないから、どんなものでも残さず食べる。安心しろ」
「食べ残しの心配なんてしてないっ!」
「じゃ、間接キスの心配でもしろ」
「? かんせつ……あああーっ! そうだよ、ボクの食べ残しタカシが食べたら間接キスになるじゃん! 早く教えろよっ、ばかっ!」
「梓の食べ残しを俺が食うと間接キスになりゅ」(0.5秒)
「早口で言えってことじゃないっ! あと最後噛んだ」
ムカついたので、わたあめを梓の口につっこむ。
「もがっ! ……むぐむぐ、なにすんだよっ!」
「間接キス返し。梓キス→俺キス→梓キス→となり、次の俺のターンが来るのが楽しみだ」
「もう来ないっ! まったくもう、タカシといたら疲れるよ……」
なんてこと言いながら、梓はわたあめを食べた。
「ふむ、怒りは過ぎ去ったようでなによりだ。怒ってたら、祭りなんて楽しめないからな」
「……ひょっとして、さっきボクをからかったの、ボクが怒ってたのを紛らわすため……?」
どこか嬉しそうに、上目遣いで梓が俺を見る。
「いや、それはただ純粋にボクっ娘をからかいたかっただけ。ボクっ娘をからかうのは俺のライフワークだから」
「そんな仕事捨ててしまえっ! ……まったくもう、しょうがない奴なんだから」
そんな感じで、にっこり笑う梓と一緒に祭り会場を回った。
「ねっ、ねっ、お祭り行くでしょ? 一緒に行こ? ね?」
そして、街の空気以上に体全体が浮き足立ってる梓が笑顔で誘いをかけてきた。
「断る!」
「……そ、そうだよね。ボクと一緒に行ってもつまんないよね。……そうだよね」
軽いいじわるで断ったら、さっきの楽しそうな空気を一瞬で粉砕し、梓はこの世の終わりみたいな顔になった。
「冗談に決まっとろーが。なんで落ち込むかな」
「わ、分かってたよ! 冗談って最初っからまる分かりだよ! でも、冗談って気づかなくて悲しむ人もいるかもしんないから、そういう冗談禁止!」
「断る!」
「断んなあ!」
そんな感じで、祭りに行くことになった。
待ち合わせの時間になったので、浴衣に着替え梓の家の前で待っているのだけど、まだ出てこない。着替えに手間取ってんのか?
「梓ー、まだかー? 早くしないと俺だけ先に脳内で祭りに行くぞ? ……ほほう、ここがお祭り会場か。女性は全員着衣禁止とは、粋な計らいだなぁ」
「タカシさぁ、そういうこと思ってもいいけど、口に出しちゃダメだよ。捕まるよ」
「失礼な。失礼な梓は罰として……」
「……な、なんだよぉ」
家から出てきた梓は、色鮮やかなアサガオ柄の浴衣に袖を通し、少し恥ずかしそうに頬を染めていた。その愛らしい姿に、なんだか言葉を失ってしまう。
「……な、なんとか言えよ。可愛いとか」
「あ、ああ、うん。えっと、皮いい」
「……なんだろ、なんか素直に可愛いって言われてる気がしない」
時々梓は鋭い。
「まーなんだ、馬子にも衣装というか、アレだな。悪くないんじゃないか?」
「え、えへ……そう?」
梓は嬉しそうにはにかみ、その場でくるりと一回転した。
「どう? どう? 可愛いっしょ? こんな子連れて歩けるだなんて、タカシは幸せ者だね。らっきー♪」
「これで女だったら言うことないんだけどなぁ」
「メチャ女の子だよっ!? なんてこと言い出すんだよっ!」
「あはは、まったまた」
「いやいやいや、なんで冗談みたいに流されてるの!?」
「さて、こんなところでぼやぼやしてても仕方ないし、ボチボチ行くか」
「なんか納得できない感が強いけど……まぁいいや。じゃ、行こっか?」
「うおっ!」
「うひゃっ!?」
突然手を握られ、思い切り狼狽したら梓も驚いた。
「なななっ、なんだよっ! びっくりしたじゃん!」
「手を握られ、狼狽してうろたえた」
「一緒の意味だよ! もー、手くらいよく繋ぐじゃん。なんでうろたえるんだよ」
「や、いきなりだったので。ところで、手を繋いだなら今度は別の箇所も繋いでみませんか?」
しばらく考えた後、梓の顔が一瞬で赤くなった。
「た、た、た、タカシエッチだよ! エッチが過ぎるよ! いわば過半数エッチだよ!」
「そのいわばはおかしい」
「うるさいっ! いーから手ぇつなぐ! つながないと迷子になっちゃうから! 人多いし!」
「いや、まだ家から一歩出ただけだし、人が多くなってからで充分かと」
「う……わ、分かってるよ! 別に手つなぎたかったんじゃないから平気だよっ! ほら、早く行くよ!」
離された手を、今度はこっちから繋ぎなおす。
「た、タカシ……?」
「梓は手繋ぎたくないかもしれないけど、俺は手を繋ぎたい」
「う……し、しょうがないなあ、タカシは。特別に、繋いであげるよ」
不満そうな顔をする梓と手を繋いで(繋いだ瞬間すげー嬉しそうな顔しちゃってああもう)、祭りが行われている神社へ。
「にぎやかだねぇ。ね、ね、なに食べる?」
色とりどりな浴衣の海を泳ぎながら、梓は顔を輝かせて言った。
「いきなり食い気か。さすがは飽食の梓、食欲にかけては右に出る者はいないな」
「なんだよその二つ名! ボクはハラペコキャラじゃないよっ! 右に出る者いまくりだよっ!」
「じゃ、そこの焼きとうもろこしを食ったりはしないんだな」
指差した先に、こうばしい香りをたてる焼きもろこし屋があった。梓の鼻がひくつく。
「……た、食べないよ。食べるわけないよ」
「なるほど。じゃ、俺だけ食おう」
「あっ、一人で食べるなんてずるい!」
買いに行こうと屋台に向かう俺の腕を、梓は熱烈に引っ張った。
「おまいはいらんのだろうが」
「う……タカシ、ホントにずるい」
「いわばリアルずる」
「タカシって基本的に変だよね」
失礼なので、梓を引きずったまま屋台の前へ。
「あぅぅ……いいよいいよ。タカシ一人で食べちゃえ」
「言われなくとも。おっちゃん、もろこし二本」
「一人でふたつも……嫌がらせだ。ぜったい嫌がらせだ」
梓が不満そうにぶつくさ言ってる中、おっちゃんからもろこしを二つ受け取る。醤油のこうばしい香りが鼻腔をくすぐる。
「うひゃひゃひゃ」
「ど、どしたの? いきなり笑い出して……ちょっと怖いよ」
「いや、くすぐられたんで」
「?」
「……いや、なんでもない。ほい」
梓にもろこしを渡す。
「……いいの?」
「嫌か? だったら返してもら」
最後まで言い切る前に、かぶりつかれた。
「まぐまぐ……おいしいね。おごりだと、なおおいしいよ」
「あー……まぁいいや。うまいなら、何よりだ」
「あぐあぐ、あぐあぐ……んんっ! タカシタカシ、あっちにわたあめ発見だよっ!」
「わたおに?」
「それはタカシの部屋に置いてるロリコンのための本だろっ! なんか、えっちぃ人形がついてる本」
「梓みたいなつるぺたと一緒にいたら誰だってロリコンになろうが!」
「なんでボクが怒られてるの!? ていうかつるぺた言うなっ!」
胸元に膨らみがほとんど(全く?)ない梓が怒った。
「そう怒るな。浴衣には似合うからいいよね。素敵だね」
「ちっとも素敵じゃないよ! もー怒った、今日のデート全部タカシの奢り! けってー!」
「や、それは構わんが……これ、デートなの?」
「えっ、あっ、ちっ、ちがっ、違うよ? 友達どうしで遊びに来ただけだヨ?」
わたわたと手を振りながら、梓は必死で抗弁した。
「まぁ、そうだよな。あーびっくりした」
「……そうだよっ!」
なんだか知らないが、急に怒ったように足音荒くわたあめ屋に進む梓たん。慌てて後を着ける。
「おじさんっ、はじからはじまで全部っ!」
「無茶すんなっ!」
とんでもない大人買いをしようとする梓の頭をはたいて、暴挙を止める。
「無茶じゃないもんっ! どーせタカシのおごりだもん、買いまくるもん!」
「あーもう……おっちゃん、わたあめ一袋くれ」
おっちゃんからわたあめをもらい、にゃーにゃー言ってる梓に押し付ける。
「ほれ。一個で充分だ」
「むー……」
まだ不満そうだったが、一口二口食べると、途端に嬉しそうに顔を綻ばせた。だが、それを俺に見られているのに気づいた瞬間、面白くなさそうに顔をしかめさせた。
「……あー、なんか飽きちゃった。はい、残り食べて」
半分ほど食べた後、梓は俺にわたあめを押し付けた。
「贅沢者め……もったいないお化けに食されるがいい」
「も、もったいないお化けとかいないからへーきだもん。……あ、あの、急に食べたくなったから返して!」
「もう遅い。もがもがもが」
取り返そうとする梓の手をかいくぐり、わたあめを喰らう。甘い。
「あ、あぅ……もったいないお化けが……」
ふるふる震える梓。こういうお馬鹿なところが可愛いな、と思わなくもない。
「大丈夫。もったいないお化けは好き嫌いなんてないから、どんなものでも残さず食べる。安心しろ」
「食べ残しの心配なんてしてないっ!」
「じゃ、間接キスの心配でもしろ」
「? かんせつ……あああーっ! そうだよ、ボクの食べ残しタカシが食べたら間接キスになるじゃん! 早く教えろよっ、ばかっ!」
「梓の食べ残しを俺が食うと間接キスになりゅ」(0.5秒)
「早口で言えってことじゃないっ! あと最後噛んだ」
ムカついたので、わたあめを梓の口につっこむ。
「もがっ! ……むぐむぐ、なにすんだよっ!」
「間接キス返し。梓キス→俺キス→梓キス→となり、次の俺のターンが来るのが楽しみだ」
「もう来ないっ! まったくもう、タカシといたら疲れるよ……」
なんてこと言いながら、梓はわたあめを食べた。
「ふむ、怒りは過ぎ去ったようでなによりだ。怒ってたら、祭りなんて楽しめないからな」
「……ひょっとして、さっきボクをからかったの、ボクが怒ってたのを紛らわすため……?」
どこか嬉しそうに、上目遣いで梓が俺を見る。
「いや、それはただ純粋にボクっ娘をからかいたかっただけ。ボクっ娘をからかうのは俺のライフワークだから」
「そんな仕事捨ててしまえっ! ……まったくもう、しょうがない奴なんだから」
そんな感じで、にっこり笑う梓と一緒に祭り会場を回った。
【ツンデレな妹VSデレデレな姉15】
2010年03月09日
「お姉ちゃん、タカくんに対しちょっと甘すぎました。お姉ちゃんはこれから厳しくなろうと思います」
家族みんなで朝食を食べてると、お姉ちゃんが突然立ち上がりおかしなことを言い出した。
「それはつまり、今日から一緒に寝ないってこと?」
「それはまた別の話です。一緒には寝ます。お姉ちゃんと弟は一蓮托生、呉越同舟です」
お姉ちゃんは四文字熟語が好きだけど、意味はよく知らないらしい。
「はー……厳しくって、あたしは無理だと思うけどねー」
さっきまで黙ってパンを食べてた妹のカナが、ちょっと呆れたように言った。
「そんなことないです。お姉ちゃんにかかれば、タカくんを厳しくしつけるのも容易いのです」
しつけって……獣か何かか、俺は。なんて思いながら、パンをぱくつく。
「あっあっ、タカくんパンくずがこぼれてるよ。ほらほら」
お姉ちゃんがこぼれたパンくずを拾い、食べた。
「……どこが厳しいのよ、どこが」
「むぐむぐ……い、家を出てからです。家の中はセーフゾーンです」
なんの気まぐれでこんなことを言い出したか知らないけど、お姉ちゃんが弟離れするいい機会だ。
「あ、今はセーフゾーンなので、タカくんはお姉ちゃんにあーんしてください」
……本当に厳しく出来るのかな、と思いながら雛鳥のように大きく口を開けてるお姉ちゃんの口にパンを千切って入れた。
用意を終え、玄関に集結。
「じゃー行こっか、姉ちゃ……」
靴を履き終えたカナがこっちを見て止まった。
「ううー、ここを出たらタカくんにすりすりできないぃ……。ね、ね、今日は学校お休みしない?」
「はいはい、いーから行く」
俺に抱きついてるお姉ちゃんに靴を履かせ、カナはお姉ちゃんを引きずって家を出た。俺もついていく。
「ううー……カナちゃんいじわるだよ」
「そうだな。学校を休むという案は非常に魅力的だと言うのに……さてはカナ、お姉ちゃんの豊乳に嫉妬してこんないじわるをかはっ」
語尾がおかしくなったのは、カナの鋭いボディーブローが腹に突き刺さったからです。
「はいはい、いーから行く」
腹をさすりながら、お姉ちゃんに甘えるべくそちらを見る。……あれ?
「どうしたの、タカシ?」
いつものお姉ちゃんなら、ここで優しく腹をさすさすしてくれるのに……。呼び名もタカくんから、タカシになってるし。
「うーん、厳しい」
「どこがよ……ほら、行くわよ兄貴」
三人並んでぽてぽて歩く。
「しっかし、アレだな。お姉ちゃんって黙ってたらかなり美人だよな。いっつもデレンデレンの顔しか見てないからよく分かんなかったけど」
お姉ちゃんの顔がちょっとにやけた。
「……ふーん」
そして、それに呼応するかのようにカナの顔がちょっと怖い感じに。
「や、その、カナは美人ってより、可愛いって感じだし。あ、俺は美人よりカナみたいな可愛い系の方が好きだよ?」
「ちょ、ちょっと、何言ってんのよ、もー」
カナは少し頬を染め、俺の背中をばんばん叩いた。満更でもない様子に安心したが、なんで俺は家族相手にこんな会話をしてるんでしょうか。
「特に頭の両端からでろーんと伸びてる昆布……いやいや、髪……いや、昆布? が可愛い」
「髪よっ! ツインテールっつーのよっ! なんで昆布に着地してんのよっ!」
「ほらほら。二人とも、道端で喧嘩したらダメでしょ。全く、恥ずかしいんだから……」
「「…………」」
カナと二人、思わず顔を見合わせる。普段のお姉ちゃんなら、俺と一緒に騒ぐはずなのに……。
「流石はお姉ちゃん! 欲望を完全に律しているとは……見事にゃり!」
「いや、にゃりってアンタ……それはともかく、すごいね姉ちゃん。ちょっと尊敬したわ」
けど、ちょっと寂しいかなーなんて思いながら路地の横を通りかかった時。
「ん?」
風のような何かが俺を路地に連れ去ったかと思うと、俺にぴたーっとくっついてきた。
「うううううー……」
地の底から響くような声……な、なに? 妖怪の一種?
「だーめーだーぁ……もう我慢無理。お姉ちゃん、タカくんと手繋ぎたいよぅ……」
妖怪の一種と思われたものは、よくよく見るとお姉ちゃんだった。
「いや、あの、お姉ちゃん? まだ家出てから5分も経ってないけど……」
「タカくんはお姉ちゃんと手繋がなくても平気だって言うの!?」
「わりと」
ショックのあまり、お姉ちゃんが世界の終わりみたいな顔になった。かと思ったら、ひんひん泣きだした。
「あー、あーあー。もー、泣くなよお姉ちゃん」
「ううー……タカくんがいじめるぅ……ひーん」
「いじめたわけじゃ……ま、とにかくほら、行こう?」
適当に慰めて、手をきゅっと握ってあげるとようやく泣き止んでくれた。
「ひんひん……ごめんね、情けないお姉ちゃんで」
「そればっかりは否定する要素がまるで見当たらない」
またひんひん泣き出したので、適当に慰めてから路地を出る。
「あっ、兄貴! 姉ちゃんは……そこね」
俺に手を繋がれひんひん泣いてるお姉ちゃんを見て、カナがため息をついた。
「無理矢理したら泣かれた」
「兄貴ぃッ!」
軽い冗談で朝からすごい殴られた。
「やっぱお姉ちゃんが厳しくするのは無理、っつーことで」
「む、無理じゃないよ? 毎日少しずつ頑張ればいいとお姉ちゃん思うの。継続は力なり、って言うし。ね? ね?」
「……や、無理でしょ」
俺の腕に自分の腕をからませ、ニッコニコの笑顔をふりまくお姉ちゃんをげっそりした顔で見るカナだった。
家族みんなで朝食を食べてると、お姉ちゃんが突然立ち上がりおかしなことを言い出した。
「それはつまり、今日から一緒に寝ないってこと?」
「それはまた別の話です。一緒には寝ます。お姉ちゃんと弟は一蓮托生、呉越同舟です」
お姉ちゃんは四文字熟語が好きだけど、意味はよく知らないらしい。
「はー……厳しくって、あたしは無理だと思うけどねー」
さっきまで黙ってパンを食べてた妹のカナが、ちょっと呆れたように言った。
「そんなことないです。お姉ちゃんにかかれば、タカくんを厳しくしつけるのも容易いのです」
しつけって……獣か何かか、俺は。なんて思いながら、パンをぱくつく。
「あっあっ、タカくんパンくずがこぼれてるよ。ほらほら」
お姉ちゃんがこぼれたパンくずを拾い、食べた。
「……どこが厳しいのよ、どこが」
「むぐむぐ……い、家を出てからです。家の中はセーフゾーンです」
なんの気まぐれでこんなことを言い出したか知らないけど、お姉ちゃんが弟離れするいい機会だ。
「あ、今はセーフゾーンなので、タカくんはお姉ちゃんにあーんしてください」
……本当に厳しく出来るのかな、と思いながら雛鳥のように大きく口を開けてるお姉ちゃんの口にパンを千切って入れた。
用意を終え、玄関に集結。
「じゃー行こっか、姉ちゃ……」
靴を履き終えたカナがこっちを見て止まった。
「ううー、ここを出たらタカくんにすりすりできないぃ……。ね、ね、今日は学校お休みしない?」
「はいはい、いーから行く」
俺に抱きついてるお姉ちゃんに靴を履かせ、カナはお姉ちゃんを引きずって家を出た。俺もついていく。
「ううー……カナちゃんいじわるだよ」
「そうだな。学校を休むという案は非常に魅力的だと言うのに……さてはカナ、お姉ちゃんの豊乳に嫉妬してこんないじわるをかはっ」
語尾がおかしくなったのは、カナの鋭いボディーブローが腹に突き刺さったからです。
「はいはい、いーから行く」
腹をさすりながら、お姉ちゃんに甘えるべくそちらを見る。……あれ?
「どうしたの、タカシ?」
いつものお姉ちゃんなら、ここで優しく腹をさすさすしてくれるのに……。呼び名もタカくんから、タカシになってるし。
「うーん、厳しい」
「どこがよ……ほら、行くわよ兄貴」
三人並んでぽてぽて歩く。
「しっかし、アレだな。お姉ちゃんって黙ってたらかなり美人だよな。いっつもデレンデレンの顔しか見てないからよく分かんなかったけど」
お姉ちゃんの顔がちょっとにやけた。
「……ふーん」
そして、それに呼応するかのようにカナの顔がちょっと怖い感じに。
「や、その、カナは美人ってより、可愛いって感じだし。あ、俺は美人よりカナみたいな可愛い系の方が好きだよ?」
「ちょ、ちょっと、何言ってんのよ、もー」
カナは少し頬を染め、俺の背中をばんばん叩いた。満更でもない様子に安心したが、なんで俺は家族相手にこんな会話をしてるんでしょうか。
「特に頭の両端からでろーんと伸びてる昆布……いやいや、髪……いや、昆布? が可愛い」
「髪よっ! ツインテールっつーのよっ! なんで昆布に着地してんのよっ!」
「ほらほら。二人とも、道端で喧嘩したらダメでしょ。全く、恥ずかしいんだから……」
「「…………」」
カナと二人、思わず顔を見合わせる。普段のお姉ちゃんなら、俺と一緒に騒ぐはずなのに……。
「流石はお姉ちゃん! 欲望を完全に律しているとは……見事にゃり!」
「いや、にゃりってアンタ……それはともかく、すごいね姉ちゃん。ちょっと尊敬したわ」
けど、ちょっと寂しいかなーなんて思いながら路地の横を通りかかった時。
「ん?」
風のような何かが俺を路地に連れ去ったかと思うと、俺にぴたーっとくっついてきた。
「うううううー……」
地の底から響くような声……な、なに? 妖怪の一種?
「だーめーだーぁ……もう我慢無理。お姉ちゃん、タカくんと手繋ぎたいよぅ……」
妖怪の一種と思われたものは、よくよく見るとお姉ちゃんだった。
「いや、あの、お姉ちゃん? まだ家出てから5分も経ってないけど……」
「タカくんはお姉ちゃんと手繋がなくても平気だって言うの!?」
「わりと」
ショックのあまり、お姉ちゃんが世界の終わりみたいな顔になった。かと思ったら、ひんひん泣きだした。
「あー、あーあー。もー、泣くなよお姉ちゃん」
「ううー……タカくんがいじめるぅ……ひーん」
「いじめたわけじゃ……ま、とにかくほら、行こう?」
適当に慰めて、手をきゅっと握ってあげるとようやく泣き止んでくれた。
「ひんひん……ごめんね、情けないお姉ちゃんで」
「そればっかりは否定する要素がまるで見当たらない」
またひんひん泣き出したので、適当に慰めてから路地を出る。
「あっ、兄貴! 姉ちゃんは……そこね」
俺に手を繋がれひんひん泣いてるお姉ちゃんを見て、カナがため息をついた。
「無理矢理したら泣かれた」
「兄貴ぃッ!」
軽い冗談で朝からすごい殴られた。
「やっぱお姉ちゃんが厳しくするのは無理、っつーことで」
「む、無理じゃないよ? 毎日少しずつ頑張ればいいとお姉ちゃん思うの。継続は力なり、って言うし。ね? ね?」
「……や、無理でしょ」
俺の腕に自分の腕をからませ、ニッコニコの笑顔をふりまくお姉ちゃんをげっそりした顔で見るカナだった。


