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2026年03月18日
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【復讐鬼になったタカシ】

2010年03月19日
「許せねえ……この恨み、億倍にして返してやる!」
「ふ、面白い。やってみるがいいのじゃ!」
 楽しみに楽しみにしていたプリンをまつりに食べられ、冒頭から怒り心頭な俺です。
「今から俺は復讐鬼! ひどいことしてもまるで良心の呵責に苛まれない復讐鬼! まずはまつりのパンツを奪い、はいてない状態に!」
「ふん、すでにはいておらんのじゃ。貴様の企みなぞ、まるっとお見通しじゃ!」
「パンツはいてないことをここまで堂々と言う人は知りません」
「うるさいのじゃ!」
 はいてない人が怒った。
「じゃあ作戦変更、剃ってやる!」
「甘いのう。まだ生えておらんわ!」
「パンツはいてないはまだ生えてないは……散々だな」
「うるさいのじゃ!」
 生えてない人が怒った。
「しかし、二手三手先を読むわらわのこの技術……惚れ惚れするじゃろう?」
「普通、先を読んでもパンツを脱ぐという選択肢はないと思う。あと、生えてないのは身体的にロリぃからかと」
「うるさいのじゃ!」
 ロリぃ人が怒った。
「うぬう……ばかにしおって! 許さんのじゃ、今からわらわは復讐鬼なのじゃ! 復讐するのじゃ、復讐するのじゃ!」
「待て、復讐するは俺にあり! 勝手に復讐鬼を名乗るな! あとプリン返せ」
「うるさい、わらわの勝手じゃ! ふふ……わらわの智謀でタカシをぎゃふんと言わせるのじゃ! 謝るなら今のう」
「ごめん」
 まつりが凍った。
「謝ったからプリン返せ」
「まだなのじゃ! まだ何も復讐してないのに、謝られたら困るのじゃ! 謝るの返すのじゃ、ごめんなさい。ぺこり」
「仕方ない、許してやろう」
 ぺこりと言いながらぺこりと頭を下げられたので、許さざるを得ない。
「ち、違うのじゃ! これは返しただけで、謝ったわけではないのじゃ! ごめんではないのじゃ!」
「じゃーじゃーうるさい! なんでもいいから、プリンを返せ!」
「じゃ、じゃーじゃーうるさいとは何事じゃ! これは高貴なわらわのみ使える言葉じゃぞ! そうじゃ、わらわは高貴なる存在なのじゃ。プリンのひとつやふたつ、献上して当然と思わんかえ?」
 聞いた話によると、まつりはどっかの国のお姫様らしい。俺の予想では、戦国時代のお姫さんがタイムスリップしてきたとかそんな。
「思わん! たとえまつりが城で『爺、暇だ。罪人の首をはねよ』とか言うくらい偉くて残虐非道な人だとしても、それはそれ! プリンを返せ!」
「そんなこと言わんのじゃ! わらわをなんだと思おておる!」
「姫」
「なんじゃ、分かっておるではないか。そう、わらわは高貴なる姫! 本来、貴様のような下賎な輩がおいそれと口をきけるような者では」
「いかん、プリン分が足りなくなってきた。このままではプリン分を補うため俺の体内で化学反応が起こり、臓器が全部プリンに置き換わる」
「どうして貴様はわらわの話を途中で……な、なんじゃと!」
 まさか信じるとは思わなかったが、面白いので騙そう。
「言ってなかったが、俺は奇病、内臓プリンに侵されている。この病気にかかると、一定時間プリンを摂取しなかったら臓器が全てプリンに変わってしまうんだ」
「な、なんと、タカシがそんな大病に侵されていようとは……」
 簡単に騙される辺り、姫さんのような気がしないでもない。
「よし、今からコンビニ行ってプリンを買ってくる! それまでプリンになるんじゃないぞ、タカシ!」
「悪い……もう遅いようだ」
 ぱったり倒れ、体中の内臓がプリンになったフリをする。難しすぎる。
「た、タカシ!? まだじゃ、まだプリンになってはならん!」
「す、すまない……俺、おまえと会えて、嬉し……か……」
「こ、こうなってはわらわの口内に残るプリンのカスで補うしか……」
 いかん、話がおかしな方向に。
「な、なんか奇跡が起きて治ったような」
「気など使わずともよい! こ、これは接吻ではない、ただの人命救助じゃ。……そ、それに、おぬしとなら、わらわは、その、別に……」
 いかん、このままでは俺の唇が大変ピンチ! いやそれが嫌とかそういう話でなくてええとええと!
「そうだ、これは体液の交換でうつるという設定……いや、そういう病気なのだ! だからキスすると」
「……設定?」
 いかん、俺がピンチ。

 結局、芋づる式に嘘が全部ばれた。
「よくもわらわを騙したな! なにが内臓プリンじゃ、莫迦者!」
「すいません」
 すごい怒られたが、接吻を回避できたしまぁOK。……こういうことは、騙してとか嫌だし。

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【ちゅんでれが「かたたたきけん」をくれたようです】

2010年03月19日
「父、これをやろう」
 仕事に飽きたので気分転換に家中の掃除をしていると、小学校から帰ってきた娘が紙切れを差し出した。
「娘よ、これは伝聞でしか聞いたことのない品、『かたたたたたたたきけん』ではないか」
「父、“た”が多すぎる。父は私がまだ漢字を書けない事を逆手に取り、巧みに嫌がらせを差し込んでくる。きっとここから性的嫌がらせに移行するに違いない。ああなんという父の元に生まれてきてしまったのだろうか」
 後半部分だけ周りの家々に届くよう声を張って叫ぶ娘の口を慌てて塞ぎ、半泣きで窓を閉める。
「は、はは、本当に冗談が好きだな、娘よ」
「別に冗談のつもりはないが……それより父、早速使ってはどうだろうか。いつも遊んでばかりいるのでこっていないとは思うが、軟体動物よりはこっているだろう」
「娘よ、父は遊んでばかりいるわけではないぞ。ただ、仕事が非常に面倒でしんどいので、その気分転換に遊んだりして」
「父、早くしろ。私も暇ではないのだ」
 怒られたので券を渡そうとして、思い止まる。こんな何でもない時に使っていいものだろうか。それより、もっと重大なイベントの際……そう、娘が結婚する時にでも……結婚、娘もいつかするのだろうか。
「ち、父!? 何を泣いている!?」
「ん? あ、ああ」
 娘が結婚する光景を想像したら、もう泣けてきた。
「大丈夫か? お腹でも痛いのか?」
「あ、いや、……まあ、そんなところだ」
 さすがに想像で泣けたとは言えず、適当に言葉を濁して涙を拭う。
「痛いの痛いのとんでけー、痛いの痛いのとんでけー」
 すると面白いことになった。
「父、飛んだか? 痛いの飛んだか?」
 俺の腹を何度もさすり、心配そうに声をかける娘に胸キュン。
「いや、胸キュンじゃないだろ」
「父?」
「あ、いや……うむ、父は少々疲れているのかもしれない。少し横になる」
「大丈夫か? お腹痛いの飛んだか? ……そうだ、ゆたんぽを持ってくる! ちょっと待ってろ、父!」
 別に腹は痛くないしゆたんぽなんて暑いだけだと思ったが、娘の珍しい善意なのでありがたく受け取ることにする。
「そういえば、この券どうするか……」
 考えるとまた結婚に行き着いて泣いてしまうので、ひとまず保留としよう。
「父、持ってきたうあっ」
 ゆたんぽを持ってきた娘が足元の雑誌につまずき、転んで父である俺の布団の上に乗った。そして飛んだゆたんぽが俺の顔面に突撃して鼻が痛い。
「ち、父!? なにを……」
 あまりの痛みに布団の上の物体をがっしり抱きしめる。物体の顔が赤らんでいくが、鼻が痛くてあまり言及できないのが辛いところ。
「……ち、父は娘である私を性欲の対象で見る。なんという星の元に生まれてきたのだろうか」
「娘よ、いま父は性欲より痛みの方が強い。飛んできたゆたんぽが鼻に激突したため、鼻が痛い。別に娘が愛しくて抱きしめたわけではない」
「……わ、分かっている! ふん、そんなことお見通しだ。まったく、父は浅はかで困る。こんなことで勝ち誇ってどうする。莫迦め。えいえい」
 別段勝ち誇ってもいないのだが、苛立たしげに俺の頬を引っ張る娘を見てると、どうでもいいかと思えてくる。
「娘よ、父は鼻と頬が同時に痛いという稀有な経験をしているが、できれば鼻だけの痛みで止まりたいのだが、どうだろう」
「うるさい黙れ。寝てろ莫迦」
 不満そうに俺の頬をぎうぎう引っ張る娘だった。

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【ツンデレな妹VSデレデレな姉11】

2010年03月19日
 お姉ちゃんが花見をしようと言い出した。
「お姉ちゃんとタカくんとカナちゃんの三人で、お弁当食べながら。きっと楽しいよ?」
「俺は異論ないけど、カナが『姉ちゃんの弁当なんて食えたもんじゃないカナカナ。だから、兄貴にはあたしがお弁当作ってあげるカナカナ。これで兄貴とラブラブじゃないカナカナ』と言うのです」
「どういうこと、カナちゃん!?」
 お姉ちゃんが超怖い顔で妹のカナに詰め寄った。
「い、言ってないわよ! ちょっと兄貴、なに勝手に捏造してんのよ!」
「騒がしい人たちだなぁ」
 お茶をすすってたら殴られた。
「まぁそういうわけで一騒動あったものの、無事お花見と相成ったわけなのです」
「首謀者が何を他人事みたいに……」
 近くの公園までやってきた俺たちは、手頃な桜の近くにレジャーシートを敷いてその上に座った。お姉ちゃんが作ってくれたお弁当をその脇に置く。
「わぁ、満開ね」
 お姉ちゃんが髪を押さえながら桜を見上げた。……ううむ、身内びいきがあるにしても絵になる人だ。
「……兄貴、何ぼーっと姉ちゃん見つめてんのよ」
「ききき気のせいだ! そ、それより俺としては一刻も早く弁当を胃に納めたいのですが」
「タカくん、めっ! ちゃんと桜を鑑賞してからじゃないとダメ!」
「お、お姉ちゃんが俺を叱った……ああ、もうダメだ。カナ、慰めて」
 よろめきながらカナの膝に頭を乗せたら、いっぱい殴られた。
「お、お姉ちゃん、カナが顔の形が変わるくらい殴る~」
「あらあら、可哀想に。よしよし」
 お姉ちゃんのふくよかな胸に顔を埋める。それだけで顔の耐え難い痛みが消えていくようだ。
「ったく、甘えん坊が……」
 ひとしきりお姉ちゃんに甘えた後、カナがふて腐れたようにぼそりと言った。
「俺のどこが甘えん坊だというのだ、カナ?」
「その状態でどうしてそんな台詞を言えるんだか……」
 お姉ちゃんに後ろから抱っこされている状態の何が悪いというのだ。よく分からんことを言う妹だ。
「とにかく、食べよう。食べながら花見すればいいよね、お姉ちゃん?」
「そうだね、タカくん。いーこいーこ」
 くりくり頭をなでられて、気分は小動物。やや屈辱的だが、もう慣れた。
「それじゃ、い……」
「いただきまーす」
 手を合わせ食事開始の合図を出そうとした刹那、カナがいただきますと言い放った。
「お、お姉ちゃん! カナが俺のいただきますを取った!」
「いちいち姉ちゃんに甘えるな、馬鹿兄貴!」
 カナに殴られたので、甘えるのはやめて弁当を食うことにしよう。
「むぐむぐ……やっぱお姉ちゃんの作るご飯は美味しい」
「そう? えへへへっ、ほらほらっ、これも食べて食べて」
「もがもが」
「……姉ちゃん、食べさせるのもいいけど、口に詰め込みすぎ。兄貴の顔が変色してるわよ」
「わっ、タカくんの顔色が青紫色に! 大変だけど、紫陽花みたいで綺麗♪」
 お姉ちゃんは本当は俺のことが大嫌いなのではないだろうか。
「姉ちゃん、兄貴痙攣してるけど……」
「わわっ、大変たいへん! だけど、人工呼吸の大ちゃんす! いくよっ!」
「兄貴、お茶」
「ごくごくごく……ぷはーっ、サンキュ、カナ。死にかけた」
「あああああっ!? タカくん復活してる!? ちゅーできなかった、ちゅー!」
「お姉ちゃんうるさい」
「タカくんに叱られたー……しょぼーん」
 ちょっと可哀想だけど、棺桶に足を半分突っ込んだ身としてはそれくらい言ってもいいだろう。
「にしても、本当姉ちゃんの作るご飯美味しいわね。……なんであたしが作ると美味しくないんだろう」
 カナが唐揚げをつまみながら言った。
「人には出来ることと出来ないことがある。カナはお菓子作りが上手だから、それでよしとすればいいじゃん」
「そ、そうだけど……でもさ、やっぱ料理上手な方が女性らしいじゃない」
「そういうことは女性が言うことだぞ?」
「立派な女性よ!」
 唐揚げが口に突っ込まれた。
「もがもが……ごくん。んん、うまひ。飯は美味い、桜は綺麗、さらに可愛い娘さんがいる。言うことないな」
「姉と妹だけどね。……兄貴、彼女とか作らないの?」
「ホムンクルスの作り方知らないんだ」
「誰も製造しろとは言ってない!」
「それ以外にどうやって俺に彼女を作れるというのだ!?」
「自分が全くもてないことをそこまで誇らしげに言うなんて……タカくんってすごい!」
 お姉ちゃんに褒められたが、どうしても褒められているような気がしない。
「あははははっ、やっぱ兄貴ってもてないんだ」
「も、もてるぞ!? この間なんて、三丁目の花子にすごいアプローチを受けたのだ! いや、モテモテで困る」
「三丁目の花子って、山田さん家の犬のこと?」
 お姉ちゃんが俺のささやかなプライドを打ち砕いた。
「兄貴、動物にだけはもてるもんね……」
 昔からどういうことか動物にのみ大人気な俺です。
「もういいよ。俺は花子と一生を添い遂げるから」
「タカくんが獣姦趣味に目覚めた!? どど、どうしよう!? お姉ちゃん、動物のコスプレしたらいいのかな!?」
 お姉ちゃんはそそっかしくて困る。そんな趣味に目覚めた覚えはない。
「なに考えてんのよ! そんな趣味認めないわよ、兄貴!」
 認められても困る。
「あーもー冗談に決まってるだろーが。彼女なんかいなくても、二人がいればそれで充分すぎるくらいだよ」
「タカくん……お姉ちゃん、超感動!」
 お姉ちゃんが感極まって俺を拿捕した。胸に頭が食われる。
「し、仕方ないわね。兄貴がそう言うなら、一緒にいてあげる」
 頬を桜色に染めながら、カナが小さく言った。
「よきにはからえ」
「タカくんがお殿様みたいに」
「……調子に乗ってると潰すわよ」
 恐怖のあまりお姉ちゃんにしがみつく。もにゅん、とお姉ちゃんの大きな胸が形を変えた。
「た、タカくん大胆……お姉ちゃん、ちょっとドキドキ」
「アンタどさくさに紛れて何やってんのよ! こら、姉ちゃんから離れなさい!」
 騒がしくも楽しい花見でした。顔の形が変わるくらいカナに殴られなければ。

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【チェーンソー振り回すツンデレ】

2010年03月18日
「たまにだけどね、チェーンソーとか振り回したくなるよね」
 とある休日、家に来たボクっ娘が突然猟奇趣味を告白なんてしやがったので、口に含んだコーヒーがどばどばこぼれた。
「うわっ、汚いなっ! 何やってんだよ!」
「す、すいません、キレイにしますからどうかチェーンソーでバラバラだけは勘弁してください」
「やんないよっ! 人をなんだと思ってんだよっ!」
「快楽殺人者」
 ほっぺを引っ張られて痛い痛い。
「まったくもう、人を危ない人みたいに言ってぇ……そうじゃなくて、たまにああいう危ないの振り回したくなるんだよ。実際にはやんないけどね」
 ぶちぶち言う梓と一緒にこぼれたコーヒーを掃除する。
「いや、チェーンソー振り回したいなぁ、目の前の血がつまった肉袋を切り刻んだらどれだけ楽しいのかなぁ、とか笑いながら、しかし目は冷め切ったままで言ってたし、快楽殺人者なのかなって」
「前者はともかく後者は言わない言ってない言うわけないよっ! 怖いよっ!」
「そう言う梓の手にチェーンソーが! 切り刻まれる俺! 昼食は俺が材料なのか!?」
「チェーンソーないし切り刻まないしお昼ご飯はチャーハンの予定だよっ!」
「手抜き」
「うっ……いっ、いいじゃん、作ってあげてんだし。てゆーか感謝される立場なんだよ、ボクは」
 梓は休日になると俺の家まで来て飯を作る奇特な人なので、そんなことを言われているのだと思う。
「感謝なあ……じゃ、どっか買い物でも行くか? おごってやるよ」
「えっ、いいの? 珍しいね、何買ってもらおっかな? ね、何円までいい? 300円?」
「貴様は俺の財力を舐めた。なので貴様を舐める」
 べろりと梓のほおを舐めたらなんだか甘い。
「うわわわわっ! な、なにすんだよっ!」
「頬舐め。なんか甘かったような」
「人のほっぺ舐めちゃダメだよ、ばかっ!」
「そんなこと言われたの初めてだ」
「ボクもだよ。なんでこんなこと注意しなきゃいけないんだよ……」
 うな垂れながらも、梓の頬はちょっと赤かった。
「そりゃ、梓が俺の財力を舐めたからだ。お前が思っている以上に小金を持ってるぞ。たぶん」
「へー? それだけ言うならさ、高いの買ってもらうよ?」
「任せろ。どんなチェーンソーがいい?」
「なんでチェーンソーに決定してるの!?」
「いや、チェーンソーの他に簡単に人をバラバラにできる凶器を知らないもので。勉強不足でお恥ずかしい」
「なんでそこまでボクを怖い人にすんだよっ!」
「嫌がるかなーって。てへ」
 誤魔化すために小首をかしげ梓のご機嫌をうかがう。
「タカシ、首が取れかけのロボットみたい」
 超ショック。
「もう寝る。おやすみ」
「どっ、どこに潜り込んでんだよっ、そこボクのスカートの中だよ!?」
「なんだ、道理で狭いと思った。ところで梓、最近なんか本買った? もし買ったなら俺にも貸して」
「いいから出ろ、ばかっ! なんでボクのスカートの中で世間話してんだよっ!」
「スカート以外となると、パンツくらいしか。しかし、パンツの中に潜り込むには多少抵抗が」
 いっぱい叩かれたので魅惑の三角地帯から頭を抜き出す。
「タカシのえっちえっちえっち! ド変態! ぱんつまにあ!」
「大丈夫、下着だけでなく中身も大好きです。いやむしろ中身の方が!」
「そんなこと告白されても嬉しくないよっ!」
「ところで、もう昼です。腹減った。梓、ごはん」
「ボク怒ってんだよ、作るわけないよっ!」
「む、それは困る。週に一度の楽しみを奪われては、もう何もやる気がしない」
 ぐったりと床に寝そべり、やる気のなさを体で表現する。
「う……そ、そんなボクのご飯好きなの?」
「好き。超好き。結婚してください」
「すっごいやる気のないプロポーズされた!?」
「チャーハンとなら、きっと生涯を共に歩けると思う」
「ボクじゃなくてチャーハンと結婚する気だったの!?」
「オムライスでも可。あ、オムライス食べたいオムライス。梓、作って」
「……はぁ、タカシ見てたら怒ってるのバカらしくなってきたよ。いーよ、作ったげるよ」
「やたっ。さすがは梓、給士のボクっ娘とはよく言ったものだ」
「そんなこと言われたことないよっ!」
 怒りながらもエプロンを装着する梓は、いい奴だと思う。

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【ボクっ娘はなでなでして欲しいけど素直には言えないようです】

2010年03月18日
 ボクっ娘をお家に招待しました。それはいいんだけど、さっきからすごい見られてる。
「……あの、何か用でしょうか」
「別に」
 訊ねてもそっけない。これはアレですか、頭の中で俺をミンチにする作戦を虎視眈々と練っていると? 生きたままミキサーに? 特製タカシ汁のできあがり、なんて。
 嫌だ、そんな死に方嫌だ! 死にたくねぇ!
「うわっ、いきなり泣き出したよこの人!?」
「うっうっ、タカシ汁は勘弁してくださいぃ……」
「? タカシ汁ってなに?」
 泣きながら説明したら怒られた。
「なんでボクがタカシをミンチにしなきゃいけないんだよ!」
「いや、普段よく馬鹿にしてるし、憤懣やるかたないとか言いながら巨大ミキサーに俺を入れるのかな、と」
「やるかたくないよ! まったく、タカシは変なことばっか言うから困るよっ!」
「しかし、そうじゃないとしたら一体なにをお考えで? さっきから俺のことじーっと見てるし」
「う……み、見てなんかないもん。何も思ってないもん」
「やはりタカシ汁をご所望で」
「ごしょもわないよ! ちょっとなでなでしてほし……ななな、なんでもないよっ! 何も言ってないよ!」
「ふふ……語るに落ちたな、梓! いやさ、あずっさ!」
 ジョジョ立ちを決めながらずびしとあずっさに指をさす。
「う、うう……変なポーズで変な呼ばれ方したけど、それどころじゃないよぉ……」
 失礼な。
「しかし、頭なでてほしいって……まるっきり犬だな、犬。梓、お手」
「わんわんじゃないよ! 超人間だよ、ちょー! お手とかしない!」
「お手したらなでなですること請け合い」
「……う、うう……し、しないもん。ホントはなでなでとかしてほしくないもん。ほら、ボク大人だし? 大人はなでなでとかしてもらっても嬉しくないし? 第一タカシなんかになでなでしてもらっても?」
「じゃあいい。遊ぼう。ゲームしようゲーム」
「でででもタカシがどうしてもボクの頭なでたいって言うならボクもやぶさかでないというかそのボクとしては」
「長い! もっと短く! 3文字以内で!」
「う、う~……な、『なでて』」
 まさか3文字で収められるとは思ってもいなかった。不覚。
「お、収めたよ! ほら、約束は守るべきだよ!」
「む、それは確かに。約束は守るべきだ。古今、エロいゲームにおいて幼少時代の約束がそのままフラグになることは多々あるからな」
「意味分かんないよ! いーからその、……アレしろよ! “な”がつくアレ!」
「な……殴り合いか! しかし、いかに相手が梓とはいえ、女性を殴る趣味はないなあ。なので、俺が一方的に梓の胸部やらでん部やらをまさぐる遊びにしよう」
「それただの痴漢だよっ! じゃなくて、分かってるだろいじわる虫っ!」
「はははははは」
「もういいよっ。ふん、別になでなでしてもらわなくても死なないもん。へーきだも……え?」
 からかうのに満足したので、今度は梓を満足させる番。優しく優しく梓の頭をなでる。
「……い、今さらなでられても、その……」
「じゃ、やめよっか?」
「ダメっ! ……う、あ、いやその……ふにゅ」
 変な鳴き声を発し、梓は困ったように視線をさ迷わせた。
「なでなでなでなで」
「あ、あの……た、タカシって本当ボクの頭なでるの好きだよね。ま、まったく、付き合ってあげるボクに感謝するんだよ?」
「そういうことは顔の赤さを取り除いてから言え」
「赤くないよ、全然赤くないよ! ……赤くないよね?」
「赤い。真っ赤。赤といえば梓、と連想するくらい赤い。しかし」
「気のせいだよ目の迷いだよ目が潰れたんだよ! だから色々言うのはやめたほうがいいよ!」
「自分から言い出したくせに、照れなくてもいいと思うんだが」
「……て、照れるとか意味分かんない。なんでボクが照れなきゃいけないんだよ。ふん、だ」
 とか言いながら湯気が出そうなほど顔を真っ赤にさせる梓をなでまくる俺でした。
「……えへへぇ」
「梓たん、物凄くにやけてますが」
「にやけてないっ、にやけてないよ! 嬉しくなんかないよ!?」
 大満足。

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