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2019年10月18日
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【髪型を馬鹿にされ悪魔になったツンデレ】

2010年03月20日
 ボクっ娘が家に遊びに来たので、からかおう。
「お前の髪型、いっつもショートカットな。この少年的髪型に飽きがこないのか?」
「カッチーンときたよ! どっからどー見ても女性的要因でいっぱいのボクにそんなこと言うなんて、許せない気持ち満載だよ!」
 軽い気持ちでボクっ娘の髪をいじったら、なんか嫌な予感。
「許せない気持ちMAXだよっ! うぬぬぬぬ……やーっ! 変身、悪魔verのボクだよっ!」
 変な掛け声と同時に稲光が走り、光が収まるとそこに悪魔っぽい衣装に身を包んだ梓がいた。
「嫌な予感はしていたが、まさか悪魔になるとはお兄さん予想だにしていなかったよ。褒めてやろう」(なでなで)
「わふわふ♪ ……はっ、違う違うよっ! 喜んでないよ、喜んでないよ!?」
「しっぽをふるでない」
「ふってないよ! いや悪魔だからしっぽあるけど、ふりふりしてないよ! でもあんまり見るなよ!」
 先が尖ってるしっぽを両手で押さえているが、押さえ切れないのかしっぽがふりふり動いていた。
「しっぽをふるために悪魔になったのか?」
「あっ、そうだよ悪魔に変身したんだよ! 悪魔の力でタカシを呪うよ! えっと、悪魔力を使うにはいけにえが……ねータカシ、この辺に野良ヤギとかいないかなぁ?」
「頭が少々アレな悪魔ならいるが、ヤギはいないなぁ」
「アレとか言うなよっ! うー、いけにえはないけど、頑張って悪魔力を使ってタカシを呪うよ! うにゅにゅにゅにゅ……」
 一生懸命うなってる所悪いが、なんか眠くなってきた。
「んー……なんか眠い。梓、膝枕して」
「しないよっ! 呪ってるんだから、じっとしててよ」
「任せろ!」
 望まれた通り、極めて小刻みに震える。
「タカシ、超高速のおじいちゃんみたい」
 爺呼ばわりに少々ショックを受ける。
「さすがは悪魔、嫌がらせが上手い」
「えっ、えっ? どれ? おじいちゃんってセリフ? ……いや、超高速かな? やーい超高速」
 やっぱりこの悪魔は少々アレだと思う。だけど、ちょっとは乗ってあげようと思う俺は優しいのかもしれない。
「亜光速ぐらい速いゼ!」
 かっこいいポーズで歯を輝かせる。どうだ?
「タカシ、ばかみたい」
 折角乗ってやったというのに馬鹿呼ばわり。超ショック。
「馬鹿の塊みたいな奴にバカと言われるのは事の他効くなぁ」
「ばっ、馬鹿の塊ってなんだよ! タカシ失礼だよ、失礼ちゃんだよ!」
「失礼ちゃんって何ですか」
「そんなのどうでもいいよっ! やっぱりタカシは一度呪われた方がいいよ! うにゅにゅにゅにゅ……えいっ!」
 両手を前に突き出したので、呪ったとみた! よし、呪われるぞ!
「ぐはあっ! いかん、寿命が120年縮まった」
「そんな呪いしてないし、そんな縮んでたら即死だよっ! なんで吐血してるんだよぉ!?」
「いや、雰囲気で。呪われたら血くらい出すのが礼儀かな、と」
「そんな礼儀ないよっ! ボクがやってる呪いは『ボクの髪型を褒める』って呪いなんだから、血なんて吐く必要ないよ」
「じゃあ何を吐けばいいというのだ」
「何も吐くなっ! なんでそんな吐きたがるんだよっ! ふつーにボクの髪型を褒めればそれでいいの! ほら、褒めて褒めて」
 褒めればいいようだが、なんだか褒めたくない。
「うーん、この毛並みたまらんなぁ。ほお擦りほお擦り……いてて、爪を立てるな」
「それタカシんちの猫だよっ! こっちこっち、こっちだよ! 悪魔っぽいボクの髪褒めるの!」
「いかん、急に失明した。何も見えないのでこれでは褒められない」
「いきなり失明なんてしないっ! これだよ、これ褒めるの!」
 右手を梓の頭にもってかれた。
「ほらほら、どう? さらさらでしょ?」
「うーん、さらさらというよりぺたぺただなぁ」
「そこボクのおっぱいだよ!? なんで左手でボクのおっぱい触ってるんだよぉ! ていうかぺたぺたって言うなっ!」
「隙あらばエロい人なので、つい」
「つい、じゃないよっ! 反省しろ、ばかっ! あと髪褒めて!」
 ここまでやってもまだ髪型を褒めろと言うか。少しばかり感心したので、褒めることにする。
「分かった。俺も覚悟を決めた。やる」
「う、うん。さぁ、どうぞ」
 軽く咳払いして、梓に向き直る。
 ……ええい。たかが髪を褒めるだけで、なんでこんな無駄に緊張しなきゃいけないのだ。
「え、えっと、だな」
「は、はい」
 で、なんで梓の顔まで赤らんでんだ。これじゃ告白みたいじゃないか。……って、何を考えてんだ俺は! 言うぞ、褒めるぞ! それで終わり!
「その、お前の髪って……」
「な、なに?」
「……んーと、その、だな。……まぁ、なんだ。見る人が見れば悪いと思わないような気がしないような気がするような」
「長いよ! もっと短く、ぱしっと、ね?」
「も」
「短すぎるよ! “も”なんてさっきのセリフに入ってなかったし!」
「あーもーいいじゃん。なんとなく分かるだろ? それより、どっか遊びに行ったりとか」
「ダメだよ、ちゃんと褒めるまで逃がさないよ! そうしないと、傷つけられた乙女のはーとは修復しないんだよ!」
「……傷つく?」
「へ?」
「そこだ。そこがそもそもおかしい。何故に傷つく必要がある」
「え、だってタカシがボクの髪型が男の子っぽいって言うから、ボクの乙女回路はズタズタに……」
「いや、俺は馬鹿にしたつもりはないぞ。男の子っぽくても、梓にはその髪型が似合ってるんだ。傷つく必要ないんじゃないか?」
「…………」
「ん、どした?」
「……褒められたよ」
「え、あ」
 しまった。話の流れ上、つい。
「……そっか、タカシはボクの髪型、似合うと思ってくれてたんだ」
「え、いや、そりゃ、……まぁ」
「……ならいいやっ♪ 悪魔もーど、しゅーりょーっ」
 また稲光が走り、視界が戻るといつもの梓がそこにいた。
「いや~、タカシがそんなこと思ってたなんて、ボク知らなかったよ~」
 いやらしい笑みを浮かべながらすりよってくる梓に背を向ける。
「ニホンゴ、ワカリマセン」
「……タカシってさ、照れ屋だよね~」
「うるさい帰れっ! タカシさんはおねむですっ!」
「あははははっ、タカシ可愛い♪ むぎゅ~♪」
 いつもと立場が逆転してしまい、背中から抱きしめられて困る俺だった。

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