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2017年09月24日
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【二人羽織なボクっ娘】

2010年05月27日
 文化祭で、ボクっ娘と二人羽織することになった。放課後、その練習を空き教室ですることになった。
「ちうわけでボクっ娘、前に入れ。俺は後ろで操作するから」
 二人入れるほどの大きな羽織を着て、俺は梓に言った。
「だからぁ、ボクっ娘って呼ぶなって何度も言ってるだろぉ! 梓って名前、覚えてよぉ!」
「いーから前に入れっての。ほれほれ」
「あぅ、引っ張らないでよぉ。うー……」
 梓を羽織の中に入れる。う、ボクっ娘の癖にいい匂いしやがる。
「さて、とりあえず基本としてケーキかな。失敗したときの見た目が面白いし」
「失敗が前提なの? ……まぁ、ケーキおいしいからいいけどさ」
 買っておいたケーキを箱から取り出す。
「あ、ショートケーキ! おいしいよねぇ、ショートケーキ。ボクね、ショートケーキのイチゴ大好きなんだぁ。将来はケーキ屋さんになろうかな?」
 そのケーキにかぶりつく。
「あああああ! 何すんだよぉ! ボクのケーキ食べないでよぉ!」
「いや、うまそうだったから、つい」
 本当は梓をいじめたかっただけだ。
「うわ~ん、ひどいよタカシ! ケーキ返してよ、ケーキケーキケーキ!」
「あーうるさい。つまらんことやってないで、とっとと練習するぞ」
「ヤダ」
「ヤダ、って……」
「タカシ、ボクのケーキ食べちゃったもん。しかも、イチゴまで食べちゃったもん」
「吐こうか?」
「そんなことされても食べられないもん!」
「いや、かなり無理すれば食えるぞ。流動食みたいになってるから噛まなくてもいい。らっきー♪」
「らっきー、じゃないよぉ! ケーキ食べたい、ケーキケーキケーキ!」
「あー分かった分かった。この後おごってやるから、今は練習しようぜ」
「ホント? よっつ食べるからね、よっつ!」
「分かった分かった。ほれ、やるぞ」
 羽織の中に頭をすっぽり入れ、食いかけのケーキを持つ。そして適当にあたりをつけ、梓の顔付近に持っていく。
「あっ、あっ、もうちょい上。あぅ、もっと上だって。上上上!」
 べちゃ、むにむにむに。
「どこにつけてんだよぉ! そこ、おっぱいだよぉ! しかも、揉んでるよぉ!?」
「すまん、わざとだ」
「うー、わざとかぁ。じゃあしょうがない……わざと!?」
「ほらほら、うにゃうにゃ言ってないで続きやるぞ、続き。やる気だせよな」
「おっぱい触られて、しかも怒られた……」
 なぜか凹んでる梓を置いて、箱からもう一つケーキを取り出す。
「あ! もう一個あったんだ! もう、最初から言ってよぉ」
「ほれほれ、今度は真面目にやるからボクっ娘もしっかりやれよな」
「最初から真面目にやってよぉ! それから、ボクっ娘って呼ぶなって言ってるだろぉ!」
 今度こそ梓の顔付近にあたりをつけ、ケーキを持っていく。
「うん、今度はいいよぉ。あ、もうちょっと上。……うん、そこそこそこ!」
 ぱく、はぐはぐはぐ。
「うー、おいしいよぉ。やっぱりショートケーキは、ケーキの王様だよぉ♪」
「なんだ、一発で成功したな。練習の意味なかったかも」
 羽織を脱ぎながら、梓に話しかける。
「あれ? もうやんないの?」
「材料切れ。しかし、手がクリームでべとべとだな……」
「あっ、もったいない!」
 ハンカチで手を拭おうとしたら、梓が指に吸い付いた。
「ちゅっ……ちゅぷ、ちゅ……ん、おいひい」
「……えろ」
「え、えろくなんてないよぉ! クリーム舐めただけだよぉ!」
「分かった分かった、もう帰ろうぜ」
「んー……あ、ケーキおごってよね、ケーキ!」
「げ、まだ食うのか? 一個食ったんだからいいじゃねえか」
「ダメだよぉ! それとこれは話が別!」
「はぁ……しょうがねぇなぁ」
「にひー♪」
 嬉しそうに微笑む梓を連れ、俺たちは教室を出た。

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