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2024年05月16日
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【左からきたツンデレを右に受け流す】

2010年02月26日
 部屋で漫画読んでたらちっちゃい先輩がふらーっとやってきたので、右に投げ飛ばしてみた。
「……?」
 ベッドの上でひっくり返ったまま、先輩は不思議そうな顔をした。
「つまり、左からきた先輩を右に受け流したんだ」
「……?」
 やっぱり先輩は不思議そうな顔をした。
「ほら、あれだよ、テレビで人気あった(過去形)ムーディなんたらの芸ですよ」
「…………」
「え、先輩あんまりお笑い詳しくないの。そうだよな、先輩は食べ物にしか興味がない哀れな生き物だもんな」
 どうしてそこで誇らしげに胸を張るのですか。
「とにかく、遊びに来たのなら何かする? ゲームでもすっか?」
 ゲームを置いてる棚を漁ってると、先輩はベッドに座りなおし、やれやれとでも言いたげに肩をすくめた。
「…………」
「え、何かというとすぐゲームでつまらない? 大人ならもうちょっと趣味を広げろ? 例えば食べ歩きとか?」
 先輩は「どうだ」とでも言いたげにばふーんと息を吐いた。
「いや、食べ歩きはあまり大人の趣味ではないと思いますが。というか、趣味が食べ歩きって大人を通り越しておっさんみてえ」
 先輩は不満そうな顔をした。
「…………」
「え、おっさんじゃない? ぴちぴちの女子高生? しかしだな先輩、どこからどう見ても先輩は小学生にしか見えないぞ?」
 先輩は本当に俺と同じ人類か疑わしいほど小さい。さらに、小さい事を指摘される事を何より嫌い、その度先輩の機嫌が悪くなる。
「…………」
 案の定、先輩は機嫌が悪くなったオーラを放出した。そしてなんで分かってて俺は先輩のプライドを刺激しますか。
「まあまあ、怒るな先輩。逆に考えるんだ、『年齢と不相応に小さいから、とある層に大人気で超らっきー』と考えるんだ」
「…………」
「え、嬉しくない? このロリコン野郎? その暴言はともかく、俺をロリコンと認定したら、先輩が小さい事を自ら認めることになってしまうぞ?」
 先輩は困った顔をした。しばらく何か考えた後、先輩は小さな小さな声で何か囁いた。
「…………」
「え、このないすぼでー好き? ……いやいやいや。どこにないすぼでーがあると言うのか」
「…………」
「上から90・58・83? 先輩、虚言癖があったんだな」
 先輩は俺のほっぺをむにむにしながら小さな声で「信じれ」と囁いた。
「無茶を言うない。俺が見たところ、先輩は65・65・65だろう」
「…………」
「え、そんなドラえもんみたいに全部同じサイズじゃないって? じゃあ本当のサイズ教えてよ」
「…………」
「え、そんなの教えるかバカ、だって? じゃあ実際に調べてみよう!」
 手をわきわきしながら近寄ると、先輩は慌てたように周囲を見渡した。そして俺の左に僅かなスペースがあるのを見た瞬間、猫のように飛んだ!
「キャッチ」
 空中で先輩を掴み、右に受け流す。先輩は再びベッドの上に転がった。
「…………」
「え、ごーかんま? ははっ、嫌だなあ先輩。俺が先輩にそんな酷いことするわけないじゃないか」
 不安を与えないよう、笑顔で安心感をアピールする。
「…………」
「え、これほど信用できない笑顔初めて? ……だいじょぶだいじょぶ、調べるだけだよ?」
 手をわきわきしながら近寄ると、先輩はふるふる震えた。

「いやあ……先輩。全然胸ないですね」
「……! ……!」
「え、責任取れ? いやいやいや。おっぱいのサイズを計っただけで責任とかおかしいですよ。まあ、メジャーがなかったから仕方なく、本当に仕方なく手で調べましたが」
「……! ……!」
「え、なんで計るのにむにむにするんだ、だって? いや、こんな小さくても揉めるのかにゃーって疑問に思い、つい実行しちゃっただけで。いや……できるとはね」
 先輩はちっちゃな声で「すけべすけべすけべ」と繰り返しながら、真っ赤な顔で俺の腹にぽふぽふパンチを繰り出すのだった。

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