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2024年03月30日
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【ゆら姉 到着】

2012年02月05日
 そんなこんなで学校へ到着。周囲の視線に負けずよく頑張った、感動した!
「アキくん、よく分からないけど古い気がするよ……」
 俺の姉はエスパーに違いない。
「それはそうと、今日もしっかり勉強するんだよ? 授業中に寝たりしちゃダメだからね?」
「じゃあ俺は一体いつ寝ればいいんだ」
「寝ちゃダメなの!」
「姉が連日の徹夜を強要する」
「昼間の話なの! 夜はぐっすり寝てもいいの!」
「なんだ。でも、夜は夜でどういうわけか布団の中が狭かったりするからなあ」
「う。……そ、そんなの、今日だけだもん。偶然だもん。暖かくなったらなくなるもん」
「暗に春までは一緒に寝るって言ってません?」
「い、いーから黙りなさい!」
「はい」
 姉の言うことは絶対なので黙る。
「そ、それから、一緒に寝てることはナイショだからね。絶対だからね」
「そりゃモチロン」
 俺だけならともかく、ゆら姉が奇異の視線にさらされるのは我慢ならないので、それはね。
「ん。分かったらいいの。いーこいーこ」(なでなで)
「わぁい」
「えへへ、かーわいい」
 男子生徒の頭を背伸びしてなでる中学生みたいなのの姿に、周囲の学生たちがひそひそと囁き合ってる。
「えーと。ゆら姉?」
「ん、どしたの? ……あ。え、えっとね、アキくん? あの、流石に学校でちゅーはね、その、そのね? ……お、おうちに帰るまで我慢できる? 無理?」
 姉の間違った方向の気遣いにより、俺へのシスコン&ロリコン疑惑が限りなく高まっていく。
「弟を暴走させて性犯罪者にさせないためには、あ、姉として、それくらいはね? きょ、姉弟だし、それくらい普通だよね? ね?」
「いま暴走しているのはゆら姉だ。頼むから落ち着いてくれ」
「ふきゅっ」
 とりあえずむぎゅっと抱きしめて落ち着かせる。この姉は昔から暴走しがちなので、こうして暴走を沈めるのも割とお手の物だ。
「……はちきゅーじゅっ、と。さて、落ち着いたか?」
「……も、元から落ち着いてるし」
 まだ少し頬に熱は残っているものの、どうにか平常運行に戻ったようだ。
「で、でも、もちょっとだけぎゅーってする?」
 ……もう少しかかる模様。少し恥ずかしそうにしながらこちらに両手を向けるちっこい姉を見ながら、そう思った。

 まあそんなことをしてりゃチャイムも鳴っちゃうわけで。
「余裕を持って学校に来たのに、どーしてこーなちゃうのよ!」
「明らかにゆら姉のせいだろうに……」
「お、お姉ちゃんだけのせいじゃないもん! アキくんがちゃんとお姉ちゃんの暴走を止めないからだもん!」
「今日もうちの姉は無茶を言う」
「アキくんっ!」
「はいっ、すいません。俺が全部悪かったです」
 姉弟仲良く遅刻しました。

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