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2019年10月18日
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【かまくらを作るツンデレ】

2010年01月21日
 今年の冬はすごい。普段は滅多に雪なんて降らない地方なのに、今日は一面銀世界だ。
「ぬふふー、かまくらじゃ、かまくらなのじゃー」
 それに浮かれたまつりが学校の校庭に勝手にかまくらを作ってる。今は内部を施行しているようなので、ばれないようにそっと近づき、入り口を雪で硬く硬く塞ぐ。
「ふう、とりあえずこんなものなのじゃ。次は……ぬ? な、何なのじゃー!?」
 どうやら入り口が塞がっていることに気がついたようだ。外側から聞き耳を立てることにする。
「入り口が埋まってるのじゃ! 一大事なのじゃ! このままでは春まで発見されないのじゃ!」
 いや、その前に普通に餓死か凍死すると思う。などと考えていると、内側からドンドンと激しい衝撃音が聞こえてきた。
 入り口を体当たりしているようだが、まつりの小さな身体程度ではビクともしないほど固めているので自力での脱出は難しいだろう。
「はぁはぁ……ちっとも崩れないのじゃ。……ま、まさか、本当に閉じ込められたのかえ?」
 そうです。正確には俺が閉じ込めたんだけど。
「……だ、誰か傍にいないかえ? わ、わらわはまだここにいるのじゃ、誰か助けてたもれ!」
 む。声に少々泣きが入っている。面白かったし、そろそろ助けるか。
「おや、こんなところにカマクラのような何かが」
 わざとらしく声をあげて、俺が近くにいることをまつりに知らせる。
「!!! その声、タカシか!」
「それはどうかな?」
「その人を食った言い回しは絶対タカシなのじゃ! 特別に命ずる、わらわを助けよ!」
「まつりのためなら、この命、惜しくはない! どうすればいい、指示してくれ!」
「タカシ……わらわ、感激なのじゃ! で、では、このカマクラの入り口を崩してほしいのじゃ!」
「寒いから嫌だ」
「命を惜しまないって言った口で、寒いから嫌!? 寒さ>命なのかえ!?」
「じゃあまた春にでも」
「待って待ってお願い助けて! 寒くて死にそうなのじゃ!」
「三回まわってワンって言ったら助ける」
「ぐるぐるぐる、わん! 言ったのじゃ! 助けてたもれ!」
「ここからじゃ内部が見えない。本当にしたか確認できないので、残念ながら助けられません」
「タカシは悪魔なのじゃー! うわーん!」
 いかん、泣かしてしまった。しょうがないのでパワーオブパワーで入り口を崩す。
「ぐすぐす……ん?」
「大丈夫か?」
「タカシー! ふわーん!」
 まつりが泣きながら俺の胸に飛び込んできた。
「ううう……怖かったのじゃ、もう一生閉じ込められたものだと思ったのじゃー」
「よしよし、もう大丈夫だぞ」(なでなで)
「ううう……ふぅー」
 まつりは俺になでられ、安心したように鼻息を漏らした。
「タカシ、ありがとうなのじゃ。おかげで助かったのじゃ。タカシは命の恩人なのじゃ」
「いやあ、そんな感謝されると照れますねウヒヒヒヒ」
 俺の笑い声に感謝してるはずのまつりが引いた。
「で、でも、なんで塞がったんじゃろか……しかも、あんな強固な壁になって」
「ああ、それは俺がこう、ぺたぺたと」
「……何じゃと?」
 事の顛末を分かりやすくまつりに伝えたのに、とても怒られた。
「なんでわらわを閉じ込めるんじゃ!」
「感謝されたかったんだ。あと、困るまつりも見たかったんだ。一挙両得」
「マッチポンプもいいところなのじゃ!」
「マッチポンプぁーと呼んでくれ」
「マッチポンプぁー。……言い難いのじゃ! というか、名前なんてどうでもいいのじゃ! やっぱりタカシは悪魔なのじゃ!」
「よし。折角まつりがカマクラを作ったことだし、一緒に入ろう」
「こやつちっともわらわの話を聞いておらぬぞよ!? こっ、こら、わらわを持つな!」
 まつりを小脇に抱えたまま、カマクラの内部に入る。
「ふむ。一人で作ったにしては上出来じゃないか?」
「ふん。貴様みたいな悪魔に褒められても嬉しくないのじゃ」
「フンコロガシが作った糞の方が綺麗だな」
「だからって貶されても嬉しくないのじゃ! あと、比較対象があんまりなのじゃ!」
「ううむ……しかし、やはり雪だけあって冷えるな。あ、カイロ的存在発見。らっくぃー」
「わらわはカイロじゃないのじゃ! こっ、こら、抱っこするな、すりすりするでない、ほっぺをはむはむするにゃーっ!」
 寒さのせいにしてまつりで温まりました。冬サイコー。

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