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2019年10月18日
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【お目当ての物が品切れでがっかりなツンデレ】

2011年10月14日
 そろそろ秋も深まってきたのでコンビニの品揃えも相応になってきた頃だろう、といったことを友人と話していると、何やら目を輝かせたまつりが寄ってきたのでこっそり逃げようとしたら捕まった。
「なんでわらわが近寄ったら逃げるのじゃ! しつれーなのじゃ!」
 後ろから俺に抱きつき、ふがーふがーと鼻息も荒くまつりが叫ぶ。
「また厄介ごとに巻き込まれそうな気がしたので、やれやれ系の主人公としてこれ以上やれやれと言いたくないので、前もってトラブルを避けただけなんです」
「貴様などやれやれ系の主人公ではないわ! そも、貴様などが主人公になれるはずがなかろう? なれてせいぜいわらわの物語の脇役に決まっておろう! にゃーっはっはっはっは……こら! 逃げるな!」
 気持ちよさそうに笑ってるスキに逃げようとしたら、また見つかった。しかも、俺が知らず注目を集めてるスキに友人は姿を消してるし。くそぅ。
「はぁ……。んで、何用ですか猫姫さん」(なでなで)
「姫ではあるが、わらわは猫ではない! なでるな、たわけ!」
「なでやすい位置に頭があるのでなでてるだけだ、気にするな。ただ、猫姫なんだからちゃんと猫耳を用意しておくように。次回までの宿題です」
「だから、わらわは猫ではないと言っておろうがっ! 何度言えばわるかのじゃ!?」
「なでなでなで」
「にゃっ、にゃにゃにゃ……にゃふー」
「ほらみろ、猫だ」
「猫じゃないわいっ! 貴様に強めになでられると、なんかにゃふーって鳴いちゃうだけじゃっ!」
「馬鹿丸出しですね。いや、誤解されがちですが、褒め言葉ですよ?」
「褒めてる要素がないのじゃばかものうわーんっ!」
「ああごめんごめんなさい」
 何やらうにゃうにゃ泣いてしまったので、頭をなでて慰める。この姫さんは打たれ弱すぎる。
「ぐしゅ……うう、貴様は今日もいじわるなのじゃ。すぐにわらわをいじめるのじゃ」
「基本的に人とのコミュニケーションが苦手なんだ。許せよ乙女」
「うにゅ……わらわじゃから許してやるが、次泣かしたりしたら許さんのじゃよ?」
 小さな両手で俺の手を包み込み、小さく首を傾げるまつりさん。どこで覚えた、そんな殺人技。
「分かった、結婚しよう」
「そ、そんなこと言ってないのじゃっ!」
 顔をべちべちべちっと叩かれた。
「ああ、いやその、混乱してましたスイマセン」
「ま、まったく! 貴様には困ったものなのじゃ! ぷんぷん、なのじゃ!」
 顔を赤くしながら、まつりは腕を組んでそっぽを向いた。あまりの分かりやすい怒りのポーズに笑いがこみ上げる。
「な、何を笑っとるのじゃ! わらわは怒っとるのじゃぞ!?」
「や、悪い悪い。あんまりにもあんまりなので、こらえ切れなくて」
「う~……今日も貴様は嫌な感じなのじゃ。……あっ、そ、そうじゃ! わらわを怒らせた罰なのじゃ、わらわにあんまんをおごるのじゃ!」
「唐突だな。肥え太りたくなったのか?」
「……本当に嫌な感じなのじゃ」
 じろーっとした感じの目でにらまれた。確かに、デリカシーの欠けた発言だったか。
「冗談だが、悪かった。でも、お前はもうちょっと飯食った方がいいぞ。軽すぎる」
 まつりの両ワキに手を通し、持ち上げる。さほど力をいれずとも、簡単に持ち上がった。
「わ! お、下ろすのじゃ、ばかものっ!」
「まあ落ち着け、窓の外まで手を持っていたら離してやるから」
「それじゃわらわだけが引力に引かれてミンチよりも酷くなってしまうのじゃ! 普通に教室の床に下ろすのじゃ!」
「わがままだなあ。姫の本領発揮といったところか」
「姫関係ない欲求じゃ! 生存本能なのじゃ!」
 とまれ、俺も知り合いのミンチなんて見たくはない。その場にストンと下ろしてあげる。
「うむ。それでよいのじゃ」
「よかったよかった。じゃあ俺はこれで」
「うむっ♪ ……ではないっ! 普通に解放しそうになっちゃったのじゃ! なんという策士じゃ!」
「いや、策士ではなく、単にまつりが馬鹿なだけだよ」
「冷静に説明するないばかものうわーんっ!」
 また泣かせてしまい、おろおろする俺です。

「さて、コンビニまで来ましたよ、姫さん」
「うむ」
 なんとか泣き止ませた俺だったが、その後もスキあらば逃げようとするので手を握られてます。
「わらわを二回も泣かせた罰なのじゃ。おなかいっぱいあんまんを食べさせるのじゃ」
「え、一個じゃなくて?」
「わらわをいっぱい泣かせたのじゃから、それくらいの罰はとーぜんなのじゃ!」
「いや、おごるのは別に構わんのだが、あんま量食ったら晩飯入らないんじゃないのか? お前そんな健啖な方じゃねーだろ」
「う。……じゃ、じゃあ、二個だけにしとくのじゃ。それも、一個は今食べて、もう一個は食後に温めなおして食べるのじゃ。それなら平気じゃよ……ね?」
 コクンと小首を傾げ、俺に訊ねてくるまつり。だから。気軽にそれを使うない。
「そうだな、子供は二人くらいほしいな」
「何の話じゃっ!?」
「まあとにかく、入ろう」
「わ、わわっ! ひ、引っ張るでない!」
 自動ドアに念力を送ってドアをこじ開け、店内に入り、レジの前へ行く。
「……む? な、なんじゃとおおおおお!?」
 しかし、運命の神は俺たちに微笑まなかったようだ。
「あの。ひょっとして、あんまん売り切れですか?」
 店員さんは申し訳なさそうな顔をしながらうなずいた。
「ふむ。しょうがない、帰るか、まつり……まつり?」
 まるでこの世の終わりのような雰囲気をまとわせ、力なくうつむいているまつり。そんな食いたかったのか。
「んー……あの、すいません、これください」
「ぬ……?」
 店員さんに包んでもらい、レジで清算して店を出る。
「のう、のう。何を買ったのじゃ?」
 俺の手をくいくいと引いて、まつりが訊ねる。
「ん、ああ。これこれ」
「ぬ? ……これは? 肉まん、かの?」
「あんまんがなかったからな。何もナシってのも寂しいし。一個しかないけど、よかったら食え」
「……ふ、ふんっ! わらわはあんまんが食べたかったのじゃ! こんなの食べたくないのじゃ!」
「そっか。残念だ」
「……で、でも、どーしてもわらわに食べてほしいのなら、食べてやらなくもないのじゃよ?」
 チラチラと俺を見ながら、まつりが虚勢を張る。
「な、なんで笑うのじゃ!? 今日も貴様はしつれーなのじゃ!」
「いや、なんつーか……もう逆にそこがチャームポイントにしか見えねえ。しょうがない、結婚するか!」
「す、するわけないのじゃっ! どーして貴様はすぐにわらわに結婚を申し込むのじゃ!? と、とっても不愉快なのじゃ! ぷんぷんっ!」
 まつりは顔を赤くしたままそっぽを向いた。もっとちゃんと叱ってほしいものだ。
「いやはや。とにかく、お前のために買ったんだ。できれば食ってほしいのだけれど」
「……そ、そこまで言うなら食べてやるのじゃ。……と、特別なのじゃ!」
「そいつぁありがたい。んじゃ、ほい」
 まつりに包みを渡す。俺の手を離し、まつりはごそごそと中を探った。まだ湯気の立っている肉まんが姿を現す。
「んしょ、んしょ」
 と、突然それを二つに割り出した。何をしているのかと思ったら、その片割れを俺に差し出した。
「も、元々あんまんを食べたかったのじゃ。お腹がそれ用になっちゃってるから、一個丸まるなんて入らないのじゃ。じゃ、じゃから、半分やるのじゃ。……他意なんてないのじゃっ!」
 なんだか半分怒りながら、ぐいーっと俺に肉まんを押しつけるまつり。
「そか。じゃ、ありがたくもらおうか」
「そ、そうじゃ。ありがたがるがいいのじゃ」
 俺に肉まんを渡し、まつりは即座にその手で俺の手を握った。
「……な、なんじゃ。貴様が逃げてはいかんから握っただけじゃ! 他意などないっ!」
「何も言ってません」
「へーきな顔をするでないっ、たわけっ!」
「一体どうしろと言うのだ」
「ぐぅぅぅぅ……も、もーよいのじゃ! そこの公園で一緒に食うのじゃ!」
 まつりに引っ張られ、以前も来た気がする公園へ。そこのベンチにまつりと並んで座る。
「もぐもぐもぐ。……あ、おいしーのじゃ」
「ふむ。確かにうまいな」
「うむっ♪」
 よほど気に入ったのか、まつりは足をパタパタさせながら肉まんを平らげた。子供みたいで行儀が悪いが、見た目が子供なので問題ないとも言えよう。
「もぐもぐもぎゅ……ぷはーっ! ごちそーさまなのじゃ。思ったよりもおいしかったのじゃ!」
「気に入ったようで何よりだ」
「うむっ♪ ……でも、ちょびっと足んないのじゃ」
 明らかにまつりの視線が俺の食べかけの肉まんに注がれている。
「そ、そうか。でも、もうすぐ夕飯の時間だし、大丈夫だよな?」
「……わらわ、ちょこっとだけ足りないのじゃよ?」
 稚気をふんだんに織り交ぜ、まつりは甘えた声で囁いた。ごくり、とノドが鳴る。なんだその新技。
「一個全部は食べられないんじゃなかったのか」
 しかし、これ以上篭絡されるわけにはいかない。俺は目をつむって効いてないフリを試みた。
「あ、あの、あののの? ……な、なんでわらわを抱っこするのじゃ?」
「へ? ……おおおおおっ!?」
 心は平静だったが、身体はその制御を失い、宿主が願う行動を取っていた。まつりを膝に乗せ、抱きかかえている。どういうことだ、俺!
「い、いやあの、ち、違うんデスよ? こ、これはその、なんつーか」
「……に、にゃー」
「えええええ!?」
「お、おぬしは以前からわらわのことを猫じゃ猫じゃと言うからの。そ、その、猫のフリをすれば肉まんをもらえるかと思ったのじゃ。……そ、それだけじゃからの?」
「な、なるほど。それなら猫の鳴き真似をするのも仕方ないですね」
「そ、そうなのじゃ。仕方ないのじゃ。にゃーなのじゃ」
「うーむ。これはなでざるを得ない」
「にゃ。にゃにゃにゃ。ふにゃー。にゃ」
 リズムをつけてなでると、鳴き声にも変化が出て面白い。これはやみつきになる。
「もうっ! 人で遊んではいけないのじゃ!」
 ニコニコしながらまつりが俺のなでなでを制止する。
「や、なんかもう楽しくて楽しくて」
「全く……困ったものなのじゃ。こ、こんなところを誰かに見られたら、恋人だと思われてしまうではないか」
 怒ったような拗ねたような顔で、まつりが俺を見る。何かを期待している目だ。
「心の中ではお互い蛇蝎のごとく嫌ってるけどな」
 なんか心の中に選択肢が出たんだけど、間違ったのを選んだ気がする。
「違わいっ! ……あ、いや、違くないけど、違うのじゃ! え、えと……そ、そこまで嫌っておらんってことなのじゃ……よ?」
「じゃあ俺が一方的にまつりを死ぬほど嫌ってるんだよ」(なでなで)
「ものすっごく優しい目&手つきのなでなでなのに、言ってる台詞が酷すぎなのじゃ!」
「わはははは。まつりは愉快だなあ」
「うぅー……貴様は冗談ばっかで、どれが本音なのか分からないのじゃ」
「うーん。行動からある程度察してください」
 そう言いながら、まつりの黒髪を手で梳く。シルクのようなさらさらとした髪は、何の抵抗もなく俺の手の平を滑っていった。
「……あ、あぅ」
「赤くなるな。逆にこっちが恥ずかしい」
「っ! わ、わらわは! 貴様なんか嫌いじゃ! 嫌いじゃからな!」
「悲しい話だ」
「……で、でも、その肉まんをくれたら、ちょっとだけ好きになってやってもいいのじゃよ?」
「ふむ。それは心惹かれる提案だもぐもぐごっくん」
「あーっ!? もぐもぐごっくんって全部食べちゃったのじゃ! わらわの肉まん!」
「あ。……でも、まあ、いいか!」(ぺたぺた)
「ぬーっ!? 晴れやかな笑顔でわらわの顔に手をなすりつけるでないっ、たわけ!」
「ベタベタするんだ」
「だからと言ってどうしてわらわの顔で拭くのじゃ! こんな素敵な雰囲気でそんなのするって、貴様頭がおかしいのじゃ!」
「舐めてベタベタを取ってください」
「絶対嫌なのじゃ! ていうか明らかにベタベタ取るのと別の目的なのじゃろ!?」
「ななな何の話だか! 決して指フェラさせようとなんて!」
「今日も貴様は隙あらばえっちなのじゃーっ!」
 ごばーっと怒られたが、なだめすかして舐めさせはしました。はい、変態です!(ちょお晴れやかな笑顔で)
「ちゅ、ちゅう……うー、今回だけじゃよ?」
 俺の指を口内に入れながら、少しだけ困ったような顔でまつりがつぶやく。喋るたびにまつりのちっちゃな舌が指にあたり、腰骨がゾクゾクと。
「ウヒヒィ」
「ひぃーっ!? 気持ち悪いのじゃ、気持ち悪いのじゃ!」
「し、失礼な! あまりの気持ちよさに声が漏れただけですよ!?」
「それが気持ち悪いと言っとるのじゃ!」
「なんだとコンチクショウ!? 分かった、それなら明日も一緒に買い食いしよう!」
「こやつ今日もまるで話を聞いておらん!?」
「あ、別にこうやって指を舐めてもらうだけでも俺は一向にかまいません」
「わらわが一向にかまうのじゃ! 絶対に嫌なのじゃ!」
「なんと。それよりまつり、もうちょっと舐めてください」
「どんだけ変態なのじゃ貴様!? ……あ、あとちょっとしか舐めないからの?」
 俺の手を両手で持ち、ぺろぺろと舐めるまつり。上目遣いで俺を見ながら、ねっとりと舌を俺の指にからめる。
「フヒヒィ!」
 そりゃ再度声が漏れますよ。
「ぴぃーっ!? 何度聞いても気持ち悪いのじゃーっ!」
 人気のない公園にまつりの声が響くのだった。

拍手[18回]

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無題
まつりん可愛すぎるだろうがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
無題
電車の中でにやけてる俺きめぇ
無題
何この臭い人達
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