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2019年10月18日
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【牛乳と言えないツンデレ】

2010年03月05日
 休み時間、ちゅーちゅー牛乳を飲んでたら、ちなみがこっちを見てるのに気づいた。
「なんだ、飲みたいのか? 白くてどろっとしててノドにこびりつく獣臭い液体を飲みたいのか?」
「……タカシはいつ何時でもエッチだ」
「俺は牛乳の話をしているのだけど」
「……私もにゅうにゅうの話をしている」
 ……え?
「ちなみ、今なんて?」
 そう聞いた瞬間、ちなみはしまったと言う顔をした。
「……別に、何も言ってない。とうとうタカシは幻聴が聞こえる域に達した。……さよなら、タカシ」
「人をヤバイ人扱いするない。そうでなくて、なんか、……にゅうにゅう、とか言ってなかった?」
 ちなみの体がびくりと震えた。
「あり? ひょっとしてここにおわすちなみさんは、牛乳と言えないのかにゃー? 体だけでなく、舌まで子供なのかにゃー?」
「……まったく、タカシは何を言っているのか。……体も舌も大人に決まっている。……そう遠くない未来に、育つに決まっている」
 そう言いながら、ちなみは自分のぺたぺたの胸をぺたぺた触った。
「じゃ、牛乳って言って。さんはい」
「…………」
 ちなみは机の中から文庫本を取り出し、読み始めてしまった。
「さんはい」
 本を取り上げ、もう一度繰り返す。
「……にゅ」
「にゅ?」
「うるさい。……ちょっと、向こうむいて、耳塞ぐ」
 ちなみは俺の頭を持ち、ぐるりと180度回転させた。
「首がぐるりと! エクソシスト!」
「……体も合わせて回転してるので、エクソシストならず。……首が取れなくて非常に残念」
「非常に残念とか言うな」
「……とにかく、耳塞ぐ。……じゃないと、……アレ、言わない」
「……ふむ、分かった」
 と言ったけど、当然塞ぐはずがない。耳を塞ぐフリをして、少しだけ耳と手の間に空間を作る。そうしていたら、ちなみの小さな声が届いてきた。
「……にゅ、にゅうにゅう。……にゅうにゅう。……むぅ、言えない」
 分かっていたことだけど、やはりちなみは牛乳と言えずにゅうにゅうと言ってしまうようだ。うむ、可愛すぎる。
「……にゅうにゅう。……に、にうにう」
 惜しい! もうちょっとで牛乳だ! 最初の“に”を“ぎ”に変えろ! というか、何が難しいのか皆目検討がつかないのですが。
「……にゅうにゅう。……言えない。……いや、私は間違ってない。……にゅうにゅうの方が間違ってる」
 ちなみの思考が変な方向に行きだした。
「……そもそも、言葉なんてその時々によって変わる物。……だから、にゅうにゅうと言ったからって、変なはずがない」
「いや、それはおかしい。牛乳は牛乳で、にゅうにゅうとはならないと思う」
「…………」
 おや? 急にちなみが黙ったぞ。どうしたのだろうか。
 なんて思ってたら、ぐるりと回転させられた。
「……聞いてた?」
 なぜか顔を真っ赤にしながら俺に問いかけるちなみ。
「全然」
「……じゃあ、なんでさっき受け答えしたの」
「……? ……あ、ひょっとして、俺、……さっき喋った?」
 ちなみはこっくり頷いた。
「いやはや、自分では心の中で思ってたつもりだったけど。うむ、そんなこともあるよね」
 ぽんとちなみの頭に手を置き、全てをうやむやにする。
「……よくも聞いてたな」
 うやむやは失敗したようだ。俺の手の下で顔を真っ赤にし、ちなみは半泣きでぷるぷる震えた。
「あ、いや、その、……にゅうにゅうに相談だ!」
「……にゅうにゅう言うな、ばか。……許さない」
 にゅうにゅう言う娘っ子に追い掛け回された。捕まった。

「あー、授業を始め……うおっ、別府が縄でぐるぐる巻きで、いわゆるミノムシのような状態で窓から干されてる!」
「いじめだぁ! 先生、助けてぇ!」
「ま、どうせお前が余計なことしたんだろう、そこで授業受けてろ。あ、落ちても死ぬなよ。俺のせいになるから」
 この学校はもうちょっと色々なことを気にした方がいいと思う。あと、俺見てにやにやしてるちなみがムカツク。

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