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2019年10月15日
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【何かいつもお腹を空かせているツンデレ】

2010年02月02日
 お昼休みは飯を食うと相場が決まっているので、俺も飯を食う。
「……じぃっ」
 しかし、知り合いに擬音つきでじっと見られたまま昼食を摂れるほど、肝は据わっていない。
「えーと。何か用ですか、ちなみさん」
「……別に」
「そか。じゃ、遠慮なく」
「……じぃっ」
 ちなみは両手の指とアゴを机の上にちょこんと置き、じーっと俺の弁当箱を見つめている。
「えーと。見られてると非常に食い難いのですが」
「……だいじょぶ。……私の知ってるタカシは、その程度の苦境、ものともしない。……ふぁいと」
「褒められて悪い気はしないが、俺の知ってる俺はこの程度の苦境で根を上げるぞ」
「……根性なし」
 誰のせいだ。
「ったく……お前、飯は?」
「食べた」
「満腹か?」
「足んない」
「…………」
「……じぃっ」
「……はあ。半分やるよ」
「……んむ」
 ちなみは当然といった様子で俺の弁当箱からおむすびを取り出し、もむもむ食べだした。
「うまいか?」
「……まあまあ」
「人の飯取っておいてまあまあとか、殺意を覚えますよね」
「……狭量」
 非常に不愉快なので、ちなみのほっぺを引っ張る。しかし、全く気にせずもむもむ咀嚼を続けるちなみは大物なのかもしれない。
「……もむもむ、ごくん。……おかわり」
「あ、こら、おにぎりばっか取るな。おかずも食え」
「……おにぎり、好き」
「好きでも何でも主食ばっか取られると俺が困る」
「……タカシはつけものだけ食べてればいい」
「よくない! 俺も一応は若者なので肉とかそういった脂ギッシュなものを食いたいと──だからおにぎりばっか二個も三個も取るな!」
「……確保。もむもむ」
 ちなみはおにぎりを咥え、更に両手に一個ずつおにぎりを持った。
「ええい、おにぎり娘めが! 結局おにぎり全部おまえが食べちゃったじゃねえか! 一個くらい返せ!」
「……もむもむ、ごくん。……タカシがおにぎり欲しいダンスを情熱的に踊ったら、返す」
「よし分かった、任せろ!」
 自分でも物分りが良すぎると思うが、おにぎりが食べたいので教室の中心でもよんもよん踊りまくる。
「ふぅ……どうだ!?」
 会心のダンスを笑顔で終える。気のせいか、クラス中から奇異の視線が集まってるような。
「あー……いや違うんです、別にお腹が空きすぎて頭がおかしくなったわけではないです。ちょっとおにぎり欲しいダンスを踊っただけで」
 言い訳すると、気のせいか、視線の色が強くなったような。
「……ええいっ、もういい! それよりちなみ、約束のぉぉぉぉぉ!?」
「……けぷ」
 あらあら、ちなみったら、人の弁当全部平らげて満足そうにお腹さすってますよ。(笑)
「いや(笑)じゃねえ! ちなみ! 俺の弁当返せ!」
「……?」
「不思議そうな顔すんなあ!」
「……吐こうか?」
「んなことされて喜んだら異常者だろうが!」
「……だいじょぶ。……タカシは立派な異常者。……胸張っていい」
「胸張る箇所がねえよっ!」
「……?」
「だから、不思議そうな顔すんなッ!」
 結局、腹をきゅるきゅる鳴らしっぱなしで午後の授業受けました。
「……きゅるきゅるうるさい」
 迷惑そうな顔してるちなみがむかちゅく。

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まー張る胸がないのはちなみんも一緒だけどな!
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