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2019年10月18日
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【ハチちなみん】

2010年05月19日
 夏なので暑い。クーラーがぶっ壊れている今、より暑い。窓を開けて少しでも涼を取ろうとしたら、ハチが入ってきた。何とか追い出したら、またハチが入ってきた。ドアから。
「……ハチです。ぶーん、ぶーん」
 このハチは、なかなか出て行きそうにない。
「……実は、いい針が見つからなかったんです」
「はは、それは残念だなぁ」
 針で刺される恐怖から解放され、俺は笑顔で言った。
「……ですから、これで我慢してください」
 そう言って、ちなみは懐から三つほど短い棒を取り出した。そしてそれを組み立て、先に何か尖った物を取り付けると、立派な槍が出来上がった。
「ちょ、ちょっと待ってください。ずいぶんと殺傷能力高そうですよ?」
 鋭い穂先が光を反射するのを見て、暑さとは違う汗が流れる。
「……死にたくなかったら、ハチと遊んでください」
 俺を槍で脅しながらちなみは言った。ふん、この俺がそんな脅しになど
「なんでもやります」
 乗ります。死にたくないし。土下座も辞さぬ構えです。
「……じゃ」
 ちなみは槍を投げ捨て、あぐらをかいた俺の膝の上に座った。
「……暑いです」
「あー、クーラーぶっ壊れたからな。てーか、暑いならひっつくなよ」
「……嫌です。その手には乗りません」
 そう言って、ちなみは俺に抱きついた。柔らかいのはいいけど、暑いのが堪らん。
「……汗でべとべとです」
「あちーんだよ、いいから離れろ」
「……もっと、私に優しくしてください。……刺しますよ?」
 ちなみの視線が投げ捨てられた槍に行くのを感じ、俺は慌ててちなみの頭をなでた。
「……ん、気持ちいいです。……それにしても、暑いですね。……そうだ、お風呂入りましょう。……一緒に」
「んなっ!?」
「……なんでもしてくれるんですよね?」
 にまり、と笑うちなみに、俺は乾いた笑いを返すことしか出来なかった。

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