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2019年10月18日
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【ツンデレは惚れ薬を作ろうとしているようです】

2010年03月06日
 ……タカシのやろう、いつもいつも私のことを小さいとか、着ぐるみマニアとか、貧乳王つるぺたんだとか言う。
 許し難い発言なので、ここはいっちょう惚れ薬で奴隷化しよう。うん、決定。……別に、好きになって欲しいとかじゃなくて、奴隷にしたいだけ。……本当に。
「……というわけで、研究の末やっと完成したこれを飲んでみて」
 タカシに薬の詰まったビンを渡すが、ノーという感じの手をされた。
「ラベルに何も書かれてない、極めて怪しい薬を飲む趣味は俺にはないぞ、ちなみ」
「……これを飲むと、女の子がどんどん寄ってくる」
「怪しすぎだっての。もーちょっと頭使え」
 興味の欠片も見当たらないのか、タカシは半分呆れながら私に言った。
「……胸がつるぺたい子がどんどん寄ってくる」
「何をしている、早くその薬を寄こせ! 金ならいくらでも出す!」
 自分で言っておいてなんだが、こんなので騙されるのはどうかと思う。
 それはそれとして、薬ビンを渡すと、タカシは何のためらいもなく一気に飲み干した。
「げふー。……とてもまずい! それはもう泣きそうなほど!」
「……ぎゅうにゅう、もしくはヤモリ、かと」
「嫌な響きが俺の耳朶を叩く! たぶんきっと恐らく確実にまずさの原因は後者! ……ん、ぐ?」
 身体がぐらりと揺らぎ、タカシは片膝をついた。側に駆け寄り、タカシの顔を覗き込む。
「……だいじょぶ?」
「ん、あ、ああ。なんか急に身体がぐらぐらした。ぐりとぐらぐら、なんちて。うひゃひゃ」
 ……あれ、おかしいな。もう私のことが好きになってるはずなのに、タカシってば全然普通だ。……効いてないのかな?
 なんて思ってたら、タカシは急に私の頭をなでだした。……また私が小さいって馬鹿にするつもりだ。ムカムカする。……ちょっと、嬉しいけど。
「心配してくれたのか? なんだかんだ言って、やっぱちなみは優しいな。ちなみのそーゆーとこ、好きだな」
 ……いま、なんと?
「わ、わんすあげいん」
「ひぃ、英語! 理解不能!」
「も、もっかい、もっかい言って」
「えーと……ひぃ、英」
「そっちじゃない」
「わざとだ。不愉快だろう?」
 タカシのほっぺをつねる。
「冗談です。えっと、ちなみは優しいな、そういう所が好きだな」
 ……成功。普通に見えたけど、私にめろめろになってる。これでタカシを奴隷に……。ふふふふふ。
「ちなみが声も出さずに含み笑い! ちょっと気持ち悪い」
 ……本当に効いてるのかちょっと心配。一応、ちゃんと聞いてみよう。
「……タカシ、私のこと、……す、すき?」
「好きだよ」
 間髪入れずに答えたよ、この人。……ふふ、効果はバツグンだ。
「ちなみは?」
「へ?」
「ちなみは俺のこと好き?」
 なんてこと聞くのだろう、この人は。……まあ、薬効いてるし、適当に答えればいっか。
「……別に」
「ショックのあまり今すぐ舌を噛み千切りそうだ」
 真顔で言った!? 薬が効きすぎてる? ……うう、我慢して嘘でも言わないと。
「う、嘘。……ホントは、タカシのこと、す……すき」
 ……へ、平常心、平常心。これは、仕方なく言っただけ。私の本心は、また別。
「やあ、真っ赤ですね」
「っ! ……き、気のせい」
「なんだ。こーいつう」
 タカシが私のおでこをちょこんと突付く。
 ……ひょっとして、これ、私もやり返さないといけないのだろうか。……なんだか、すごく恥ずかしい。
「ちなみが返してくれない。悲しさのあまり今すぐ舌を噛み千切り、さらに唇まで引き千切りそうだ」
 自殺の方法が酷くなってる!? う、うう……仕方ない、やろう。
「こ、こ……こーいつう」
「復讐とばかりに、ちなみが俺の目を狙う」
「……狙ってない。……狙ったのは、ほっぺ」
 おでこを狙いたかったけど、ちょっと背が足りないので、タカシの頬を指でぷにぷにする。ぷにぷにして気持ちいいけど、とんでもなく恥ずかしい。
「じゃあ、お返しー」
 タカシも私のほっぺを指でぷにっと押した。……お互いが指で互いの頬を押し合うって、どうなんだろ。
「いかん。途方もなく幸せだ」
 タカシの顔がだらしなく緩む。油断しきってる。けど、見てるだけで幸せになりそうな顔だ。
「……私も」
 ……いやいやいや。違う。私も、じゃない。別に私は幸せとかじゃないし。タカシにほっぺぷにぷにされて、憤懣やるかたないし。
「ちなみー、ほっぺぷにー」(ぷにっ)
「……うぬれー、必殺、ぷにぷに返しー」(ぷにっ)
「ぬわー、なればさらに、ぷにぷに返し返しー」(ぷにっ)
「……ぬぬー」
 ……いや、だから。ぬぬーじゃなくて。しっかりしろ、私。これじゃただのバカップルだ。タカシを奴隷にするために惚れ薬を飲ましたんだから、目的を果たさないと。
「……た、タカシ、今から私の言う事を聞きなさい」
「可愛いちなみの頼みなら、なんだって言う事きいちゃうぞっ」(ぷにっ)
「……ほ、頬をつっつくのはもういいから」
「断る!」
「なんでも言う事きくと言った1秒後に断られた……」
 やはり薬は効いていないのだろうか。しかし、私のことはすっごく好きになってるみたいなのに……うーん。
「まぁまぁ、とにかく話してみれ」
「……分かった。えっと、私の奴隷に……なって?」
 ……ストレートすぎかな? まぁ、薬効いてるし、だいじょぶだよね。
「肉奴隷とな! よし、ちなみ専用の性欲処理用奴隷として、頑張ろう!」
「……激しくノー。普通の奴隷」
「嫌です」
 ……普通に断られた。……タカシ奴隷化計画、失敗。……しょうがない、中和剤で惚れ薬の効果消そう。
「……タカシ、これ飲んで」
「愛液?」
 タカシの頬をぎうぎう引っ張る。なんだってこの人はこんなえっちなのだろう。
「……これ飲んだら、元に戻るから」
「元に? 一体何の話でござろうか、この侍に話してみてはどうかな」
「……急に侍になったことに言及しないけど、とにかく、飲めば分かるから」
「いやしかし何の薬は分からないのにもがもがもが」
 うにゃうにゃ言ってるタカシを押さえつけて無理矢理飲ませる。……これでお終い。
「げふー。……とてもまずい! それはもう泣きそうなほど!」
「……ぎゅうにゅう、もしくはイモリ、かと」
「絶対まずさの原因は後者! ……ん、ぐ?」
 身体がぐらりと揺らぎ、タカシは片膝をついた。側に駆け寄り、タカシの顔を覗き込む。
「……だいじょぶ? 戻った?」
「あ? あー……うん」
 そう言いながら、タカシは私を見て顔を赤らめた。……も、もしかして。
「……あ、あの、……覚えてる?」
「あー……うん。全部」
 そりゃそうだ、惚れ薬の効果をなくしたからって、記憶まで改ざんできるはずがないもんね。
「ちなみ、見てて気の毒なほど顔が赤いですが」
「……う、うるさい。タカシだって、顔まっかっか」
「俺は哀れな被害者だからいいんだよ。何がつるぺたが寄ってくる薬だ、寄って来たのは……まぁ、間違ってないけど」
「……む、暗に私の胸のボリュームが悲しい事を指摘する発言。許せない、えいえい」
 タカシの頬をぎうぎう引っ張る。
「いていて、どうせやるなら頬のつっつきあいの方が楽しいかと」
「……そ、その記憶、封印しなさい」
「断る! どうしても封印して欲しくば、俺と頬のつっつきあいをするのだなっ!」(ぷにっ)
「……やるなんて言ってないのに、タカシは私の頬をぷにぷにする。……タカシはちっとも私の話をきかない」
 奴隷化計画は失敗したけど、……まぁ、楽しかった、かな。
 タカシの頬をぷにぷにしながら、そう思った。

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