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2019年10月18日
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【ツンデレの家に避難したら】

2011年06月24日
 まだ6月なのにこの暑さはどういうことなのか。
「たまらず隣の家に避難した俺を誰が非難できようか」
 お隣の家に住んでるとあるヤツの部屋に飛び込み、ベッドに寝そべる。俺の部屋には存在しないクーラーが素敵。なんで居間と両親の部屋だけにしかないんだよ、俺んち。
「……避難と非難。……どうしよう、笑った方がいいのだろうか。……無理だ。自分を偽ってまで笑うことなんて、私には、できない……」
「素直につまんないと言ってもらった方が、どれだけ助かったか……!」
「……全部計算ずく。……偉い?」
 とても偉いので、頭をなでてほしそうなオーラを発しているちなみのほっぺを引っ張ってやる。
「……おかしい、褒めてもらってる気がしない」
「何を神妙な顔をしとるか」
 そのままついでにほっぺをぐにぐにする。何度も触ったことがあるのだが、何度やっても楽しい。
「……むぅ、べとべとする。タカシの妖怪らしさが私を不快にする」
「人をなんだと思ってるんだ、この娘は……。これはただの汗だ」
「……すたんどばっく。ゆーすてぃんく。ていくあしゃわー」
「DUO3.0だと!?」
「……ふふん」
 なんか誇らしげだったので、もっかいほっぺをぐにぐにしてやる。
「……タカシはすぐに私のほっぺをぐにぐにする」
「妖怪ほっぺこねだから仕方ないんだ。主に女性のほっぺをこねることで生計を立てている善良な妖怪だったのだが、ある時誤ってオカマの頬をこねてしまい、以来女性不信に陥っている。前科2犯」
「……既に犯罪を犯している」
「しまった!」
 適当に喋った結果、前科がついてしまった。そんなつもりはなかったので、ちなみのほっぺから手を離す。
「……むぅ」
「何を口を尖らせているか」
「……前科を増やすチャンスだったのに、残念無念」
 そんな軽口を叩きながら、ちなみは俺の隣にぽすんと座った。そして、俺の肩口に鼻をよせ、クンクンと犬のように嗅いだ。
「……むぅ。大変な悪臭がここを中心に発生している。……はっ、まさか、……死臭?」
「死んでねえ!」
「なんだ。……タカシにはがっかりだ」
 どんな期待を抱いてんだ。
「……くんくん。……うーん、臭い」
「そんな臭い臭い言うな。……あー、仕方ない。面倒だが、ちょっと家に戻ってシャワー浴びてくるわ」
 そう言いながら立とうとしたら、クンッと引っかかりの感触が。ちなみが俺の服の裾を小さく握っていた。
「……べ、別にそこまでしなくていい。私のせいで追い出すみたいで気分が悪い。ああ気分が悪い。タカシは死んだ方がいい」
「文章がおかしい」
「……途中から本音が出た。しっぱいしっぱい」
 できれば隠し通していただきたい。
「……まあ、そういうわけだから、別にシャワーとか浴びなくていい。……タカシとは本来臭いものだから、仕方がないのだ」
 そう言ってる今も、ちなみは俺の服をくいくい引っ張り続けている。
「別に俺は本来臭い生物ではないが、まあ、そこまで言うならここにいるけど……」
 中腰の状態から再び腰をベッドに下ろす。ちなみは満足げにコクコクうなずくと、さっきと同じように俺の肩に顔をよせた。
「……うーん、臭い」
「風呂に入らなくていいと言いながら……お前は俺にどうしろと言うのだ」
「……まあ、タカシとは本来死んでいるものだから、この匂いは仕方がない」
 臭い理由が判明した。
「なんだってお前は幼なじみをゾンビにしたいんだ」
「……小学生を見ても息を荒げないだけ、ゾンビの方がマシだ」
 ぐぅの音も出やしねえ。
「いいやあの違う違うんです、最近の小学生はこれがもう発達が凄くて、お前より胸が小さい奴の方が少ないくらいで!」
「……これはびっくり。なんの言い訳にもなってないことをしどろもどろになりながら言われた」
 言われて見ると確かに。俺は何を言ってるのだ。
「……そしてさりげなく侮辱された。貧乳は人にあらず、と慣れた様子でタカシは言う」
「慣れた様子ってのは、お前の捏造を指すのか?」
「…………」
「いていて」
 ちなみは頬を膨らませながら俺の腹を指でなんども突いた。地味に痛い。
「……今日もタカシのお腹はぷよぷよだ。……筋肉のぬの字も見えない」
「そもそも筋肉にぬの字はない」
「……それは盲点だった」
 などと適当ぶっこきながら、ちなみはなおも人の腹をさすっている。手持ち無沙汰なので、こちらはちなみの頬をむにむにする。
「……本当はおっぱいをむにむにしたいに違いない」
「抜かった、エスパー機関の人間かッ!?」
「……今日もタカシは愚かしい。そして今日の出来事はブログにアップしておくので、お楽しみに」
「個人情報保護法とか知ってます?」
「……だいじょぶ、私のことはぼかしてる」
「なんで俺は実名なんでしょうか」
「……だいじょぶ、気にしない」
「頼む、気にしてくれ」
「……?」
「そこで不思議そうな顔をされると俺にはもうどうにも!」
 ちなみは人の秘密をいっぱい握っているのでとても困るなあと思った。

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Comment
No title
ひさしぶりのちなみ分ほんとうにありがとうございました。
DUOとか懐かしすぎワロタww
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