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2019年10月15日
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【タカシとツンデレの精神が頭をぶつけた拍子に入れ替わってしまったら】

2010年02月11日
 エドモンド本田に憧れる日々。長年の努力の結果、スーパー頭突きを会得してしまった。(注:身体を水平にしてそのまま水平飛行し、相手に体当たりする技。wikipediaより引用)
 早速技を試すべく、テイクオフ。地面と水平に体が飛んでいくその先に、見慣れたちっこいの。
「危ねえっ! よけろ、いずみ!」
「た、タカちゃんが水平に飛んできたあああああ!?」
 叫びも空しく、俺の頭部がいずみの頭に超激突。
「うおおおおお……痛え。この技はダメだ」
「はうはうはう……何するねん、タカちゃん! ごっつ痛いやんか!」
「いやはや、失敬。ちょっとした失敗……うん?」
 おかしい。目の前にいるはずのちっこいのはちっこくなく、かなりの巨体になっている。それどころか、性別までおかしいような。というか。
「……俺?」
「……なんでウチが目の前におるん?」
 二人揃ってしばし沈黙。
「おれがあいつであいつがおれで!?」
「転校生!?」
 異口同音とはならなかった。

「アレだ、よくある漫画のパターンだ。頭と頭がぶつかって中身が入れ替わるってアレ」
「なんでそんな落ち着いてるねんな……どないすんねん! タカちゃんがスーパー頭突きなんかするからやで!」
 古今転校生ネタがあっても、スーパー頭突きにより入れ替わったのは俺たちくらいだろう。
「じゃ、とりあえず風呂入ってくる」
「あかーん! ウチの身体見る気やろ!」
「見るだけでなく、まさぐる」
「絶対あかん!」
 鼻息も荒く俺を止める俺。じゃない、いずみ。……しっかし、なんというか、俺の姿をしたモノがこうも感情を露にしているのを見るのは、妙な気分だな。
「……なんか、ウチが淡々と喋ってるん見るの、変やわ」
 いずみも自身の姿に違和感を感じたのか、頬をかきながら妙な笑みを浮かべた。
「さて、冗談はともかく、どうしたものか。映画だとどうやって戻ったっけ?」
「えーと……なんやったっけ。忘れてもーた」
「俺のくせに使えねえなあ」
「そ、そっちこそウチやねんから、もっとしっかりせなあかんやん!」
 妙な責任の擦り付け合いが始まった。
「はぁ。しっかし、自分の顔見ててもつまらんな」
「んなこと言われても、しゃあないやん……」
 俺の顔をしたいずみが口をとがらせ、非難がましい視線をぶつける。
「やめろ! その所作はいずみのパーツが揃ってこそ萌えるのであり、俺がやっても非常に気持ち悪い!」
「知らんやん、そんなん。ほな、タカちゃんがそーゆーのしたらええやん」
「……なるほど。いずみ、ちょっと携帯で撮影してくれ」
「ええけど……あんま変なことせんといてや。一応、ウチの身体やねんから」
 ポケットから携帯を取り出し、いずみは不安そうに構えた。
「よし、いくぞ。……うにゃーん♪」
 地面に仰向けになり、満面の笑みを浮かべながら手を猫手にして頬をこしこしする。
「うひゃあああああ!? あかんあかんあかん! やめっ、はよやめーっ!」
「どうだ、実に可愛いであろう。はっはっは。にゃーん」
「はっはっは、やない! もー、みっともないやんか!」
「大サービス。うりゃ」
 スカートをまくりあげ、携帯に見せ付ける。
「なな、ななななな!? 何すんねん、あほー!」
 思い切り殴られた。信じられないくらい痛え。
「ぐおおおお……お、お前、男の力なんだから、ちょっとは手加減しろ、阿呆」
「えっ、あっ……ご、ごめんなタカちゃん。いっつも思い切り叩いてたから、つい」
 心配そうな顔で駆け寄り、俺の頭をなでなでするいずみ。ただし、見た目は俺。
「あー……まるで萌えねえ。これが見た目いずみなら……チクショウ!」
「何を言うてんねん。……でも、確かに自分を慰めるって、変な気分やわ」
「百合に目覚めそうと」
「目覚めへんわ! あほー、タカちゃんのあほー!」
 野太い声でタカちゃんの阿呆、と言われても、ちっとも嬉しくねえ。
「身体をまさぐれなかったのが心残りだが、自分の姿を眺めててもちっとも面白くないし、そろそろ戻るか」
「へ? どうやって?」
「どすこい!」
「う、ウチが水平に飛んできた!?」
 封印された禁断の技、スーパー頭突きを発射。再び俺の頭をいずみの頭がぶつかる。
「ぐふっ! ……や、やっぱ超痛え」
「はうはうはう……痛い、めっちゃ痛いぃぃ……」
「まるで破瓜した際の台詞のようで興奮しますねウヒヒヒヒ」
「タカちゃんが本性を見せた!」
「失礼なことを言うな。あ、戻ってる」
「え? あー! タカちゃんがウチやのーてタカちゃんに戻てる!」
 ややこしいが、その通り。スーパー頭突きにより入れ替わっていた精神が再び入れ替わり、元に戻ったようだ。便利な技だ、スーパー頭突き。一家に一台、スーパー頭突き。
「やっぱアレだな、お前は鑑賞するに限る。うんうん」
 見慣れたいずみの顔を見て、心底そう思いながら頭を撫でる。
「まったくもー……タカちゃんが水平に飛んでこーへんかったら、こんなことにならへんかったのに」
「悪かった。もう水平には飛ばない」
 どんな約束やねん、と思いながらいずみと指きり。
「あー、しかし、こんなすぐ戻れるのであれば、もうちょっといずみを堪能すればよかったかな。全然身体調べられなかったし」
「まだ言うてるしぃ……そんなウチの身体見たかったん?」
「無論」
「なんでそんな恥ずかしいこと堂々と言うかなぁ……ホンマえっちやなあ、タカちゃん」
「性欲がなければ人類は子孫を残すことは出来ない。故に、性欲はこの世界に自身の欠片を残すために必要なことなんだ。何一つ恥じることなどない」
「口先ばっか達者になってぇ……」
「そんな性欲が俺に訴えるのです、『目の前のつるぺたをじっくり鑑賞しろ』と。てなわけで、一緒に風呂入ろう」
「誰が入るか、あほー! えっち! タカちゃんのえっち!」
「どうしても嫌?」
「当たり前や! まったくもー、えっちすぎて困るで……」
「しょうがない。さっき録画してもらったいずみの痴態でも見て、無聊を慰めるか」
「へ? ……あー! さっきの携帯! そういや消してへんかった! 見るなあほー!」
「『うにゃーん♪ どうだ、実に可愛いであろう。はっはっは。にゃーん』……いずみさん、かーわいい。うにゃーんだって、うにゃーん」
「消せ、あほー!」
 俺から携帯を奪おうと、必死でぴょんぴょん跳ねるいずみだった。

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