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2026年03月17日
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【ぬいぐるみ代わりに兄をぎゅっとする妹】
2010年04月07日
「とてもよいことを思いついたので言うみゆは偉いかにゃ?」
夜、眠いので寝ようと布団に入ったら、既に入っていた妹のみゆが顔を出すなりそんなことを言い出したので驚いた。
「偉いかもしれないが、その前に兄が吃驚のため心臓が今まさに停止しかかっているので助けてぶくぶく」
「お兄ちゃんの口から無数の泡が! お兄ちゃんはカニだったのかにゃ?」
「人です」
「なんでなのにゃー……」
何やら助けてくれる具合ではなかったので、自力で回復することにする。
「ふぅ。それで、何を思いついたのだ?」
「ふにゃー♪」
人が折角尋ねる姿勢を見せたというのに、妹と来たら兄に抱きつき嬉しそうに顔をこすりつけごろごろ言ってる始末。
「これ、みゆさん。兄は妹の思いついた事象について興味があるようですよ?」
「しかしですね、お兄ちゃん。みゆはお兄ちゃんの匂いにくらくらきた模様ですにゃ! はぐはぐ♪」
みゆは嬉しそうに兄の腕をあむあむ噛んだ。痛くはなく、むしろ心地よい感触だったが、やっぱり思いついたことが気になる。
「思いついた事を兄に教えてくれないと泣く」
「悠然とした口調で子供同然な事を!?」
「ほら、どうしたみゆ。早くしないと泣くぞ? いいのか?」
「うう……脅しだかなんだか分からないけど、分かったよ、言うよ。あのね、ぬいぐるみが欲しいの」
「そっか。じゃ、今度の休みに買いに行こうな」
「にゃー! そこは断るとこなの!」
「え、いやしかし、妹が望むことは、兄はできるだけ叶えてあげたいと思うのだが」
「にゃ……ふ、ふにゅ。こ、このお兄ちゃんめ。みゆをドキドキさせるとは生意気なのにゃ」
みゆは兄の腕をつんつんとつつきながら、俺を見上げた。うるうると揺れる瞳に、思わず引き込まれ──って。
「ふぅ、危ない危ない。思わずむちゅーとしそうになりました」
「みゆは構わないですだよ? いや、むしろ! そしてその先もがっつりやりたい所存ですにゃ!」
「その所存はとりあえず横に置きなさい」
「残念なことこの上ないのにゃー……」
「んで?」
「にゅ? あ、そうそう。あのね、ぬいぐるみが欲しいのですにゃ。しかしお兄ちゃんは買ってくれないのですだよ!」
「いや、そんな高くもないだろうし、別に問題」
「しゃーらっぷ! お兄ちゃんは買ってくれないのですだよ」
「……はい」
「そこでみゆは考えた! いっしょーけんめー考えた! おひるねも我慢して考えた! ……偉い?」
「あー偉い偉い」(なでなで)
「にゃーにゃー♪」(嬉しそう)
半ばなげやりに頭をなでてのだったけど、嬉しそうで何よりです。
「んとね、ぬいぐるみの代わりにお兄ちゃんをむぎゅーってしようと思ったの? めいあん?」
「そのむぎゅーにかかる力の程度によります。どのくらい?」
「にゅーっとね、5とん?」(小首をこてりと傾げながら)
死ぬよね。
「丁重にお断りさせていただきます」
「ががががーん! むぎゅーってしたいのに丁重にお断るだなんて許せないよ!」
「みゆと同年代の女性と同じくらいの筋力でむぎゅーっとするなら考えないでもないです」
「じゃあ、そのような感じでやるので、むぎゅーってしていーかにゃ?」
「そのような感じであるならば、兄としても断る理由はない。おいで」
こいこいと手招きすると、みゆは破顔して兄に抱きついた。
「ふにゅー♪ このぬいぐるみ代わりのお兄ちゃんは、とてもよいという噂ですにゃ。なぜなら、抱きついてると幸せが後から後から湧いて来るから!」
「とても嬉しそうで何よりです」
「お兄ちゃんにも何か沸いてるのかにゃ?」
「兄は適温に沸いております」
「お兄ちゃんが給湯器に!?」
漢字間違いによる悲劇と言えよう。
「あ、でも確かに暖かい。にゃ、ホコホコー♪」
しかし、嬉しそうに兄に抱きついてすりすりしている妹を見るに、あながち悲劇でもないかなあと思ったりもした。
夜、眠いので寝ようと布団に入ったら、既に入っていた妹のみゆが顔を出すなりそんなことを言い出したので驚いた。
「偉いかもしれないが、その前に兄が吃驚のため心臓が今まさに停止しかかっているので助けてぶくぶく」
「お兄ちゃんの口から無数の泡が! お兄ちゃんはカニだったのかにゃ?」
「人です」
「なんでなのにゃー……」
何やら助けてくれる具合ではなかったので、自力で回復することにする。
「ふぅ。それで、何を思いついたのだ?」
「ふにゃー♪」
人が折角尋ねる姿勢を見せたというのに、妹と来たら兄に抱きつき嬉しそうに顔をこすりつけごろごろ言ってる始末。
「これ、みゆさん。兄は妹の思いついた事象について興味があるようですよ?」
「しかしですね、お兄ちゃん。みゆはお兄ちゃんの匂いにくらくらきた模様ですにゃ! はぐはぐ♪」
みゆは嬉しそうに兄の腕をあむあむ噛んだ。痛くはなく、むしろ心地よい感触だったが、やっぱり思いついたことが気になる。
「思いついた事を兄に教えてくれないと泣く」
「悠然とした口調で子供同然な事を!?」
「ほら、どうしたみゆ。早くしないと泣くぞ? いいのか?」
「うう……脅しだかなんだか分からないけど、分かったよ、言うよ。あのね、ぬいぐるみが欲しいの」
「そっか。じゃ、今度の休みに買いに行こうな」
「にゃー! そこは断るとこなの!」
「え、いやしかし、妹が望むことは、兄はできるだけ叶えてあげたいと思うのだが」
「にゃ……ふ、ふにゅ。こ、このお兄ちゃんめ。みゆをドキドキさせるとは生意気なのにゃ」
みゆは兄の腕をつんつんとつつきながら、俺を見上げた。うるうると揺れる瞳に、思わず引き込まれ──って。
「ふぅ、危ない危ない。思わずむちゅーとしそうになりました」
「みゆは構わないですだよ? いや、むしろ! そしてその先もがっつりやりたい所存ですにゃ!」
「その所存はとりあえず横に置きなさい」
「残念なことこの上ないのにゃー……」
「んで?」
「にゅ? あ、そうそう。あのね、ぬいぐるみが欲しいのですにゃ。しかしお兄ちゃんは買ってくれないのですだよ!」
「いや、そんな高くもないだろうし、別に問題」
「しゃーらっぷ! お兄ちゃんは買ってくれないのですだよ」
「……はい」
「そこでみゆは考えた! いっしょーけんめー考えた! おひるねも我慢して考えた! ……偉い?」
「あー偉い偉い」(なでなで)
「にゃーにゃー♪」(嬉しそう)
半ばなげやりに頭をなでてのだったけど、嬉しそうで何よりです。
「んとね、ぬいぐるみの代わりにお兄ちゃんをむぎゅーってしようと思ったの? めいあん?」
「そのむぎゅーにかかる力の程度によります。どのくらい?」
「にゅーっとね、5とん?」(小首をこてりと傾げながら)
死ぬよね。
「丁重にお断りさせていただきます」
「ががががーん! むぎゅーってしたいのに丁重にお断るだなんて許せないよ!」
「みゆと同年代の女性と同じくらいの筋力でむぎゅーっとするなら考えないでもないです」
「じゃあ、そのような感じでやるので、むぎゅーってしていーかにゃ?」
「そのような感じであるならば、兄としても断る理由はない。おいで」
こいこいと手招きすると、みゆは破顔して兄に抱きついた。
「ふにゅー♪ このぬいぐるみ代わりのお兄ちゃんは、とてもよいという噂ですにゃ。なぜなら、抱きついてると幸せが後から後から湧いて来るから!」
「とても嬉しそうで何よりです」
「お兄ちゃんにも何か沸いてるのかにゃ?」
「兄は適温に沸いております」
「お兄ちゃんが給湯器に!?」
漢字間違いによる悲劇と言えよう。
「あ、でも確かに暖かい。にゃ、ホコホコー♪」
しかし、嬉しそうに兄に抱きついてすりすりしている妹を見るに、あながち悲劇でもないかなあと思ったりもした。
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【祝日と知らずに学校にきちゃった男】
2010年04月06日
目が覚める。時計を見る。血の気が引く。
3秒で着替えて家を出、学校へ超ダッシュ。車に撥ねられそうになりながらも、どうにか遅刻寸前で学校に着く。
「セーフ!?」
教室に滑り込むも、答えてくれる人は誰もいない。ていうか、誰もいない。どういうことだ?
「……ははぁ、ドッキリだな。全員隠れて、寂しくなった俺を泣かそうという魂胆だろう!」
だがしかし、俺は大人なので泣きはしない! 逆に隠れてる奴らを探し出し、驚かせて泣かしてやる!
そう思い立ったので、教室のカーテンを着込み準備完了。教室を出てクラスメイトを探す。
「……何やってんの、タカシ」
うろうろしてると、体操着姿のかなみに出逢った。よし、驚かせてやれ!
「がおー、おばけだぞー!」
「…………」
「が、がおー、おば、おばけ……」
「…………」
「うぐっ、ひっく、おばけ、おばけなのです……」
「泣くな!」
あまりの反応のなさに、思わず泣いてしまった。かなみに慰められ、どうにか涙を引っ込める。
「なんで俺だと分かったんだ?」
「こんな馬鹿なことする奴、学校中探してもアンタしかいないわよ」
カーテンを脱いでる俺を、かなみは呆れた顔で見ていた。
「相変わらず訳分かんないことするわね……ある意味すごいわ」
「えへへぇ」
褒められたので喜色満面いい気持ち。
「うわっ、気持ち悪っ」
「…………」
酷く傷ついた。ちょっと泣きそう。
「それより、なんでアンタがここにいるの?」
「失礼な、学生が学校にいるのは当然だろう」
「……平日なら、ね」
かなみの言葉に、嫌な予感がピキーンと。
「……まさか、今日って休み?」
「今日は祝日。あたしは部活で学校来てるけど、帰宅部のアンタがいる必要はないわね」
「うう……走ってきたのに……朝飯も食ってないのに……なのに休みとはどういう仕打ちだ!?」
「ばーか。じゃ、あたしは部活行ってくるわね」
「このまま帰るのもなんだし、密かにかなみについていって視姦するか」
「すなっ! いい、絶対ついてこないでよね」
「婉曲的に『タカシ様来て来てあたしを見て』と言っているのだな?」
なんでそんな目で見るんですか。俺が蛙なら彼女は蛇ですか。死ぬほど怖いですよ?
「泣くなッ!」
怖すぎて泣いてしまった。
「あーもう、アンタ本当にあたしと同い年なの……?」
呆れ混じりに頭をなでられた。なでられるとすぐ涙が引っ込むのが、我ながらにんともかんとも。
「涙腺が緩いんだ。でも、下が緩いよりかなりマシだよね?」
なでていた手が俺の頭を締め付ける。もげそう。
「……はぁ。見学するなら部長に言っておくから、余計なことしないでよね」
「いいのか?」
「アンタ、ほっといたら侵入して勝手に見学するでしょ。だったら最初から連れ込んで監視してる方がまだマシよ」
「色々言いたいけど、見学させてくれるなら文句はない」
「そっ。じゃ、行きましょか」
それから、かなみの所属する部室へ連れて行かれ、見学しました。途中かなみに3回ほど泣かされた。
「あー……いつもの30倍疲れた」
肩をぐるぐる回すかなみと一緒に帰宅。残念ながらもう制服を着てる。
「もー二度と見学なんてさせない。『ブルマブルマブルマ』って言いながら能面みたいな顔して一年生追っかけて……このバカ!」
「だってブルマだもん! 普通そうなるだろ!?」
「なるわけないじゃない、この変態!」
「し、し、失礼な! ブルマの神に謝れ! あとよかったら俺にも謝ってくれると大変嬉しいです!」
「誰が謝るか、ばーか!」
いつものようにかなみと喧嘩しながら帰りました。間違えて登校してしまったけど、かなみのブルマ見れたしいいか。
3秒で着替えて家を出、学校へ超ダッシュ。車に撥ねられそうになりながらも、どうにか遅刻寸前で学校に着く。
「セーフ!?」
教室に滑り込むも、答えてくれる人は誰もいない。ていうか、誰もいない。どういうことだ?
「……ははぁ、ドッキリだな。全員隠れて、寂しくなった俺を泣かそうという魂胆だろう!」
だがしかし、俺は大人なので泣きはしない! 逆に隠れてる奴らを探し出し、驚かせて泣かしてやる!
そう思い立ったので、教室のカーテンを着込み準備完了。教室を出てクラスメイトを探す。
「……何やってんの、タカシ」
うろうろしてると、体操着姿のかなみに出逢った。よし、驚かせてやれ!
「がおー、おばけだぞー!」
「…………」
「が、がおー、おば、おばけ……」
「…………」
「うぐっ、ひっく、おばけ、おばけなのです……」
「泣くな!」
あまりの反応のなさに、思わず泣いてしまった。かなみに慰められ、どうにか涙を引っ込める。
「なんで俺だと分かったんだ?」
「こんな馬鹿なことする奴、学校中探してもアンタしかいないわよ」
カーテンを脱いでる俺を、かなみは呆れた顔で見ていた。
「相変わらず訳分かんないことするわね……ある意味すごいわ」
「えへへぇ」
褒められたので喜色満面いい気持ち。
「うわっ、気持ち悪っ」
「…………」
酷く傷ついた。ちょっと泣きそう。
「それより、なんでアンタがここにいるの?」
「失礼な、学生が学校にいるのは当然だろう」
「……平日なら、ね」
かなみの言葉に、嫌な予感がピキーンと。
「……まさか、今日って休み?」
「今日は祝日。あたしは部活で学校来てるけど、帰宅部のアンタがいる必要はないわね」
「うう……走ってきたのに……朝飯も食ってないのに……なのに休みとはどういう仕打ちだ!?」
「ばーか。じゃ、あたしは部活行ってくるわね」
「このまま帰るのもなんだし、密かにかなみについていって視姦するか」
「すなっ! いい、絶対ついてこないでよね」
「婉曲的に『タカシ様来て来てあたしを見て』と言っているのだな?」
なんでそんな目で見るんですか。俺が蛙なら彼女は蛇ですか。死ぬほど怖いですよ?
「泣くなッ!」
怖すぎて泣いてしまった。
「あーもう、アンタ本当にあたしと同い年なの……?」
呆れ混じりに頭をなでられた。なでられるとすぐ涙が引っ込むのが、我ながらにんともかんとも。
「涙腺が緩いんだ。でも、下が緩いよりかなりマシだよね?」
なでていた手が俺の頭を締め付ける。もげそう。
「……はぁ。見学するなら部長に言っておくから、余計なことしないでよね」
「いいのか?」
「アンタ、ほっといたら侵入して勝手に見学するでしょ。だったら最初から連れ込んで監視してる方がまだマシよ」
「色々言いたいけど、見学させてくれるなら文句はない」
「そっ。じゃ、行きましょか」
それから、かなみの所属する部室へ連れて行かれ、見学しました。途中かなみに3回ほど泣かされた。
「あー……いつもの30倍疲れた」
肩をぐるぐる回すかなみと一緒に帰宅。残念ながらもう制服を着てる。
「もー二度と見学なんてさせない。『ブルマブルマブルマ』って言いながら能面みたいな顔して一年生追っかけて……このバカ!」
「だってブルマだもん! 普通そうなるだろ!?」
「なるわけないじゃない、この変態!」
「し、し、失礼な! ブルマの神に謝れ! あとよかったら俺にも謝ってくれると大変嬉しいです!」
「誰が謝るか、ばーか!」
いつものようにかなみと喧嘩しながら帰りました。間違えて登校してしまったけど、かなみのブルマ見れたしいいか。
【ツンデレとエレベーターに閉じ込められた】
2010年04月06日
今日は先輩とデパートにお買い物。階段はしんどいのでエレベーターに乗ってたら、うぃーんってなって、がしゃんってなって、止まった。
「せせせ先輩センパイせんぱい! エレベーターが止まりましたよ大変大変! あっ、大変って逆から読むと変態になって俺らしいですよそういえば今二人きりですねぐひひひひ!」
「…………」(ぷるぷるぷる)
「冗談です。震えないで。そんな信用ないですか、俺」
先輩はコクコク頷いた。
「……そースか。ともあれ、どうにかしないとな」
備え付けられた非常電話を取ってもしもしコールをするが、誰も聞いてない。というより、通じていないようだ。
「先輩センパイ、なんか電話通じない。……ふふ、死ぬやもしれんな」
先輩は泣きそうになった。
「じょ、冗談ですよ。大丈夫、すぐ助けが来るって」
落ち着かせるため、先輩の頭をなでる。先輩はそこらの小学生より小さいので、なでやすくて便利。
「…………」(むーっ)
しかし、先輩は子ども扱いされるのを嫌うためご機嫌が傾いていく。よし、ここは小粋なジョークで場を和ませねば!
「映画とかだと、この後吊ってるワイヤーが切れて中の人がミンチになるよね」
泣きそうになったかと思うと、先輩の目尻から涙が一粒こぼれた。ジョーク失敗。
「ご、ごめん先輩! 冗談、冗談だよ! 大丈夫だって。なんかで読んだけど、エレベーターってワイヤーが切れても落ちないようになってるらしいよ?」
先輩は涙目で俺をにらんだ。
「…………」
「え、なんでいじわるばっか言うのかって? そんなの、楽しいからに決まってるじゃないか!」
最高の笑顔でサムズアップしたら、先輩は俺の体をよじ登ってほっぺを引っ張った。
「この程度で俺様が先輩いじめをやめるとでも? 甘く見られたものだな! わはははは!」
調子に乗ったら、頬引っ張りの力が増した。いかん、取れる。
「もういじわるしないのでやめてください取れるもげる千切れる!」
先輩は肩をすくめ、軽く息を吐いた。
「……先輩、そういう仕草は俺にしがみ付きながらすることじゃないかと」
“だって高いもん”と言うので、先輩を下に降ろしてあげる。持ち上げる際に親指で乳首をいじることも忘れない。
「……!」
「え、胸触った? さ、触ってないよ? 本当だよ?」
「……!」
「触った? むにむにぐにぐにした? いや、どっちかと言えばくりくりかと。……あ」
巧みな誘導尋問に敗北する。
「…………」
「え、巨乳フェチめ、って? ……きょにゅう? どこ?」
先輩は自分の胸をばんばん叩いた。いや、そこには無乳しかありませんが。
「…………」(ほっぺぷくー)
何かを感じ取ったのか、先輩のほっぺがみるみる膨れ上がっていく。
「えい」
「…………」(ぷしー)
ほっぺをつついたら、気が抜けるような音を立てながら中の空気が漏れた。
「……!」
「え、怒ってるんだから、ほっぺ突付くな? だけど先輩、こんなもちもちほっぺを触るなという方が無理があるような」
怒ってる先輩のほっぺをむにむにする。気持ちいい。しかし……
「先輩の胸さわるより気持ちいいんじゃないか?」
「!!!」
先輩がすごく怒った。思った事をすぐ口にする癖をどうにかしたいです。
「……! ……!!」
「胸の方が気持ちいい? ないすぼでーは無敵? ……先輩、嘘はよくないぞ、嘘は」
先輩は俺の腕をがぶがぶ噛んだ。噛まれても無乳は無乳のままです。
「先輩、痛いからやめて。八重歯がやたら痛いのです」
「…………」
「え、綺麗なお姉さんをいじめた罰? はて、見える範囲には可愛らしい子供しか見当たらないけど」
先輩は俺の体をよじ登り、肩に座った。そして、八重歯を俺の頭に食い込ませた。脳が出そうなくらい痛い。
「痛い痛い痛い痛い! 食うな! 穴空く!」
「…………」(あむあむ)
違う、誰も甘噛みしろとは言ってない。
とにかく、落ち着いたようなので先輩をそのままに待ってたら、救助された。救助しにきた人たちが俺を食う先輩を見て驚いてた。
その後いじめた罰に喫茶店でおごらされ、レシート見て俺も驚いた。泣いた。
「先輩、食いすぎ」
「……げふー」(お腹ぽんぽん)
「せせせ先輩センパイせんぱい! エレベーターが止まりましたよ大変大変! あっ、大変って逆から読むと変態になって俺らしいですよそういえば今二人きりですねぐひひひひ!」
「…………」(ぷるぷるぷる)
「冗談です。震えないで。そんな信用ないですか、俺」
先輩はコクコク頷いた。
「……そースか。ともあれ、どうにかしないとな」
備え付けられた非常電話を取ってもしもしコールをするが、誰も聞いてない。というより、通じていないようだ。
「先輩センパイ、なんか電話通じない。……ふふ、死ぬやもしれんな」
先輩は泣きそうになった。
「じょ、冗談ですよ。大丈夫、すぐ助けが来るって」
落ち着かせるため、先輩の頭をなでる。先輩はそこらの小学生より小さいので、なでやすくて便利。
「…………」(むーっ)
しかし、先輩は子ども扱いされるのを嫌うためご機嫌が傾いていく。よし、ここは小粋なジョークで場を和ませねば!
「映画とかだと、この後吊ってるワイヤーが切れて中の人がミンチになるよね」
泣きそうになったかと思うと、先輩の目尻から涙が一粒こぼれた。ジョーク失敗。
「ご、ごめん先輩! 冗談、冗談だよ! 大丈夫だって。なんかで読んだけど、エレベーターってワイヤーが切れても落ちないようになってるらしいよ?」
先輩は涙目で俺をにらんだ。
「…………」
「え、なんでいじわるばっか言うのかって? そんなの、楽しいからに決まってるじゃないか!」
最高の笑顔でサムズアップしたら、先輩は俺の体をよじ登ってほっぺを引っ張った。
「この程度で俺様が先輩いじめをやめるとでも? 甘く見られたものだな! わはははは!」
調子に乗ったら、頬引っ張りの力が増した。いかん、取れる。
「もういじわるしないのでやめてください取れるもげる千切れる!」
先輩は肩をすくめ、軽く息を吐いた。
「……先輩、そういう仕草は俺にしがみ付きながらすることじゃないかと」
“だって高いもん”と言うので、先輩を下に降ろしてあげる。持ち上げる際に親指で乳首をいじることも忘れない。
「……!」
「え、胸触った? さ、触ってないよ? 本当だよ?」
「……!」
「触った? むにむにぐにぐにした? いや、どっちかと言えばくりくりかと。……あ」
巧みな誘導尋問に敗北する。
「…………」
「え、巨乳フェチめ、って? ……きょにゅう? どこ?」
先輩は自分の胸をばんばん叩いた。いや、そこには無乳しかありませんが。
「…………」(ほっぺぷくー)
何かを感じ取ったのか、先輩のほっぺがみるみる膨れ上がっていく。
「えい」
「…………」(ぷしー)
ほっぺをつついたら、気が抜けるような音を立てながら中の空気が漏れた。
「……!」
「え、怒ってるんだから、ほっぺ突付くな? だけど先輩、こんなもちもちほっぺを触るなという方が無理があるような」
怒ってる先輩のほっぺをむにむにする。気持ちいい。しかし……
「先輩の胸さわるより気持ちいいんじゃないか?」
「!!!」
先輩がすごく怒った。思った事をすぐ口にする癖をどうにかしたいです。
「……! ……!!」
「胸の方が気持ちいい? ないすぼでーは無敵? ……先輩、嘘はよくないぞ、嘘は」
先輩は俺の腕をがぶがぶ噛んだ。噛まれても無乳は無乳のままです。
「先輩、痛いからやめて。八重歯がやたら痛いのです」
「…………」
「え、綺麗なお姉さんをいじめた罰? はて、見える範囲には可愛らしい子供しか見当たらないけど」
先輩は俺の体をよじ登り、肩に座った。そして、八重歯を俺の頭に食い込ませた。脳が出そうなくらい痛い。
「痛い痛い痛い痛い! 食うな! 穴空く!」
「…………」(あむあむ)
違う、誰も甘噛みしろとは言ってない。
とにかく、落ち着いたようなので先輩をそのままに待ってたら、救助された。救助しにきた人たちが俺を食う先輩を見て驚いてた。
その後いじめた罰に喫茶店でおごらされ、レシート見て俺も驚いた。泣いた。
「先輩、食いすぎ」
「……げふー」(お腹ぽんぽん)
【デレデレ幼女 VS ツンデレ】
2010年04月06日
隣の家の両親は共働きで忙しいらしく、帰ってくるまでの間は子供の麻衣を俺の家に預けている。
で、その麻衣になんでか知らんが随分と気に入られ、“お兄ちゃん”などと呼ばれているわけで。
「えへー、お兄ちゃーん」
テレビを見てると、麻衣がやってきた。
「お、麻衣か。こんちは」
「えへへっ、こんちちは!」
変な挨拶をして、麻衣は俺の膝の上に座った。
「お兄ちゃーん、遊ぼ?」
「兄は勉強に忙しいのだ」
「お兄ちゃん、テレビ見てるだけじゃない。ねー、遊ぼ遊ぼ」
「いや、これも勉強なのだ。先日友人に『アンタ、本当に現代人?』と言われてな。流行を調べようと思ってテレビを」
「そんなのいーから遊ぼーよ、ねーねー」
ぐいぐいと俺の腕を引っ張る麻衣をどうしたものかと思ってると、インターホンが鳴った。
宅配便かな、と思いながら麻衣をどかせ、玄関に向かう。
「こんちは、タカシ」
「ありゃ、かなみか。どした、迷子か?」
「私は幼子かっ!」
いつも通り突っ込まれてから用件を問う。
「あー、うん、いやその、ちょっとこの近くを通りかかって、それでその……」
「よく分からんな。とにかく、何もしないからあがっていけ。何もしないから、本当に」
「……なんで手をわきわきさせてんのよ」
「股間をわきわきさせるのは好青年として少々はばかられるものがあるからだ」
「下品ッ!」
怒鳴られた(+鉄拳制裁)ので、素直に部屋に通す。
「あ、お兄ちゃんお帰りー」
ドアを開けると、麻衣がとてとてと駆けてきて俺の足にしがみついた。
「誘拐!?」
その様子を見て、かなみが人聞きの悪いことを叫んだ。
「しまった、ばれた! 麻衣、クロロホルムを!」
「……麻衣、誘拐なんてされてないよ?」
小首を傾げて、麻衣は俺の小芝居を打ち砕いた。
「ちょっと、タカシ! どういうことなの!?」
かなみに説明すると、殴られた。
「だったら最初から隣の子を預かってるって言いなさいよ! なんで普通にできないかなぁ……」
「不思議だね」
「なんで他人事みたいに言ってんのよ! あー、頭イタ……」
頭を押さえるかなみに、俺の腕を握りながら麻衣が口を開いた。
「お姉ちゃん、だれ? お兄ちゃんのともだち?」
「いや、肉奴隷だ」
「アンタ、子供になんてこと教えてんのよ! ち、違うからね、ただの友達よ?」
俺を殴り飛ばしてから、かなみは麻衣に真実を教えた。
「にくどれい?」
「俺の性欲の全てをその体を使って発散させる便利な道具だ」
「もう喋るな!」
ノドを突いて俺の言葉を封じ、かなみは麻衣ににっこり笑いかけた。
「き、気にしないでね。このお兄ちゃん、ちょっと頭おかしいから」
「お姉ちゃん、お兄ちゃんをいじめないで……」
座り込んで咳をする俺をかばうように、麻衣は俺の腕にしがみつき、潤む瞳でかなみを見た。
「い、いじめるとかじゃなくて……ちょっとタカシ、説明してよ!」
「げほげほ……大丈夫だ麻衣、たんなるコミュニケーションだ。ちょっと肉体言語を使いすぎる嫌いがあるけどな」
「誰のせいよ、誰の! ……とにかく、いじめてるわけじゃないのよ、ね?」
麻衣ににっこり笑いかけると、ようやく警戒が解けたのか麻衣はかなみに笑い返した。
「そっか、えへへっ」
「か、可愛い……た、タカシ、この子ちょうだい!」
麻衣を抱き上げ、かなみはほお擦りした。
「やらねーよ」
「残念……あーでも、本当に可愛いわね」
「あ、あぅあぅ……うにゅにゅ」
かなみになでまくられ、目をぐるぐるさせてる麻衣だった。
「それで、何用だ?」
とりあえず部屋に移動し、麻衣を解放したかなみに問いかける。
「あーいや、大した用はないんだけど、その……」
何か懊悩としてるかなみをぼーっと見てると、麻衣が俺の膝に乗ってきた。
「えへー♪」
俺を見上げにっこり笑う麻衣を見てると、こっちまで笑みがこぼれてくる。
「……なんか、ただの仲良しさんに見えないのは私の気のせい?」
「だって麻衣、お兄ちゃんの恋人だもん♪」
俺も知らない事実が麻衣の口から飛び出た。
「たっ、タカシ、どういうことよ!? まさか本当に!?」
「ちっ、違う! 俺にそんな趣味は……ないと言い切れる自信は欠片もないけど、とにかく違う!」
「えへー♪」
違うと言ってるのに、麻衣と来たら俺の胸にごしごし顔をこすりつけてお茶目さん♪ 目の前の娘さんに殺されるからやめてお願い。
「……はぁ、麻衣ちゃんも随分奇特な趣味してるわね。こんな奴のどこがいいんだか」
殺される、と思ったが案外かなみは平然としていた。
「お兄ちゃんはねー、変なこともいっぱい言うけど、すっごい優しいの。えへへへへっ♪」
相好を崩しまくり、麻衣はほにゃほにゃの笑顔を見せた。
「へぇ……私には、あんまり優しくしてくれないわよね」
「大丈夫、初めての時は優しくする」
「何の話よッ!」
怒りながらも顔を赤くしている当たり、見当がついているのだろうなぁ。
「……お姉ちゃんも、お兄ちゃんが好きなの?」
「ま、まっさかぁ! なな、なーんでこんな奴に!」
そういう事を言うときは、顔を赤くしない方がいい。ほら、麻衣も不審がってる。
「うー……あげないからね?」
麻衣は取られまいと俺の腕をぎゅっと握った。
「そ、そんなのいらないわよ、フン!」
そう言いながら、かなみはまるでおもちゃを取られた子供のような目で俺を見ていた。
で、その麻衣になんでか知らんが随分と気に入られ、“お兄ちゃん”などと呼ばれているわけで。
「えへー、お兄ちゃーん」
テレビを見てると、麻衣がやってきた。
「お、麻衣か。こんちは」
「えへへっ、こんちちは!」
変な挨拶をして、麻衣は俺の膝の上に座った。
「お兄ちゃーん、遊ぼ?」
「兄は勉強に忙しいのだ」
「お兄ちゃん、テレビ見てるだけじゃない。ねー、遊ぼ遊ぼ」
「いや、これも勉強なのだ。先日友人に『アンタ、本当に現代人?』と言われてな。流行を調べようと思ってテレビを」
「そんなのいーから遊ぼーよ、ねーねー」
ぐいぐいと俺の腕を引っ張る麻衣をどうしたものかと思ってると、インターホンが鳴った。
宅配便かな、と思いながら麻衣をどかせ、玄関に向かう。
「こんちは、タカシ」
「ありゃ、かなみか。どした、迷子か?」
「私は幼子かっ!」
いつも通り突っ込まれてから用件を問う。
「あー、うん、いやその、ちょっとこの近くを通りかかって、それでその……」
「よく分からんな。とにかく、何もしないからあがっていけ。何もしないから、本当に」
「……なんで手をわきわきさせてんのよ」
「股間をわきわきさせるのは好青年として少々はばかられるものがあるからだ」
「下品ッ!」
怒鳴られた(+鉄拳制裁)ので、素直に部屋に通す。
「あ、お兄ちゃんお帰りー」
ドアを開けると、麻衣がとてとてと駆けてきて俺の足にしがみついた。
「誘拐!?」
その様子を見て、かなみが人聞きの悪いことを叫んだ。
「しまった、ばれた! 麻衣、クロロホルムを!」
「……麻衣、誘拐なんてされてないよ?」
小首を傾げて、麻衣は俺の小芝居を打ち砕いた。
「ちょっと、タカシ! どういうことなの!?」
かなみに説明すると、殴られた。
「だったら最初から隣の子を預かってるって言いなさいよ! なんで普通にできないかなぁ……」
「不思議だね」
「なんで他人事みたいに言ってんのよ! あー、頭イタ……」
頭を押さえるかなみに、俺の腕を握りながら麻衣が口を開いた。
「お姉ちゃん、だれ? お兄ちゃんのともだち?」
「いや、肉奴隷だ」
「アンタ、子供になんてこと教えてんのよ! ち、違うからね、ただの友達よ?」
俺を殴り飛ばしてから、かなみは麻衣に真実を教えた。
「にくどれい?」
「俺の性欲の全てをその体を使って発散させる便利な道具だ」
「もう喋るな!」
ノドを突いて俺の言葉を封じ、かなみは麻衣ににっこり笑いかけた。
「き、気にしないでね。このお兄ちゃん、ちょっと頭おかしいから」
「お姉ちゃん、お兄ちゃんをいじめないで……」
座り込んで咳をする俺をかばうように、麻衣は俺の腕にしがみつき、潤む瞳でかなみを見た。
「い、いじめるとかじゃなくて……ちょっとタカシ、説明してよ!」
「げほげほ……大丈夫だ麻衣、たんなるコミュニケーションだ。ちょっと肉体言語を使いすぎる嫌いがあるけどな」
「誰のせいよ、誰の! ……とにかく、いじめてるわけじゃないのよ、ね?」
麻衣ににっこり笑いかけると、ようやく警戒が解けたのか麻衣はかなみに笑い返した。
「そっか、えへへっ」
「か、可愛い……た、タカシ、この子ちょうだい!」
麻衣を抱き上げ、かなみはほお擦りした。
「やらねーよ」
「残念……あーでも、本当に可愛いわね」
「あ、あぅあぅ……うにゅにゅ」
かなみになでまくられ、目をぐるぐるさせてる麻衣だった。
「それで、何用だ?」
とりあえず部屋に移動し、麻衣を解放したかなみに問いかける。
「あーいや、大した用はないんだけど、その……」
何か懊悩としてるかなみをぼーっと見てると、麻衣が俺の膝に乗ってきた。
「えへー♪」
俺を見上げにっこり笑う麻衣を見てると、こっちまで笑みがこぼれてくる。
「……なんか、ただの仲良しさんに見えないのは私の気のせい?」
「だって麻衣、お兄ちゃんの恋人だもん♪」
俺も知らない事実が麻衣の口から飛び出た。
「たっ、タカシ、どういうことよ!? まさか本当に!?」
「ちっ、違う! 俺にそんな趣味は……ないと言い切れる自信は欠片もないけど、とにかく違う!」
「えへー♪」
違うと言ってるのに、麻衣と来たら俺の胸にごしごし顔をこすりつけてお茶目さん♪ 目の前の娘さんに殺されるからやめてお願い。
「……はぁ、麻衣ちゃんも随分奇特な趣味してるわね。こんな奴のどこがいいんだか」
殺される、と思ったが案外かなみは平然としていた。
「お兄ちゃんはねー、変なこともいっぱい言うけど、すっごい優しいの。えへへへへっ♪」
相好を崩しまくり、麻衣はほにゃほにゃの笑顔を見せた。
「へぇ……私には、あんまり優しくしてくれないわよね」
「大丈夫、初めての時は優しくする」
「何の話よッ!」
怒りながらも顔を赤くしている当たり、見当がついているのだろうなぁ。
「……お姉ちゃんも、お兄ちゃんが好きなの?」
「ま、まっさかぁ! なな、なーんでこんな奴に!」
そういう事を言うときは、顔を赤くしない方がいい。ほら、麻衣も不審がってる。
「うー……あげないからね?」
麻衣は取られまいと俺の腕をぎゅっと握った。
「そ、そんなのいらないわよ、フン!」
そう言いながら、かなみはまるでおもちゃを取られた子供のような目で俺を見ていた。
【デレデレ幼女 VS ツンデレ2】
2010年04月06日
隣家のちっちゃな娘さん、麻衣は今日も今日とて俺の部屋に入り浸りんぐ。
それは別に構わないのだけど、男のとある部位を激しく動かす運動ができないのが少し辛い。
「あのねあのねお兄ちゃん、麻衣ね、さっきテレビでやってたのしたい!」
「兄はエレクトしたい」
「えれくと?」
「あ、いや、その、なんでもないぞ麻衣」
誤魔化すように麻衣の頭をわしわしなでる。
「……なんか、ごまかされてるみたい」
「そ、それでテレビでやってたのって何だ? 兄に話してみるがいい」
「あ、そーそー。あのね、麻衣がポッキーくわえて、もう片っぽをお兄ちゃんがくわえるの」
「…………」
それは、巷で言う所のポッキーゲームとかいう奴ではないでしょうか。確かにしたいが、相手が麻衣というのは、少しばかり……いや、かなりの抵抗が。
「お兄ちゃん?」
「あ、ええとだな、麻衣。それは恋人同士でなければできない禁じられた遊びなのだ。だから残念ながら……」
「じゃあ大丈夫だね。だって麻衣とお兄ちゃんは恋人同士だもん♪」
違います。嬉しそうに抱きつかないで。
「それじゃやろっ、お兄ちゃん」
「あ、その……ああそうだ! 残念ながらポッキーがない。これじゃできないなぁ。わはははは!」
「じゃあ買いに行こっ!」
「……まぁ、そうなるわな」
非常に不本意ながらも、俺は麻衣と一緒におてて繋いでコンビニへ行くことになった。
「ありゃ、タカシじゃないの」
どうやって切り抜けるか考えながら店内に入ると、偶然かなみと遭遇した。
「よっ、かなみ。何買ってんだ? 避妊具?」
「あっ、麻衣ちゃんも。こんにちは、麻衣ちゃん」
俺を完膚なきまでにスルーし、かなみは麻衣に笑いかけた。
「こんちちは、お姉ちゃん!」
「ちょっと変な挨拶だけど、元気があって花丸! いい子いい子」
「えへへへへっ♪」
俺とは対照的に、麻衣はかなみに撫でられ喜色満面だった。
「俺にばかり冷たいのは、屈折した愛情表現と取っていいのだろうか」
「そんなこと、私に言われましても……」
困惑顔のお姉さんが言うとおり、店員さんに愚痴ても仕方ない。二人の元に戻ると、和気あいあいとお菓子を物色していた。
「これは315キロカロリー、これは445キロカロリー」
「…………」
「ごめんなさい」
親切心で後ろからカロリーを教えてあげたら、かなみに股間が縮み上がるような視線で射抜かれたのですかさず謝る。
「それで、麻衣ちゃん何買いに来たの?」
「ポッキー! あのね、お姉ちゃん知ってる?」
そう前置きして、麻衣はかなみにポッキーゲームのことを事細かに説明した。
「ちょっとタカシ、アンタ何考えてるのよ!」
かなみは俺の胸倉を掴み、がっくんがっくん揺らした。
「ちょ、ちょっとまっ、待てっ! 揺するな!」
「こんなちっちゃい子相手に……いくら同い年の子に相手されないからって、恥を知りなさい!」
「ち、違うんだ! 落ち着け、とりあえず手を放してこのままでは脳が脳が揺れていい感じにうえっぷ」
なだめすかしたり吐きそうになったりして、どうにか手を放してもらう。
「で、どういうことなの?」
俺はかなみに事の次第を説明した。
「……というわけで、ポッキーゲームをすることになりました」
「結局するんじゃない!」
だよね、まだ切り抜ける方法思いついてないし。
「お兄ちゃんお兄ちゃん、何個買う? 10個? 20個?」
どうすんべかと思ってると、麻衣が両手で抱えきれないほどポッキーを抱えていた。
「そんなに買いません。ていうか、別の買わない? ほらほら、ポテチとかうまいぞ。はよーん」
「……お兄ちゃん、麻衣と一緒にポッキーゲームしたくないの?」
「え、いや、あの」
「……お兄ちゃん、麻衣が嫌いなんだ。だから、ポッキー買わないんだ」
「ま、待て待て麻衣。嫌いとかそういうことじゃなくてだな」
「……麻衣、麻衣、お兄ちゃんに嫌われちゃったよーーーーっ!! うわーーーーーーんっ!!!」
麻衣が子供の本領を発揮した。
「ちょっとタカシ、おろおろしてないでどうにかしないさいよ!」
「うーんうーん、そうだ! かなみ、ちょっと乳出せ。母乳をすすれば落ち着くんじゃないか?」
「出るかッ!」
それもそうだ。混乱してるな、俺?
「うわーーーーーーーん!! お兄ちゃんに嫌われちゃったよーーーーーー!!」
「ああ、落ち着け麻衣。俺が麻衣のことを嫌うわけないじゃん、な?」
「う……えぐっ……じゃあ、すき?」
「う……」
「やっぱり……麻衣のこと……」
麻衣の目の端に涙がじんわりと生産されている! いかん、このままではまた泣かれてしまう!
「お、俺が麻衣を嫌うわけないじゃないか、な?」
そう言うなり麻衣の頭をなでなでなで。同時に泣き止め電波を麻衣に送信。
「う~……ちゃんと、好きって言って」
「好きだっ!」
「なんであたしに言ってんのよ! 抱きつくな!」
緊張感に耐え切れず、思わずかなみに抱きつく。
「うわーーーーーーん、お兄ちゃん寝取られたーーーーーーーーーっ!」
微妙に間違った単語を用いつつ、麻衣は再び泣き出した。
「ち、違うわよ麻衣ちゃん。寝取ってない、お姉ちゃん寝取ってないからねー? この馬鹿が勝手に抱きついてきただけだから」
「そうだぞ麻衣。ちょっとフェロモンに誘われただけで、抱きついた時に“あー柔らけー”とか“小ぶりな乳だけど、それがまた”とか思っただけだぞ」
「うわーーーーん! お兄ちゃんがお姉ちゃんの魅力にたじたじだよーーーーーっ!」
どうしたことか、より一層泣きが強まったような。
「ちっ、違うぞ麻衣! 俺がかなみなんかにたじたじになるはずないだろ?」
「……それって、あたしに魅力がないってコト?」
なぜかなみが怒っているのでしょう。
とにかく、大泣きの麻衣と静かに怒ってるかなみをどうにかしないと。考えろ、考えるんだ!
「なんでいきなり座禅組んでるのよ!」
考えすぎたようだ。しかし、座禅のおかげかよい案が浮かんだので早速実行する。
「お兄ちゃん、麻衣とポッキーゲームしたいんだけど……泣いてるから無理かなー?」
「うっ、ひぐっ……やる、やるっ!」
多少泣きながらも、麻衣は根性で涙を止めた。
「…………」
麻衣が泣き止んだのはいいんだけど、隣から視線がザクザク刺さってくる。
「あ、あの、かなみさん? よろしければ、ご一緒しませんか?」
「するかっ! 何が悲しくてアンタなんかとポッキーゲームしなくちゃいけないのよっ!」
「ご、ごめんなさい」
「……し、しないけど、アンタが麻衣ちゃんに変なことしないよう見張る!」
信用ゼロだった。
そんなわけで、店員さんに店を騒がせた謝罪をしてから商品を買い、三人で帰宅する。
「じゃ、じゃあ早くやろうよ、お兄ちゃん!」
帰宅するなりコンビニ袋からポッキーを取り出し、もう待てない様子で迫ってくる麻衣。
「…………」
そして、俺を無言の圧力で殺そうとするかなみ。
「テトリスおもしれー」
全てから逃避してテトリスを始める俺。
「……お兄ちゃん、麻衣とポッキーゲームしたくないの?」
「したいです! だから泣かないで麻衣に泣かれると兄は辛いのだ!」
「じゃあじゃあ……んー♪」
麻衣はポッキーのビスケット部分をくわえ、俺に差し出した。
「…………」(キスしたら殺す殺す殺す殺す)
かなみが無言で俺に殺意をぶつけてきた。恐怖のあまり失禁しそう。
「え、えっと……それじゃ」
そっとチョコ部分をくわえる。
「んー♪」
満面の笑みで俺を迎える麻衣。
「…………」(それ以上近寄ったら殺す殺す殺す殺す)
俺にしか通用しないテレパシーで殺意をぶつけてくるかなみ。
「は、はふ、ふ……」
恐怖のあまり震えが止まらない。その震えが口を伝い、ポッキーが折れてしまった。
「あーっ、折れちゃったー!」
「ざ、残念だな麻衣。折れちゃったな。それじゃこの辺でお開きに」
「じゃ次ね。次はがんばろーね、お兄ちゃん!」
「…………」
これは、成功するまで無限ループ? しかし、成功したら隣で俺を睨むかなみにきっと殺される。
「矛と盾が俺を苛む」
「ほらほらお兄ちゃん、訳のわかんないこと言ってないで早く早く! はい、んー♪」
再びポッキーが向けられる。かなみ方面から圧力も向けられる。暑さとは違う種類の汗をかきながら、ポッキーをくわえる。
「…………」(成功したら殺す殺す殺す殺す)
「は、はふ、ふ……」(小動物さながらに震えながら)
恐怖心を克服できず、またしてもポッキーが折れてしまう。
「あーっ! また失敗した! もーお兄ちゃん、下手すぎ!」
「ご、ごめん」
隣のお姉ちゃんに命を狙われてるんだとは言えず、素直に謝る。
「あははっ、下手ねータカシ」
「や、隣でじーっと見てる奴がいなけりゃもっと上手にできるんだけどな」
「……へぇ、面白いこと言うのはこの口かしら」
皮肉を言ったらほっぺを引っ張られた
「もーっ、いいからお兄ちゃんやろーよ! 次はちゃんとやってよ?」
「うーあーうー」(見る人が見れば頷いているように見えなくもないが、基本的にうなっているだけ)
「お兄ちゃん、真面目にやって!」
麻衣にもほっぺを引っ張られた。もうどうすればいいのやら。
「わ、お兄ちゃんライオンさんみたい。がおー、がおー」
「あ、本当だ。タカシ、ちょっとライオンのマネして」
「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」
「それ、マリーアントワネットだよ?」
麻衣に素で返された。子供の割に博識だな、麻衣。
「いーから手離して。痛い痛い」
ようやく頬が元に戻った。やれやれ。
「じゃあ、三度目の正直! んー♪」
三度ポッキーが向けられる。そして、三度殺意が向けられる。
「…………」(性犯罪者になったら殺す殺す殺す殺す)
「は、はふ、ふ……」(ちょっと泣きながら)
やっぱり折れてしまった。一緒に心も折れそうです。
「あーっ! まただよ、また! お兄ちゃん!」
「不思議だね」
「不思議じゃないよ! お兄ちゃんがぷるぷるしなかったらできるのに……お兄ちゃん、しっかりやってよ!」
「兄はコンニャクだからぷるぷるを止められないんだ」
「お兄ちゃん人間でしょ!」
「無茶苦茶な言い訳ね……」
呆れ混じりに呟くかなみだが、誰のせいでこんな苦労してると思ってるんだ。
「もう、もう! お兄ちゃん、もっかい! んー!」
「…………」(とにかく殺す殺す殺す殺す)
ポッキーをくわえて俺をじっと見る麻衣と、殺意を込めて俺をじっと見るかなみ。
果たして、俺は明日を無事に迎えることができるだろうか。……衰弱死しそう。
それは別に構わないのだけど、男のとある部位を激しく動かす運動ができないのが少し辛い。
「あのねあのねお兄ちゃん、麻衣ね、さっきテレビでやってたのしたい!」
「兄はエレクトしたい」
「えれくと?」
「あ、いや、その、なんでもないぞ麻衣」
誤魔化すように麻衣の頭をわしわしなでる。
「……なんか、ごまかされてるみたい」
「そ、それでテレビでやってたのって何だ? 兄に話してみるがいい」
「あ、そーそー。あのね、麻衣がポッキーくわえて、もう片っぽをお兄ちゃんがくわえるの」
「…………」
それは、巷で言う所のポッキーゲームとかいう奴ではないでしょうか。確かにしたいが、相手が麻衣というのは、少しばかり……いや、かなりの抵抗が。
「お兄ちゃん?」
「あ、ええとだな、麻衣。それは恋人同士でなければできない禁じられた遊びなのだ。だから残念ながら……」
「じゃあ大丈夫だね。だって麻衣とお兄ちゃんは恋人同士だもん♪」
違います。嬉しそうに抱きつかないで。
「それじゃやろっ、お兄ちゃん」
「あ、その……ああそうだ! 残念ながらポッキーがない。これじゃできないなぁ。わはははは!」
「じゃあ買いに行こっ!」
「……まぁ、そうなるわな」
非常に不本意ながらも、俺は麻衣と一緒におてて繋いでコンビニへ行くことになった。
「ありゃ、タカシじゃないの」
どうやって切り抜けるか考えながら店内に入ると、偶然かなみと遭遇した。
「よっ、かなみ。何買ってんだ? 避妊具?」
「あっ、麻衣ちゃんも。こんにちは、麻衣ちゃん」
俺を完膚なきまでにスルーし、かなみは麻衣に笑いかけた。
「こんちちは、お姉ちゃん!」
「ちょっと変な挨拶だけど、元気があって花丸! いい子いい子」
「えへへへへっ♪」
俺とは対照的に、麻衣はかなみに撫でられ喜色満面だった。
「俺にばかり冷たいのは、屈折した愛情表現と取っていいのだろうか」
「そんなこと、私に言われましても……」
困惑顔のお姉さんが言うとおり、店員さんに愚痴ても仕方ない。二人の元に戻ると、和気あいあいとお菓子を物色していた。
「これは315キロカロリー、これは445キロカロリー」
「…………」
「ごめんなさい」
親切心で後ろからカロリーを教えてあげたら、かなみに股間が縮み上がるような視線で射抜かれたのですかさず謝る。
「それで、麻衣ちゃん何買いに来たの?」
「ポッキー! あのね、お姉ちゃん知ってる?」
そう前置きして、麻衣はかなみにポッキーゲームのことを事細かに説明した。
「ちょっとタカシ、アンタ何考えてるのよ!」
かなみは俺の胸倉を掴み、がっくんがっくん揺らした。
「ちょ、ちょっとまっ、待てっ! 揺するな!」
「こんなちっちゃい子相手に……いくら同い年の子に相手されないからって、恥を知りなさい!」
「ち、違うんだ! 落ち着け、とりあえず手を放してこのままでは脳が脳が揺れていい感じにうえっぷ」
なだめすかしたり吐きそうになったりして、どうにか手を放してもらう。
「で、どういうことなの?」
俺はかなみに事の次第を説明した。
「……というわけで、ポッキーゲームをすることになりました」
「結局するんじゃない!」
だよね、まだ切り抜ける方法思いついてないし。
「お兄ちゃんお兄ちゃん、何個買う? 10個? 20個?」
どうすんべかと思ってると、麻衣が両手で抱えきれないほどポッキーを抱えていた。
「そんなに買いません。ていうか、別の買わない? ほらほら、ポテチとかうまいぞ。はよーん」
「……お兄ちゃん、麻衣と一緒にポッキーゲームしたくないの?」
「え、いや、あの」
「……お兄ちゃん、麻衣が嫌いなんだ。だから、ポッキー買わないんだ」
「ま、待て待て麻衣。嫌いとかそういうことじゃなくてだな」
「……麻衣、麻衣、お兄ちゃんに嫌われちゃったよーーーーっ!! うわーーーーーーんっ!!!」
麻衣が子供の本領を発揮した。
「ちょっとタカシ、おろおろしてないでどうにかしないさいよ!」
「うーんうーん、そうだ! かなみ、ちょっと乳出せ。母乳をすすれば落ち着くんじゃないか?」
「出るかッ!」
それもそうだ。混乱してるな、俺?
「うわーーーーーーーん!! お兄ちゃんに嫌われちゃったよーーーーーー!!」
「ああ、落ち着け麻衣。俺が麻衣のことを嫌うわけないじゃん、な?」
「う……えぐっ……じゃあ、すき?」
「う……」
「やっぱり……麻衣のこと……」
麻衣の目の端に涙がじんわりと生産されている! いかん、このままではまた泣かれてしまう!
「お、俺が麻衣を嫌うわけないじゃないか、な?」
そう言うなり麻衣の頭をなでなでなで。同時に泣き止め電波を麻衣に送信。
「う~……ちゃんと、好きって言って」
「好きだっ!」
「なんであたしに言ってんのよ! 抱きつくな!」
緊張感に耐え切れず、思わずかなみに抱きつく。
「うわーーーーーーん、お兄ちゃん寝取られたーーーーーーーーーっ!」
微妙に間違った単語を用いつつ、麻衣は再び泣き出した。
「ち、違うわよ麻衣ちゃん。寝取ってない、お姉ちゃん寝取ってないからねー? この馬鹿が勝手に抱きついてきただけだから」
「そうだぞ麻衣。ちょっとフェロモンに誘われただけで、抱きついた時に“あー柔らけー”とか“小ぶりな乳だけど、それがまた”とか思っただけだぞ」
「うわーーーーん! お兄ちゃんがお姉ちゃんの魅力にたじたじだよーーーーーっ!」
どうしたことか、より一層泣きが強まったような。
「ちっ、違うぞ麻衣! 俺がかなみなんかにたじたじになるはずないだろ?」
「……それって、あたしに魅力がないってコト?」
なぜかなみが怒っているのでしょう。
とにかく、大泣きの麻衣と静かに怒ってるかなみをどうにかしないと。考えろ、考えるんだ!
「なんでいきなり座禅組んでるのよ!」
考えすぎたようだ。しかし、座禅のおかげかよい案が浮かんだので早速実行する。
「お兄ちゃん、麻衣とポッキーゲームしたいんだけど……泣いてるから無理かなー?」
「うっ、ひぐっ……やる、やるっ!」
多少泣きながらも、麻衣は根性で涙を止めた。
「…………」
麻衣が泣き止んだのはいいんだけど、隣から視線がザクザク刺さってくる。
「あ、あの、かなみさん? よろしければ、ご一緒しませんか?」
「するかっ! 何が悲しくてアンタなんかとポッキーゲームしなくちゃいけないのよっ!」
「ご、ごめんなさい」
「……し、しないけど、アンタが麻衣ちゃんに変なことしないよう見張る!」
信用ゼロだった。
そんなわけで、店員さんに店を騒がせた謝罪をしてから商品を買い、三人で帰宅する。
「じゃ、じゃあ早くやろうよ、お兄ちゃん!」
帰宅するなりコンビニ袋からポッキーを取り出し、もう待てない様子で迫ってくる麻衣。
「…………」
そして、俺を無言の圧力で殺そうとするかなみ。
「テトリスおもしれー」
全てから逃避してテトリスを始める俺。
「……お兄ちゃん、麻衣とポッキーゲームしたくないの?」
「したいです! だから泣かないで麻衣に泣かれると兄は辛いのだ!」
「じゃあじゃあ……んー♪」
麻衣はポッキーのビスケット部分をくわえ、俺に差し出した。
「…………」(キスしたら殺す殺す殺す殺す)
かなみが無言で俺に殺意をぶつけてきた。恐怖のあまり失禁しそう。
「え、えっと……それじゃ」
そっとチョコ部分をくわえる。
「んー♪」
満面の笑みで俺を迎える麻衣。
「…………」(それ以上近寄ったら殺す殺す殺す殺す)
俺にしか通用しないテレパシーで殺意をぶつけてくるかなみ。
「は、はふ、ふ……」
恐怖のあまり震えが止まらない。その震えが口を伝い、ポッキーが折れてしまった。
「あーっ、折れちゃったー!」
「ざ、残念だな麻衣。折れちゃったな。それじゃこの辺でお開きに」
「じゃ次ね。次はがんばろーね、お兄ちゃん!」
「…………」
これは、成功するまで無限ループ? しかし、成功したら隣で俺を睨むかなみにきっと殺される。
「矛と盾が俺を苛む」
「ほらほらお兄ちゃん、訳のわかんないこと言ってないで早く早く! はい、んー♪」
再びポッキーが向けられる。かなみ方面から圧力も向けられる。暑さとは違う種類の汗をかきながら、ポッキーをくわえる。
「…………」(成功したら殺す殺す殺す殺す)
「は、はふ、ふ……」(小動物さながらに震えながら)
恐怖心を克服できず、またしてもポッキーが折れてしまう。
「あーっ! また失敗した! もーお兄ちゃん、下手すぎ!」
「ご、ごめん」
隣のお姉ちゃんに命を狙われてるんだとは言えず、素直に謝る。
「あははっ、下手ねータカシ」
「や、隣でじーっと見てる奴がいなけりゃもっと上手にできるんだけどな」
「……へぇ、面白いこと言うのはこの口かしら」
皮肉を言ったらほっぺを引っ張られた
「もーっ、いいからお兄ちゃんやろーよ! 次はちゃんとやってよ?」
「うーあーうー」(見る人が見れば頷いているように見えなくもないが、基本的にうなっているだけ)
「お兄ちゃん、真面目にやって!」
麻衣にもほっぺを引っ張られた。もうどうすればいいのやら。
「わ、お兄ちゃんライオンさんみたい。がおー、がおー」
「あ、本当だ。タカシ、ちょっとライオンのマネして」
「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」
「それ、マリーアントワネットだよ?」
麻衣に素で返された。子供の割に博識だな、麻衣。
「いーから手離して。痛い痛い」
ようやく頬が元に戻った。やれやれ。
「じゃあ、三度目の正直! んー♪」
三度ポッキーが向けられる。そして、三度殺意が向けられる。
「…………」(性犯罪者になったら殺す殺す殺す殺す)
「は、はふ、ふ……」(ちょっと泣きながら)
やっぱり折れてしまった。一緒に心も折れそうです。
「あーっ! まただよ、また! お兄ちゃん!」
「不思議だね」
「不思議じゃないよ! お兄ちゃんがぷるぷるしなかったらできるのに……お兄ちゃん、しっかりやってよ!」
「兄はコンニャクだからぷるぷるを止められないんだ」
「お兄ちゃん人間でしょ!」
「無茶苦茶な言い訳ね……」
呆れ混じりに呟くかなみだが、誰のせいでこんな苦労してると思ってるんだ。
「もう、もう! お兄ちゃん、もっかい! んー!」
「…………」(とにかく殺す殺す殺す殺す)
ポッキーをくわえて俺をじっと見る麻衣と、殺意を込めて俺をじっと見るかなみ。
果たして、俺は明日を無事に迎えることができるだろうか。……衰弱死しそう。


