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2026年03月17日
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【ツンデレにしっぽが生えたら】
2010年04月08日
部屋で自家発電してると、いきなりドアが開いてボクっ娘乱入。
「タカシ、どうしてくれるんだよぉ!?」
「そりゃこっちの台詞だ」
「へ? ……あ」
ディスプレイに映るちっちゃい子の痴態と、俺の人の言えない状態を見て、梓の顔がゆっくりと赤くなっていく。
「な、なにしてるんだよぉ!」
「まあ待て、とりあえずちんこしまうから」
「なんでそんな落ち着いてるんだよぉ!?」
「いてててて、チャックに挟んだ!」
落ち着いているようで、実は大変うろたえています。
「な、何やってんだよ、早くそれしまってよ!」
ちらちらとこっちを見ながら梓が叫んだ。
「うー、痛い。梓、舐めて」
「絶対嫌だよッ!」
巧みな誘導尋問で舐めてもらおうとしたら失敗した。残念。
「それで、人のプライベートタイムに何用ですか」
居住まいを正し、梓に向き直る。
「これ!」
そう言って、梓は後ろを向いた。見慣れた背中と、見慣れないしっぽがそこにあった。もさもさしててラブリー。
「またタカシがしたんだろ! 前にも一回神様に頼んでイヌミミつけたときあったでしょ!」
「あー……んなこともあったような、なかったような。何もかも懐かしい……」
「とぼけんなよぉ! とにかく、とってよ!」
「分かった。えい」
しっぽを掴み、引っ張る。スカートがまくりあがってちょっとパンツ見えた。
「痛い痛い痛い! 何すんだよ、ばかぁ!」
「娘さんに痛い痛いと言われるとまるで膜を破っているかのようで大変興奮しますなぁぐひひひひ」
「タカシの異常性癖なんて聞いてないよ!」
「異常性癖……」
静かに、しかし深く傷ついた。
「ほら、傷ついたフリなんかしてないでとってよ。あ、さっきみたいに引っ張ったらダメだよ、痛いから」
「フリじゃなくて傷ついてんの! それはともかく、引っ張る以外に取る手段……切る?」
引き出しからはさみを取り出したら、梓の顔色が青くなった。
「だ、ダメダメダメ! そんなことしたら痛いよ、血が出るよ!」
しっぽをかばう様に梓は俺から距離を取った。
「むぅ……じゃあ諦めろ」
「ええっ!? ヤだよ、こんなのついてたらかっこ悪くて外歩けないよ!」
「お前、どうやってここまで来たんだ」
「無我夢中だよ! 五里霧中だよ! 自画自賛だよ!」
適当な四文字熟語を並べればいいってものではない。
「まーいいじゃん、可愛いし。ほら、もっかいしっぽ見せて」
「え、かわいい……カナ?」
後ろを向き、梓は素直にしっぽを見せた。
「可愛い可愛い。ほら、もふもふだし」
梓のしっぽを掴み、もふもふする。
「あっ、ちょっと触らないでよ、……んっ」
もふもふしてると、梓の体が小さく跳ねた。
「……ほぅ」
「な、なんだよその顔……」
「えい、もふもふもふ」
しっぽを軽く掴み、揉むように手で触る。
「あっ、ちょっと、あぅっ!」
まるで何かに耐えるように、梓は体を前に倒した。自然、スカートの中身が俺の目に飛び込んでくる。
「……なでなで」
「そっ、そこしっぽじゃないよ、お尻だよ!? ひゃうっ!」
「梓の尻は胸とは逆に肉付きがよく、大変揉み心地がいいので喜ばしいです」
「そういうことは思っても口にするなよなっ! ていうか胸とは逆とか言うなッ!」
「いや、だけど実際胸からは想像も出来ないほど尻の揉み心地いいぞ? いや、だからといって梓のぺた胸がダメと言うのではなく逆に」
「いいから手をどけろよ! ばか、さわるな揉むな撫でるなぁ!」
後でいっぱい叱られたけど、大変楽しかったです。
「タカシ、どうしてくれるんだよぉ!?」
「そりゃこっちの台詞だ」
「へ? ……あ」
ディスプレイに映るちっちゃい子の痴態と、俺の人の言えない状態を見て、梓の顔がゆっくりと赤くなっていく。
「な、なにしてるんだよぉ!」
「まあ待て、とりあえずちんこしまうから」
「なんでそんな落ち着いてるんだよぉ!?」
「いてててて、チャックに挟んだ!」
落ち着いているようで、実は大変うろたえています。
「な、何やってんだよ、早くそれしまってよ!」
ちらちらとこっちを見ながら梓が叫んだ。
「うー、痛い。梓、舐めて」
「絶対嫌だよッ!」
巧みな誘導尋問で舐めてもらおうとしたら失敗した。残念。
「それで、人のプライベートタイムに何用ですか」
居住まいを正し、梓に向き直る。
「これ!」
そう言って、梓は後ろを向いた。見慣れた背中と、見慣れないしっぽがそこにあった。もさもさしててラブリー。
「またタカシがしたんだろ! 前にも一回神様に頼んでイヌミミつけたときあったでしょ!」
「あー……んなこともあったような、なかったような。何もかも懐かしい……」
「とぼけんなよぉ! とにかく、とってよ!」
「分かった。えい」
しっぽを掴み、引っ張る。スカートがまくりあがってちょっとパンツ見えた。
「痛い痛い痛い! 何すんだよ、ばかぁ!」
「娘さんに痛い痛いと言われるとまるで膜を破っているかのようで大変興奮しますなぁぐひひひひ」
「タカシの異常性癖なんて聞いてないよ!」
「異常性癖……」
静かに、しかし深く傷ついた。
「ほら、傷ついたフリなんかしてないでとってよ。あ、さっきみたいに引っ張ったらダメだよ、痛いから」
「フリじゃなくて傷ついてんの! それはともかく、引っ張る以外に取る手段……切る?」
引き出しからはさみを取り出したら、梓の顔色が青くなった。
「だ、ダメダメダメ! そんなことしたら痛いよ、血が出るよ!」
しっぽをかばう様に梓は俺から距離を取った。
「むぅ……じゃあ諦めろ」
「ええっ!? ヤだよ、こんなのついてたらかっこ悪くて外歩けないよ!」
「お前、どうやってここまで来たんだ」
「無我夢中だよ! 五里霧中だよ! 自画自賛だよ!」
適当な四文字熟語を並べればいいってものではない。
「まーいいじゃん、可愛いし。ほら、もっかいしっぽ見せて」
「え、かわいい……カナ?」
後ろを向き、梓は素直にしっぽを見せた。
「可愛い可愛い。ほら、もふもふだし」
梓のしっぽを掴み、もふもふする。
「あっ、ちょっと触らないでよ、……んっ」
もふもふしてると、梓の体が小さく跳ねた。
「……ほぅ」
「な、なんだよその顔……」
「えい、もふもふもふ」
しっぽを軽く掴み、揉むように手で触る。
「あっ、ちょっと、あぅっ!」
まるで何かに耐えるように、梓は体を前に倒した。自然、スカートの中身が俺の目に飛び込んでくる。
「……なでなで」
「そっ、そこしっぽじゃないよ、お尻だよ!? ひゃうっ!」
「梓の尻は胸とは逆に肉付きがよく、大変揉み心地がいいので喜ばしいです」
「そういうことは思っても口にするなよなっ! ていうか胸とは逆とか言うなッ!」
「いや、だけど実際胸からは想像も出来ないほど尻の揉み心地いいぞ? いや、だからといって梓のぺた胸がダメと言うのではなく逆に」
「いいから手をどけろよ! ばか、さわるな揉むな撫でるなぁ!」
後でいっぱい叱られたけど、大変楽しかったです。
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【ツンデレと寄り道】
2010年04月07日
放課後、帰ろうと思ったら友人らに捕まり、マックに連行され、だらりだらだらお喋り。
「暇ねー……ちょっとタカシ、なんか面白いことしなさいよ」
「ギョーザ」
かなみがジュース飲みながらかったるそうに言うので、大変面白い一発芸を披露する。
「……耳をフタしただけで、タカシは面白いと思ってる。……無様」
「ちち、違うぞちなみ! ほ、本当の俺はもっと面白いんだ!? な、いずみ?」
「呼びかけながらウチのポテト食うな、アホ!」
たまに食うポテトは美味しい。それが他人の物なら尚更だ。
「弁償しい! 一万円や!」
「ヤクザもびっくり価格ですね。そこのメニューには220円と書いてますよ?」
「後は慰謝料や! 払わんのやったら今すぐ返してや! ほら、ほら!」
「任せろ。ぐええええ」
「ちょっと、何いきなり指をノドにつっこんでのよ! 吐くなら便所行きなさい!」
「……やれやれ、タカシは所構わず吐こうとする。……はっ、マーキング?」
俺の友人たちはちっとも俺を心配してくれないので、とても悲しい。あと、俺は人間なのでマーキングしません。
「んなアホなことやってへんで、早よ代わりのポテト買ーてきて。タカシのおごりで」
「お金ないのです」
「借金一万追加、と……」(懐からメモ帳を取り出し書き書き)
「奢る! 奢るからそんな無体はどうか勘弁!」
「あ、あたしもお願い。タカシの奢りでね」
「……私も。あと、ミルクも」
「おまえらに奢る意味が分からないし、乳を飲んだところでちなみが大きくなる可能性は限りなく低いので断ります」
「……タカシはいずみっちだけ特別扱いするだけでなく、私を子供とあざ笑う。……許しがたい行為」
「いやいやいや、あざ笑ってない。心の中では馬鹿にしてるけど」
「……そういうことは、思っても口にしない」(ほっぺぷくー)
「なに? 特別扱いは否定しないの?」
かなみがいやらしく俺を突付いてきた。
「この守銭奴に恨みを買うと、不思議なことに翌日から借金を取立てられ、身も心もボロボロになるのです。特別扱いも止む無しかと」
「誰が守銭奴や! ウチは人よりちょっとだけお金が好きなだけの、か~いい女の子やで?」
「あ、いや、可愛いのは認めるが」
「そ、そか? あ、あは、あはは」
自分で言ったことなのに、いずみは顔を赤らめた。変な奴。
「でも、守銭奴だよな」
「なんやてっ!」
とても怖いのでかなみに助けを求めようと目をそちらに向けると、冷ややかな目が待っていた。
「……ふーん、特別なんだぁ。へーぇ、あたしにはちっっっっっっとも特別なことしてくんないのにね」
友達相手に特別も何もないだろうと思いつつ、救いの手をちなみに求める。
「……どーせ、子供だもん」(ほっぺぷくー)
未だほっぺぷくー中で話にならない。
「ええと……ぽ、ポテト買ってくる!」
席を立とうとしたら、腕を掴まれた。いずみとかなみの手が左右から伸びている。
「まぁまぁ。それはええから、じっくり話でもせぇへん?」
「そうね。色々話したいこと、あるものね?」
あれれ? 不思議、暑くもないのに汗が吹き出てきたよ?
「え、ええと、そんなどうでもいいことより、ちなみを鑑賞しないか? きっと愉快だぞ」
そう言ってちなみに水を向ける。
「……タカシはいつも私を子ども扱いする。……まったく、タカシはダメだ」(ほっぺぷくー)
「ほーら、ほっぺが膨れて……ああ可愛いなぁ」
「「…………」」
どうしたことか、さっきよりも鋭い視線がかなみといずみ両方から俺の方へ。
「うーん尿意。数時間は便所に篭もるから、先に帰ってていいぞ」
そのまま逃げ去ろうとしたら、いつか見たように俺の腕に二人の手が伸びた。
「気にせんでええで。じーっくり話そうやないか。な?」
「そうよ。なんだったら閉店するまで、ね?」
「あ、あはは……はい」
針のむしろに座らされてるような長い長い時間を、頬をふくらませるちなみを見たりつついたり怒られたりしながらどうにか完遂。
「暇ねー……ちょっとタカシ、なんか面白いことしなさいよ」
「ギョーザ」
かなみがジュース飲みながらかったるそうに言うので、大変面白い一発芸を披露する。
「……耳をフタしただけで、タカシは面白いと思ってる。……無様」
「ちち、違うぞちなみ! ほ、本当の俺はもっと面白いんだ!? な、いずみ?」
「呼びかけながらウチのポテト食うな、アホ!」
たまに食うポテトは美味しい。それが他人の物なら尚更だ。
「弁償しい! 一万円や!」
「ヤクザもびっくり価格ですね。そこのメニューには220円と書いてますよ?」
「後は慰謝料や! 払わんのやったら今すぐ返してや! ほら、ほら!」
「任せろ。ぐええええ」
「ちょっと、何いきなり指をノドにつっこんでのよ! 吐くなら便所行きなさい!」
「……やれやれ、タカシは所構わず吐こうとする。……はっ、マーキング?」
俺の友人たちはちっとも俺を心配してくれないので、とても悲しい。あと、俺は人間なのでマーキングしません。
「んなアホなことやってへんで、早よ代わりのポテト買ーてきて。タカシのおごりで」
「お金ないのです」
「借金一万追加、と……」(懐からメモ帳を取り出し書き書き)
「奢る! 奢るからそんな無体はどうか勘弁!」
「あ、あたしもお願い。タカシの奢りでね」
「……私も。あと、ミルクも」
「おまえらに奢る意味が分からないし、乳を飲んだところでちなみが大きくなる可能性は限りなく低いので断ります」
「……タカシはいずみっちだけ特別扱いするだけでなく、私を子供とあざ笑う。……許しがたい行為」
「いやいやいや、あざ笑ってない。心の中では馬鹿にしてるけど」
「……そういうことは、思っても口にしない」(ほっぺぷくー)
「なに? 特別扱いは否定しないの?」
かなみがいやらしく俺を突付いてきた。
「この守銭奴に恨みを買うと、不思議なことに翌日から借金を取立てられ、身も心もボロボロになるのです。特別扱いも止む無しかと」
「誰が守銭奴や! ウチは人よりちょっとだけお金が好きなだけの、か~いい女の子やで?」
「あ、いや、可愛いのは認めるが」
「そ、そか? あ、あは、あはは」
自分で言ったことなのに、いずみは顔を赤らめた。変な奴。
「でも、守銭奴だよな」
「なんやてっ!」
とても怖いのでかなみに助けを求めようと目をそちらに向けると、冷ややかな目が待っていた。
「……ふーん、特別なんだぁ。へーぇ、あたしにはちっっっっっっとも特別なことしてくんないのにね」
友達相手に特別も何もないだろうと思いつつ、救いの手をちなみに求める。
「……どーせ、子供だもん」(ほっぺぷくー)
未だほっぺぷくー中で話にならない。
「ええと……ぽ、ポテト買ってくる!」
席を立とうとしたら、腕を掴まれた。いずみとかなみの手が左右から伸びている。
「まぁまぁ。それはええから、じっくり話でもせぇへん?」
「そうね。色々話したいこと、あるものね?」
あれれ? 不思議、暑くもないのに汗が吹き出てきたよ?
「え、ええと、そんなどうでもいいことより、ちなみを鑑賞しないか? きっと愉快だぞ」
そう言ってちなみに水を向ける。
「……タカシはいつも私を子ども扱いする。……まったく、タカシはダメだ」(ほっぺぷくー)
「ほーら、ほっぺが膨れて……ああ可愛いなぁ」
「「…………」」
どうしたことか、さっきよりも鋭い視線がかなみといずみ両方から俺の方へ。
「うーん尿意。数時間は便所に篭もるから、先に帰ってていいぞ」
そのまま逃げ去ろうとしたら、いつか見たように俺の腕に二人の手が伸びた。
「気にせんでええで。じーっくり話そうやないか。な?」
「そうよ。なんだったら閉店するまで、ね?」
「あ、あはは……はい」
針のむしろに座らされてるような長い長い時間を、頬をふくらませるちなみを見たりつついたり怒られたりしながらどうにか完遂。
【ツンデレと母の日】
2010年04月07日
今日は母の日だ。たまには日頃の感謝の気持ちを込め、贈り物をするのもいいかもしれない。
「つーわけで、選べ」
「いきなり人を拉致して言うことはそれか?」
みことがにっこり笑いながら俺の首を絞めるので、通行人が何事かとざわめきだした。
「ぐええ……あ、あの、母の日のプレゼントを選んでもらおうと、その……ぐええええ」
「なんだ、それなら最初からそう言え」
そう言うと、みことは口から泡を吐く俺を解放してくれた。
「泡を吐くな。カニか、貴様は」
いい旅カニ気分。いや、そんなことはどうでもいい。
「そ、それでだな、何を贈ったら喜ばれるのか俺にはちぃとも分からんのだ」
「母君に贈るのだ、真剣に選べば何を贈ったところで喜ばれるだろう」
「そう思って去年は赤子用おしゃぶりを1ダース贈ったところ、俺の誕生日に老人用オムツ1ダース贈り返された」
「……楽しい家族だな」
「使い切るのに難儀しました」
「使うな!」
健康な青年がオムツを使うのは、非常に屈辱的でした。
「そんな悲しい誕生日を迎えたくはないので、今年は真面目にすることにしたのですよ」
「なら、自分で考えるがいい。私に頼らなくても、真面目にするなら大丈夫だろう?」
「いや、途中で“あ、これ贈られたら嫌だろうな”と思った瞬間にそれを買ってる可能性が高いので、お目付け役が必要かと」
「お前は……いや、いい。分かった、付き合ってやる」
なぜか疲れた様子のみことと一緒に、色々な店を回る。
「みことみこと、これどうだ?」
「だから、なぜおしゃぶりを選ぶ!?」
紆余曲折の果て、どうにか適当な品を見繕うことができた。
「結局花か」
手元にあるカーネーションの花束を持ち直す。結構高かった。
「無難だが、これなら喜んでくれるだろう」
「……やっぱ食虫植物にしない? 母さんの人柄と合ってて喜んでくれるかと」
「どこの世界に食虫植物を贈られて喜ぶ親がいる!」
うちの親は喜びそうだけどな。俺の誕生日に何を贈り返すか考えると。
「ところで、お前は買わなくていいのか?」
「朝のうちに贈った後だ、抜かりない」
「少し誇らしげに、みことは小さな胸を反らした」
「小さい、は余計だ! いちいち口にするな!」
首を絞めようとする手を花束でガードする。
「く……花を盾にするとは卑怯な」
「みこともこれで一応女なのか、花を攻撃するのは躊躇われたようだ」
「だから、口にするな! 誰が一応だ、私は立派な女だ!」
わき腹を思い切りつねられた。
「いてててて、超痛え!」
「しるか、ばか!」
なぜか機嫌を損ねてしまったみことと一緒に帰路をゆく。なんか気まずい。
「え、えーと、みこちん、俺ノド渇いちゃった。喫茶店寄っていい?」
「変な愛称をつけるな!」
「いい? いいよな? よし、行こう」
「わっ、待て、私は行くなど一言も……」
みことの手をひっ掴み、喫茶店に入る。適当な席に座り、やってきた店員さんに注文を頼む。
「……むー」
だと言うのに、目の前でむーと唸る娘さんからは一向に機嫌が直る気配はない。
「だからあれほどパフェを頼めと言ったのに……店員さん呼ぼうか?」
「誰もそんなことで怒ってない!」
運ばれてきたコーヒーをひったくり、みことは一気にカップを傾けた。
「あふっ! ……ううっ、ふーふー」
みことは猫舌だった。必死で息を吹いて冷ますその様子が滑稽で、それ以上に可愛い。
「……何を笑ってる」
「え?」
「……ふん。そんなに私が猫舌なのが面白いのか」
「や、その、……まぁそんな感じ」
素直に可愛いからと言うのは少し照れくさかったのでそう言ったら、みことはますます不愉快そうなオーラを醸し出した。
「好きで猫舌じゃない。……ふん」
そう言って、みことは再びふーふーし始めた。……ああもう、だから可愛いってば!
「……なにをしている」
「え?」
「……なぜ、私の頭をなでている」
そう言われてみことの頭を見ると、なるほど俺の手が忙しそうにみことの頭をなでていた。
「え、ええと、これはその、違うんですよ?」
「なにが違う。いいから手をどけろ」
俺の手がみことの頭の上を往復するたび、みことの怒りが蓄積されていくような。
「手が、俺の手が勝手に! まったくとんでもない右手ですよね! ほとほと嫌気がさした、もう右手なんて知らん!」
「お前の手だろう! 早くどけろ!」
責任を右手になすりつけたのに、俺が怒られた。名残惜しいが、手をみことからどける。
「まったく……なんでお前はすぐ私の頭をなでるんだ?」
「可愛いから」
しまった、ついするりと本音がこぼれた。怒られる。
「…………」
──と思ったのだけど、みことはなんだか恥ずかしそうにコーヒーをくるくるかき混ぜていた。
「や、その、こ、コーヒーが! コーヒーが可愛いのですよ! 愛してると言っていいかと!」
「……随分変わった嗜好だな」
「よく言われます! 家の中はコーヒーグッズでいっぱいなのですよ!」
もちろん嘘だ。
「じゃあ、なんでお前はオレンヂジュースを飲んでるのだ?」
「あ」
みことは小さく嘆息し、俺を見た。
「本当に嘘が下手だな、お前は」
そう言って、優しい笑みを見せた。機嫌が直ったようで何よりだが、その笑顔は反則だ。
「や、その、……わはははは!」
精一杯の照れ笑いをして、俺はオレンヂジュースを一気にあおるのだった。
「つーわけで、選べ」
「いきなり人を拉致して言うことはそれか?」
みことがにっこり笑いながら俺の首を絞めるので、通行人が何事かとざわめきだした。
「ぐええ……あ、あの、母の日のプレゼントを選んでもらおうと、その……ぐええええ」
「なんだ、それなら最初からそう言え」
そう言うと、みことは口から泡を吐く俺を解放してくれた。
「泡を吐くな。カニか、貴様は」
いい旅カニ気分。いや、そんなことはどうでもいい。
「そ、それでだな、何を贈ったら喜ばれるのか俺にはちぃとも分からんのだ」
「母君に贈るのだ、真剣に選べば何を贈ったところで喜ばれるだろう」
「そう思って去年は赤子用おしゃぶりを1ダース贈ったところ、俺の誕生日に老人用オムツ1ダース贈り返された」
「……楽しい家族だな」
「使い切るのに難儀しました」
「使うな!」
健康な青年がオムツを使うのは、非常に屈辱的でした。
「そんな悲しい誕生日を迎えたくはないので、今年は真面目にすることにしたのですよ」
「なら、自分で考えるがいい。私に頼らなくても、真面目にするなら大丈夫だろう?」
「いや、途中で“あ、これ贈られたら嫌だろうな”と思った瞬間にそれを買ってる可能性が高いので、お目付け役が必要かと」
「お前は……いや、いい。分かった、付き合ってやる」
なぜか疲れた様子のみことと一緒に、色々な店を回る。
「みことみこと、これどうだ?」
「だから、なぜおしゃぶりを選ぶ!?」
紆余曲折の果て、どうにか適当な品を見繕うことができた。
「結局花か」
手元にあるカーネーションの花束を持ち直す。結構高かった。
「無難だが、これなら喜んでくれるだろう」
「……やっぱ食虫植物にしない? 母さんの人柄と合ってて喜んでくれるかと」
「どこの世界に食虫植物を贈られて喜ぶ親がいる!」
うちの親は喜びそうだけどな。俺の誕生日に何を贈り返すか考えると。
「ところで、お前は買わなくていいのか?」
「朝のうちに贈った後だ、抜かりない」
「少し誇らしげに、みことは小さな胸を反らした」
「小さい、は余計だ! いちいち口にするな!」
首を絞めようとする手を花束でガードする。
「く……花を盾にするとは卑怯な」
「みこともこれで一応女なのか、花を攻撃するのは躊躇われたようだ」
「だから、口にするな! 誰が一応だ、私は立派な女だ!」
わき腹を思い切りつねられた。
「いてててて、超痛え!」
「しるか、ばか!」
なぜか機嫌を損ねてしまったみことと一緒に帰路をゆく。なんか気まずい。
「え、えーと、みこちん、俺ノド渇いちゃった。喫茶店寄っていい?」
「変な愛称をつけるな!」
「いい? いいよな? よし、行こう」
「わっ、待て、私は行くなど一言も……」
みことの手をひっ掴み、喫茶店に入る。適当な席に座り、やってきた店員さんに注文を頼む。
「……むー」
だと言うのに、目の前でむーと唸る娘さんからは一向に機嫌が直る気配はない。
「だからあれほどパフェを頼めと言ったのに……店員さん呼ぼうか?」
「誰もそんなことで怒ってない!」
運ばれてきたコーヒーをひったくり、みことは一気にカップを傾けた。
「あふっ! ……ううっ、ふーふー」
みことは猫舌だった。必死で息を吹いて冷ますその様子が滑稽で、それ以上に可愛い。
「……何を笑ってる」
「え?」
「……ふん。そんなに私が猫舌なのが面白いのか」
「や、その、……まぁそんな感じ」
素直に可愛いからと言うのは少し照れくさかったのでそう言ったら、みことはますます不愉快そうなオーラを醸し出した。
「好きで猫舌じゃない。……ふん」
そう言って、みことは再びふーふーし始めた。……ああもう、だから可愛いってば!
「……なにをしている」
「え?」
「……なぜ、私の頭をなでている」
そう言われてみことの頭を見ると、なるほど俺の手が忙しそうにみことの頭をなでていた。
「え、ええと、これはその、違うんですよ?」
「なにが違う。いいから手をどけろ」
俺の手がみことの頭の上を往復するたび、みことの怒りが蓄積されていくような。
「手が、俺の手が勝手に! まったくとんでもない右手ですよね! ほとほと嫌気がさした、もう右手なんて知らん!」
「お前の手だろう! 早くどけろ!」
責任を右手になすりつけたのに、俺が怒られた。名残惜しいが、手をみことからどける。
「まったく……なんでお前はすぐ私の頭をなでるんだ?」
「可愛いから」
しまった、ついするりと本音がこぼれた。怒られる。
「…………」
──と思ったのだけど、みことはなんだか恥ずかしそうにコーヒーをくるくるかき混ぜていた。
「や、その、こ、コーヒーが! コーヒーが可愛いのですよ! 愛してると言っていいかと!」
「……随分変わった嗜好だな」
「よく言われます! 家の中はコーヒーグッズでいっぱいなのですよ!」
もちろん嘘だ。
「じゃあ、なんでお前はオレンヂジュースを飲んでるのだ?」
「あ」
みことは小さく嘆息し、俺を見た。
「本当に嘘が下手だな、お前は」
そう言って、優しい笑みを見せた。機嫌が直ったようで何よりだが、その笑顔は反則だ。
「や、その、……わはははは!」
精一杯の照れ笑いをして、俺はオレンヂジュースを一気にあおるのだった。
【ナゾナゾを出してくるツンデレ】
2010年04月07日
「タカシタカシー、ボクね、なぞなぞ考えたむぎゅ」
走り寄ってきた梓を闘牛の要領でひらりとかわすと、後ろの壁にぶつかった。
「よけないでよ!」
「うるさい」
「うー……あ、そーだ! あのね、なぞなぞだよ、なぞなぞ!」
「歯医者」
「まだ言ってないよ! ええとね、日中、車を壊してばかりいる人って誰でしょう……ああっ、これ答え歯医者だ!」
梓は一人で問題を出して勝手に困っていた。
「問題を出す前に答え当てないでよ!」
「そんなことで怒られたの初めてだ」
「ボクもだよ! いい? ボクの考え読んで先に答え言わないでよね」
偶然当たっただけなのだが、エスパー気分に浸れるので黙っていよう。
「任せろ。今後なぞなぞを出されても一切答えない」
「そうじゃなくて! なぞなぞ出す前に答えないでって言ってるの!」
「難しいな……関西弁で頼む」
「えっ、ええっ!? え、えと……なぞなぞ出す前にな、答えんといて……やで?」
「すっげーイントネーション変。いずみに聞かれるとたこ焼きにされて食われるぞ」
「そんなこと言われても、ボク関西弁なんて喋れないよ! もーいいから、なぞなぞ言うよ!」
「歯医者」
「だから言うな! ええと、警察がきらいな鳥は?」
「歯医者」
「鳥って言ってるだろ! なんだよ、歯医者って!」
「人の歯を鋭利な刃物でぎゅいんぎゅいん削る刑罰執行人。知らないのか?」
「知ってるよ! 誰も歯医者の意味を教えろなんて言ってないだろ!」
「難しいな……英語で頼む」
「えっ、ええっ!? え、えと……ええと……は」
「は?」
「……はろー」
「はろー」
「…………」
「……終わり?」
「しっ、しかたないじゃん! 英語嫌いだもん! 野球で審判やってもストライクじゃなくてど真ん中って言うもん!」
変なキレ方された。
「いいから答えろよ!」
「他の教科はそこそこ得意みたいだし、英語が苦手でもいいと思う」
「そんなこと聞いてないッ! 数学も苦手だよッ!」
いらん知識が増えた。
「あ、ひょっとしてわかんない? なぞなぞ、わかんないかな? 警察がきらいな鳥……タカシには難しかったカナ?」
ここぞとばかりに嬉しそうに笑いながら梓が寄ってくる。
「歯医者」
「歯医者から離れろッ! ……ふふん、わかんないみたいだね。あのね、おばかなタカシに教えてあげるよ。答えは」
「まさかサギなんて普通の答えなわけないし……なんだろうな?」
「…………」
「梓?」
「うわぁぁぁん! そうだよ、答えサギだよ、ばーか!」
当てたのに馬鹿呼ばわり。
「うぐぐぐぐ……次!」
「つぎ?」
「次こそ、タカシをぎゃふんと言わせるようなすっごいなぞなぞ考えてくる!」
「ぎゃふん」
「まだ言うなよ! ていうかタカシ、ボクのこと馬鹿にしてるだろ!?」
「はっはっは、まさかまさか。うん、頑張れ」
梓の頭に手を置く。頑張ることはいいことだ。例えそれがなぞなぞだとしても、お兄さん馬鹿にしないぞ。いや、ホント。
「ううううう~! ぎゃふんどころか、ぎょふんって言わせてやる! ぎょふんだよ、魚の糞だよ!」
よく分からないことを言い残して、梓は教室から飛び出そうとした。が、チャイムが鳴って恥ずかしそうに戻ってきた。
「あー、その……ふぁいとっ、だよ」
「う、う、うるさいっ!」
顔を真っ赤にして俺にやつあたりする梓たんでした。
走り寄ってきた梓を闘牛の要領でひらりとかわすと、後ろの壁にぶつかった。
「よけないでよ!」
「うるさい」
「うー……あ、そーだ! あのね、なぞなぞだよ、なぞなぞ!」
「歯医者」
「まだ言ってないよ! ええとね、日中、車を壊してばかりいる人って誰でしょう……ああっ、これ答え歯医者だ!」
梓は一人で問題を出して勝手に困っていた。
「問題を出す前に答え当てないでよ!」
「そんなことで怒られたの初めてだ」
「ボクもだよ! いい? ボクの考え読んで先に答え言わないでよね」
偶然当たっただけなのだが、エスパー気分に浸れるので黙っていよう。
「任せろ。今後なぞなぞを出されても一切答えない」
「そうじゃなくて! なぞなぞ出す前に答えないでって言ってるの!」
「難しいな……関西弁で頼む」
「えっ、ええっ!? え、えと……なぞなぞ出す前にな、答えんといて……やで?」
「すっげーイントネーション変。いずみに聞かれるとたこ焼きにされて食われるぞ」
「そんなこと言われても、ボク関西弁なんて喋れないよ! もーいいから、なぞなぞ言うよ!」
「歯医者」
「だから言うな! ええと、警察がきらいな鳥は?」
「歯医者」
「鳥って言ってるだろ! なんだよ、歯医者って!」
「人の歯を鋭利な刃物でぎゅいんぎゅいん削る刑罰執行人。知らないのか?」
「知ってるよ! 誰も歯医者の意味を教えろなんて言ってないだろ!」
「難しいな……英語で頼む」
「えっ、ええっ!? え、えと……ええと……は」
「は?」
「……はろー」
「はろー」
「…………」
「……終わり?」
「しっ、しかたないじゃん! 英語嫌いだもん! 野球で審判やってもストライクじゃなくてど真ん中って言うもん!」
変なキレ方された。
「いいから答えろよ!」
「他の教科はそこそこ得意みたいだし、英語が苦手でもいいと思う」
「そんなこと聞いてないッ! 数学も苦手だよッ!」
いらん知識が増えた。
「あ、ひょっとしてわかんない? なぞなぞ、わかんないかな? 警察がきらいな鳥……タカシには難しかったカナ?」
ここぞとばかりに嬉しそうに笑いながら梓が寄ってくる。
「歯医者」
「歯医者から離れろッ! ……ふふん、わかんないみたいだね。あのね、おばかなタカシに教えてあげるよ。答えは」
「まさかサギなんて普通の答えなわけないし……なんだろうな?」
「…………」
「梓?」
「うわぁぁぁん! そうだよ、答えサギだよ、ばーか!」
当てたのに馬鹿呼ばわり。
「うぐぐぐぐ……次!」
「つぎ?」
「次こそ、タカシをぎゃふんと言わせるようなすっごいなぞなぞ考えてくる!」
「ぎゃふん」
「まだ言うなよ! ていうかタカシ、ボクのこと馬鹿にしてるだろ!?」
「はっはっは、まさかまさか。うん、頑張れ」
梓の頭に手を置く。頑張ることはいいことだ。例えそれがなぞなぞだとしても、お兄さん馬鹿にしないぞ。いや、ホント。
「ううううう~! ぎゃふんどころか、ぎょふんって言わせてやる! ぎょふんだよ、魚の糞だよ!」
よく分からないことを言い残して、梓は教室から飛び出そうとした。が、チャイムが鳴って恥ずかしそうに戻ってきた。
「あー、その……ふぁいとっ、だよ」
「う、う、うるさいっ!」
顔を真っ赤にして俺にやつあたりする梓たんでした。
【ネコ好きなツンデレ】
2010年04月07日
放課後、教室に残って友人とだらだらどうでもいい話をしてると5時になってた。
いい加減飽きたので帰ることにする。友人は部活の友達を待つと言って、図書室に消えた。
アクビしながら靴を履き替え、外に出る。帰ろうかと一歩踏み出したとき、何か小さな声が聞こえた。声の元を辿っていくと、変な光景に出くわした。
「あははは、あはははは!」
「ぎにゃーーーーー!!!」
かなみが満面の笑みでネコを振り回していた。
「ネコさん、ネコさーん!」
「ふにゃーーーーー!!!」
楽しそうで何よりだが、ネコ泣いてる。ネコ超泣いてる。なんだかナディア島編を思い出さずにはいられない光景だった。
「あはは……ていっ!」
そんな掛け声と共に、かなみの手が放される。ネコは放物線を描き、俺の方に飛んできた。
「ネコが徐々に大きく見える不思議!?」
「ふぎゃーーーーーーーーーーーー!!」
咄嗟のことに反応できず、ネコと頭と頭でごあいさつ。思ったより硬いぞ、ネコ頭!
「いつつ……」
「あれ、タカシじゃん。なにやってんの?」
痛みに顔をしかめてると、平和そうな顔してかなみがやってきた。
「ちょっとネコと挨拶をな」
「ふーん。で、どこ行った? こっちに飛んできたと思ったけど」
「飛んだ、っつーか飛ばした、だろ」
「あはは……あっ、いた!」
かなみの見てる方向に視線を向けると、先ほどのネコが校舎の影に全力で逃げ込もうとしていた。
「よしっ、もっかい!」
「やめれ! おまーはネコに恨みでもあんのか?」
慌ててかなみの肩を掴む。このままではネコの空中分解ショーを見せられてしまう。
「そんなわけないじゃない。私、ネコ大好きなのに」
引きとめている間に、ネコはどうにか校舎の影に逃げ込むことができたようだ。今から追いかけても、捕まえられないだろう。
「あーもう、タカシが邪魔するから逃げちゃったじゃないの!」
「そいつはよかった。あのネコも二度とこの学校に近寄らないだろう」
「責任取ってよね!」
「わかった、認知する」
「何の話よっ!」
責任と言われると、つい認知とか言いがちだよね。言いたくないよ。
「うー……ねこー、ねこー」
「ええいねこねこうるさい! お前はねこねこソフトか! あっ、いまの面白いよ?」
「つまんない」
「…………」
「いーからネコ! 抱っこしたいよー、ふわふわもこもこー」
「なんだ、そうなのか」
かなみに抱きつく。
「なな、ななな!?」
「うむ、ふわふわのもこもこ。だが、少々胸のボリュームが」
最後まで言えなかったのは、かなみの手が俺の顔にめり込んだからです。
「いきなり何すんのよ!」
「抱っこって言ったじゃん」
あふれ出る鼻血をティッシュで拭う。
「ネコを抱っこしたいの! 何が悲しくてアンタを抱っこしないといけないのよ……」
「俺は嬉しいぞ? ただ、やはり胸のボリュームが」
「うっさい! ……はぁ、もういいや。帰ろ、タカシ」
「ウィ」
道々ネコの素晴らしさを説かれながら、かなみと帰りました。
いい加減飽きたので帰ることにする。友人は部活の友達を待つと言って、図書室に消えた。
アクビしながら靴を履き替え、外に出る。帰ろうかと一歩踏み出したとき、何か小さな声が聞こえた。声の元を辿っていくと、変な光景に出くわした。
「あははは、あはははは!」
「ぎにゃーーーーー!!!」
かなみが満面の笑みでネコを振り回していた。
「ネコさん、ネコさーん!」
「ふにゃーーーーー!!!」
楽しそうで何よりだが、ネコ泣いてる。ネコ超泣いてる。なんだかナディア島編を思い出さずにはいられない光景だった。
「あはは……ていっ!」
そんな掛け声と共に、かなみの手が放される。ネコは放物線を描き、俺の方に飛んできた。
「ネコが徐々に大きく見える不思議!?」
「ふぎゃーーーーーーーーーーーー!!」
咄嗟のことに反応できず、ネコと頭と頭でごあいさつ。思ったより硬いぞ、ネコ頭!
「いつつ……」
「あれ、タカシじゃん。なにやってんの?」
痛みに顔をしかめてると、平和そうな顔してかなみがやってきた。
「ちょっとネコと挨拶をな」
「ふーん。で、どこ行った? こっちに飛んできたと思ったけど」
「飛んだ、っつーか飛ばした、だろ」
「あはは……あっ、いた!」
かなみの見てる方向に視線を向けると、先ほどのネコが校舎の影に全力で逃げ込もうとしていた。
「よしっ、もっかい!」
「やめれ! おまーはネコに恨みでもあんのか?」
慌ててかなみの肩を掴む。このままではネコの空中分解ショーを見せられてしまう。
「そんなわけないじゃない。私、ネコ大好きなのに」
引きとめている間に、ネコはどうにか校舎の影に逃げ込むことができたようだ。今から追いかけても、捕まえられないだろう。
「あーもう、タカシが邪魔するから逃げちゃったじゃないの!」
「そいつはよかった。あのネコも二度とこの学校に近寄らないだろう」
「責任取ってよね!」
「わかった、認知する」
「何の話よっ!」
責任と言われると、つい認知とか言いがちだよね。言いたくないよ。
「うー……ねこー、ねこー」
「ええいねこねこうるさい! お前はねこねこソフトか! あっ、いまの面白いよ?」
「つまんない」
「…………」
「いーからネコ! 抱っこしたいよー、ふわふわもこもこー」
「なんだ、そうなのか」
かなみに抱きつく。
「なな、ななな!?」
「うむ、ふわふわのもこもこ。だが、少々胸のボリュームが」
最後まで言えなかったのは、かなみの手が俺の顔にめり込んだからです。
「いきなり何すんのよ!」
「抱っこって言ったじゃん」
あふれ出る鼻血をティッシュで拭う。
「ネコを抱っこしたいの! 何が悲しくてアンタを抱っこしないといけないのよ……」
「俺は嬉しいぞ? ただ、やはり胸のボリュームが」
「うっさい! ……はぁ、もういいや。帰ろ、タカシ」
「ウィ」
道々ネコの素晴らしさを説かれながら、かなみと帰りました。


