[PR]
2026年03月17日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【ボクっ娘とダウナーとタカシ】
2010年04月11日
暇なんで梓の家に遊びに行ったら、そこに家主と話してるちなみがいた。
「……あ、百合の園に男が」
「レズっ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ!」
「違うよっ! もうっ、ちなみちゃん変なこと言わないでよ!」
「……タカシはすぐ騙される。……おばかの称号を授ける」
「いや、梓の称号を授かるわけにはいかないので辞退する」
「ボク、おばかなの!?」
二人で静かに頷くと、梓は何やらショックを受けたようにぽふりと布団に倒れた。
「うう……二人していじめる……」
「で、二人で何やってたんだ?」
しくしく泣いてる梓をほってちなみに話しかける。
「……体のとある部位を擦り付けあうゲーム」
「百合ッ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ! あと俺も混ぜろ!」
「違うよっ! 一緒にお話してたんだよ!」
枕にしみをつけてた梓が起き上がるなり叫んだ。
「ちなみ、適当言うなよ……期待するじゃん」
「……タカシはえっちなことだとすぐ騙される。……えろす王の称号を授ける」
「もう抱えきれないくらい持ってるからいらないです」
「……残念」
ちなみは心底残念そうに肩を落とした。
「それよりタカシも一緒にお喋りしない? 今ね、恋人ができたらしたいこと話してたの」
梓が俺の隣にちょこんと座り、俺を見上げながら言った。
「そりゃエッチだろう」
「「…………」」
二人分の冷たい視線が俺に突き刺さる。
「訂正、SEXだ」
「そういうこと言ってるんじゃないよ!」
梓は顔を赤くして叫んだ。
「タカシ0点! そんなんじゃ恋人なんて未来永劫できないよ! ねー?」
「……ねー」
二人して俺を非難する。
「しかし、好きな人とエッチしたいというのは正しい感情だと思うが」
「そ、そうだけど……でも、ボクは抱っことか頭なでなでとかしてほしいよ」
梓の言葉に、ちなみはコクコク頷いた。
「子供か、お前ら」
「う、うう……タカシのせいだよ! すぐボクやちなみちゃんの頭なでるから……」
「恨むなら、なでてオーラを出す自分の頭を恨め」
「あうううう……」
悲しげにうめく梓だった。
「しかし……抱っこやらなでなでやら、子供がしてもらうと喜ぶようなことばっかだな。ま、見た目二人とも子供だし、ちょうどいいか。わはははは!」
「「…………」」
二人は自分の胸を見下ろし、深くため息をついた。
「……どーせボクのおっぱいはちっちゃいもん」
「……よく、小学生とか中学生に間違われる」
「あ、あの、お二人さん?」
負のオーラを放ち、二人は再びため息をついた。
「牛乳飲んだら大きくなるって言うけど、効かないよね、ちなみちゃん」
「……毎日飲んでるけど、ダメ。……効果、なし」
顔を見合わせ、三度ため息をつく二人。ううむ、どうしたもんか。
「ま、まぁ大丈夫だって。成長期なんだし、すぐ大きくなる」
そう言って二人の頭を優しくなでる。
「あ……」
「はぅ……」
それだけで二人は嬉しそうに目を細めた。
「まぁ、小さいままでも俺としては嬉しいけどな」
「な、なんで?」
「このサイズだったら抱っこしたりなでなでするのに丁度いいからな。大きくなったら、それをするのも難しい」
「……ボク、牛乳飲むのやめる!」
「え?」
「……私も」
「ええっ!?」
「べ、別にタカシのためとかじゃなくて、無理するのもよくないって思っただけだよ!」
横でちなみがウンウン頷いてるが、嘘だろ。明らかに。
「だ、だから、無理せずなでなでしてもいいよ? ボク、大人だからそれくらい我慢できるもん」
恋人ができたら、なでなでして欲しいって言ったの誰だっけ。
「……ん。……なでなで狂いのタカシがなでなでをやめたら、発狂すること請け合い」
そんなこと請け合うな。そこまでアレな人じゃないぞ、俺。
「な、なでなでするなら近く寄った方がいいよね」
そう言って、梓は俺の膝に座った。
「……や、やれやれ、タカシはわがままだ」
続いてちなみも空いてる膝にぽふりと。
「だ、抱っこしてもいいよ。ボク、へーきだもん」
「……わ、私も」
「いや、でも」
「「いいから!」」
「……はい」
何か得体の知れない敗北感を感じながら、俺は梓とちなみをぎゅっと抱きしめた。
「あぅ……」
「は、はぅ……」
気持ち良さそうな声を漏らし、二人はうっとりした顔で目をつむった。
「なんか、二人の未来の恋人に申し訳ない気分が」
「えへへっ、だいじょーぶだよ♪」
「何が大丈夫なんだか……」
「……タカシが気にする必要ない。……ほら、抱っこ」
気持ち良さそうに俺の胸に顔を埋めながら抱っこをせがむちなみを見ながら、俺はもう一度ぎゅっと二人を抱きしめるのだった。
「……あ、百合の園に男が」
「レズっ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ!」
「違うよっ! もうっ、ちなみちゃん変なこと言わないでよ!」
「……タカシはすぐ騙される。……おばかの称号を授ける」
「いや、梓の称号を授かるわけにはいかないので辞退する」
「ボク、おばかなの!?」
二人で静かに頷くと、梓は何やらショックを受けたようにぽふりと布団に倒れた。
「うう……二人していじめる……」
「で、二人で何やってたんだ?」
しくしく泣いてる梓をほってちなみに話しかける。
「……体のとある部位を擦り付けあうゲーム」
「百合ッ!? デジカメ買ってくるからちょっと待ってろ! あと俺も混ぜろ!」
「違うよっ! 一緒にお話してたんだよ!」
枕にしみをつけてた梓が起き上がるなり叫んだ。
「ちなみ、適当言うなよ……期待するじゃん」
「……タカシはえっちなことだとすぐ騙される。……えろす王の称号を授ける」
「もう抱えきれないくらい持ってるからいらないです」
「……残念」
ちなみは心底残念そうに肩を落とした。
「それよりタカシも一緒にお喋りしない? 今ね、恋人ができたらしたいこと話してたの」
梓が俺の隣にちょこんと座り、俺を見上げながら言った。
「そりゃエッチだろう」
「「…………」」
二人分の冷たい視線が俺に突き刺さる。
「訂正、SEXだ」
「そういうこと言ってるんじゃないよ!」
梓は顔を赤くして叫んだ。
「タカシ0点! そんなんじゃ恋人なんて未来永劫できないよ! ねー?」
「……ねー」
二人して俺を非難する。
「しかし、好きな人とエッチしたいというのは正しい感情だと思うが」
「そ、そうだけど……でも、ボクは抱っことか頭なでなでとかしてほしいよ」
梓の言葉に、ちなみはコクコク頷いた。
「子供か、お前ら」
「う、うう……タカシのせいだよ! すぐボクやちなみちゃんの頭なでるから……」
「恨むなら、なでてオーラを出す自分の頭を恨め」
「あうううう……」
悲しげにうめく梓だった。
「しかし……抱っこやらなでなでやら、子供がしてもらうと喜ぶようなことばっかだな。ま、見た目二人とも子供だし、ちょうどいいか。わはははは!」
「「…………」」
二人は自分の胸を見下ろし、深くため息をついた。
「……どーせボクのおっぱいはちっちゃいもん」
「……よく、小学生とか中学生に間違われる」
「あ、あの、お二人さん?」
負のオーラを放ち、二人は再びため息をついた。
「牛乳飲んだら大きくなるって言うけど、効かないよね、ちなみちゃん」
「……毎日飲んでるけど、ダメ。……効果、なし」
顔を見合わせ、三度ため息をつく二人。ううむ、どうしたもんか。
「ま、まぁ大丈夫だって。成長期なんだし、すぐ大きくなる」
そう言って二人の頭を優しくなでる。
「あ……」
「はぅ……」
それだけで二人は嬉しそうに目を細めた。
「まぁ、小さいままでも俺としては嬉しいけどな」
「な、なんで?」
「このサイズだったら抱っこしたりなでなでするのに丁度いいからな。大きくなったら、それをするのも難しい」
「……ボク、牛乳飲むのやめる!」
「え?」
「……私も」
「ええっ!?」
「べ、別にタカシのためとかじゃなくて、無理するのもよくないって思っただけだよ!」
横でちなみがウンウン頷いてるが、嘘だろ。明らかに。
「だ、だから、無理せずなでなでしてもいいよ? ボク、大人だからそれくらい我慢できるもん」
恋人ができたら、なでなでして欲しいって言ったの誰だっけ。
「……ん。……なでなで狂いのタカシがなでなでをやめたら、発狂すること請け合い」
そんなこと請け合うな。そこまでアレな人じゃないぞ、俺。
「な、なでなでするなら近く寄った方がいいよね」
そう言って、梓は俺の膝に座った。
「……や、やれやれ、タカシはわがままだ」
続いてちなみも空いてる膝にぽふりと。
「だ、抱っこしてもいいよ。ボク、へーきだもん」
「……わ、私も」
「いや、でも」
「「いいから!」」
「……はい」
何か得体の知れない敗北感を感じながら、俺は梓とちなみをぎゅっと抱きしめた。
「あぅ……」
「は、はぅ……」
気持ち良さそうな声を漏らし、二人はうっとりした顔で目をつむった。
「なんか、二人の未来の恋人に申し訳ない気分が」
「えへへっ、だいじょーぶだよ♪」
「何が大丈夫なんだか……」
「……タカシが気にする必要ない。……ほら、抱っこ」
気持ち良さそうに俺の胸に顔を埋めながら抱っこをせがむちなみを見ながら、俺はもう一度ぎゅっと二人を抱きしめるのだった。
PR
【ホワイトデー】
2010年04月11日
一ヶ月ほど前にレミットからねんがんのチョコレートをてにいれた!
「今日はホワイトデーよ。当然、お返しは用意してるんでしょうね?」
「殺してでも うばいとる!」
「何の話よッ!」
一人ガラハドごっこをしてると、何やらレミットの怒り顔が目の前に。
「何を怒っているのだ? 可愛らしい顔が怒りに歪み……いかん、それでも可愛い。惚れた弱みという奴か」
「うっ、うるさいっ! そんなことより、ホワイトデーよ、ホワイトデー! ほら、アンタみたいなバカでも感謝の気持ちくらいあるでしょ?」
「失敬な、俺はバカじゃないぞ。なぁ、友よ?」
偶然通りがかった友人に、いかに俺の頭がいいか説明を求める。
「いや、別府は馬鹿だぞ」
当然のように俺を馬鹿と言い放ち、友人は去って行った。
「…………。とまぁ、俺が秀才であることが露見しました」
「…………。そうね、よかったね」
哀れみを感じさせる口調だけど、額面通り受け取ることにした。ほら、知らない方が幸せなこともあるし。
「とにかく、お返し貰ってあげるから寄越しなさい。当然、用意してるでしょうね?」
「当たり前だろ。ほら、これだ」
ポケットから品を取り出し、机の上に置く。
「……何、コレ」
「きゃんでぃー。おいしいよ」
一つ包みを開き、口に入れる。レモンの味が口に広がった。
「……つまんない」
「はい?」
「つまんない、つまんない、つまんない! これで終わりって、アンタ私がどれだけ苦労してチョコ作ったのか分かってるの!?」
「苦労? ……俺のために?」
「そっ、そうじゃなくて、いやそうだけど……うぅ、ええと、アンタなんかが知る必要ないの! とにかく、こんなんじゃ割りに合わない!」
「ううん、苦労してくれたのは嬉しいが……金ないしなぁ」
口の中で飴を転がし、どうしたもんかと腕を組む。他にプレゼントを用意してないし、はてさてどうしよう。
「……よし。鶴と飛行機、どっちが好き?」
「折り紙なんかもらっても嬉しくないッ!」
鞄から折り紙を取り出したら、レミットに叩き落とされた。
「贅沢だなぁ……」
「こんなの貰っても誰も喜ばないわよ! いい? 今日の放課後までに何か用意しときなさい!」
「ええっ、そんな無茶な!?」
「無茶でもなんでもするの! 言っとくけど、さっきみたいなの持ってきたり、何も用意してなかったら一生口きかないからね」
レミットが去って行くのを見ながら、血の気が引くのを感じる。放課後までって、いま昼休みだからあと2時間しかないじゃん!
とにかく、考えるよりまず行動だ。俺は駆け足で廊下に飛び出した。
「あー、では授業を始める。……ん、別府いないのか。あの馬鹿、またサボリか」
チャイムが鳴って先生が教室に来ても、別府は戻ってこなかった。
……ちょっと無茶言っちゃったかな? ううん、いいよね。こんな飴しか用意してないんだもん、これくらい当然よ。
ポケットから飴を取り出し、口に入れる。……あ、おいしい。
……あいつ、何持ってくるだろ。お金ないって言ってたし、何も持ってこないかな。
「……いや、それはないか」
無駄に行動力だけはあるし、何かしら持ってくるだろうな。……変なの持ってこなきゃいいけど。
ぼんやり隣にある別府の席を見る。いつもそこにあるアイツの姿がないだけで、なんか変な感じ。
「……ミット、レミット。いないのか?」
「え、あ、はい! います!」
「何をぼーっとしてるんだ。とにかく、この問に答えてくれ」
「す、スイマセン……どのページですか?」
ぼーっとしていて、先生に呼ばれたのに気づかなかった。みんなに笑われ、恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じる。
……うぅ、これも別府のせいだ。いてもいなくても迷惑な奴。これで変なの持ってきてみろ、本当に絶交してやるから。
6時間目の授業が終わって、ホームルームも終わった。
……別府は、戻ってこなかった。面倒くさくなって家に帰っちゃったのかな? いや、鞄もここにあるし、大丈夫だいじょうぶ。
「ねぇレミットちゃん、一緒に帰らない?」
自分を納得させてると、友達が話しかけてきた。
「あ、ごめんね。私、別府の馬鹿を待ってないと」
「あー、昼休みのアレね。大変ね、別府くんも」
「なーに言ってるのかな。お返しがこれよ、これ」
私はポケットからキャンディーを取り出し、友達に見せた。
「……お返しがキャンディーって、普通じゃない?」
「で、でも、私があんな苦労してチョコ作ったのに、こんなどこにでもあるキャンディーで済まされるって、その……」
「あははっ、わがままな彼女で別府くんってば本当に大変ね」
「か、かか、彼女ぉ!? じょ、冗談じゃないわよ!」
「違うの?」
「違う違う違う! ただの友達!」
「なーんだ。別府くん、レミットちゃんに好き好きオーラ出してるし、てっきり付き合ってるものだと思ってた」
「勘弁してよ、なんであんな奴と付き合わなくちゃいけないのよ……」
友達のあんまりな言いように、思わずぐったりしてしまう。
「でも、嫌いじゃないよね?」
「ま、まぁ……と・も・だ・ち、だからね!」
友達、というのを強調して言うと、彼女は笑顔を見せた。
「あははっ、そっかぁ。じゃ、そろそろ私帰るから、頑張ってね!」
「な、何を頑張るって言うのよ!」
友達は笑顔を残して教室を出て行った。がらんとした教室に一人取り残される。
あーあ、アイツも帰ってこないし、私も帰っちゃおうかな。
……で、でも、もうちょっとだけ待ってあげてもいいよね、友達だもん。そう、友達友達。恋人じゃなくて、友達!
……ああもう、あの子が変なこと言うから意識しちゃうじゃないの。
「はぁっはぁっ……れ、レミットはいるか!?」
なんて考えてると、別府が息を切らせて教室に飛び込んできた。
「お、遅いじゃないの! もう授業終わっちゃったわよ!?」
「はぁはぁ……ほ、放課後に間に合った? セーフ?」
「アウト……と言いたいところだけど、ギリギリセーフにしてあげるわ」
別府の顔が絶望に落ちた表情から、ゆっくり安堵に満ちた表情に変化していく。ふふっ、変な顔。
「はぁ……よかった、死ぬかと思った。ちょっとプレゼント探すのに手間取ってな、遅れてゴメン。はい、プレゼント」
そう言って、別府は花束を私に渡した。
「花……?」
「や、色々探し回ったはいいが、金もないし時間もないでろくな物が見つからなくてな。で、公園でちょっと休憩してたらいい匂いがして。その元を探したらこれがあったんだ」
そう言って別府は花束を──沈丁花を指した。
「結構いい匂いだろ?」
「確かにいい香りだけど……近くで嗅ぐにはちょっと匂いが強すぎて嫌味ね」
「う……と、とりあえず今日のところはそれで我慢してくれ。また後日、ちゃんとしたプレゼント渡すから」
そう言って、別府は申し訳なさそうに笑った。
「……べ、別に、これだけでいい」
「え、いや、でも」
「綺麗だし、……それに、近くで嗅がなかったらいい匂いだもの。まるで誰かさんみたい」
「……誰かって、誰かなー?」
「ヒントを言うなら、そばにいたら迷惑だけど、遠くから見る分には面白い奴ね」
「……いやはや、誰のことかまったく分かりませんな。そんな奴いたかな?」
そう平然と言う別府だったけど、明らかに誰を指してるか分かってるな。あははっ、不満そう不満そう。
「とにかく、帰るべ。なんかもークタクタだ」
「だらしないなぁ、もう」
「お前なぁ、2時間くらい走りまわってたんだぞ? それで疲れない奴いたら見たいぞ」
「そ、それもそうね。あははっ」
……そっか、ずっと私へのプレゼント探してくれてたんだ。
「うー、足ガクガクだ……明日筋肉痛だな」
よろよろと歩く別府の後姿に、私は心の中で感謝の言葉を告げた。
……口にすると、どーせまた調子に乗るしね、コイツは。
「レミットちゃん、その花は?」
リビングの花瓶に花を生けてると、ママが帰ってきた。
「ちょっとね」
「へぇ、いい匂いね。……でも、近くで嗅ぐと匂いが強すぎるわね」
「……慣れたら、近くで嗅ぐのも悪くないわよ」
「そう?」
「うん。……えへへっ、いい匂い」
不思議そうなママをよそに、私は沈丁花の甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「今日はホワイトデーよ。当然、お返しは用意してるんでしょうね?」
「殺してでも うばいとる!」
「何の話よッ!」
一人ガラハドごっこをしてると、何やらレミットの怒り顔が目の前に。
「何を怒っているのだ? 可愛らしい顔が怒りに歪み……いかん、それでも可愛い。惚れた弱みという奴か」
「うっ、うるさいっ! そんなことより、ホワイトデーよ、ホワイトデー! ほら、アンタみたいなバカでも感謝の気持ちくらいあるでしょ?」
「失敬な、俺はバカじゃないぞ。なぁ、友よ?」
偶然通りがかった友人に、いかに俺の頭がいいか説明を求める。
「いや、別府は馬鹿だぞ」
当然のように俺を馬鹿と言い放ち、友人は去って行った。
「…………。とまぁ、俺が秀才であることが露見しました」
「…………。そうね、よかったね」
哀れみを感じさせる口調だけど、額面通り受け取ることにした。ほら、知らない方が幸せなこともあるし。
「とにかく、お返し貰ってあげるから寄越しなさい。当然、用意してるでしょうね?」
「当たり前だろ。ほら、これだ」
ポケットから品を取り出し、机の上に置く。
「……何、コレ」
「きゃんでぃー。おいしいよ」
一つ包みを開き、口に入れる。レモンの味が口に広がった。
「……つまんない」
「はい?」
「つまんない、つまんない、つまんない! これで終わりって、アンタ私がどれだけ苦労してチョコ作ったのか分かってるの!?」
「苦労? ……俺のために?」
「そっ、そうじゃなくて、いやそうだけど……うぅ、ええと、アンタなんかが知る必要ないの! とにかく、こんなんじゃ割りに合わない!」
「ううん、苦労してくれたのは嬉しいが……金ないしなぁ」
口の中で飴を転がし、どうしたもんかと腕を組む。他にプレゼントを用意してないし、はてさてどうしよう。
「……よし。鶴と飛行機、どっちが好き?」
「折り紙なんかもらっても嬉しくないッ!」
鞄から折り紙を取り出したら、レミットに叩き落とされた。
「贅沢だなぁ……」
「こんなの貰っても誰も喜ばないわよ! いい? 今日の放課後までに何か用意しときなさい!」
「ええっ、そんな無茶な!?」
「無茶でもなんでもするの! 言っとくけど、さっきみたいなの持ってきたり、何も用意してなかったら一生口きかないからね」
レミットが去って行くのを見ながら、血の気が引くのを感じる。放課後までって、いま昼休みだからあと2時間しかないじゃん!
とにかく、考えるよりまず行動だ。俺は駆け足で廊下に飛び出した。
「あー、では授業を始める。……ん、別府いないのか。あの馬鹿、またサボリか」
チャイムが鳴って先生が教室に来ても、別府は戻ってこなかった。
……ちょっと無茶言っちゃったかな? ううん、いいよね。こんな飴しか用意してないんだもん、これくらい当然よ。
ポケットから飴を取り出し、口に入れる。……あ、おいしい。
……あいつ、何持ってくるだろ。お金ないって言ってたし、何も持ってこないかな。
「……いや、それはないか」
無駄に行動力だけはあるし、何かしら持ってくるだろうな。……変なの持ってこなきゃいいけど。
ぼんやり隣にある別府の席を見る。いつもそこにあるアイツの姿がないだけで、なんか変な感じ。
「……ミット、レミット。いないのか?」
「え、あ、はい! います!」
「何をぼーっとしてるんだ。とにかく、この問に答えてくれ」
「す、スイマセン……どのページですか?」
ぼーっとしていて、先生に呼ばれたのに気づかなかった。みんなに笑われ、恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じる。
……うぅ、これも別府のせいだ。いてもいなくても迷惑な奴。これで変なの持ってきてみろ、本当に絶交してやるから。
6時間目の授業が終わって、ホームルームも終わった。
……別府は、戻ってこなかった。面倒くさくなって家に帰っちゃったのかな? いや、鞄もここにあるし、大丈夫だいじょうぶ。
「ねぇレミットちゃん、一緒に帰らない?」
自分を納得させてると、友達が話しかけてきた。
「あ、ごめんね。私、別府の馬鹿を待ってないと」
「あー、昼休みのアレね。大変ね、別府くんも」
「なーに言ってるのかな。お返しがこれよ、これ」
私はポケットからキャンディーを取り出し、友達に見せた。
「……お返しがキャンディーって、普通じゃない?」
「で、でも、私があんな苦労してチョコ作ったのに、こんなどこにでもあるキャンディーで済まされるって、その……」
「あははっ、わがままな彼女で別府くんってば本当に大変ね」
「か、かか、彼女ぉ!? じょ、冗談じゃないわよ!」
「違うの?」
「違う違う違う! ただの友達!」
「なーんだ。別府くん、レミットちゃんに好き好きオーラ出してるし、てっきり付き合ってるものだと思ってた」
「勘弁してよ、なんであんな奴と付き合わなくちゃいけないのよ……」
友達のあんまりな言いように、思わずぐったりしてしまう。
「でも、嫌いじゃないよね?」
「ま、まぁ……と・も・だ・ち、だからね!」
友達、というのを強調して言うと、彼女は笑顔を見せた。
「あははっ、そっかぁ。じゃ、そろそろ私帰るから、頑張ってね!」
「な、何を頑張るって言うのよ!」
友達は笑顔を残して教室を出て行った。がらんとした教室に一人取り残される。
あーあ、アイツも帰ってこないし、私も帰っちゃおうかな。
……で、でも、もうちょっとだけ待ってあげてもいいよね、友達だもん。そう、友達友達。恋人じゃなくて、友達!
……ああもう、あの子が変なこと言うから意識しちゃうじゃないの。
「はぁっはぁっ……れ、レミットはいるか!?」
なんて考えてると、別府が息を切らせて教室に飛び込んできた。
「お、遅いじゃないの! もう授業終わっちゃったわよ!?」
「はぁはぁ……ほ、放課後に間に合った? セーフ?」
「アウト……と言いたいところだけど、ギリギリセーフにしてあげるわ」
別府の顔が絶望に落ちた表情から、ゆっくり安堵に満ちた表情に変化していく。ふふっ、変な顔。
「はぁ……よかった、死ぬかと思った。ちょっとプレゼント探すのに手間取ってな、遅れてゴメン。はい、プレゼント」
そう言って、別府は花束を私に渡した。
「花……?」
「や、色々探し回ったはいいが、金もないし時間もないでろくな物が見つからなくてな。で、公園でちょっと休憩してたらいい匂いがして。その元を探したらこれがあったんだ」
そう言って別府は花束を──沈丁花を指した。
「結構いい匂いだろ?」
「確かにいい香りだけど……近くで嗅ぐにはちょっと匂いが強すぎて嫌味ね」
「う……と、とりあえず今日のところはそれで我慢してくれ。また後日、ちゃんとしたプレゼント渡すから」
そう言って、別府は申し訳なさそうに笑った。
「……べ、別に、これだけでいい」
「え、いや、でも」
「綺麗だし、……それに、近くで嗅がなかったらいい匂いだもの。まるで誰かさんみたい」
「……誰かって、誰かなー?」
「ヒントを言うなら、そばにいたら迷惑だけど、遠くから見る分には面白い奴ね」
「……いやはや、誰のことかまったく分かりませんな。そんな奴いたかな?」
そう平然と言う別府だったけど、明らかに誰を指してるか分かってるな。あははっ、不満そう不満そう。
「とにかく、帰るべ。なんかもークタクタだ」
「だらしないなぁ、もう」
「お前なぁ、2時間くらい走りまわってたんだぞ? それで疲れない奴いたら見たいぞ」
「そ、それもそうね。あははっ」
……そっか、ずっと私へのプレゼント探してくれてたんだ。
「うー、足ガクガクだ……明日筋肉痛だな」
よろよろと歩く別府の後姿に、私は心の中で感謝の言葉を告げた。
……口にすると、どーせまた調子に乗るしね、コイツは。
「レミットちゃん、その花は?」
リビングの花瓶に花を生けてると、ママが帰ってきた。
「ちょっとね」
「へぇ、いい匂いね。……でも、近くで嗅ぐと匂いが強すぎるわね」
「……慣れたら、近くで嗅ぐのも悪くないわよ」
「そう?」
「うん。……えへへっ、いい匂い」
不思議そうなママをよそに、私は沈丁花の甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
【ツンデレとコンビニ行ったらポーション発見】
2010年04月11日
梓と一緒に学校から帰ってると、ノドが渇いた。
「梓、涎よこせ」
「い、いきなり何言ってるんだよぉ!?」
「ノドが渇いたんだ。キスすんのが嫌なら口開けてくれ、舌でお前の涎舐め取るから」
「タカシ妖怪みたいだよ!? ノド渇いたならそこのコンビニでなんか買えばいいじゃん!」
「お金がもったいない。ほら、口開けろ」
梓を抱き寄せ、ぐぐぐっと口を寄せる。
「おごるから! ジュースおごるから、コンビニ行こ!」
「それはありがたい」
あっさり解放すると、梓は不満そうに俺を睨んだ。
「う~……ひょっとして、最初からそれが狙い?」
「何を言っているのか皆目見当がつきません」
「う~……」
「ほれ、何うなってんだ。早く行くぞ」
「おごってもらうのに、なんでそんなに偉そうなのかなぁ……」
少し悲しそうな梓と一緒に店内へ。うろうろと徘徊してると、珍しいものを見つけた。
「梓あずさ、これこれ」
「なに……あっ、これポーションだ! へぇ、初めて見た」
「CMじゃ、これを取り合って魔法合戦してたな」
「えへへっ、くらえ、ブリザガ!」
梓はおどけて俺に手の平を向け、ブリザガと叫んだ。
「…………」
可哀想な子を見る目で見てあげる。
「なんか反応してよ! ボクがバカみたいじゃん!」
「仕方ねぇなぁ……ほれ、もう一回やってみろ」
「ちゃんとやってよ? えい、ブリザガ!」
「うお、寒い!」
叫ぶなり、近くにあったアイスを保存してるフリーザーに上半身を突っ込む。
「反応しすぎだよ! 普通でいいんだよ、普通で!」
フリーザーから俺を引きずり出し、梓は俺を叱った。
「いや、氷結魔法だし、臨場感出そうかと思って」
「いいから、普通にして!」
「分かった、次は頑張る」
「タカシが頑張るとか言うと、また変なことしないか不安だよ……」
失礼な。
「まぁいいや。えい、ブリザガ!」
「なんの、ジオンガ!」
「じおんが? ジオングの親戚?」
梓がまたとんちんかんなことを言い出した。
「そうだ。足なんて飾りということが偉い人には分からんことに腹を立て、偉い人の足を飾りにしてしまった犯罪者だ」
「へぇ……物知りだね、タカシ」
「…………」
適当ぶっこいたのに、尊敬のまなざしで見られ良心が大変痛んだ。
「お客様、店内で魔法の使用はご遠慮願います」
「あ、す、すいません……もう、タカシのせいだよ」
様子を見ていた店員に注意され、梓は顔を真っ赤にして俺を責めた。
「明らかにお前のせいだと思うが……とにかく、買ってみようぜ。どんな味か気になる」
「そだね……うわっ、高ッ! 200円だって」
「頑張れ梓、今こそ財布の封印を解く時だ!」
「……高いから、一個でいっか」
「情けないぞ、梓!」
「おごってもらっておいて偉そうなこと言わないの! これくださ~い」
俺を置いて梓はぽてぽてレジへ向かって行った。……外に出るか。
少し待ってると、梓が出てきた。
「はい、どうぞ。感謝して飲んでよね」
「くるしゅうない」
「わ、殿様だ」
「…………」
ポーションを受け取り、飲む。
「どう? どう? おいしい?」
「お、おおおおおお……おいしい?」
「なんで疑問系なんだよ!」
「ま、まぁお前も飲んでみろ」
ポーションを無理やり梓に渡す。
「えー、タカシの後? ……なんか、変な病原菌がついてそう」
「失敬な。最近の俺は便所行った後に手を洗う確率が50%を超えたり超えなかったりするんだぞ?」
「怖いよ! 一か八かだよ! 毒薬を飲む気分だよ!」
最後の言葉はたぶん合ってる。
「いーから飲め、ほれほれ」
「あぅ、つつくなよぉ……うー、間接キスかぁ」
「嫌なら直接キスしようか?」
「悪化してるよッ! もういい、飲むよ!」
顔を赤くしたまま、梓はポーションを口に含んだ。
「……うぁ、まずい」
「だよなぁ、とても好んで飲もうとは思えない味だよな」
「だったら最初からそう言えよ! なんだよ、“おいしい”とか言ったくせに!」
「物事は正確にな。“おいしい”ではなく、“おいしい?”だ。疑問系の違いは極めて大きいぞ」
「そんなレベルじゃないよ! まずいよ、鬼まずいよ!」
「しゃーねぇな、残り貸せ。飲んでやるよ」
梓からポーションを引ったくり、一気にノドに流し込む。
「うげぇ……やっぱダメだ。回復するどころかダメージ受けそうだ」
「タカシ、アンデットだったんだね」
「うう……いかん、今も胃が継続ダメージを受けてる。梓、口直しになんか作ってくれ」
「うあ、奢ってもらっておいてすごい横暴だね、タカシ」
「作ってくれないなら今すぐお前の口に舌突っ込んで口直しするが、それでも構わないと言うのだな」
「言わないよッ! ……あーもう、ホントにタカシはしょうがないなぁ。いーよ、なんか作ってあげる」
「おおっ、さすがは梓。愛と正義のボクっ娘とはよく言ったものだ」
「言わないよッ!」
怒りながらも、それでも楽しそうな梓と一緒に帰宅した。
「梓、涎よこせ」
「い、いきなり何言ってるんだよぉ!?」
「ノドが渇いたんだ。キスすんのが嫌なら口開けてくれ、舌でお前の涎舐め取るから」
「タカシ妖怪みたいだよ!? ノド渇いたならそこのコンビニでなんか買えばいいじゃん!」
「お金がもったいない。ほら、口開けろ」
梓を抱き寄せ、ぐぐぐっと口を寄せる。
「おごるから! ジュースおごるから、コンビニ行こ!」
「それはありがたい」
あっさり解放すると、梓は不満そうに俺を睨んだ。
「う~……ひょっとして、最初からそれが狙い?」
「何を言っているのか皆目見当がつきません」
「う~……」
「ほれ、何うなってんだ。早く行くぞ」
「おごってもらうのに、なんでそんなに偉そうなのかなぁ……」
少し悲しそうな梓と一緒に店内へ。うろうろと徘徊してると、珍しいものを見つけた。
「梓あずさ、これこれ」
「なに……あっ、これポーションだ! へぇ、初めて見た」
「CMじゃ、これを取り合って魔法合戦してたな」
「えへへっ、くらえ、ブリザガ!」
梓はおどけて俺に手の平を向け、ブリザガと叫んだ。
「…………」
可哀想な子を見る目で見てあげる。
「なんか反応してよ! ボクがバカみたいじゃん!」
「仕方ねぇなぁ……ほれ、もう一回やってみろ」
「ちゃんとやってよ? えい、ブリザガ!」
「うお、寒い!」
叫ぶなり、近くにあったアイスを保存してるフリーザーに上半身を突っ込む。
「反応しすぎだよ! 普通でいいんだよ、普通で!」
フリーザーから俺を引きずり出し、梓は俺を叱った。
「いや、氷結魔法だし、臨場感出そうかと思って」
「いいから、普通にして!」
「分かった、次は頑張る」
「タカシが頑張るとか言うと、また変なことしないか不安だよ……」
失礼な。
「まぁいいや。えい、ブリザガ!」
「なんの、ジオンガ!」
「じおんが? ジオングの親戚?」
梓がまたとんちんかんなことを言い出した。
「そうだ。足なんて飾りということが偉い人には分からんことに腹を立て、偉い人の足を飾りにしてしまった犯罪者だ」
「へぇ……物知りだね、タカシ」
「…………」
適当ぶっこいたのに、尊敬のまなざしで見られ良心が大変痛んだ。
「お客様、店内で魔法の使用はご遠慮願います」
「あ、す、すいません……もう、タカシのせいだよ」
様子を見ていた店員に注意され、梓は顔を真っ赤にして俺を責めた。
「明らかにお前のせいだと思うが……とにかく、買ってみようぜ。どんな味か気になる」
「そだね……うわっ、高ッ! 200円だって」
「頑張れ梓、今こそ財布の封印を解く時だ!」
「……高いから、一個でいっか」
「情けないぞ、梓!」
「おごってもらっておいて偉そうなこと言わないの! これくださ~い」
俺を置いて梓はぽてぽてレジへ向かって行った。……外に出るか。
少し待ってると、梓が出てきた。
「はい、どうぞ。感謝して飲んでよね」
「くるしゅうない」
「わ、殿様だ」
「…………」
ポーションを受け取り、飲む。
「どう? どう? おいしい?」
「お、おおおおおお……おいしい?」
「なんで疑問系なんだよ!」
「ま、まぁお前も飲んでみろ」
ポーションを無理やり梓に渡す。
「えー、タカシの後? ……なんか、変な病原菌がついてそう」
「失敬な。最近の俺は便所行った後に手を洗う確率が50%を超えたり超えなかったりするんだぞ?」
「怖いよ! 一か八かだよ! 毒薬を飲む気分だよ!」
最後の言葉はたぶん合ってる。
「いーから飲め、ほれほれ」
「あぅ、つつくなよぉ……うー、間接キスかぁ」
「嫌なら直接キスしようか?」
「悪化してるよッ! もういい、飲むよ!」
顔を赤くしたまま、梓はポーションを口に含んだ。
「……うぁ、まずい」
「だよなぁ、とても好んで飲もうとは思えない味だよな」
「だったら最初からそう言えよ! なんだよ、“おいしい”とか言ったくせに!」
「物事は正確にな。“おいしい”ではなく、“おいしい?”だ。疑問系の違いは極めて大きいぞ」
「そんなレベルじゃないよ! まずいよ、鬼まずいよ!」
「しゃーねぇな、残り貸せ。飲んでやるよ」
梓からポーションを引ったくり、一気にノドに流し込む。
「うげぇ……やっぱダメだ。回復するどころかダメージ受けそうだ」
「タカシ、アンデットだったんだね」
「うう……いかん、今も胃が継続ダメージを受けてる。梓、口直しになんか作ってくれ」
「うあ、奢ってもらっておいてすごい横暴だね、タカシ」
「作ってくれないなら今すぐお前の口に舌突っ込んで口直しするが、それでも構わないと言うのだな」
「言わないよッ! ……あーもう、ホントにタカシはしょうがないなぁ。いーよ、なんか作ってあげる」
「おおっ、さすがは梓。愛と正義のボクっ娘とはよく言ったものだ」
「言わないよッ!」
怒りながらも、それでも楽しそうな梓と一緒に帰宅した。
【あしかちなみん】
2010年04月11日
学校終了。家に帰り、自室のドアを開ける。アシカ発見。
そっとドアを閉めると、すごい勢いでドアが開き、顔面を思い切りドアにぶつけた。
「ぐああああ! 鼻、鼻もげる!」
「……なにか一言あっても罰は当たらないと思うアシカなのです」
痛みで廊下を転がってると、のっそりのっそりアシカがこっちにやってきた。
「それどころじゃねえ! すげー痛い!」
「……アシカです。あぅっ、あぅっ」
痛みを訴えてるのに、ちなみときたらアシカだと言いながら俺の顔をひれでぺしぺし叩くばかり。叩くな。なんでちょっと濡れてんだ。
「……アシカとオットセイは間違いやすいので、注意が必要なのです」
「知らん。興味ない」
「……えい」
「ぐげっ」
ちなみは器用にひれを用い、俺のノドを貫いた。
「……興味、深々?」
「……は、はい、どういうことなのか知的好奇心が訴えております」
どんな手段を用いても自分のシナリオ通りにさせようとするちなみに、恐怖を感じないでもない。
「……ええと、アシカとオットセイは……まぁ、似たようなもんです」
「ええっ!? 人に地獄突きしておいてそんなオチ!?」
「……えい」
「ぐげっ」
ひれが俺のノドを再び貫く。意見すると飛んでくるようだ。
「……そんなのどうだっていいのです。……ほら、ピクピクしてないで話聞いてください」
ちなみはピクピクしてる俺の脚を持ち、部屋に連れ込んだ。
「うう……ちなみが怖い」
「……アシカは、ハーレムを形成します。……人間がそれを形成すると去勢されるという噂です」
「お、俺は関係ないよね?」
にやりと暗い笑みを浮かべるちなみがもう怖すぎる。
「……アシカちなみとしては、ハーレム反対です。……やはり、一対一が基本だと思うのです」
「ま、まったくです!」
「……だというのに、目の前のタカシとかいうオスは他の子にデレデレデレデレする体たらく。……去勢されても仕方ないです」
「いいい異議あり! デレデレなんてしてません! notデレデレ!」
「……今日、日直の子を手伝ってました。……なんだか、楽しそうに笑ってました」
……あー、アレか。
「それは別にデレデレとかじゃなくて、単に日直の片割れが休んでたから、手伝っただけだぞ?」
「……誰にでも優しいのは、嫌です。……私だけ優しくするべきです」
そう言って、ちなみは俺の胸にぽふりと飛び込んだ。……うーん、ぬるぬる。
「や、でも目の前に困ってる奴がいて、自分が何かできるなら助けるだろ?」
「……タカシは、なんだかもやもやして困ってる私を助けてはくれないのですか?」
「うん」
「…………」
ちなみは泣きそうな目で俺を見た。
「冗談だよ、わがまま娘」
アシカをぎゅっと抱きしめる。……うーん、やっぱりぬるぬる。
「うう……タカシのくせに私をいじめるなんて、十年早いです」
そう言いながら、ちなみは俺の胸に顔をぐりぐり押し付けた。頭を優しくなでると、ちなみはうっとりしたように息を漏らした。
「はふぅ……うう、タカシになでられると、困ってしまうくらい気持ちいいです」
「んじゃ止めようか?」
「……うう、やっぱりタカシはいじわるです。……もっと、なでてください」
「りょーかい、アシカ姫」
ちなみの頭をなでながら、髪を軽く手で梳く。ちなみの髪はサラサラで、とても気持ちよかった。
「あぅぅ……おかしいです、最初は私が主導権を握っていたはずなのに……なんだか、タカシのいいようにされてるようです」
「嫌か?」
「嫌じゃない、……ということにしておきます」
そう言って、ちなみは俺に頭を預けるのだった。
そっとドアを閉めると、すごい勢いでドアが開き、顔面を思い切りドアにぶつけた。
「ぐああああ! 鼻、鼻もげる!」
「……なにか一言あっても罰は当たらないと思うアシカなのです」
痛みで廊下を転がってると、のっそりのっそりアシカがこっちにやってきた。
「それどころじゃねえ! すげー痛い!」
「……アシカです。あぅっ、あぅっ」
痛みを訴えてるのに、ちなみときたらアシカだと言いながら俺の顔をひれでぺしぺし叩くばかり。叩くな。なんでちょっと濡れてんだ。
「……アシカとオットセイは間違いやすいので、注意が必要なのです」
「知らん。興味ない」
「……えい」
「ぐげっ」
ちなみは器用にひれを用い、俺のノドを貫いた。
「……興味、深々?」
「……は、はい、どういうことなのか知的好奇心が訴えております」
どんな手段を用いても自分のシナリオ通りにさせようとするちなみに、恐怖を感じないでもない。
「……ええと、アシカとオットセイは……まぁ、似たようなもんです」
「ええっ!? 人に地獄突きしておいてそんなオチ!?」
「……えい」
「ぐげっ」
ひれが俺のノドを再び貫く。意見すると飛んでくるようだ。
「……そんなのどうだっていいのです。……ほら、ピクピクしてないで話聞いてください」
ちなみはピクピクしてる俺の脚を持ち、部屋に連れ込んだ。
「うう……ちなみが怖い」
「……アシカは、ハーレムを形成します。……人間がそれを形成すると去勢されるという噂です」
「お、俺は関係ないよね?」
にやりと暗い笑みを浮かべるちなみがもう怖すぎる。
「……アシカちなみとしては、ハーレム反対です。……やはり、一対一が基本だと思うのです」
「ま、まったくです!」
「……だというのに、目の前のタカシとかいうオスは他の子にデレデレデレデレする体たらく。……去勢されても仕方ないです」
「いいい異議あり! デレデレなんてしてません! notデレデレ!」
「……今日、日直の子を手伝ってました。……なんだか、楽しそうに笑ってました」
……あー、アレか。
「それは別にデレデレとかじゃなくて、単に日直の片割れが休んでたから、手伝っただけだぞ?」
「……誰にでも優しいのは、嫌です。……私だけ優しくするべきです」
そう言って、ちなみは俺の胸にぽふりと飛び込んだ。……うーん、ぬるぬる。
「や、でも目の前に困ってる奴がいて、自分が何かできるなら助けるだろ?」
「……タカシは、なんだかもやもやして困ってる私を助けてはくれないのですか?」
「うん」
「…………」
ちなみは泣きそうな目で俺を見た。
「冗談だよ、わがまま娘」
アシカをぎゅっと抱きしめる。……うーん、やっぱりぬるぬる。
「うう……タカシのくせに私をいじめるなんて、十年早いです」
そう言いながら、ちなみは俺の胸に顔をぐりぐり押し付けた。頭を優しくなでると、ちなみはうっとりしたように息を漏らした。
「はふぅ……うう、タカシになでられると、困ってしまうくらい気持ちいいです」
「んじゃ止めようか?」
「……うう、やっぱりタカシはいじわるです。……もっと、なでてください」
「りょーかい、アシカ姫」
ちなみの頭をなでながら、髪を軽く手で梳く。ちなみの髪はサラサラで、とても気持ちよかった。
「あぅぅ……おかしいです、最初は私が主導権を握っていたはずなのに……なんだか、タカシのいいようにされてるようです」
「嫌か?」
「嫌じゃない、……ということにしておきます」
そう言って、ちなみは俺に頭を預けるのだった。
【ツンデレと一緒にいるところを目撃されたら】
2010年04月10日
先日、ちなみと恋仲になった。その記念に、二人きりで映画に行きたいと言う。
断る理由はないので行こうとするのだが、休日前になるとちなみが泊まりに来て、翌日もイチャイチャするというループを繰り返し、とうとう映画最終日になってしまった。
「今日こそ映画に行くぞ!」
「……むー、眠い。……そんなことより、イチャイチャしよ?」
「む、ぐ……の、NO! 今日こそ映画!」
最大限の理性を駆使し、甘い誘惑を振り切る。
「……うう、イチャイチャしたいのに」
「我慢! 映画今日までなんだから、今日逃すともう見れないぞ?」
「……ビデオになるの待つ、とか」
「記念に観に行きたい、って言ったろーが! はいはい、準備準備!」
「……うー」
不満げにうなりながらも、ちなみはもたもたとパジャマを脱ぎ始めた。
「男の前で着替えないッ!」
「……タカシの前だし、別にいい」
下着姿のまま、こともなげにちなみは言った。
「よくないの! 恥じらいは忘れずに!」
「……ちゅーする仲だと言うのに、タカシはまだまだ照れ屋さんだ」
「廊下で待ってるから、着替え終わったら言うように!」
「……顔、真っ赤」
聞こえないフリして、廊下に飛び出す。全く、なんというか、その……困る。
「……着替え、終わった」
程なく、ちなみがドアを半分だけ開けて顔を見せた。
「よし、じゃ行くか」
「……タカシ、パジャマだけど、いいの?」
「……少しだけ待っててください」
急いで着替え、ドアの前で待ってるちなみに声をかける。
「じゃ、行くか」
「……ご飯は?」
「まだ映画始まるまで時間あるし、どっかで食っていこう」
ちなみと一緒に家を出る。寒いものの、雲一つない気持ちのいい天気だった。
「いい天気だ。ちっと寒いけど」
「……うう、ちっとじゃない。……すごい寒い」
ちなみはぶるりと震え、俺の上着ポケットに手を入れた。
「……ほら、タカシもポケットに手入れる」
言われた通り手を入れると、ポケットの中でちなみが手を握ってきた。
「……ん、これで心も体もポカポカ」
ちなみはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。思わずこっちまでにやけてしまう。
「……変な顔」
「失礼な、稀代の美男子を捕まえて」
「……おかしい、タカシの家に鏡あったと思うんだけど」
さりげなく傷つきながら歩いてると、偶然かなみに会った。気づいた瞬間、ちなみは素早くポケットから手を抜いてしまった。
「ありゃ、タカシにちなみじゃない。こんな朝っぱらから、何やってんの?」
「ああ、ちょっとちなみと映がぁッ!」
突然、ちなみが俺の尻を捻りあげた。
「ど、どしたの? いきなり叫んだりして」
「い、いや、ちょっと……」
「……タカシがいきなり叫んだりするのは、いつものこと。……いつも通り、変」
ちなみは冷淡に俺を見た。学校で俺を見る時の、いつもの目だ。
「へ、変じゃない! そうだよな、かなみ?」
「はいはい。で、ちなみ。二人でどこ行くの?」
「……そこで偶然会っただけ。……タカシと一緒なんて、考えられない」
「ええっ!?」
聞き返さずにはいられないような台詞がちなみの口から飛び出した。
「なんでアンタが驚いてんのよ……。ま、学校でタカシの相手するだけでも疲れるのに、休日まで相手するわけないか」
「……その通り。……たぶん、タカシはこの後、一人でえっちな本を買いに行くと見た」
「行かない! 俺は映ぐぁッ!」
また尻をつねられた。
「……何か?」
「な、なんでもないです」
ちなみの冷たい視線に貫かれ、何も言えない。うぅ……怖い。
「……あのさ、気のせいかもしれないんだけど、なんか二人して隠してない?」
「……気のせい。だいたい、タカシと私の間に秘密なんてあるはずもない」
「それもそっか。ごめんね、ちなみ」
「……気にしてない」
色々言いたいけど、また尻の痛みを味わうのは嫌なので我慢。
「んじゃね、二人とも。あたし、コンビニ行く途中だから」
「……ん。……ばいばい、また明日」
かなみは手を振って俺たちと別れた。姿が見えなくなった瞬間、ちなみの手が俺のポケットの中に入ってきた。
「……ちょっと、びっくりした。……まさか、かなみちんと会うなんて」
「近所に住んでるみたいだからな。けど、俺はちなみの豹変ぶりの方が驚いた。……ひょっとして、本当は俺のこと嫌いか?」
「そ、そんなわけない! そ、その、一緒に映画行くとか言ったら、付き合ってるかなって思われるかもしれないし……」
「別にいいじゃん、事実なんだし」
「……そうだけど、なんか、恥ずかしい」
「んー……まぁ、確かに俺は自慢できるような彼氏じゃないからな」
「ち、違う! そうじゃなくて、その、ええとええと……うう、なんて言ったらいいんだろ。とにかく、タカシは自慢できる彼氏。……それは、胸張って言える」
「んじゃ、かなみに言ってもよかったんでは?」
「……うう、そうなんだけど、……うう」
ま、いいか。嫌われてないなら、それでいい。
「んじゃ、ぼちぼち飯食いに行くか」
「あ……うん。……ごめんね」
「何を謝ってのやら。いいから飯食いに行くぞ」
「……ん、分かった。……優しいね、タカシ」
小さく笑って、ちなみはポケットの中で俺の手をぎゅっと握った。
「何の話だか」
うそぶきながら、俺もポケットの中でちなみの手を握り返した。
断る理由はないので行こうとするのだが、休日前になるとちなみが泊まりに来て、翌日もイチャイチャするというループを繰り返し、とうとう映画最終日になってしまった。
「今日こそ映画に行くぞ!」
「……むー、眠い。……そんなことより、イチャイチャしよ?」
「む、ぐ……の、NO! 今日こそ映画!」
最大限の理性を駆使し、甘い誘惑を振り切る。
「……うう、イチャイチャしたいのに」
「我慢! 映画今日までなんだから、今日逃すともう見れないぞ?」
「……ビデオになるの待つ、とか」
「記念に観に行きたい、って言ったろーが! はいはい、準備準備!」
「……うー」
不満げにうなりながらも、ちなみはもたもたとパジャマを脱ぎ始めた。
「男の前で着替えないッ!」
「……タカシの前だし、別にいい」
下着姿のまま、こともなげにちなみは言った。
「よくないの! 恥じらいは忘れずに!」
「……ちゅーする仲だと言うのに、タカシはまだまだ照れ屋さんだ」
「廊下で待ってるから、着替え終わったら言うように!」
「……顔、真っ赤」
聞こえないフリして、廊下に飛び出す。全く、なんというか、その……困る。
「……着替え、終わった」
程なく、ちなみがドアを半分だけ開けて顔を見せた。
「よし、じゃ行くか」
「……タカシ、パジャマだけど、いいの?」
「……少しだけ待っててください」
急いで着替え、ドアの前で待ってるちなみに声をかける。
「じゃ、行くか」
「……ご飯は?」
「まだ映画始まるまで時間あるし、どっかで食っていこう」
ちなみと一緒に家を出る。寒いものの、雲一つない気持ちのいい天気だった。
「いい天気だ。ちっと寒いけど」
「……うう、ちっとじゃない。……すごい寒い」
ちなみはぶるりと震え、俺の上着ポケットに手を入れた。
「……ほら、タカシもポケットに手入れる」
言われた通り手を入れると、ポケットの中でちなみが手を握ってきた。
「……ん、これで心も体もポカポカ」
ちなみはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。思わずこっちまでにやけてしまう。
「……変な顔」
「失礼な、稀代の美男子を捕まえて」
「……おかしい、タカシの家に鏡あったと思うんだけど」
さりげなく傷つきながら歩いてると、偶然かなみに会った。気づいた瞬間、ちなみは素早くポケットから手を抜いてしまった。
「ありゃ、タカシにちなみじゃない。こんな朝っぱらから、何やってんの?」
「ああ、ちょっとちなみと映がぁッ!」
突然、ちなみが俺の尻を捻りあげた。
「ど、どしたの? いきなり叫んだりして」
「い、いや、ちょっと……」
「……タカシがいきなり叫んだりするのは、いつものこと。……いつも通り、変」
ちなみは冷淡に俺を見た。学校で俺を見る時の、いつもの目だ。
「へ、変じゃない! そうだよな、かなみ?」
「はいはい。で、ちなみ。二人でどこ行くの?」
「……そこで偶然会っただけ。……タカシと一緒なんて、考えられない」
「ええっ!?」
聞き返さずにはいられないような台詞がちなみの口から飛び出した。
「なんでアンタが驚いてんのよ……。ま、学校でタカシの相手するだけでも疲れるのに、休日まで相手するわけないか」
「……その通り。……たぶん、タカシはこの後、一人でえっちな本を買いに行くと見た」
「行かない! 俺は映ぐぁッ!」
また尻をつねられた。
「……何か?」
「な、なんでもないです」
ちなみの冷たい視線に貫かれ、何も言えない。うぅ……怖い。
「……あのさ、気のせいかもしれないんだけど、なんか二人して隠してない?」
「……気のせい。だいたい、タカシと私の間に秘密なんてあるはずもない」
「それもそっか。ごめんね、ちなみ」
「……気にしてない」
色々言いたいけど、また尻の痛みを味わうのは嫌なので我慢。
「んじゃね、二人とも。あたし、コンビニ行く途中だから」
「……ん。……ばいばい、また明日」
かなみは手を振って俺たちと別れた。姿が見えなくなった瞬間、ちなみの手が俺のポケットの中に入ってきた。
「……ちょっと、びっくりした。……まさか、かなみちんと会うなんて」
「近所に住んでるみたいだからな。けど、俺はちなみの豹変ぶりの方が驚いた。……ひょっとして、本当は俺のこと嫌いか?」
「そ、そんなわけない! そ、その、一緒に映画行くとか言ったら、付き合ってるかなって思われるかもしれないし……」
「別にいいじゃん、事実なんだし」
「……そうだけど、なんか、恥ずかしい」
「んー……まぁ、確かに俺は自慢できるような彼氏じゃないからな」
「ち、違う! そうじゃなくて、その、ええとええと……うう、なんて言ったらいいんだろ。とにかく、タカシは自慢できる彼氏。……それは、胸張って言える」
「んじゃ、かなみに言ってもよかったんでは?」
「……うう、そうなんだけど、……うう」
ま、いいか。嫌われてないなら、それでいい。
「んじゃ、ぼちぼち飯食いに行くか」
「あ……うん。……ごめんね」
「何を謝ってのやら。いいから飯食いに行くぞ」
「……ん、分かった。……優しいね、タカシ」
小さく笑って、ちなみはポケットの中で俺の手をぎゅっと握った。
「何の話だか」
うそぶきながら、俺もポケットの中でちなみの手を握り返した。


