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2026年03月19日
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【朝起こしにきたツンデレに「ちゅーしてくれたら起きる」と言ってみた】

2010年03月13日
 朝なので起きないといけないけど、なんだか非常に眠い。だから今日は学校休み。決定。
「おい、起きろ愚図」
 今日は休日だとさっき決まったのに、俺の体を揺する奴がいる。
「うーん……今日は休みだぞ。なんでも、どこかの偉い人が眠いから今日は休みにしようと」
「いいから起きろ莫迦。飯を食う時間がなくなるぞ」
 それはダメだ。ご飯はとても大事だからね。だがしかし、今の俺は非常に眠まっているので起きるのは大変面倒だ。うーんうーんうーん、そうだ。
「ちゅーしてくれたら起きる」
「断る」
 1秒と経たず返って来た答えに、がっかりする。
「何故貴様なぞに接吻せねばならん。想像しただけで胸に不快感が込み上げてくる」
 がっかりどころか泣きそうになってきた。
「分かった起きる起きるからそれ以上言わないで泣くぞ!」
「もう泣いておる。まったく、いくつになっても情けない奴だ」
 そう言って、俺を起こそうとしていた奴──みことは部屋から出て行った。
「……もーちっと優しくしてくれてもいいと思うんだけど、どうだろう?」
 床で丸まってる猫に問いかけると、ため息を吐かれた。猫にまで馬鹿にされた。
「あー……やる気出ねぇ」
 ぐだぐだ言いながら着替え、台所に入る。ちょうどみことが卵を割っていた所だった。
「む、卵を割るところから察するに……玉子焼きだな?」
「目玉焼きだ」
 制服にエプロンをつけたみことが、フライパンに生卵を落としながら言った。じゅうという音が台所に響く。
「半熟がいい。なぜ半熟がいいというと、とろっとした黄身は俺の好物であり」
「知ってる。いいから席に着いてろ。後ろでちょろちょろされると邪魔だ」
 いらんもの扱いされたので、復讐とばかりにみことのスカートを……
「分かってると思うが、スカートをめくると朝食はなくなるぞ」
 ……スカートについた埃を払い、ぎこちなく席に着く。……危ういところだった。
 リモコンを手に取り、テレビのスイッチを入れる。
『今日は暑い! 真夏日って奴ですゼ旦那! 6月なのにこの気温……7月には暑さで人類絶滅やも!』
 近頃のニュースはおかしいなあと思いながらテレビをぼんやり見てると、みことが皿と茶碗を両手に持ってやってきた。
「ほれ」
「ん」
 ご飯と目玉焼きを受け取り、いただきます。
「むぐむぐ……もう一品くらい欲しい。みそ汁とか」
「以前作ったが、全部食べなかったではないか」
「だって、その時中に刺身入ってたぞ? みそ汁の具が刺身って、ありえないだろ」
「夕食の残りだ。残しては勿体無いだろうが」
「……おばあちゃんめ」(ぼそり)
「聞こえたぞ! 誰がおばあちゃんだ!」
「お、俺! 俺がおばあちゃん! 将来の夢は駄菓子屋!」
 華麗な言い訳でやり過ごす。
「そんなわけないだろうが、たわけめ!」
 失敗。怒られた。
「まったく、飯を作ってもらっている立場のくせに、文句ばかり言いおって……」
「や、それは純粋に感謝してる。みことが作る飯、おいしいし」
「……ふ、ふん。貴様なんぞに褒められたところで、気持ち悪いだけだ」
 なんて言いながらも、みことの口元は少し上がっていた。
「色々世話してくれるのはいいんだけど、ちょっとでいいから可愛げがあったらなあ……はぁ」
「我にそんなもの、あるわけないだろうが。それが嫌なら、普通の可愛げある女性に世話を頼むんだな」
「俺の学校での女性陣からの扱いを知っての台詞なら、今のは言葉による暴力です」
「……なんだ、気づいておらんのか。……ふふっ」(ぼそり)
「よく聞こえない。もう一度大きな声で……あ、その前におかわり」
「ああ、分か……むっ、時間だ。行くぞ」
「ご飯おかわり」
「時間だと言っている!」
「それでもおかわりたい!」
「いいから行くぞ莫迦!」
 みことに手を引っ張られ、茶碗を持ったまま学校へ行きました。

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【何だか酷く眠いので、ツンデレに膝枕をねだってみたら】

2010年03月13日
「なんだか眠いので、ここは一つボクっ娘の膝枕で寝てみよう。それにはまずボクっ娘をいい気にさせる必要があるため、世辞の一つでも言わねばならない。膝枕のためとはいえ、ボクっ娘に世辞を言うのは非常に憂鬱だ」
「じゃあ言わなきゃいいじゃん! ていうかそーゆーことは本人の目の前で言うなっ! あと、何回も何回も言ってるけどボクっ娘ってゆーな!」
 梓の家に来た途端眠くなってこのザマです。さて、褒めよう。
「最近梓の爪って短いよな。いい爪切り持ってんだな。……よし、褒めた!」
「それ褒めてない! コンビニで買った普通の爪切り! ほら、褒める場所なんてもっとあるじゃん? ボーイッシュな所が可愛いとか、控えめな胸が好みだとか、人よりやや小さいところがたまらんとか……ね?」
「ふぅ……さてと。膝枕して」
「まだ世辞言われてないっ! やり切った男の顔すんなっ!」
「眠ぃんだよ……ふわあああ」
「口も隠さないでアクビしてぇ……それにしても、おっきな口だね。手、入るかな?」
 手を握って俺の口の中に入れようとするので、べろりと舐めてやる。
「うわわわわ! な、なめた! ボクの手舐めた!」
「うぐぐ、梓の手に生えてる毛が口の中に。まるで意思を持っているかのように、剛毛がのどちんこにからみつく」
「毛なんて生えてない! い、いや、そりゃ産毛は生えてるけど、剛毛じゃないよ! ほら見てほらほら!」
 梓が手をぐりぐり目に押し付けてくる。痛い。
「分かった分かった。梓はまだ生えてないと。パイパンと」
「なななっ、何の話だよっ! は、生えてるよっ! ……ちょっとだけど」
「ほう。確認のため見せて」
「みっ、見せるわけないだろ、ばかっ!」
「じゃあ膝枕。断ると下の毛検査になります」
「どんな選択肢なんだよっ! タカシ横暴だよ、横暴王だよ!」
「いいからひざまくらー。いやなら胸枕でも……あ、いや、なんでもない。ごめん」
「ボクの胸見て謝った!? タカシ失礼が過ぎるよ!」
「平らな所だと、熟睡できないんだ」
「つるぺたいと!? かちーんときたよ! もー絶対膝枕なんてしてやんない!」
「がーん」
「ふふ、ショック受けてるよ。やーいやーい、いい気味だよ」
「しょうがない。梓、ベッド借りるぞ」
 膝枕の方がよかったのだけど、無理なら仕方ない。ベッドに転がり、目をつむる。
「え……あれ、もう諦めるの? 諦めたらそこで試合しゅーりょーですよって、デブい人が言ってたよ?」
「デブい人の教えには何が何でも逆らえというのか別府家の家訓なんだ」
「また適当言ってぇ……ね、ホントにいいの? 膝枕、してほしかったんじゃないの?」
「眠気の勝利。もうダメ。ぱたり」
「……むー」
 不満そうな唸り声が聞こえたと思った瞬間、俺の顔に柔らかい何かが何度も叩きつけられた。
「いていて、いや本当は柔らか素材なので痛くないけど、なんか叩かれると痛いと言いがちな人間ですこんにちは」
 目を開けると、クッションを持った梓が俺の隣に座っていて、不満そうな顔をぶらさげていた。
「普通の人だったらさ、怒ってる人放って寝たりしないよ。ボク怒ってるんだから、ちゃんと謝るなりなんなりしてから寝てよ」
「んー、なんか分からんが、ごめん?」
「なんで疑問系なんだよ!」
「あーもー眠いんだよ。どうしろと言うのだ小童め」
「……え、えと、タカシは膝枕してほしいんだよね? だったらさ、ボクの出す交換条件に乗ったら、やってあげなくも」
「乗った」
「早ッ! まだ何の条件も出してないのに、いいの?」
「眠いので、早く膝枕をして欲しいです」
「わ、分かったよ。……で、でも、後で出すボクの条件に、ちゃんと応えないとダメだかんね! 絶対だかんね!」
 なんか言ってるけど、もう眠気がMAXを越しまくりなのでイモムシのように這いずって梓の膝に辿り着く。
「タカシ、瀕死のシャクトリムシみたい」
「ぐぅぐぅ」
「わ、膝枕した途端寝ちゃった。……へへ、ぷにぷに」
 頬を押されてるような、そんな。

「……ん、むぅ……」
「あ、起きた? タカシってば、どれだけ寝てるんだよ。ボク、足しびれちゃったよ」
「……んー、む」
「まだ寝てるね。ほら、起きて起きて。次はボクのお願い聞いてもらう番だからね」
「あー……分かった。ギャルのパンティをおまえに贈ろう」
「そんなお願いしてないっ! ほら、起っき起っき」
 座らされたが、まだ眠いので体ぐにゃぐにゃ頭まわらない梓犬っぽい。
「ええとね、ボクのお願いは」
「ぐー」
「また寝てる! もうっ、起ーきーろっ!」
 体を揺らされたので目を開けると、目の前に梓の顔がどアップでした。
「ぶちゅー」
「ふひゃっ!?」
 なので、鼻にキスしてみる。理由? 眠い人にそんなことを聞くのは野暮ってもんだろうが!(逆切れ)
「はっ、はな! ボクの鼻にちゅーした!」
「俺が、梓の鼻にキスを? はは、馬鹿な」
「しただろ! 嘘つくなよ! ちゅーってしたじゃん!」
「前世の記憶が蘇ったので、つい」
「ぜんせ? 鼻にキスする人……なに?」
「鼻にキスするマン」
「…………」
「寝起きだとこんなもんですよ?」
「うるさいっ! あーもーいいからボクのお願い聞くの! いい? いいね!」
「あい」
「じゃ、じゃあ……えっと、えっと、……えっとね、深い意味はないよ? ないけど、その……」
「鼻にキスか。ずいぶん気に入ったんだな」
「違うっ! ぎゅーってしてほしいの!」
「…………」
「……な、なんだよ。いいだろ別にっ! ぎゅーくらい、いいじゃん!」
「や、まあいいけど」
「“けど”なんだよっ! 思ったこと全部言えよっ!」
「梓は俺のことが大好きなんだなあと思った」
「ぜっ、ぜぜぜ、全然! まったく! ちっともだよ! な、なーにを言ってるのかな、この人は。勘違いも甚だしいよ」
「梓の顔は見てるこっちが気の毒になるほど真っ赤になっていたが、俺は優しいキャラで売ってるので黙っておくことに決めた」
「メチャ言ってるよぉ!? タカシ優しいフリして、すっごくいじわるだよ!」
「で、どうします? 俺としてはぎゅーとしても構いませんが。というか、したいですが。さらに、ぎゅーからすりすりへ移行し、頭なでなでへのコンボになるやもしれませんが」
「な、なにその致死コンボ! ……い、いいの?」
「もちろん。梓のためなら、なんだってしてあげたいからさ」
 一瞬間を置いてから、梓の顔がボンという音を立てて赤くなった。
「な、ななななな、なにを言ってんだよお!? そ、そんな……ば、ばかじゃないの? ぼ、ボクのためならって……は、はぅぅ」
「や、膝枕してもらったから、その分はなんだってしてあげないと」
「……あ、そ、そうだよね。そういう意味だよね。……もっ、勿論分かってたよ! 他の意味で捉えたりなんてしてないし!」
「はぁ」
「ほ、ほら、そんなのいいから早くぎゅーしてよ! ……ちょ、ちょっと誰かにぎゅーってされたいからお願いしただけだからね! 別に誰でもよかったんだけど、近くにいたのタカシだけだったから!」
「じゃあ、今から友達に連絡してみよ」
 携帯を取り出しボタンを押すフリをしたら、素早くもぎ取られ、窓から捨てられた。
「携帯なくなっちゃったから無理! ほら、早く!」
「……軽い冗談に、すごい対応をしますね、梓たん」
「いいから早くしろっ!」
「あー、はいはい。むぎゅー」
 梓の小さな体を、すっぽり包み込むようにぎゅっと抱きしめる。
「は、はぅぅ……」
「はうう」
「……な、なんだよ。ちょっと声が漏れただけだよ」
 目を逸らしながら、少し恥ずかしそうに梓は言った。
「むぎゅー」
「は、はぅぅ……」
「はうう」
「…………」
「はうう」
「タカシのいじわるいじわるいじわる! タカシって超いじわるだよ!」
「むぎゅー」
「は、はぅぅ……」
「……あー、もう! 可愛いなあコンチクショウ!」
 辛抱たまらなくなって、梓にほおずりする。ぷにぷにだ。
「うぅぅぅぅ……タカシなんて嫌いだよぉ!」
 割とかなりすごく楽しい一日でした。

拍手[13回]

【みこメイド2】

2010年03月13日
 みことがメイドとして我が家で働いているのだけど、なぜか嫌われている。俺だけが。
「他のメイドや執事たちには笑顔で接してるのに、なんで俺相手だと怒ってるのかなあ」
「こういうことをしているからだ、たわけっ!」
 掃除中のみことに後ろから抱きついておっぱいを揉んだら、何度も何度も何度も踏まれた。
「踏むことで俺にM属性を開花させようという目的か……負けん、負けんぞ!」
「そんな目的あるかっ! この馬鹿主めが!」
 全体的に体が平べったくなったところで、ようやっとみことは俺を踏むのをやめてくれた。
「いいか、もう私に近寄るな」
「断る! なぜなら、俺はみことの主! 君が主で執事が俺ではなく、君がメイドで主が俺! 故に、俺はみことに寄りまくる。みこりーん♪」
 ぎゅいーんとみことに寄ったら、相撲の要領でうっちゃられ、窓から捨てられた。ここ2階。
「不要物は捨てるべきだ」
 みことのそんな声を聞きながら、自由落下を堪能の後、尻を痛打。

「うーん……なんでこんな嫌われてるのかなあ」
 尻をさすりながら廊下をほろほろ歩いてると、執事の千葉に会った。
「丁度いい。千葉、みことをメロメロにさせる策はないか?」
「策……ですか? そんなことをせずとも、強引に迫ればいいではないですか。この館の中では、どんなことでもご主人様の思いのままですよ」
「それじゃ性欲が満たされるだけで、愛がないだろうが! こう、みことが頬染めて『せんぱい……お弁当、作ってきました。よかったら、その……きゃっ、言えない♪』とかそんな風な感じに! なりたいんです! 俺は!」
「今日も気持ち悪いですね、ご主人様」
 にっこり笑顔で言われて、俺はもうどうしたら。
「とにかく、そういうことなので権力でどうこうは没の方向で」
「はぁ……面倒臭いご主人様です」
 目の前で堂々と悪口を言われてる所から察するに、どうやら俺はあまり尊敬されていないらしい。
「じゃ、こういう作戦は……」
 千葉に作戦を耳打ちされる。
「ほう、ほう、ほう……うむ、いいかも! よし、その作戦で行こう!」
「では、早速実行致します」
 そう言って、千葉はそそくさと作戦に向かった。俺も行こう。

 みことがいる廊下付近の曲がり角に移動し、千葉が来るのを待つ。
「まったく、セクハラばかりしてきおって……いつか殺してやる」
 ぶちぶちと俺への文句(殺人予告?)を言いながら、みことが掃除している。
 ……うーん、掃除してる姿もラブリー。フリフリと揺れるお尻が大変可愛い。後ろから襲い掛かりたい衝動に駆られるが、襲うとまた窓から突き落とされるので我慢。
「よーよー、ねーちゃん、かわいいねー。俺と遊ばね?」
 尻を視姦してると、リーゼントにダボダボの学生服という過去から輸入したファッションに身を包んだ不良がみことにからみはじめた。
「……何をしているのですか、千葉さん」
「ぼ、僕は千葉じゃないです。一介の不良です」
 みことは一瞬で千葉の変装を見破った。つーか、そんな服装で騙せると思ってたのか、千葉。
「なんで邸内に不良が、それも子供の不良がいるんですか。明らかなキャスティングミスですね」
「こ、子供じゃない! ちょっと発育不良なだけだ!」
 千葉はかなりのショタ力の持ち主なので小学生と間違われがちだが、実は高校生な俺と同級生。どうでもいい。
「……ああ、あの馬鹿主にけしかけられたんですね。待っててください、今すぐ喋れなくしてきますから」
 いかん、殺される。慌てて逃げ出そうとして、足元にあるバケツに気づかず思い切り蹴り飛ばしてしまった。
 静かな廊下に、がらんがらんと金属が転がる音が盛大に転がりました。
「……そこか」
 聞いただけで背筋が凍るような声が耳に届く。
「ち、千葉! ご主人様命令! 命をかけて俺を守れ!」
「我が命はご主人様のため。ですので、この命を捨ててしまうとご主人様の世話ができないので、ご自分で頑張ってください。ふぁいと、ご主人様!」
 どうやら、俺はこの館の住人に好かれていないらしい。
 とにかく、全力で逃げる。なに、相手は女。男の足に敵うはずがあれなんでみことが俺の前にいて俺のおててを掴んでるの?
「さて、と。地下室行こうな」
 にっこりと、みことはこの上ない笑顔で俺に死を宣告した。
「嫌だあ、拷問は嫌だあ! ち、千葉さん! いや、千葉様! 助けてお願い!」
「がんばれー」
 ものすごくやる気なさげに小さな旗を振られた。
「テメェ全部お前の考えた作戦なのになんで俺だけ拷問なんだよッ!」
「……千葉さんが考えたことなんですか?」
 みことが鋭い視線を千葉に向ける。よし、これで千葉も拷問! ざま見ろ!
「どゆこと? ぼく、わかんにゃーい♪」
「そ、そうですね。こんな可愛い千葉さんが、こんなこと考えるハズないですよね」
 こんな時だけ見た目を有効活用する千葉が非常にムカツク。
 ずるりずるずる引っ張られて、俺だけ地下室に連行されました。
 で、ドアが閉められる瞬間、千葉があかんべーしてて。それはつまり、俺が拷問室送りになることまで作戦通りと。
 拷問大嫌い。あと千葉も。覚えてろ。

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【ハナ ホワイトデー】

2010年03月12日
 さういえば、そろそろ白くてどろっとしたものをあの子に押し付ける日だ。別名、ホワイトデーだ。
 なんの冗談か知らないが恋人がいる俺なので、当然のようにバレンタインにはちょこれいとを貰った。なので、今度は俺が当然のようにお返しする番だ。
「相談なんだが、いったい何を貰えば女性というのは嬉しいのだろうか」
「……送る女性によりけりだと思います」
 そういったわけで、学校の帰り道、恋人のハナに相談してみたのだけど、どういったことかこの話題になった途端機嫌が悪くなった。
「ついさっきまで嬉しそうに彰人くん彰人くんと言っていたのが夢幻のよう。やはりこれは夢なのか。そうだな、夢と考えれば俺に恋人がいるなんてことも理解できるな。……ははっ、なんだこれ、涙?」
「な、なんだか分からないけど彰人くんがぴんちっぽいです。……こ、恋人の出番です」
 頭を抱えて滂沱していたら、ふんわりと何かに包まれた。ふと顔をあげると、優しいハナの笑顔。
「……だ、だいじょぶです。夢じゃないです。彰人くんのことを大好きな私は、ここにいます」
 ハナは両手で俺の頬を包み、にっこり笑った。
「……よし! 悪夢は消えた! あとついでにハナが可愛いのでちゅーしたい!」
「は、はや……こ、困ります。……い、家の中でならいいです。……で、でも、どしてもしたいなら、恥ずかしいの、我慢します」
 ハナは目をつむって爪先立ちになると、真っ赤な顔で口をとがらせた。悪戯心がむくむく膨らんだので、鼻をそっとつまむ。
「……彰人くん、そこは鼻です。……ちゅーは口に、ですよ?」
 うっすら目を開けると、ハナは少し不満そうに口を尖らせた。
「ハナが道端でキスをせがむ」
「私がしたいって体にされてます!? うう……相変わらず彰人くんの手練手管はすさまじーです。誰しもがめろめろになるのも致し方ないです。……それで」
「うん?」
「……誰に渡すんですか、バレンタインデーのお返し」
「?」
「い、いえ、?じゃなくて。……うう、邪気のない笑顔が素敵すぎです。心臓止まりそうです」
「ハナが死にそうだ!? 医者、医者ーっ!」
「彰人くんが半狂乱で医者を!? ま、待ってください、へーき、へーきですっ!」

 ややあって平静を取り戻した俺は、近所の公園に連れて行かれた。ベンチに腰掛け、自販機で買ったコーヒーのプルタブを押し開け、一気に飲み干す。
「ふー。落ち着いた」
「まったく……彰人くんは心配性です。そんなすぐ死にません」
「いやあ、気がついたら体が勝手に動いてた。はっはっは」
「あ、あぅ……」
「赤くなる話ではないと思いましたが」
「相変わらずの天然ジゴロです。今日も私は彰人くんにくらくらです」
 ハナは俺の胸に頭を押し当て、大きく息を吸い込んだ。
「……ふー。あの、思い切って聞きます」
「うん?」
 ハナは俺に抱きついたまま、顔だけ上げて問いかけた。
「……浮気、してますか?」
「え? いや、こんな可愛い生き物が俺の一番大切な人になっているというのに、どうしてそんなことをする必要が」
「お、おだててもダメです。証拠はあがってるんです」
 ハナはタコみたいに真っ赤になりながら俺に指を突きつけた。
「さっき、バレンタインデーのお返しに何を送ったらいいか聞かれました。これは間違いなく誰かにチョコレートを貰い、さらにはホワイトデーにお返しするつもりです。しょーめーしゅーりょーです」
「はぁ」
「……気のない返事でがっかりです」
「いや、だって、ハナに渡すものはハナに聞くのが一番かなーっと思って聞いただけだし」
「……私に?」
「いえす。ていうかだな、俺を見くびるな、ハナ。どうしてお前以外の女性にチョコを貰ったと思えるのか。はばかりながらこの符長彰人、今までの人生で貰ったチョコレートはお前以外、皆無っ!!!」
「か……かっこよすぎなぽーずです。心臓、ばくばくです」
 よく人からはタコが陸上でのたうちまわっていると言われるポーズだったが、ハナには好評だったようだ。
「あ、あの。てことは、ですね。……私の勘違い、ですか?」
「うぃ、まだむ」
「うう……あの、あのあの。……ごめんなさい、です。勝手に先走って勝手に焼き餅妬いたりして。……幻滅しました?」
「うん。もう別れよう」
「あ゛ー……」
「全力泣き!? すいません嘘です冗談です俺が悪かったですハナが大好きです!!!」
 涙も鼻水も垂らしまくりのハナに、こちらも全力で土下座するのだった。

「……ぐすぐす。……あんな冗談、こりごりです。……ちーん」
 俺の土下座力によりなんとか泣き止んだハナにティッシュを渡し、鼻をかませる。
「いや全く。久々に肝を冷やした」
「私の肝も冷えまくりです。冷凍庫でコチコチです」
「いや、よく分からん」
「怒ってるってことです。つーん、です」
 ハナはほっぺを少しだけ膨らませて、明後日の方向を見た。
「ふむ。じゃあ、ホワイトデーのお返しには奮発して機嫌を直さないとな。で、何がいい?」
「……土地」
「俺のハナが物欲に塗れている!!! 畜生、こうなったらサラ金を練り歩くしか!?」
「彰人くんが破滅の道を!? 嘘です嘘です、土地なんていらないです!」
「むぅ。じゃあ、何が欲しい?」
「……あの、なんでもいーですか?」
「やっぱ土地か! どこのサラ金から行けばいい!?」
「違いますっ! ……あの、あのですね? ……ホワイトデーには、一日、ずっと一緒がいーです」
 そう言って、ハナは俺の服の袖をきゅっと握った。
「え? いや、でも今も休日はそうやってるし」
「朝に会って、夕方にはお別れです。……朝から晩まで、ずっとずっと、ずーっと一緒にいたいです。おはようって彰人くんに最初に言って、おやすみって彰人くんに最後に言いたいです」
「う……」
 それはつまりお泊りということであり、俺の理性が試されているのか!?
「ダメ、ですか……?」
「そんな悲しそうな顔をしているハナにどうしてNOと言えようか! ああいいさ、いくらでも一緒にいさせてくださいっ!」
 花が咲いたようなハナの笑顔に、俺はどうやって理性を抑えればいいのか苦悩するのだった。

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【みこメイド】

2010年03月12日
 こんにちは、かなりの金持ちです。金持ちなので、金にあかせてみことをメイドにしてみた!
「ふふ……今日からお前は俺のメイド! なので、メイド服着て俺をお兄ちゃんと呼べ!」
「借金を肩代わりする代わりにメイドになるという条件なので、メイド服は、まあ構わん。だが、なぜ貴様なんかをお兄ちゃんなどと呼ばねばならんのだ」
「妹とか大好きだし。ダメなのか?」
「当然だ、莫迦。貴様はただの同級生であり、私の兄ではない。その程度理解しろ、低脳」
「……どうやら、メイドとしての心構えがなってないようだな。ご主人様が黒と言ったら白でも黒! これ鉄則!」
「貴様はご主人様ではなく、お兄ちゃんなのだろう? なら、その鉄則は当てはまらんな」
 みことは口元をゆがめて笑った。ええい、小憎たらしい。
「じゃあ兄として妹に命ずる。にっこり笑って『はきゅん、お兄ちゃんを見てたらお胸がドキドキするのぉ……これって、恋カナ?』と言え」
「死ね」
 そんなわけで妹にはできなかったが、みことがメイドとして俺の館で働くことになった。
「学生は~学校に行くのが仕事~。でも、今日はもう終わったので~、自室に戻るところ~」
 現在の状況を歌いながら館の廊下を歩いてると、みことが自分の部屋から出てきたところに出くわした。可愛らしいメイド服に身を包んだみことを見てると、思わず顔が綻ぶ。
「や、みこと。今から仕事? 学校終わってすぐ仕事とは、大変だにゃー」
「うるさい。話しかけてくるな」
 それだけ言って、みことは廊下の窓を拭き始めた。
「気のせいかもしれないけど、俺のこと嫌ってる?」
「当然……なっ、何をしている、何を!?」
「深呼吸。すーはー」
 みことのスカートに潜り込み、尻に顔を埋めて胸いっぱいに香りを吸い込んでると、いっぱい蹴られた。
「こんなことばかりするから嫌われてると、なぜ気づかない!」
「気づいてるけど、気づいてないフリをしているんじゃないかな?」
 尻を蹴られた。
「軽いスキンシップなのに……」
「どこがだ! まったく、借金さえなければ今すぐにでも出て行くというのに……」
「借金という鎖がみことを縛って離さない。鎖と言えば、首輪だよね。みこと、首輪とか着けてみない?」
「断固として断る」
「学校に行くときだけ着ければいいから」
「なお悪いッ! 論外だ、論外! ええいこの莫迦め、一度と言わず何度でも死ね!」
 再び俺の尻を蹴り上げてから、みことは怒りながらどっかへ行ってしまった。
「尻が痛い」
「そ、そんなこと私に言われましても……」
 近くで様子を見ていたメイドさんに訴えたら、困られた。
「どうか、キミよ。この痛みを一時でも忘れさせてくれないか?」
 メイドさんの手を取り、熱く瞳を見つめる。
「た、タカシ様……私でよければ、その……」
 よし、いける! 今日はこのメイドさんをお持ち帰りはうはう!
 なんて思ってると、どっか行ってたみことがすごい勢いでこっちに走ってきて──
「痛い!?」
 その勢いのままとび蹴りされた。さっき蹴り上げられた尻をまたしても蹴られ、とても痛い。
「貴様……私の尻に顔を埋めただけでなく、この子にまでその毒牙を突き立てる気か。いい度胸だ」
「え、いや、毒牙って。ちょっと部屋でお茶して、その後ちろっとベッドで色々するだけですよ?」
「その色々が悪いッ! 貴様は一度性根を叩き直した方がいいようだな!」
「あぁん」
 腕を引っ張られて、連行される俺。
「ちぇ、玉の輿のチャンスだったのに……」
 メイドのつぶやきを聞き、みことがとても怖い顔で俺を睨んだ。なんで俺を。怖いぞ。
「あ、あの、俺、雇い主。雇い主に折檻、悪いコト。折檻、ノー」
 恐怖のあまりカタコトになってしまった。
「例え雇い主でも、悪い事をしたら罰をしないとな。さ、地下室行こう」
 にっこりと、みことはこの上ない笑顔で俺に死を宣告した。
「嫌だあ、拷問は嫌だあ!」
 ずるりずるずる引っ張られて、地下室に連行されました。拷問大嫌い。

拍手[8回]