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2025年05月03日
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【体は動かないくせに口だけは達者なツンデレ】
2010年03月04日
ちなみが倒れた。慌てて保健室に連れて行って診断してもらった結果、ただの貧血らしい。
「心配させんなよ、まったく……」
ベッド脇のイスに腰掛けたまま、安堵の息を吐く。
「……別に好きで倒れたわけじゃないし、心配してくれなんて頼んでない」
ちなみは布団から顔を半分だけ出し、視線を逸らしたまま言った。
「この娘は何を偉そうに……まあ今に始まった話じゃないし、別にいいけど。それより、もう放課後だからとっとと帰ろうぜ」
「あ、それなんだが、まだこの女生徒は歩けるほど回復していない。家に連絡しておいたから、到着を待つんだな」
保健の先生はイスを回転させてこちらを向き、眼鏡のブリッジを指で持ち上げながら言った。
「あ、そうなの。じゃ、俺先に帰るな。またな、ちなみ」
鞄を持って立ち上がろうとしたら、ちなみが制服の裾を握っていて立ち上がれない。
「なんですか、この手は」
イスに座りなおし、ちなみに問いかける。
「……別に」
「いや、別にじゃなくて。持たれてたら帰れない人がいますよ?」
「……持ってなんてない」
「いやいやいや、持ってるって。ほれ、こうやって俺の制服を握り締めてますから」
制服を握ってるちなみの手を上から包むように握り、教える。
「……うう、タカシは隙あらば私の手を握る。……きっと、家に帰ってからこの感触を思い出し、一人励むつもりだ」
「しねーよっ! 女の子がそういうこと言うんじゃありませんっ!」
「あうっ」
ちなみのおでこにデコピンする。
「……女の子に手を上げるだなんて、タカシはドSだ」
「どちらかと言うと、ドAだ」
「どういうことだ……?」
机に向かっていた保健医が不思議そうな声を上げた。
「……ドA。Aカップの女の子が好きで好きでしょうがないダメな人を指す」
ちなみが適当な解説をつけたが、あながち間違いでもないのが嫌だ。あと、ダメな人とか言うな。
「ほら、いいから手を離しなさい。お兄さん、家に帰れないじゃないですか」
「……タカシは家に帰らず、私のそばにずっといたいと言う。……やれやれ、惚れられすぎて困る」
んなこと一言も言ってねー。
「……キミにいてほしいんじゃないか?」
傍観してた保健医が口を挟んだ。
「ちっ、違う。いてほしくなんて、ない」
なぜか慌てた様子でちなみが否定した。
「そりゃそうだ。じゃ、俺そろそろ帰るな」
「む~……がうっ」
「がう?」
異音に首を傾げてたら、ちなみが俺の手にかじりついてるのに気づいたって痛い痛い痛い!
「痛い痛い痛いっての! 噛むなこの馬鹿!」
「……あぐあぐあぐ(ちょっとくらい空気を読んでも罰は当たらない、と言っている)」
「何言ってんだか分かんねーっての! いーから口離せっ!」
「……あのー、連絡があって妹を連れに……ああっ、妹がタカくんを食べてる! ……お姉ちゃんも食べたいのに、ずるいー」
ドアを開けてちなみの姉、ちなねえが現れて微妙にピントがずれつつも物騒な事を言う。
「……ちなみは右手食べてるから、お姉ちゃんは左手食べるね」
ちなねえは俺の手を取り、指をそっと口に含んだ。何をしてるのか、この人は。
「……ちゅ、ちゅぱっ。……タカくんの指、おいしい」
ちなねえは音を立てて俺の指を舐めた。……しかし、なんつーか。
「……お姉ちゃん、なんかえっちだ」
俺の気持ちをちなみが代弁した。
「……違います、お姉ちゃんは本当はえっちじゃないんです。タカくんに調教されて、こうなっちゃったんです」
「そこっ! いーかげんなこと言うなっ! 調教なんてしてないっ!」
「……うう、いつかは私も調教される予感」
「するかっ! ちなみも信じるなっ!」
つっこむ相手が倍に増えてとてもしんどい。
「あー……こうも堂々と不純異性交遊をされると、注意する気も起きんな」
保健医がげんなりしながら言った。
「……べ、別にそんなのじゃない。……タカシで遊んでるだけ」
ちょっと恥ずかしそうに俺の手を弄びながら、ちなみがぼそぼそ言った。
「……そうです。タカくんとお姉ちゃんは、不純じゃないです。超純粋です。いわゆる純愛です」
違う、ちなねえ。そういうことじゃない。
「むっ。……タカシは私の事が大好きだから、お姉ちゃんは遊びに決定。……なぜなら、タカシは貧乳大好きのダメ人間だから。……ああ、貧乳で悲しい」
言葉とは裏腹に、ちなみはにやにやしながら俺の右腕をぎゅっと抱きしめた。よくよく感じないと分からないほどの膨らみが腕に触れる。
「むむっ。……お姉ちゃんは歳のわりにかなりのぺたんこですから、タカくんのダメな欲求に答えられます。……ちなみは近い将来にぼいんぼいんになり、タカくんに捨てられます。決定」
ちなみに対抗するように、ちなねえが俺の左腕をぎゅっと抱きしめた。ちなみの1.3倍ほどの膨らみが腕に押し付けられる。
「「……で、どっち?」」
4つの垂れ目が俺を見る。
「ドラクエとかってさ、名前決める時だいたい4文字じゃん? あれってさ、名前が4文字以上ある人ってどうしてんだろうな」
「……いきなり何の話をしてるか。……ちゃんと答える」
ちなみが俺のほおをぎうぎう引っ張る。
「……うーん、お姉ちゃんが思うに、名前を短縮して入れてると思うな。健太郎とかだと、けんたろ、って」
ちなねえが乗った。好機!
「そうか! 長年の疑問がこれでやっと氷解した! いやありがとうな、ちなねえ。というわけで、俺の疑問を解きポイントが追加されたちなねえの勝ちー」
ちなねえの手を高々と上げ、勝ちを名乗らせる。よし、これでどうにか穏便に話が終わった。
「……がうっ」
「がう?」
どこかで聞いた音に小首を傾げてると、ちなみが俺の手に噛み付いてるのに気づいた。
「また噛んでるよこの娘! リピートか!」
「……がうがうがうっ(なんで私を選ばない、と言っている)」
「だから、何言ってんだか分かんねーっての!」
「……楽しそう。お姉ちゃんもやるー」
ちなねえが一緒になって俺の手をぺろぺろ舐める。
「舐めんなっ! ええい、犬か!」
「……タカくんが望むなら、お姉ちゃん、犬になってもいいよ? わんわん♪」
「そういうことじゃなくてっ!」
「……わん」
「なんでちなみも犬っぽくなってるか! つーか、どっから犬耳持ってきた!?」
いつのまにかちなみの頭にイヌミミが装着されていた。
「……なんでもいいけど、帰ってくれないかね」
保健医の呟きが聞こえた気がした。
「心配させんなよ、まったく……」
ベッド脇のイスに腰掛けたまま、安堵の息を吐く。
「……別に好きで倒れたわけじゃないし、心配してくれなんて頼んでない」
ちなみは布団から顔を半分だけ出し、視線を逸らしたまま言った。
「この娘は何を偉そうに……まあ今に始まった話じゃないし、別にいいけど。それより、もう放課後だからとっとと帰ろうぜ」
「あ、それなんだが、まだこの女生徒は歩けるほど回復していない。家に連絡しておいたから、到着を待つんだな」
保健の先生はイスを回転させてこちらを向き、眼鏡のブリッジを指で持ち上げながら言った。
「あ、そうなの。じゃ、俺先に帰るな。またな、ちなみ」
鞄を持って立ち上がろうとしたら、ちなみが制服の裾を握っていて立ち上がれない。
「なんですか、この手は」
イスに座りなおし、ちなみに問いかける。
「……別に」
「いや、別にじゃなくて。持たれてたら帰れない人がいますよ?」
「……持ってなんてない」
「いやいやいや、持ってるって。ほれ、こうやって俺の制服を握り締めてますから」
制服を握ってるちなみの手を上から包むように握り、教える。
「……うう、タカシは隙あらば私の手を握る。……きっと、家に帰ってからこの感触を思い出し、一人励むつもりだ」
「しねーよっ! 女の子がそういうこと言うんじゃありませんっ!」
「あうっ」
ちなみのおでこにデコピンする。
「……女の子に手を上げるだなんて、タカシはドSだ」
「どちらかと言うと、ドAだ」
「どういうことだ……?」
机に向かっていた保健医が不思議そうな声を上げた。
「……ドA。Aカップの女の子が好きで好きでしょうがないダメな人を指す」
ちなみが適当な解説をつけたが、あながち間違いでもないのが嫌だ。あと、ダメな人とか言うな。
「ほら、いいから手を離しなさい。お兄さん、家に帰れないじゃないですか」
「……タカシは家に帰らず、私のそばにずっといたいと言う。……やれやれ、惚れられすぎて困る」
んなこと一言も言ってねー。
「……キミにいてほしいんじゃないか?」
傍観してた保健医が口を挟んだ。
「ちっ、違う。いてほしくなんて、ない」
なぜか慌てた様子でちなみが否定した。
「そりゃそうだ。じゃ、俺そろそろ帰るな」
「む~……がうっ」
「がう?」
異音に首を傾げてたら、ちなみが俺の手にかじりついてるのに気づいたって痛い痛い痛い!
「痛い痛い痛いっての! 噛むなこの馬鹿!」
「……あぐあぐあぐ(ちょっとくらい空気を読んでも罰は当たらない、と言っている)」
「何言ってんだか分かんねーっての! いーから口離せっ!」
「……あのー、連絡があって妹を連れに……ああっ、妹がタカくんを食べてる! ……お姉ちゃんも食べたいのに、ずるいー」
ドアを開けてちなみの姉、ちなねえが現れて微妙にピントがずれつつも物騒な事を言う。
「……ちなみは右手食べてるから、お姉ちゃんは左手食べるね」
ちなねえは俺の手を取り、指をそっと口に含んだ。何をしてるのか、この人は。
「……ちゅ、ちゅぱっ。……タカくんの指、おいしい」
ちなねえは音を立てて俺の指を舐めた。……しかし、なんつーか。
「……お姉ちゃん、なんかえっちだ」
俺の気持ちをちなみが代弁した。
「……違います、お姉ちゃんは本当はえっちじゃないんです。タカくんに調教されて、こうなっちゃったんです」
「そこっ! いーかげんなこと言うなっ! 調教なんてしてないっ!」
「……うう、いつかは私も調教される予感」
「するかっ! ちなみも信じるなっ!」
つっこむ相手が倍に増えてとてもしんどい。
「あー……こうも堂々と不純異性交遊をされると、注意する気も起きんな」
保健医がげんなりしながら言った。
「……べ、別にそんなのじゃない。……タカシで遊んでるだけ」
ちょっと恥ずかしそうに俺の手を弄びながら、ちなみがぼそぼそ言った。
「……そうです。タカくんとお姉ちゃんは、不純じゃないです。超純粋です。いわゆる純愛です」
違う、ちなねえ。そういうことじゃない。
「むっ。……タカシは私の事が大好きだから、お姉ちゃんは遊びに決定。……なぜなら、タカシは貧乳大好きのダメ人間だから。……ああ、貧乳で悲しい」
言葉とは裏腹に、ちなみはにやにやしながら俺の右腕をぎゅっと抱きしめた。よくよく感じないと分からないほどの膨らみが腕に触れる。
「むむっ。……お姉ちゃんは歳のわりにかなりのぺたんこですから、タカくんのダメな欲求に答えられます。……ちなみは近い将来にぼいんぼいんになり、タカくんに捨てられます。決定」
ちなみに対抗するように、ちなねえが俺の左腕をぎゅっと抱きしめた。ちなみの1.3倍ほどの膨らみが腕に押し付けられる。
「「……で、どっち?」」
4つの垂れ目が俺を見る。
「ドラクエとかってさ、名前決める時だいたい4文字じゃん? あれってさ、名前が4文字以上ある人ってどうしてんだろうな」
「……いきなり何の話をしてるか。……ちゃんと答える」
ちなみが俺のほおをぎうぎう引っ張る。
「……うーん、お姉ちゃんが思うに、名前を短縮して入れてると思うな。健太郎とかだと、けんたろ、って」
ちなねえが乗った。好機!
「そうか! 長年の疑問がこれでやっと氷解した! いやありがとうな、ちなねえ。というわけで、俺の疑問を解きポイントが追加されたちなねえの勝ちー」
ちなねえの手を高々と上げ、勝ちを名乗らせる。よし、これでどうにか穏便に話が終わった。
「……がうっ」
「がう?」
どこかで聞いた音に小首を傾げてると、ちなみが俺の手に噛み付いてるのに気づいた。
「また噛んでるよこの娘! リピートか!」
「……がうがうがうっ(なんで私を選ばない、と言っている)」
「だから、何言ってんだか分かんねーっての!」
「……楽しそう。お姉ちゃんもやるー」
ちなねえが一緒になって俺の手をぺろぺろ舐める。
「舐めんなっ! ええい、犬か!」
「……タカくんが望むなら、お姉ちゃん、犬になってもいいよ? わんわん♪」
「そういうことじゃなくてっ!」
「……わん」
「なんでちなみも犬っぽくなってるか! つーか、どっから犬耳持ってきた!?」
いつのまにかちなみの頭にイヌミミが装着されていた。
「……なんでもいいけど、帰ってくれないかね」
保健医の呟きが聞こえた気がした。
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【ツンゲッターちなみん】
2010年03月01日
スパロボでどのキャラをひいきにするか討論になった。
「やっぱガンダム系ね。WもXも種もいいわね」
「未通女はこれだから困る。男たるもの、ゲッターロボ一筋に決まっているだろう。特にゲッター2のドリルに敵うものはない」
「おぼことか言うな馬鹿!」
「開通したのか?」
「もう喋るなッ!」
とまあいつものようにかなみに空中三段コンボを決められていると、ちなみが感心したようにうなずきながらどこかに電話しているのに気がついた。
嫌な予感はしたものの、特別気にはせず松葉杖を突きながら帰宅。
「……ゲッター2です。どりるどりどりぎゅいんぎゅいん」
ゲッター2なちなみが、俺の秘蔵本『つるぺたっこ大集合』をドリルで粉砕していた。
「あああああ! 俺のつるぺたっこ大集合がぁぁぁぁッ!!」
「……変態です。ロリペドです」
「ペドフィリアじゃない、ロリータコンプレックスだ! いやコンプレックスを感じるどころか誇りにすら思ってますが!」
「……どっちにしても変態です。……これもやっちいまいしょう」
そう言ってちなみが取り出したのは、プレミアがついてるらしいつるぺた同人誌だった。
「そっ、それだけは! それだけは勘弁してください!」
「…………」
ちなみは無言でドリルをぎゅいんぎゅいん回している。
「……一緒に遊んでくれたら、考えないでもないです」
「な、なんだ? ままごとか? あやとりか?」
「……子供扱いしてます。……ドリルの出番でしょうか」
ドリルが火花をあげて高速回転し始めたので、慌てて考える。
「えーとえーとえーと! えーと! ごめんなさい考え付きませんのでなんでも付き合う所存です!」
「……仕方ないですね。ええと、ゲッターごっこでもしましょうか。『チェンジゲッター2 スイッチオン』って言ってください」
よく分からない思考をしてるね、この娘さん。ごっこ遊びはOKなの?
「……ぎゅいんぎゅいん」
ドリルが回りだしたので慌てて指定の言葉を叫ぶ。
「チェェェェンジ ゲッター2 スイッッッッチィ、オン!」
叫ぶや否やちなみの頬をぷにぷに。
「……え、えと、がおー?」
疑問系で言われても困る。
「……何するか考えてなかったのか?」
「むっ。おバカなタカシじゃあるまいし、ちゃんと考えてます」
そう言いながらも、ちなみは眉根をよせて必死に考えているようだった。
待ってる間暇なので、ちなみのほっぺをぷにぷに突つく。肌触りがよくて気持ちいい。
「……ほっぺ、ぷにぷにしないでください。……考えがまとまりません」
「んー」
ぷにぷにするのはやめて、軽く引っ張る。むにー。
「……ひっはははひへふははひ(引っ張らないでください)」
「んー」
引っ張るのをやめて、なにするかな。えーと……なんか眠くなってきた。
眠くなったので、ごそごそとベットに移動してると背中を引っ張られてる感覚。ふりむくと、悲しそうなちなみが俺のシャツをつまんでいた。
「……寝ないでください。……つまんないです」
「ねみーんだよ。寝かせてくれ」
「……じゃあ、間をとって膝枕しましょう」
さも名案だ、というふうにちなみは自分の膝をぽんぽん叩いた。
「……ゲッターロボに膝枕されてもなぁ」
「……それもそうですね」
ちなみはゲッター2から人間に戻った。簡単に言うと着ぐるみを脱いで下着だけに。
「服くらい着ろッ!」
「……ちょっと、恥ずかしいです」
「あーもう、……えっと、ほれ、これ着ろ!」
床に落ちてたカッターシャツを投げる。
「……大きいです」
俺のシャツを着たちなみは、なんというか、その、扇情的で困る。袖は長すぎるし生足が見えるし上目遣いで見てるしもう!(困惑中)
「……ほら、膝枕ひざまくら♪」
ちなみは嬉しそうに自分の膝をぽんぽん叩いた。逆らえるほど理性は残ってない。俺は誘われるようにちなみの膝元に頭を乗せた。
「……なんか、いいのかなぁ」
「いいのです♪」
幸せそうなちなみの声を聞きながら、俺は眠りに就いた。
「やっぱガンダム系ね。WもXも種もいいわね」
「未通女はこれだから困る。男たるもの、ゲッターロボ一筋に決まっているだろう。特にゲッター2のドリルに敵うものはない」
「おぼことか言うな馬鹿!」
「開通したのか?」
「もう喋るなッ!」
とまあいつものようにかなみに空中三段コンボを決められていると、ちなみが感心したようにうなずきながらどこかに電話しているのに気がついた。
嫌な予感はしたものの、特別気にはせず松葉杖を突きながら帰宅。
「……ゲッター2です。どりるどりどりぎゅいんぎゅいん」
ゲッター2なちなみが、俺の秘蔵本『つるぺたっこ大集合』をドリルで粉砕していた。
「あああああ! 俺のつるぺたっこ大集合がぁぁぁぁッ!!」
「……変態です。ロリペドです」
「ペドフィリアじゃない、ロリータコンプレックスだ! いやコンプレックスを感じるどころか誇りにすら思ってますが!」
「……どっちにしても変態です。……これもやっちいまいしょう」
そう言ってちなみが取り出したのは、プレミアがついてるらしいつるぺた同人誌だった。
「そっ、それだけは! それだけは勘弁してください!」
「…………」
ちなみは無言でドリルをぎゅいんぎゅいん回している。
「……一緒に遊んでくれたら、考えないでもないです」
「な、なんだ? ままごとか? あやとりか?」
「……子供扱いしてます。……ドリルの出番でしょうか」
ドリルが火花をあげて高速回転し始めたので、慌てて考える。
「えーとえーとえーと! えーと! ごめんなさい考え付きませんのでなんでも付き合う所存です!」
「……仕方ないですね。ええと、ゲッターごっこでもしましょうか。『チェンジゲッター2 スイッチオン』って言ってください」
よく分からない思考をしてるね、この娘さん。ごっこ遊びはOKなの?
「……ぎゅいんぎゅいん」
ドリルが回りだしたので慌てて指定の言葉を叫ぶ。
「チェェェェンジ ゲッター2 スイッッッッチィ、オン!」
叫ぶや否やちなみの頬をぷにぷに。
「……え、えと、がおー?」
疑問系で言われても困る。
「……何するか考えてなかったのか?」
「むっ。おバカなタカシじゃあるまいし、ちゃんと考えてます」
そう言いながらも、ちなみは眉根をよせて必死に考えているようだった。
待ってる間暇なので、ちなみのほっぺをぷにぷに突つく。肌触りがよくて気持ちいい。
「……ほっぺ、ぷにぷにしないでください。……考えがまとまりません」
「んー」
ぷにぷにするのはやめて、軽く引っ張る。むにー。
「……ひっはははひへふははひ(引っ張らないでください)」
「んー」
引っ張るのをやめて、なにするかな。えーと……なんか眠くなってきた。
眠くなったので、ごそごそとベットに移動してると背中を引っ張られてる感覚。ふりむくと、悲しそうなちなみが俺のシャツをつまんでいた。
「……寝ないでください。……つまんないです」
「ねみーんだよ。寝かせてくれ」
「……じゃあ、間をとって膝枕しましょう」
さも名案だ、というふうにちなみは自分の膝をぽんぽん叩いた。
「……ゲッターロボに膝枕されてもなぁ」
「……それもそうですね」
ちなみはゲッター2から人間に戻った。簡単に言うと着ぐるみを脱いで下着だけに。
「服くらい着ろッ!」
「……ちょっと、恥ずかしいです」
「あーもう、……えっと、ほれ、これ着ろ!」
床に落ちてたカッターシャツを投げる。
「……大きいです」
俺のシャツを着たちなみは、なんというか、その、扇情的で困る。袖は長すぎるし生足が見えるし上目遣いで見てるしもう!(困惑中)
「……ほら、膝枕ひざまくら♪」
ちなみは嬉しそうに自分の膝をぽんぽん叩いた。逆らえるほど理性は残ってない。俺は誘われるようにちなみの膝元に頭を乗せた。
「……なんか、いいのかなぁ」
「いいのです♪」
幸せそうなちなみの声を聞きながら、俺は眠りに就いた。
【ツンデレに身体検査をしたら】
2010年02月28日
今日は身体検査らしいんだけど、ちなみは風邪で休んでいる。一年に一度の成長を調べる大切な日だというのに、なんたることか。
「つーわけで、俺が調べてやる」
後日、治ったちなみの家に押しかけて一方的に告げた。
「……言ってる意味が不明」
「いや、だから俺自らちなみの体を調べてあげようと。身体検査してあげようと」
「……別に、タカシがする必要ないし。……後で保健の先生がするし」
「それじゃおっぱ……げふんげふん。いや、ちゃんと成長しているか調べたいんだ。他意はないよ?」
「……貧乳限定のおっぱい星人め」
どうしてばれているのか。
「と、とにかく。悪いようにはしない、俺に任せてくれ。一度女の子に身体検査するのが夢だったんだ」
「……むぅ。……放っておくと、怪人身体検査男になりそうだ」
なんだその怪人。
「……説明しよう。……怪人、身体検査男とは、夜な夜な街を練り歩き、道行く女性を襲っては検査し襲っては検査する犯罪者のことだ」
怪人じゃなくて犯罪者じゃん。
「……知り合いがそんな怪人になるのは忍びないので、我慢して身体検査を許可する」
俺は犯罪者だと思われているのかとちょっと悲しくなったが、とにかく許可は得た。
「じゃあ身長体重は飛ばして、……ハァハァ、きょ、胸囲を」
「…………」(侮蔑の視線)
「身長から調べようねー☆」
「……やれやれ。どうしてそんなにえっちなのか」
さすがに保健室にあるようなでかい身長計はないので、メジャーで測る。
「えーと……142cm。小さっ!」
「……うるさい。……去年より1cmも伸びてる。……偉大なる進歩。……来年にはタカシの身長を越す予定」
「一年で30cm近く伸びるのは無理があるかと」
「……うるさい」
ちなみは俺の顔をぺちぺち叩いた。
「まあ、小さいからと嘆くな。世には小さいくてもいい、いやむしろ小さい方が、と思う心優しき人もいるのだから。俺とか」
「……これだからロリコンは」
どうしてばれているのか。
「続いて体重に移ります」
「……た、体重は量らなくていいと思う。……タカシも私のおっぱいにしか興味ないだろうし」
「あー、女の子なんだねー。とても可愛いと思わずにはいられないねー」
生暖かい笑みを浮かべてちなみの頭をぐりぐりなでると、不満そうな視線を投げかけられた。
「……馬鹿にして。分かった、量ればいい。……そして、笑うがいい」
ちょっと怒りながら、ちなみは体重計に乗った。針は37kgを差した。
「軽っ! おまえ、ちゃんと飯食ってるか?」
「……食べてる」
どの程度の重さか、脇から手を差し込んで実際にちなみを持ち上げる。さしたる苦労もなく、簡単に持ち上がった。
「うーん、軽いな。そだ、高い高いしてあげようか?」
「……いいから下ろせ」
ちなみは所在なさげに足をぷらーんとさせていた。ちょっと愉快だったが、そろそろ腕が限界だったのでちなみを下ろす。
「さて! 身長体重と終わり、残るは胸囲と相成りました! いかがですか、ちなみさん?」
「……今宵で膜ともお別れか」
「しねーよッ! 俺を何だと思ってんだ! つーか女の子が膜とか言うなッ!」
俺の大声に、ちなみは迷惑そうに耳を塞いだ。
「……まったく。タカシは女の子に幻想を抱きすぎだ」
うるさい。
「さ、さて。きょ、胸囲なんですが、調べるべるには、その、服を! 脱がないといけないですよね?」
「…………」
ちなみは自分のぺたんこーな胸を見下ろし、続けて俺を見た。
「……見たいの?」
「見たいと言うか計測したいというか揉みたいなあ」
しまった、思考が漏れた。
「……えっち」
ちなみは頬を染め、胸を隠した。
「え、えっちとかじゃなくて。計測ですから。淫らな気持ちなんて欠片も」
「……タカシ、立ってる」
「何ィ!? 股間の野郎、主人の意思も無視して何先走ってやがる! いや液は出てないと思いますが!」
慌てて息子を見るも、大人しい限り。
「騙しましたね?」
「……やはりえっちな気持ちで計測するんだ。……計ってる最中にえっちな気持ちが暴走して、私は襲われるんだ。……ああ、可哀想な私」
「襲いません」
「…………」(ほっぺぷくー)
嫌なのか。
「まーなんだ、どうしても嫌なら別に服の上からでも」
「……別に、タカシに見られるのなんてへーきだし」
ちなみは俺に背を向け、するすると上着を脱いだ。肩から覗く肌は蛍光灯に照らされ、まるで宝石のように光っていた。その輝きに呼応するように、俺の動悸が激しくなる。
「ちょ! ちょっと待って! ストップ!」
「……?」
ちなみは首だけ回し、不思議そうにこちらを見た。いや、不思議なのはこちらもそうだ。
なんだってちなみの肌を見ただけでこんなドキドキしますか、俺。あれほど二次元で鍛えたじゃないか。今こそ、その真価を見せる時じゃないか!
「……どしたの?」
ちなみは体ごとこちらに向いた。自然、裸が俺に晒される。無論、そこには、ち、ちく、
「ぶばー」
「……おおう、タカシが大量の鼻血を。……漫画みたい」
「……ん、んう」
「……あ、起きた。……おはー」
気がつくと、俺はちなみに膝枕をされていた。もちろん、すでにちなみは衣服を着ている。
「……まったく、いきなり気絶とか。……迷惑にも程がある」
「あ、いや、ごめん。しっかし、この程度で気絶とか……我ながら情けない」
「……どーせこの程度な裸だもん」
機嫌を損ねてしまったのか、ちなみは俺の頬をうにうに引っ張った。
「いや、そうでなくて。ちなみの裸体はこの程度レベルではなく、大変素晴らしいと思いますよ?」
「……な、何を言ってるのかな、この人は。……まったく、恥ずかしい人だ」
機嫌が直ったのか、ちなみは俺の頬を優しくなでた。
「というわけで、第一回チキチキ貧乳だけの身体検査は失敗に終わったが、第二回大会では頑張りたいと思います。目指せおっぱい鑑賞!」
「……目指すな」
再び引っ張られる俺の頬だった。
「つーわけで、俺が調べてやる」
後日、治ったちなみの家に押しかけて一方的に告げた。
「……言ってる意味が不明」
「いや、だから俺自らちなみの体を調べてあげようと。身体検査してあげようと」
「……別に、タカシがする必要ないし。……後で保健の先生がするし」
「それじゃおっぱ……げふんげふん。いや、ちゃんと成長しているか調べたいんだ。他意はないよ?」
「……貧乳限定のおっぱい星人め」
どうしてばれているのか。
「と、とにかく。悪いようにはしない、俺に任せてくれ。一度女の子に身体検査するのが夢だったんだ」
「……むぅ。……放っておくと、怪人身体検査男になりそうだ」
なんだその怪人。
「……説明しよう。……怪人、身体検査男とは、夜な夜な街を練り歩き、道行く女性を襲っては検査し襲っては検査する犯罪者のことだ」
怪人じゃなくて犯罪者じゃん。
「……知り合いがそんな怪人になるのは忍びないので、我慢して身体検査を許可する」
俺は犯罪者だと思われているのかとちょっと悲しくなったが、とにかく許可は得た。
「じゃあ身長体重は飛ばして、……ハァハァ、きょ、胸囲を」
「…………」(侮蔑の視線)
「身長から調べようねー☆」
「……やれやれ。どうしてそんなにえっちなのか」
さすがに保健室にあるようなでかい身長計はないので、メジャーで測る。
「えーと……142cm。小さっ!」
「……うるさい。……去年より1cmも伸びてる。……偉大なる進歩。……来年にはタカシの身長を越す予定」
「一年で30cm近く伸びるのは無理があるかと」
「……うるさい」
ちなみは俺の顔をぺちぺち叩いた。
「まあ、小さいからと嘆くな。世には小さいくてもいい、いやむしろ小さい方が、と思う心優しき人もいるのだから。俺とか」
「……これだからロリコンは」
どうしてばれているのか。
「続いて体重に移ります」
「……た、体重は量らなくていいと思う。……タカシも私のおっぱいにしか興味ないだろうし」
「あー、女の子なんだねー。とても可愛いと思わずにはいられないねー」
生暖かい笑みを浮かべてちなみの頭をぐりぐりなでると、不満そうな視線を投げかけられた。
「……馬鹿にして。分かった、量ればいい。……そして、笑うがいい」
ちょっと怒りながら、ちなみは体重計に乗った。針は37kgを差した。
「軽っ! おまえ、ちゃんと飯食ってるか?」
「……食べてる」
どの程度の重さか、脇から手を差し込んで実際にちなみを持ち上げる。さしたる苦労もなく、簡単に持ち上がった。
「うーん、軽いな。そだ、高い高いしてあげようか?」
「……いいから下ろせ」
ちなみは所在なさげに足をぷらーんとさせていた。ちょっと愉快だったが、そろそろ腕が限界だったのでちなみを下ろす。
「さて! 身長体重と終わり、残るは胸囲と相成りました! いかがですか、ちなみさん?」
「……今宵で膜ともお別れか」
「しねーよッ! 俺を何だと思ってんだ! つーか女の子が膜とか言うなッ!」
俺の大声に、ちなみは迷惑そうに耳を塞いだ。
「……まったく。タカシは女の子に幻想を抱きすぎだ」
うるさい。
「さ、さて。きょ、胸囲なんですが、調べるべるには、その、服を! 脱がないといけないですよね?」
「…………」
ちなみは自分のぺたんこーな胸を見下ろし、続けて俺を見た。
「……見たいの?」
「見たいと言うか計測したいというか揉みたいなあ」
しまった、思考が漏れた。
「……えっち」
ちなみは頬を染め、胸を隠した。
「え、えっちとかじゃなくて。計測ですから。淫らな気持ちなんて欠片も」
「……タカシ、立ってる」
「何ィ!? 股間の野郎、主人の意思も無視して何先走ってやがる! いや液は出てないと思いますが!」
慌てて息子を見るも、大人しい限り。
「騙しましたね?」
「……やはりえっちな気持ちで計測するんだ。……計ってる最中にえっちな気持ちが暴走して、私は襲われるんだ。……ああ、可哀想な私」
「襲いません」
「…………」(ほっぺぷくー)
嫌なのか。
「まーなんだ、どうしても嫌なら別に服の上からでも」
「……別に、タカシに見られるのなんてへーきだし」
ちなみは俺に背を向け、するすると上着を脱いだ。肩から覗く肌は蛍光灯に照らされ、まるで宝石のように光っていた。その輝きに呼応するように、俺の動悸が激しくなる。
「ちょ! ちょっと待って! ストップ!」
「……?」
ちなみは首だけ回し、不思議そうにこちらを見た。いや、不思議なのはこちらもそうだ。
なんだってちなみの肌を見ただけでこんなドキドキしますか、俺。あれほど二次元で鍛えたじゃないか。今こそ、その真価を見せる時じゃないか!
「……どしたの?」
ちなみは体ごとこちらに向いた。自然、裸が俺に晒される。無論、そこには、ち、ちく、
「ぶばー」
「……おおう、タカシが大量の鼻血を。……漫画みたい」
「……ん、んう」
「……あ、起きた。……おはー」
気がつくと、俺はちなみに膝枕をされていた。もちろん、すでにちなみは衣服を着ている。
「……まったく、いきなり気絶とか。……迷惑にも程がある」
「あ、いや、ごめん。しっかし、この程度で気絶とか……我ながら情けない」
「……どーせこの程度な裸だもん」
機嫌を損ねてしまったのか、ちなみは俺の頬をうにうに引っ張った。
「いや、そうでなくて。ちなみの裸体はこの程度レベルではなく、大変素晴らしいと思いますよ?」
「……な、何を言ってるのかな、この人は。……まったく、恥ずかしい人だ」
機嫌が直ったのか、ちなみは俺の頬を優しくなでた。
「というわけで、第一回チキチキ貧乳だけの身体検査は失敗に終わったが、第二回大会では頑張りたいと思います。目指せおっぱい鑑賞!」
「……目指すな」
再び引っ張られる俺の頬だった。
【胸を大きくする薬を飲んだらネコミミが生えてきました】
2010年02月25日
さる事件に巻き込まれ、結果とある薬を手に入れてしまった。なんでもこれを飲むと胸がでかくなるらしいが、そんな恐ろしい薬早急に処分せねばなるまい。
「特にちなみ辺りのえぐれ乳軍団に見つかったら、恐ろしいことになるに違いない」
「……えぐれ乳と申したか」
なんでちなみがすぐ後ろにいますか。
「申してません」
振り向くと同時に薬を背中に隠す。
「……その後ろに隠している薬を見せろ」
「何も隠してないよ?」
「……ううっ、急に胸が苦しくなった。……誰か、小さなおっぱい好きな紳士にさすってもらわないと」
「丁度俺がそんな感じです! さ、早く胸をまろび出して!」
乳をさすろうと出した手には、例の巨乳薬が。
「あ」
取られた。
「……ごくり」
飲まれた。
「……ぷはー。……ふふ、これで私もきょにゅーの仲間入り」
「がむでぶ! なんという地獄絵図! もはやこの世に神なぞいないのか!」
しかし、案外この世界は祝福に満ちていたようで。
「……ぬ?」
見る間にちなみの頭からネコミミっぽい物体がニョキニョキと! 奇跡とはこのことを言うのか!
「……どういうことなのかにゃ。……私を騙したのかにゃ。……ぬ、語尾ににゃがつくにゃ」
「しかも“語尾にゃ機能”つきと! 世界が俺に味方しているのを感じるぞ!」
「……少しは私の話を聞いてはどうかにゃ」
ちなみは俺のほおをぺちぺち叩いた。
「ネコミミ娘がぺちぺちと! ははっ、もういつ死んでも本望だ!」
「勝手に死ぬがいいにゃ。……むぅ、こうもにゃーにゃー言っては、安っぽい萌えキャラみたいで嫌にゃ」
「しかし、俺は大喜びですよ?」
「……それが嫌にゃ。……なんでもいいから戻すにゃ」
「んー、一応解毒剤もあることはあるんだが、巨乳の解毒剤なので、貧乳になる薬ですよ?」
ちなみは自分の胸を見下ろした。これ以上貧乳になる=本当に乳がえぐれることになってしまう。
「……これは胸が大きくなる薬じゃなかったのかにゃ?」
「俺もそう思ってたんだが……」
薬の注意書きを一度読んでみる。
「あっ! 体質により、ネコミミが生える可能性がありますって書いてある! その場合は乳がでかくならないとも!」
「……なんという孔明の罠にゃ。……こんなミミでは、タカシのような頭の悪い連中にモテモテになり、困ってしまうにゃ」
窺うようにちなみは俺を見た。
「あー、うん。可愛い可愛い」(なでなで)
「にゃー♪ ……いや、違うにゃ。そんなの頼んでないにゃ」
一瞬嬉しそうに笑ったちなみだったが、すぐにいつもの無愛想な顔になってしまった。
「分かってるよ。戻る方法だろ? ちょっと調べるから待ってろ」
「……まぁ、それもそうなんだけど、にゃ」
なんか言ってるちなみを置いて、もう一度薬を調べる。
「んー……と。ネコミミが生えた場合、一日放っておくと戻るらしい。なんだ、つまらん」
「……つまらなくないにゃ。……とにかく、戻るならいいにゃ」
ちなみはミミを手でこすった。本当の猫っぽくて、とても素敵。
「ところでさ、その生えた耳って感覚あるの?」
「……あるにゃ。……だから、触るの禁止にゃ」
「分かった。えい」
おもむろにネコミミを掴む。
「にゅあっ! ……さ、触るの禁止って言ったにゃ!」
「おー、すべすべふにふに。本当の猫の耳みたい」
ちなみのネコミミをいじくる。くにくにしたり、折りたたんだりする。
「にゃう……はぁはぁ、た、タカシ、……触らないで欲しいにゃ」
気がつけば、ちなみの息は荒くなっていた。
「エロスを感じる」
「うるさい……にゃっ! ……うー、痛いにゃ」
「あ、ごめんごめん」
慌てて手を離す。強くいじりすぎたのか、ちなみは涙目になっていた。
「……痛いにゃあ」
「だから、ごめんって。すまん。許せ」
「うー……タカシは乱暴にゃ。……レディーはもっと優しく扱わないとダメにゃ。……女の子は砂糖でできてるにゃよ?」
「ほう」
ぺろりとちなみの頬をひと舐め。別段甘くもない。
「そそそそういうことではないにゃ! 分かっててやってにゃいかにゃ!?」
「この味はウソをついてる『味』だぜ……」
「なんのことにゃ!」
ちなみは真っ赤になってぺしぺし叩いた。
「……女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけにゃい。……復唱するにゃ」
「女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけない。ただしちなみは例外とす」
「……例外とか、ないにゃ」
ちなみは俺のほおをぐいぐい引っ張った。
「……なんでこんなことをイチイチ言わなくてはにゃならないのか。……まったく、タカシはダメにゃ。バカなうえオタク、しかも貧乳フェチとか、終わってるにゃ。お先真っ暗にゃ」
「猫に説教されてもなぁ」
「……猫じゃにゃい。……人にゃ」
ちなみの喉元をなでる。
「にゃ、にゃにゃ……ごろごろごろ」
「ノドをならして人と言うか、この猫は! いや愉悦愉悦!」
「な、ならしてなんてないにゃ。気持ちよくなんてないにゃ」
再びちなみの喉元をなでる。空いてる手で頭もなでる。
「にゃにゃにゃ……ごろごろごろ♪」
「機嫌よさげに鳴いてるような気がしますが」
「な、鳴いてないにゃ。そもそも、ネコミミが生えただけで、猫になったわけではにゃい。だから、なでても仕方ないので、なでないほうがいいにゃ」
「はぁ、なるほど」(なでなで)
「にゃあ♪ ……だ、だから、なでるにゃと言ってるにゃ!」
「猫語は難しいなあ……日本語で頼む」
「日本語にゃーっ!」
結局一日中猫と遊んでました。
「特にちなみ辺りのえぐれ乳軍団に見つかったら、恐ろしいことになるに違いない」
「……えぐれ乳と申したか」
なんでちなみがすぐ後ろにいますか。
「申してません」
振り向くと同時に薬を背中に隠す。
「……その後ろに隠している薬を見せろ」
「何も隠してないよ?」
「……ううっ、急に胸が苦しくなった。……誰か、小さなおっぱい好きな紳士にさすってもらわないと」
「丁度俺がそんな感じです! さ、早く胸をまろび出して!」
乳をさすろうと出した手には、例の巨乳薬が。
「あ」
取られた。
「……ごくり」
飲まれた。
「……ぷはー。……ふふ、これで私もきょにゅーの仲間入り」
「がむでぶ! なんという地獄絵図! もはやこの世に神なぞいないのか!」
しかし、案外この世界は祝福に満ちていたようで。
「……ぬ?」
見る間にちなみの頭からネコミミっぽい物体がニョキニョキと! 奇跡とはこのことを言うのか!
「……どういうことなのかにゃ。……私を騙したのかにゃ。……ぬ、語尾ににゃがつくにゃ」
「しかも“語尾にゃ機能”つきと! 世界が俺に味方しているのを感じるぞ!」
「……少しは私の話を聞いてはどうかにゃ」
ちなみは俺のほおをぺちぺち叩いた。
「ネコミミ娘がぺちぺちと! ははっ、もういつ死んでも本望だ!」
「勝手に死ぬがいいにゃ。……むぅ、こうもにゃーにゃー言っては、安っぽい萌えキャラみたいで嫌にゃ」
「しかし、俺は大喜びですよ?」
「……それが嫌にゃ。……なんでもいいから戻すにゃ」
「んー、一応解毒剤もあることはあるんだが、巨乳の解毒剤なので、貧乳になる薬ですよ?」
ちなみは自分の胸を見下ろした。これ以上貧乳になる=本当に乳がえぐれることになってしまう。
「……これは胸が大きくなる薬じゃなかったのかにゃ?」
「俺もそう思ってたんだが……」
薬の注意書きを一度読んでみる。
「あっ! 体質により、ネコミミが生える可能性がありますって書いてある! その場合は乳がでかくならないとも!」
「……なんという孔明の罠にゃ。……こんなミミでは、タカシのような頭の悪い連中にモテモテになり、困ってしまうにゃ」
窺うようにちなみは俺を見た。
「あー、うん。可愛い可愛い」(なでなで)
「にゃー♪ ……いや、違うにゃ。そんなの頼んでないにゃ」
一瞬嬉しそうに笑ったちなみだったが、すぐにいつもの無愛想な顔になってしまった。
「分かってるよ。戻る方法だろ? ちょっと調べるから待ってろ」
「……まぁ、それもそうなんだけど、にゃ」
なんか言ってるちなみを置いて、もう一度薬を調べる。
「んー……と。ネコミミが生えた場合、一日放っておくと戻るらしい。なんだ、つまらん」
「……つまらなくないにゃ。……とにかく、戻るならいいにゃ」
ちなみはミミを手でこすった。本当の猫っぽくて、とても素敵。
「ところでさ、その生えた耳って感覚あるの?」
「……あるにゃ。……だから、触るの禁止にゃ」
「分かった。えい」
おもむろにネコミミを掴む。
「にゅあっ! ……さ、触るの禁止って言ったにゃ!」
「おー、すべすべふにふに。本当の猫の耳みたい」
ちなみのネコミミをいじくる。くにくにしたり、折りたたんだりする。
「にゃう……はぁはぁ、た、タカシ、……触らないで欲しいにゃ」
気がつけば、ちなみの息は荒くなっていた。
「エロスを感じる」
「うるさい……にゃっ! ……うー、痛いにゃ」
「あ、ごめんごめん」
慌てて手を離す。強くいじりすぎたのか、ちなみは涙目になっていた。
「……痛いにゃあ」
「だから、ごめんって。すまん。許せ」
「うー……タカシは乱暴にゃ。……レディーはもっと優しく扱わないとダメにゃ。……女の子は砂糖でできてるにゃよ?」
「ほう」
ぺろりとちなみの頬をひと舐め。別段甘くもない。
「そそそそういうことではないにゃ! 分かっててやってにゃいかにゃ!?」
「この味はウソをついてる『味』だぜ……」
「なんのことにゃ!」
ちなみは真っ赤になってぺしぺし叩いた。
「……女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけにゃい。……復唱するにゃ」
「女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけない。ただしちなみは例外とす」
「……例外とか、ないにゃ」
ちなみは俺のほおをぐいぐい引っ張った。
「……なんでこんなことをイチイチ言わなくてはにゃならないのか。……まったく、タカシはダメにゃ。バカなうえオタク、しかも貧乳フェチとか、終わってるにゃ。お先真っ暗にゃ」
「猫に説教されてもなぁ」
「……猫じゃにゃい。……人にゃ」
ちなみの喉元をなでる。
「にゃ、にゃにゃ……ごろごろごろ」
「ノドをならして人と言うか、この猫は! いや愉悦愉悦!」
「な、ならしてなんてないにゃ。気持ちよくなんてないにゃ」
再びちなみの喉元をなでる。空いてる手で頭もなでる。
「にゃにゃにゃ……ごろごろごろ♪」
「機嫌よさげに鳴いてるような気がしますが」
「な、鳴いてないにゃ。そもそも、ネコミミが生えただけで、猫になったわけではにゃい。だから、なでても仕方ないので、なでないほうがいいにゃ」
「はぁ、なるほど」(なでなで)
「にゃあ♪ ……だ、だから、なでるにゃと言ってるにゃ!」
「猫語は難しいなあ……日本語で頼む」
「日本語にゃーっ!」
結局一日中猫と遊んでました。
【ウイルスちなみん】
2010年02月24日
学校から帰宅して自室に入ると、何かが俺の背中に落ちてきた。
「うわっ、何だこれ! なんかねばねばねちょねちょする! さてはエイリアン的な何かが俺の天井に潜み、今まさに俺を捕食せしめんと涎を垂らしているな! ということは死ぬのか。嫌だなあ」
「……ぶっぶー。はずれ。ばーか」
「…………」
「……正解は、可愛い可愛いウイルスでしたー」
背中から聞き覚えのある声。いつもの馬鹿だ。
「ウイルスってゲル状なの?」
「……いめぇじ、です。なんか、そんな感じがするのです」
「ま、そんなのはいい。どけ」
体を振ってウイルスを振り落とす。
「にゃ」
割と簡単にウイルスを剥がせた。ウイルスは緑色のぶよぶよしたゼリーのような物質に覆われており、まるで緑色のアメフラシのようで気持ち悪い。
「……落ちても、ぶよぶよのおかげで平気ー。痛くないー。……うらやましい?」
床に落ちたウイルス──ちなみは仰向けのままわさわさ蠢いた。
「ちっとも」
「……うらやましがってくれないと、話が進みません。……それを踏まえて。……うらやましい?」
「全然」
ちなみの頬がリスみたいに膨れた。
「……うらやましがってください」
頼まれたので羨ましがってみる。
「いいなあ、緑色のぶよぶよ物体はいいなあ」
実際に言葉にしてみると、まったく羨ましくない。しかもこうしている最中も床がぶよぶよの緑色の汁でどんどん汚れている。早く帰って欲しい。
「……ふふ。ようやっと本音が出ましたね。えいしょっと。……え、えいしょっと」
ちなみはおぶおぶと手らしきものを動かして起き上がろうとしているが、着ぐるみの構造上自力では起き上がれないようだ。
「……あ、あの、タカシ、起こしてください」
「起こしたら帰る?」
「……タカシは私と遊びたくないのですか?」
「割と」
「…………」(涙じわーっ)
「ぼく、ちなみんと遊ぶの大好きさ! I play a ちなみん!」
我ながらいい加減慣れろと思うのだが、泣かれるとついつい甘やかしてしまう。困った性分だと思いつつ、ちなみを抱き起こす。ぶよぶよして気持ち悪い。
「にゅっ。……やれやれ、そんなに私と遊びたいなら遊んであげます。……まったく、私の優しさは天井知らずです。……あ、天井に潜んでいただけに」
「別にうまくないですよ」
「……うるさいです。タカシは黙ってればいいのです」
ちょっと不満そうにしながら、ちなみは「さて」と言って仕切りなおした。
「私のぶよぶよがうらやましいタカシに、特別さーびすです。このぶよぶよをタカシにもあげます。そーれい」
そーれいと言いながらちなみが突っ込んできたので、ひらりとかわす。本棚やらテレビ台やらを薙ぎ倒し、ちなみが壁に激突した。
「……かわさないでください」
壁に緑色の染みを残して、ちなみが恨めしそうに呟いた。
「緑色の物体が突っ込んできたら、誰でもかわすだろ」
「……そんな経験ないので、分かりません」
俺だって初体験です。
「……いいから、かわさないでください。……ね?」
ちなみは両手を合わせ、ちょこんと首をかしげて念を押した。ちょっと可愛い。
「……そーれい」
とか思ってたらまた緑色がつっこんできた。可愛いにゃーとか思ってたせいでかわせず、まともに喰らう。さっきの計算ですか。
「……ふふ、どうです? 実にねばねばでしょう?」
「あー、それはいいが、どうやって脱出するの?」
俺はちなみの緑のねばねばに包まれてしまった。ねばねばがまるでとりもちのように俺を離さない。
「……ウイルスですから、増殖したのです。これでタカシもウイルス。……いっしょ、いっしょ」
ちなみは俺の手をきゅっと握り、嬉しそうに笑った。
「ウイルス対策ソフトは?」
「……残念ながら開発ちゅーです。早ければ50年後には完成するかと」
「それ早くない」
「……じゃ、私が満足したら完成します」
「“じゃ”って言ったことについては優しさから追及しないとして、いつ満足するの?」
「……タカシがぎゅーってしてくれたら、満足するやもしれません」
期待を込めて俺をじっと見る緑な物体に、まあいいかと思いながらむぎゅーと抱きしめる俺だった。
「うわっ、何だこれ! なんかねばねばねちょねちょする! さてはエイリアン的な何かが俺の天井に潜み、今まさに俺を捕食せしめんと涎を垂らしているな! ということは死ぬのか。嫌だなあ」
「……ぶっぶー。はずれ。ばーか」
「…………」
「……正解は、可愛い可愛いウイルスでしたー」
背中から聞き覚えのある声。いつもの馬鹿だ。
「ウイルスってゲル状なの?」
「……いめぇじ、です。なんか、そんな感じがするのです」
「ま、そんなのはいい。どけ」
体を振ってウイルスを振り落とす。
「にゃ」
割と簡単にウイルスを剥がせた。ウイルスは緑色のぶよぶよしたゼリーのような物質に覆われており、まるで緑色のアメフラシのようで気持ち悪い。
「……落ちても、ぶよぶよのおかげで平気ー。痛くないー。……うらやましい?」
床に落ちたウイルス──ちなみは仰向けのままわさわさ蠢いた。
「ちっとも」
「……うらやましがってくれないと、話が進みません。……それを踏まえて。……うらやましい?」
「全然」
ちなみの頬がリスみたいに膨れた。
「……うらやましがってください」
頼まれたので羨ましがってみる。
「いいなあ、緑色のぶよぶよ物体はいいなあ」
実際に言葉にしてみると、まったく羨ましくない。しかもこうしている最中も床がぶよぶよの緑色の汁でどんどん汚れている。早く帰って欲しい。
「……ふふ。ようやっと本音が出ましたね。えいしょっと。……え、えいしょっと」
ちなみはおぶおぶと手らしきものを動かして起き上がろうとしているが、着ぐるみの構造上自力では起き上がれないようだ。
「……あ、あの、タカシ、起こしてください」
「起こしたら帰る?」
「……タカシは私と遊びたくないのですか?」
「割と」
「…………」(涙じわーっ)
「ぼく、ちなみんと遊ぶの大好きさ! I play a ちなみん!」
我ながらいい加減慣れろと思うのだが、泣かれるとついつい甘やかしてしまう。困った性分だと思いつつ、ちなみを抱き起こす。ぶよぶよして気持ち悪い。
「にゅっ。……やれやれ、そんなに私と遊びたいなら遊んであげます。……まったく、私の優しさは天井知らずです。……あ、天井に潜んでいただけに」
「別にうまくないですよ」
「……うるさいです。タカシは黙ってればいいのです」
ちょっと不満そうにしながら、ちなみは「さて」と言って仕切りなおした。
「私のぶよぶよがうらやましいタカシに、特別さーびすです。このぶよぶよをタカシにもあげます。そーれい」
そーれいと言いながらちなみが突っ込んできたので、ひらりとかわす。本棚やらテレビ台やらを薙ぎ倒し、ちなみが壁に激突した。
「……かわさないでください」
壁に緑色の染みを残して、ちなみが恨めしそうに呟いた。
「緑色の物体が突っ込んできたら、誰でもかわすだろ」
「……そんな経験ないので、分かりません」
俺だって初体験です。
「……いいから、かわさないでください。……ね?」
ちなみは両手を合わせ、ちょこんと首をかしげて念を押した。ちょっと可愛い。
「……そーれい」
とか思ってたらまた緑色がつっこんできた。可愛いにゃーとか思ってたせいでかわせず、まともに喰らう。さっきの計算ですか。
「……ふふ、どうです? 実にねばねばでしょう?」
「あー、それはいいが、どうやって脱出するの?」
俺はちなみの緑のねばねばに包まれてしまった。ねばねばがまるでとりもちのように俺を離さない。
「……ウイルスですから、増殖したのです。これでタカシもウイルス。……いっしょ、いっしょ」
ちなみは俺の手をきゅっと握り、嬉しそうに笑った。
「ウイルス対策ソフトは?」
「……残念ながら開発ちゅーです。早ければ50年後には完成するかと」
「それ早くない」
「……じゃ、私が満足したら完成します」
「“じゃ”って言ったことについては優しさから追及しないとして、いつ満足するの?」
「……タカシがぎゅーってしてくれたら、満足するやもしれません」
期待を込めて俺をじっと見る緑な物体に、まあいいかと思いながらむぎゅーと抱きしめる俺だった。