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2024年11月21日
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【ツンデレと歯医者に行ったら】
2015年06月18日
気のせいだと思うが、なんか歯が痛い。まさか、まさかね。……いやいや、いやいやいや。ない。ないよ。
「だってほらアレだよアレアレ今どき歯痛とか流行らないしそれにほら案外気のせいかもしれないし実はただの口内炎で放っときゃ治るかもしんないし」ブツブツブツ
「……何やらタカシが挙動不審。だがそれはいつものことなので、結果として不服」ムー
人が必死で自己暗示してるってのに、例のちっこい娘さんがちょこちょこっと俺の席までやってきて俺を馬鹿にする。
「勝手なことを言うない。あ、そうだ。こんにちは」
「……こんにちは」ペコリン
きちんとお辞儀して挨拶を返すちなみは偉いなあと思ったので、頭をなでてみる。
「…………」ムー
不満そうな顔をされたが、言葉にまではしていないので、まあ良しとしたのだろう。これ幸いとなでまくる。
「……やめれ」
「はい」
言葉が出たのでやめる。まあでも満足。
「……で。……虫歯と聞きましたが」
「ひっ。き、気のせいじゃないカナ? そ、そんな放送禁止用語言った覚えはないよ?」
「……放っておくと手の施しようがなくなるが、よろしいか」
「ひぃ。い、いや、まだ慌てるような時間じゃない。大丈夫、しっかり歯磨きすれば治る。たぶん」
「……昔。……遠い昔。……まだ歯医者という職業がなかった時代。……虫歯が原因で、死んだ人もいたとか」
「ひぃぃ!」
「……あまりの痛みに、全身がひきつり鬼と見まごう顔つきだったとか、そんな」
「う、嘘ですよね?」ブルブル
「……はい」
「…………」
「……えいぷりるふーる」ジャーン
ちげえ。
「……でも、虫歯が原因で死んだ人がいたのは、本当。……なので、タカシも放置して、その轍を踏むといい。……ちなみの、オススメ」ニッコリ
「俺の知り合いが素敵な笑顔で俺に死ねと言ってくる」
「……だいじょぶ。……葬式には顔出す」
「そんな心配はしてねえ! ええい畜生、そこまで言われたら怖くなってきたじゃねえか……」
「……虫歯で死ぬか、麻酔なしドリルの痛みで死ぬか。……どっちにしても、楽しみ」ワクワク
「勝手に麻酔の使用を禁止しないで!」
「……わがまま」ムー
「女じゃなかったら殴ってる」
「…………」ムフー
満足気な顔が大変にムカつきます。つむじ押してやれ。
「……やめれ」(不満げ)
「嫌です」グイグイ
「…………」ムー
「そんなわけちなみのでつむじを押したら嫌がらせとばかりに学校にいる間中怖い話(虫歯限定)をされ続けガリガリSAN値を削られたので、帰宅後歯医者に来た」
「……来たー」バーン
「そしてなぜいる、ちなみ」ウニウニ
「……ほっぺをうにうにするな」
「嫌です」ウニウニ
「…………」(迷惑げ)
「ああ楽しい」ウニウニ
「……まあ、どれだけ現実逃避しても、歯医者からは逃れられないのだけど」
「ぐぬぬ」
「……ふふ。……ああ、そしてここにいる理由はと言うと。……高校生が歯医者に怯え、泣き叫ぶ様を間近で見たかったから、としか言い様がない」
「なんていい趣味してやがる。あと怯えてはいますが、泣き叫びはしませんよ?」
「えー」(不服)
「この野郎」
などとちなみと話したりほっぺを引っ張ったりしてると、俺の名が呼ばれた。来た。ついに来た。
「……骨は回収した後、ちゃんと焼却炉に入れておく」
「やめて。ていうか骨は燃えねえ」
「……じゃあ犬にやる。……食中毒になる可能性が9割を超えているので、今のうちに慰謝料よこせ」
「悪魔か」
ニヤニヤ笑ってるちなみを待合室に置いて、医師の待つ部屋へ。……ん、なんかちなみと話してたら緊張がほぐれたな。まさか、あいつわざと……?
「で」
「……どだった。……ちゃんと歯を削られたか。……歯髄までえぐられたか。……歯にフッ酸を塗布されて狂乱死したか」ワクワク
歯医者からの帰り、ちなみと一緒にてぽてぽ歩いてるのだが、楽しげな同行者から尋ねられっぱなしで少々困っている。
「ねーよ。どんな拷問だ。ただ、来週も来てくださいねーって」
ちなみの顔が見る見る輝いていく。いや表情は依然無表情のままだが、雰囲気がね。付き合い長いからなんとなく分かるの。
「……それはつまり、来週こそお楽しみが……?」ワクワク
「おまいはどうしても俺に拷問を受けてもらいたいようだね」ギリギリ
「……びっくり。……タカシのくせに聡いなんて生意気だ」
「この野郎」ムニー
ちなみのほっぺを引っ張って溜飲を下げる。……まあ本当はそんな怒ってないけど。
「……それで、何時から?」
「ん?」
「来週。……歯医者」
「え、今回のと同じだけど……え? 来週もお前来るのか?」
「……幼女が応援するのだ、喜びこそすれどうして嫌がろうか」
「自分で幼女言うな。いやまあ概ねその通りですけど! ただその幼女の性格がなかなかに毒を含んでましてねェ」
「……ふふん?」
なんで誇らしげなんだ。よく分からん奴。
「いやまあ来てくれるのは待ち時間に話ができて単純に嬉しいけど、俺の治療中、待ってる間ヒマじゃないか?」
「……い、今か今かとタカシの悲鳴を待ってる。これほど楽しい時間はない」
「拷問確定かよ……。ま、俺はお前と話してたらリラックスできるからいいけどな」
「っ! ……な、何を言ってるのか。わ、私は単にタカシをからかって楽しんでるだけにすぎない。や、やれやれ、これだから童貞はすぐに勘違いして困る」
「いや、別に童貞は関係ないかと」
「な、何を冷静に否定しているのか。まったく、これだからタカシは。まったく、まったく」プイッ
「いやはや。んじゃま、来週も頼むな、ちなみ」ポン
「……ふ、ふん。特別に頼まれてやる。か、勘違いするな、優しい私だから一緒に行ってあげるだからな?」
「へーへー」ナデナデ
「……ふん」
顔はそっぽを向いたままだったが、頭をなでても嫌がらず、語調も柔らかくなったので、たぶんちなみも俺とそう変わらない気持ちでいるのだろう、と勝手な想像をした。
「……手が止まってるが」ムスーッ
「あ、はい」ナデナデ
「……別になでなでしてほしいとかじゃないから。指摘しただけだから」
「何も言ってねえ」ナデナデ
「……貧乳の乳を揉んでも詮ないから頭をなでる方がマシだ、とタカシが言う」
「マジで言ってねえ!」
「…………」ジトーッ
「冤罪だ! 違う、そんなこと言ってねえ!」
ちょっと前まで俺の優勢だったのに、あっという間に逆転される俺の日常でした。ちくしょう。
「だってほらアレだよアレアレ今どき歯痛とか流行らないしそれにほら案外気のせいかもしれないし実はただの口内炎で放っときゃ治るかもしんないし」ブツブツブツ
「……何やらタカシが挙動不審。だがそれはいつものことなので、結果として不服」ムー
人が必死で自己暗示してるってのに、例のちっこい娘さんがちょこちょこっと俺の席までやってきて俺を馬鹿にする。
「勝手なことを言うない。あ、そうだ。こんにちは」
「……こんにちは」ペコリン
きちんとお辞儀して挨拶を返すちなみは偉いなあと思ったので、頭をなでてみる。
「…………」ムー
不満そうな顔をされたが、言葉にまではしていないので、まあ良しとしたのだろう。これ幸いとなでまくる。
「……やめれ」
「はい」
言葉が出たのでやめる。まあでも満足。
「……で。……虫歯と聞きましたが」
「ひっ。き、気のせいじゃないカナ? そ、そんな放送禁止用語言った覚えはないよ?」
「……放っておくと手の施しようがなくなるが、よろしいか」
「ひぃ。い、いや、まだ慌てるような時間じゃない。大丈夫、しっかり歯磨きすれば治る。たぶん」
「……昔。……遠い昔。……まだ歯医者という職業がなかった時代。……虫歯が原因で、死んだ人もいたとか」
「ひぃぃ!」
「……あまりの痛みに、全身がひきつり鬼と見まごう顔つきだったとか、そんな」
「う、嘘ですよね?」ブルブル
「……はい」
「…………」
「……えいぷりるふーる」ジャーン
ちげえ。
「……でも、虫歯が原因で死んだ人がいたのは、本当。……なので、タカシも放置して、その轍を踏むといい。……ちなみの、オススメ」ニッコリ
「俺の知り合いが素敵な笑顔で俺に死ねと言ってくる」
「……だいじょぶ。……葬式には顔出す」
「そんな心配はしてねえ! ええい畜生、そこまで言われたら怖くなってきたじゃねえか……」
「……虫歯で死ぬか、麻酔なしドリルの痛みで死ぬか。……どっちにしても、楽しみ」ワクワク
「勝手に麻酔の使用を禁止しないで!」
「……わがまま」ムー
「女じゃなかったら殴ってる」
「…………」ムフー
満足気な顔が大変にムカつきます。つむじ押してやれ。
「……やめれ」(不満げ)
「嫌です」グイグイ
「…………」ムー
「そんなわけちなみのでつむじを押したら嫌がらせとばかりに学校にいる間中怖い話(虫歯限定)をされ続けガリガリSAN値を削られたので、帰宅後歯医者に来た」
「……来たー」バーン
「そしてなぜいる、ちなみ」ウニウニ
「……ほっぺをうにうにするな」
「嫌です」ウニウニ
「…………」(迷惑げ)
「ああ楽しい」ウニウニ
「……まあ、どれだけ現実逃避しても、歯医者からは逃れられないのだけど」
「ぐぬぬ」
「……ふふ。……ああ、そしてここにいる理由はと言うと。……高校生が歯医者に怯え、泣き叫ぶ様を間近で見たかったから、としか言い様がない」
「なんていい趣味してやがる。あと怯えてはいますが、泣き叫びはしませんよ?」
「えー」(不服)
「この野郎」
などとちなみと話したりほっぺを引っ張ったりしてると、俺の名が呼ばれた。来た。ついに来た。
「……骨は回収した後、ちゃんと焼却炉に入れておく」
「やめて。ていうか骨は燃えねえ」
「……じゃあ犬にやる。……食中毒になる可能性が9割を超えているので、今のうちに慰謝料よこせ」
「悪魔か」
ニヤニヤ笑ってるちなみを待合室に置いて、医師の待つ部屋へ。……ん、なんかちなみと話してたら緊張がほぐれたな。まさか、あいつわざと……?
「で」
「……どだった。……ちゃんと歯を削られたか。……歯髄までえぐられたか。……歯にフッ酸を塗布されて狂乱死したか」ワクワク
歯医者からの帰り、ちなみと一緒にてぽてぽ歩いてるのだが、楽しげな同行者から尋ねられっぱなしで少々困っている。
「ねーよ。どんな拷問だ。ただ、来週も来てくださいねーって」
ちなみの顔が見る見る輝いていく。いや表情は依然無表情のままだが、雰囲気がね。付き合い長いからなんとなく分かるの。
「……それはつまり、来週こそお楽しみが……?」ワクワク
「おまいはどうしても俺に拷問を受けてもらいたいようだね」ギリギリ
「……びっくり。……タカシのくせに聡いなんて生意気だ」
「この野郎」ムニー
ちなみのほっぺを引っ張って溜飲を下げる。……まあ本当はそんな怒ってないけど。
「……それで、何時から?」
「ん?」
「来週。……歯医者」
「え、今回のと同じだけど……え? 来週もお前来るのか?」
「……幼女が応援するのだ、喜びこそすれどうして嫌がろうか」
「自分で幼女言うな。いやまあ概ねその通りですけど! ただその幼女の性格がなかなかに毒を含んでましてねェ」
「……ふふん?」
なんで誇らしげなんだ。よく分からん奴。
「いやまあ来てくれるのは待ち時間に話ができて単純に嬉しいけど、俺の治療中、待ってる間ヒマじゃないか?」
「……い、今か今かとタカシの悲鳴を待ってる。これほど楽しい時間はない」
「拷問確定かよ……。ま、俺はお前と話してたらリラックスできるからいいけどな」
「っ! ……な、何を言ってるのか。わ、私は単にタカシをからかって楽しんでるだけにすぎない。や、やれやれ、これだから童貞はすぐに勘違いして困る」
「いや、別に童貞は関係ないかと」
「な、何を冷静に否定しているのか。まったく、これだからタカシは。まったく、まったく」プイッ
「いやはや。んじゃま、来週も頼むな、ちなみ」ポン
「……ふ、ふん。特別に頼まれてやる。か、勘違いするな、優しい私だから一緒に行ってあげるだからな?」
「へーへー」ナデナデ
「……ふん」
顔はそっぽを向いたままだったが、頭をなでても嫌がらず、語調も柔らかくなったので、たぶんちなみも俺とそう変わらない気持ちでいるのだろう、と勝手な想像をした。
「……手が止まってるが」ムスーッ
「あ、はい」ナデナデ
「……別になでなでしてほしいとかじゃないから。指摘しただけだから」
「何も言ってねえ」ナデナデ
「……貧乳の乳を揉んでも詮ないから頭をなでる方がマシだ、とタカシが言う」
「マジで言ってねえ!」
「…………」ジトーッ
「冤罪だ! 違う、そんなこと言ってねえ!」
ちょっと前まで俺の優勢だったのに、あっという間に逆転される俺の日常でした。ちくしょう。
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俺はロリコンじゃないはずなのに、毎回毎回見に来てしまう。
今後も楽しみにしてます!