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2024年11月21日
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【ツンデレの首筋に冷たい手を押し当てたら】
2014年11月26日
近頃めっきり寒くなったので、登校中のかなみの首筋によく冷えた俺の手を背後からぴたりとつけたら悲鳴をあげられたうえ、すげー殴られた。
「解せぬ」
「朝っぱらからもう! こいつは! 本当に!」ゲシゲシ
「うーん。大変に痛いね。これは大変だ。はっはっは」
「笑うなーッ!」ゲシゲシ
ひと通り殴られて少々泣きそうになりつつも、我慢する俺は大人だと言えよう。誰か褒めろ。
「ったく……んで? なんでいきなり痴漢なんてすんのよ」
「痴漢!? これは異なことを。ただ知り合いの首筋に俺の手をくっつけただけではないか! 本当に痴漢するなら乳なり尻なり触って楽しい箇所を触るわ、たわけ!」
思いの丈をぶつけたのに、かなみからは冷笑されるわ周囲の学生たちはヒソヒソと囁いてるわで散々だ。
「うーん。どうやら選択肢を誤ったようだ。ちょっとロードしたいんだけど、ボタンが見つからない」
「リセットボタンならあるわよ? 押してあげよっか?」
「これは分かりやすい殺意表明。やめてね?」
「今後の態度次第ね。少なくとも次また同じ事されたら押す」
「軽い挨拶で死に直結とは、なんという死にゲーだ。……でも、まあ、いいか!」
「よくない! アンタのそーゆートコ、よくないかんねっ!」
「あ、はい。ありがとう」
「こっ、こっちは怒ってるんだからねっ!」
「いや、なんか心配してもらったのだし、感謝は当然かと」
「うっ」
「う?」
「……う、うるさいっ!」ギュー
「ひはひ」
なんか頬を引っ張られたため、呂律が回らず酩酊中のような醜態を晒す羽目に。
「うるさいっ! ばかみたいな顔でこっち見てるからよ、変態!」ギュー
「解せぬ」
「うるさいうるさいうるさいっ!」ギュー
「ひはひ」
ひと通りつねったら満足したのか、手を離してもらった。痛かったので頬をさすさすする。誰か俺をさすさすしろ。
「むー……」
それでもまだつねり足りないのか、かなみは不満げに口を尖らせながらこちらを見ている。
「んじゃそろそろ行きましょか。今日の一時間目なんだっけ。昼休みだっけ」
「……ふんっ!」プイッ
ぷいってされたので残念と思ってたら不意に手が柔らかいので包まれたのでおやと思って見たらかなみのちっこい手が俺の無骨な手を包んでたのでわひゃあ。
「あ」
「アンタを放ってまた冷たい手で首をぴとってされてわってなるのが嫌だから! それを防ぐためにしてるの! 他意はないの!」
「『あ』しか言ってないのに、ものすごい言い訳された」
鬼が俺の手を締め上げる。顔も赤いし赤鬼に違いない。
「もーいいっ!」パッ
「それはどうかな?」ギュッ
「あっ、こらっ! 勝手に握るな!」
「いやほら、折角だし」ニギニギ
「何が折角よ! ああもう、にぎにぎすんな変態! 顔もにやにやすんなっ! 何笑ってんのよこの変態っ!」
「では顔をにぎにぎして、手をにやにやするなら許してもらえるでしょうか」
「無茶言うなッ!」
「顔をにぎにぎするってどうやんの?」
「あたしに聞くなッ!」
などと二人してぎゃーぎゃーにやにやしながらおてて繋いで学校まで行きました。
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かなみもやっぱりいいっすなー