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2024年11月23日
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【胸を大きくする薬を飲んだらネコミミが生えてきました】

2010年02月25日
 さる事件に巻き込まれ、結果とある薬を手に入れてしまった。なんでもこれを飲むと胸がでかくなるらしいが、そんな恐ろしい薬早急に処分せねばなるまい。
「特にちなみ辺りのえぐれ乳軍団に見つかったら、恐ろしいことになるに違いない」
「……えぐれ乳と申したか」
 なんでちなみがすぐ後ろにいますか。
「申してません」
 振り向くと同時に薬を背中に隠す。
「……その後ろに隠している薬を見せろ」
「何も隠してないよ?」
「……ううっ、急に胸が苦しくなった。……誰か、小さなおっぱい好きな紳士にさすってもらわないと」
「丁度俺がそんな感じです! さ、早く胸をまろび出して!」
 乳をさすろうと出した手には、例の巨乳薬が。
「あ」
 取られた。
「……ごくり」
 飲まれた。
「……ぷはー。……ふふ、これで私もきょにゅーの仲間入り」
「がむでぶ! なんという地獄絵図! もはやこの世に神なぞいないのか!」
 しかし、案外この世界は祝福に満ちていたようで。
「……ぬ?」
 見る間にちなみの頭からネコミミっぽい物体がニョキニョキと! 奇跡とはこのことを言うのか!
「……どういうことなのかにゃ。……私を騙したのかにゃ。……ぬ、語尾ににゃがつくにゃ」
「しかも“語尾にゃ機能”つきと! 世界が俺に味方しているのを感じるぞ!」
「……少しは私の話を聞いてはどうかにゃ」
 ちなみは俺のほおをぺちぺち叩いた。
「ネコミミ娘がぺちぺちと! ははっ、もういつ死んでも本望だ!」
「勝手に死ぬがいいにゃ。……むぅ、こうもにゃーにゃー言っては、安っぽい萌えキャラみたいで嫌にゃ」
「しかし、俺は大喜びですよ?」
「……それが嫌にゃ。……なんでもいいから戻すにゃ」
「んー、一応解毒剤もあることはあるんだが、巨乳の解毒剤なので、貧乳になる薬ですよ?」
 ちなみは自分の胸を見下ろした。これ以上貧乳になる=本当に乳がえぐれることになってしまう。
「……これは胸が大きくなる薬じゃなかったのかにゃ?」
「俺もそう思ってたんだが……」
 薬の注意書きを一度読んでみる。
「あっ! 体質により、ネコミミが生える可能性がありますって書いてある! その場合は乳がでかくならないとも!」
「……なんという孔明の罠にゃ。……こんなミミでは、タカシのような頭の悪い連中にモテモテになり、困ってしまうにゃ」
 窺うようにちなみは俺を見た。
「あー、うん。可愛い可愛い」(なでなで)
「にゃー♪ ……いや、違うにゃ。そんなの頼んでないにゃ」
 一瞬嬉しそうに笑ったちなみだったが、すぐにいつもの無愛想な顔になってしまった。
「分かってるよ。戻る方法だろ? ちょっと調べるから待ってろ」
「……まぁ、それもそうなんだけど、にゃ」
 なんか言ってるちなみを置いて、もう一度薬を調べる。
「んー……と。ネコミミが生えた場合、一日放っておくと戻るらしい。なんだ、つまらん」
「……つまらなくないにゃ。……とにかく、戻るならいいにゃ」
 ちなみはミミを手でこすった。本当の猫っぽくて、とても素敵。
「ところでさ、その生えた耳って感覚あるの?」
「……あるにゃ。……だから、触るの禁止にゃ」
「分かった。えい」
 おもむろにネコミミを掴む。
「にゅあっ! ……さ、触るの禁止って言ったにゃ!」
「おー、すべすべふにふに。本当の猫の耳みたい」
 ちなみのネコミミをいじくる。くにくにしたり、折りたたんだりする。
「にゃう……はぁはぁ、た、タカシ、……触らないで欲しいにゃ」
 気がつけば、ちなみの息は荒くなっていた。
「エロスを感じる」
「うるさい……にゃっ! ……うー、痛いにゃ」
「あ、ごめんごめん」
 慌てて手を離す。強くいじりすぎたのか、ちなみは涙目になっていた。
「……痛いにゃあ」
「だから、ごめんって。すまん。許せ」
「うー……タカシは乱暴にゃ。……レディーはもっと優しく扱わないとダメにゃ。……女の子は砂糖でできてるにゃよ?」
「ほう」
 ぺろりとちなみの頬をひと舐め。別段甘くもない。
「そそそそういうことではないにゃ! 分かっててやってにゃいかにゃ!?」
「この味はウソをついてる『味』だぜ……」
「なんのことにゃ!」
 ちなみは真っ赤になってぺしぺし叩いた。
「……女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけにゃい。……復唱するにゃ」
「女の子のほっぺを勝手に舐めてはいけない。ただしちなみは例外とす」
「……例外とか、ないにゃ」
 ちなみは俺のほおをぐいぐい引っ張った。
「……なんでこんなことをイチイチ言わなくてはにゃならないのか。……まったく、タカシはダメにゃ。バカなうえオタク、しかも貧乳フェチとか、終わってるにゃ。お先真っ暗にゃ」
「猫に説教されてもなぁ」
「……猫じゃにゃい。……人にゃ」
 ちなみの喉元をなでる。
「にゃ、にゃにゃ……ごろごろごろ」
「ノドをならして人と言うか、この猫は! いや愉悦愉悦!」
「な、ならしてなんてないにゃ。気持ちよくなんてないにゃ」
 再びちなみの喉元をなでる。空いてる手で頭もなでる。
「にゃにゃにゃ……ごろごろごろ♪」
「機嫌よさげに鳴いてるような気がしますが」
「な、鳴いてないにゃ。そもそも、ネコミミが生えただけで、猫になったわけではにゃい。だから、なでても仕方ないので、なでないほうがいいにゃ」
「はぁ、なるほど」(なでなで)
「にゃあ♪ ……だ、だから、なでるにゃと言ってるにゃ!」
「猫語は難しいなあ……日本語で頼む」
「日本語にゃーっ!」
 結局一日中猫と遊んでました。

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