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2024年11月22日
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【ツンデレに身体検査をしたら】

2010年02月28日
 今日は身体検査らしいんだけど、ちなみは風邪で休んでいる。一年に一度の成長を調べる大切な日だというのに、なんたることか。
「つーわけで、俺が調べてやる」
 後日、治ったちなみの家に押しかけて一方的に告げた。
「……言ってる意味が不明」
「いや、だから俺自らちなみの体を調べてあげようと。身体検査してあげようと」
「……別に、タカシがする必要ないし。……後で保健の先生がするし」
「それじゃおっぱ……げふんげふん。いや、ちゃんと成長しているか調べたいんだ。他意はないよ?」
「……貧乳限定のおっぱい星人め」
 どうしてばれているのか。
「と、とにかく。悪いようにはしない、俺に任せてくれ。一度女の子に身体検査するのが夢だったんだ」
「……むぅ。……放っておくと、怪人身体検査男になりそうだ」
 なんだその怪人。
「……説明しよう。……怪人、身体検査男とは、夜な夜な街を練り歩き、道行く女性を襲っては検査し襲っては検査する犯罪者のことだ」
 怪人じゃなくて犯罪者じゃん。
「……知り合いがそんな怪人になるのは忍びないので、我慢して身体検査を許可する」
 俺は犯罪者だと思われているのかとちょっと悲しくなったが、とにかく許可は得た。
「じゃあ身長体重は飛ばして、……ハァハァ、きょ、胸囲を」
「…………」(侮蔑の視線)
「身長から調べようねー☆」
「……やれやれ。どうしてそんなにえっちなのか」
 さすがに保健室にあるようなでかい身長計はないので、メジャーで測る。
「えーと……142cm。小さっ!」
「……うるさい。……去年より1cmも伸びてる。……偉大なる進歩。……来年にはタカシの身長を越す予定」
「一年で30cm近く伸びるのは無理があるかと」
「……うるさい」
 ちなみは俺の顔をぺちぺち叩いた。
「まあ、小さいからと嘆くな。世には小さいくてもいい、いやむしろ小さい方が、と思う心優しき人もいるのだから。俺とか」
「……これだからロリコンは」
 どうしてばれているのか。
「続いて体重に移ります」
「……た、体重は量らなくていいと思う。……タカシも私のおっぱいにしか興味ないだろうし」
「あー、女の子なんだねー。とても可愛いと思わずにはいられないねー」
 生暖かい笑みを浮かべてちなみの頭をぐりぐりなでると、不満そうな視線を投げかけられた。
「……馬鹿にして。分かった、量ればいい。……そして、笑うがいい」
 ちょっと怒りながら、ちなみは体重計に乗った。針は37kgを差した。
「軽っ! おまえ、ちゃんと飯食ってるか?」
「……食べてる」
 どの程度の重さか、脇から手を差し込んで実際にちなみを持ち上げる。さしたる苦労もなく、簡単に持ち上がった。
「うーん、軽いな。そだ、高い高いしてあげようか?」
「……いいから下ろせ」
 ちなみは所在なさげに足をぷらーんとさせていた。ちょっと愉快だったが、そろそろ腕が限界だったのでちなみを下ろす。
「さて! 身長体重と終わり、残るは胸囲と相成りました! いかがですか、ちなみさん?」
「……今宵で膜ともお別れか」
「しねーよッ! 俺を何だと思ってんだ! つーか女の子が膜とか言うなッ!」
 俺の大声に、ちなみは迷惑そうに耳を塞いだ。
「……まったく。タカシは女の子に幻想を抱きすぎだ」
 うるさい。
「さ、さて。きょ、胸囲なんですが、調べるべるには、その、服を! 脱がないといけないですよね?」
「…………」
 ちなみは自分のぺたんこーな胸を見下ろし、続けて俺を見た。
「……見たいの?」
「見たいと言うか計測したいというか揉みたいなあ」
 しまった、思考が漏れた。
「……えっち」
 ちなみは頬を染め、胸を隠した。
「え、えっちとかじゃなくて。計測ですから。淫らな気持ちなんて欠片も」
「……タカシ、立ってる」
「何ィ!? 股間の野郎、主人の意思も無視して何先走ってやがる! いや液は出てないと思いますが!」
 慌てて息子を見るも、大人しい限り。
「騙しましたね?」
「……やはりえっちな気持ちで計測するんだ。……計ってる最中にえっちな気持ちが暴走して、私は襲われるんだ。……ああ、可哀想な私」
「襲いません」
「…………」(ほっぺぷくー)
 嫌なのか。
「まーなんだ、どうしても嫌なら別に服の上からでも」
「……別に、タカシに見られるのなんてへーきだし」
 ちなみは俺に背を向け、するすると上着を脱いだ。肩から覗く肌は蛍光灯に照らされ、まるで宝石のように光っていた。その輝きに呼応するように、俺の動悸が激しくなる。
「ちょ! ちょっと待って! ストップ!」
「……?」
 ちなみは首だけ回し、不思議そうにこちらを見た。いや、不思議なのはこちらもそうだ。
 なんだってちなみの肌を見ただけでこんなドキドキしますか、俺。あれほど二次元で鍛えたじゃないか。今こそ、その真価を見せる時じゃないか!
「……どしたの?」
 ちなみは体ごとこちらに向いた。自然、裸が俺に晒される。無論、そこには、ち、ちく、
「ぶばー」
「……おおう、タカシが大量の鼻血を。……漫画みたい」

「……ん、んう」
「……あ、起きた。……おはー」
 気がつくと、俺はちなみに膝枕をされていた。もちろん、すでにちなみは衣服を着ている。
「……まったく、いきなり気絶とか。……迷惑にも程がある」
「あ、いや、ごめん。しっかし、この程度で気絶とか……我ながら情けない」
「……どーせこの程度な裸だもん」
 機嫌を損ねてしまったのか、ちなみは俺の頬をうにうに引っ張った。
「いや、そうでなくて。ちなみの裸体はこの程度レベルではなく、大変素晴らしいと思いますよ?」
「……な、何を言ってるのかな、この人は。……まったく、恥ずかしい人だ」
 機嫌が直ったのか、ちなみは俺の頬を優しくなでた。
「というわけで、第一回チキチキ貧乳だけの身体検査は失敗に終わったが、第二回大会では頑張りたいと思います。目指せおっぱい鑑賞!」
「……目指すな」
 再び引っ張られる俺の頬だった。

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