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2024年11月24日
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【寒そうにしてるツンデレの手を取って息を吹きかけてあげたら】

2010年02月28日
 今日は朝からとても寒い。震えながら登校してると、中国からの留学生、メイシンと遭遇した。
「おっすメイシン。今日も寒いな」
「……朝から嫌な奴と会ったアル。今日は一日最悪アル」
 どうしてか知らないが、メイシンは俺の事を毛嫌いしていた。見知らぬ地で心細くないよう、人が色々心を砕いてやっているというのに。
「例えば、おまいさんが昼飯を食ってる時とかに寂しくないよう、隣で微笑んだり」
「いきなり何の話してるアルかっ! ていうか思い出したヨ、オマエ私がご飯食べてる時に変な顔して、私を噴き出させたネ! 口の中のおかず飛んだヨ!」
 どうやら俺の気配りは伝わっていないようだ。
「うう、寒いんだからあまり怒らせないアルよ。……寒いヨ、しばれるヨ。もう嫌だヨ、中国帰りたいアルよ……」
「そんな寒いなら、頭についてるその丸いのを使い、寒冷対策フィールドを展開すればいいじゃん」
「そんな機能ないネ! これはシニョンキャップ言うアル! ちなみに、お気に入りアル」
「あー、可愛いよねシニョンキャップ。中に詰まってるものを考えなければ」
「何言ってるアル! 入ってるの髪の毛ネ! 怖い事言うの禁止アル!」
「え、髪の毛だっけ? 俺の聞いた話によると、なま……いや、気のせいだな」
「怖がらせるのよくないアル! ていうかさっき何言おうとしたアルか!? “なま”って何アル!?」
「ふいい……寒いなあ」
「話を聞くアル! ……まあ、寒いのは認めるアル」
 メイシンは両手を合わせ、擦り合わせていた。
「ちょい失礼」
「なっ、何するアル!」
 メイシンの両手を取り、その上から暖かい息を吹きかける。
「はーっ、はーっ。……どだ? ちょっとは暖かいだろ?」
「あ、えと……まあ、少しは暖かいアル。オマエみたいなのでも役に立つことがあるアルね」
 メイシンは少しだけ嬉しそうに笑った。
「朝から餃子食ってきた甲斐があったよ」
「今すぐ手を離すアルっ! 臭い息が私の手に移るアルっ!」
 一瞬で笑顔を消し、メイシンは必死に俺の手から逃れようとした。
「善意からもっと温めてあげようと思った。ということで、はーっ、はーっ、はーっ」
「うっきゃーっ!! 臭いアル臭いアル、餃子臭いアルーっ!」
 祖国の匂いに悲しい叫びをあげるメイシンだった。

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