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2024年11月21日
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【カレーライスよりハヤシライスが好きなツンデレ】

2010年04月27日
 学食に行くと、偶然先輩と会った。隣に座らせてもらう。
「先輩、何頼んだの?」
「…………」
「見ての通り? ……いや、まぁそうなんだけど、会話の掴みというか……まぁいいや」
 先輩は黙々とハヤシライスを口に運んでいた。逆手にスプーンを持ってるせいなのかそれとも不器用なのか、テーブルに飯粒をこぼしまくっている。
「ハヤシライスか。それも嫌いじゃないけど、俺はやっぱりカレーだな。ほら、俺が頼んだのもカレーだし」
「…………」
「カレーなんてハヤシライスの偽物? ……そりゃちっと言いすぎじゃないか、先輩? ほら、食ってみれば考えも変わるかもしれんぞ」
 俺は自分の皿からカレーをすくうと、先輩の皿に入れた。混ぜると危険なので飯の上に乗せる。
「…………」
「余計なことすんな、馬鹿? いやいや、食ってみれば美味いかもしれないぞ。何事もチャレンジだ!」
 先輩はうさんくさそうに俺を一瞥したあと、恐る恐るカレーをすくい、口に含んだ。
「…………」
 先輩は泣きそうな顔になった。
「どした先輩? 辛いのか?」
 先輩はコクコクコクと何度も頷いた。
「そういやこれ辛口だな。子供にゃきつかったか」
 先輩は手元の水を一気に飲み干した。
「……! ……!」
「子供じゃない? 本当はこんなの平気? ……じゃあ、もっと食える?」
 先輩は小さくもちろん、と言った。俺の皿からカレーをすくうと、ふるふると小さくスプーンを震わせ、口に入れた。
「…………」
 先輩は泣きそうな顔になった。
「あーもう、無理すんなよ先輩」
 水を渡そうとコップを持ち上げたら、先輩は俺の手から素早くコップを奪取し一気に飲み干した。
「…………」
「ほら、平気だった? だから大人? ……そうだね、先輩」
 先輩の頭をなでてあげると、先輩は嬉しそうに胸を張って笑うのだった。

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【チワワとちくわを間違えたツンデレ】

2010年04月26日
 暇つぶしに先輩の教室に行くと、先輩は何かのチラシを夢中で見ていた。
「こんちゃ、先輩。何見てんの?」
 俺がやってきたことを知ると、先輩は目を輝かせて俺にチラシを見せ付けた。
「ん? ……なんだこりゃ」
 先輩が見せてくれたのは、スーパーのチラシだった。そして先輩が指したものは、ちくわ30円の文字だった。
「…………」
「チワワが30円? 安いから学校の帰りに買う? ……先輩」
 先輩はちくわとチワワを間違えていた。しかし、その事実をつきつけるには、あまりに先輩の目が輝きすぎていた。
「…………」
「楽しみ? 名前はミシンにする? ……その微妙なネーミングセンスはともかく、ええと、だな」
 先輩は俺が言いよどむのを見て、不思議そうに小首を傾げた。
「スーパーにチワワが売ってるのって変だと思わないか?」
 俺は出来るだけ遠回りに間違えていることを伝えた。
「…………」
「便利な時代になったね、……ですか。いやはや、その、馬鹿」
 先輩はほっぺをふくらまして、俺の頬を引っ張った。
「いててて! いや、そのな、も一回チラシをよ~く見てみ」
 先輩は不満そうにチラシを見た。そして、傍で見てて気の毒になるくらいショックを受けていた。
「……ま、そういうことだ。先輩が勘違いするのも仕方ないけど、分かってくれたよな」
「…………」
「……このチラシ一週間前のだった? いやいやいや、そうじゃなくて!」
 可愛らしく小首を傾げているが、悶えている暇はない。俺はずびしと真実を教えることにした。
「先輩が欲しいのは、チワワ。スーパーに売ってるのは、ちくわ。おーけー?」
 先輩は数度チラシを見た。そして最後に俺を見て、ゆっくり顔を赤くしていった。
「しかし、チワワとちくわを間違えるか? さすがは先輩だな。わはははは!」
 大笑いする俺に、先輩は顔をりんごのように赤く染め上げてぽかぽか叩くのだった。

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【きなこはきのこから出来ていると思っているツンデレ】

2010年04月24日
 先輩と一緒に中庭で弁当を食った後、デザートに持ってきたきなこ棒を一緒に食べる。
「たまにゃこういう駄菓子もうまいだろ、先輩?」
「…………」
 先輩は一心不乱にきなこ棒を食べてて、俺の話を聞いていないようだ。リスみたいに頬いっぱいに詰めてて、小動物みたい。
「……♪」
 全部食べきると、先輩は満足したように息を吐いてお腹をさすった。
「……ほとんど先輩が食っちまったな。この小さい体のどこにそんだけ入るんだか」
 コンビニ袋を逆さにして振ってると、先輩が小さく頬を膨らませた。
「…………」
「え、小さくない? ……先輩、前から言ってるけど、小さいっての。小学生の方が大きいてててて」
 涙目でほっぺを引っ張られた。身長の話題はタブーらしい。
「…………」
「え、すぐ背のこと言うから嫌い? まぁそう言うなって。嘘言われるよりマシだろ」
 先輩の頭をなでると、先輩はつまらなさそうに中庭の草をむしった。
「しかし、たまにゃきなこ棒もうまいな。とても大豆から出来たとは思えん」
「…………」
「え、違う? きなこはきのこから出来てる? ……いやいやいや、大豆だぞ」
 先輩はぷくーっと頬を膨らませた。
「…………」
「きのこに決まってる? 何をどうやったらきのこからきなこが出来るんだよ。誰から聞いたんだ?」
「…………」
「え、ママ? ……ええと、騙されてるぞ、先輩」
 先輩は激しいショックを受けたようだった。
「…………」
「え、また騙された? ……よく母親に騙されるのか?」
 先輩はコクンと頷いた。
「あー、先輩根が素直だからなぁ……素直っていうか、馬鹿っていうか」
 先輩は小さく馬鹿じゃないもんと言いながら、俺の頬を引っ張るのだった。

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【辛いもの食ってつらそうなツンデレ】

2010年04月19日
 コンビニに以前話題になった暴君ハバネロがあったので、話のタネに買ってみた。
 コンビニ袋を携え外に出ると、偶然小さな先輩に出会った。
「よお、先輩。今帰りか?」
「…………」
「え、見れば分かるだろ? いや、そうなんだけど……」
「…………」
「え、何買ったのかって? これ、スナック菓子」
 菓子と聞いて、先輩の目が怪しくきらめいた。
「…………」
「え、よこせ? いや、いくら先輩が妖怪ハラヘッタでも、これは先輩みたいなおこちゃまには辛くて無理だ」
 先輩は俺の体によじ登った。そして俺の胸あたりまで登ると、器用にほっぺを引っ張られた。
「……先輩、んな無理して引っ張らなくても」
「…………」
「え、無理してない? ……そースか。まぁそれはともかく、辛いのダメだったろ、確か」
「…………」
「え、大丈夫? 大人だから辛いのへーき? いや、無理だって。お兄さんの言うこと聞いときなさい」
 先輩は地面に飛び降り、不満そうにほっぺを膨らませて俺のすねを蹴った。
「痛い痛い! ああもう、わーったよ。その代わり、辛くても我慢しろよ」
 菓子を渡すと、先輩は待ちきれない様子で袋を破った。そして、一息にスナックを口に入れた。
 最初笑顔だった先輩の顔が、みるみる悲しそうに変化していく。
「だから言ったろ、先輩にゃ無理だって。ほら、ここに吐き出せ」
 しかし、先輩は頭を振って咀嚼した。涙目になりながらも、先輩はなんとか飲み込んだようだ。
「…………」
「え、全然へーきだった? そっか、なら残り全部やるよ」
 先輩が凍った。
「いや、俺は単に話のタネに買っただけだから。美味しく食べれる奴が食うに限るだろ」
 先輩はあぅあぅと言葉にならない声で何かを訴えようとしていた。
「よかったな先輩、タダでお菓子もらえて。らっきー♪」
 先輩は小さく“全然らっきーじゃない”と悲しげに言った。当然、聞こえないフリをした。
「よし、ここは先輩の得意技である“菓子一気食い”を披露してもらおうか」
 先輩が再び凍った。
「…………」
「え、折角貰ったものを一気に食べるなんて申し訳ない? ははっ、何言ってんだよ先輩。俺は先輩に喜んでもらえりゃ、それでいいんだ」
 先輩の頭をなでると、先輩は泣きそうな目で俺をみつめた。
「う……」
 この、子犬のような目に弱い。
「…………」
「え、年上の綺麗なお姉さんをいじめて楽しいか、このクソ虫……って言った?」
 先輩は半泣きのままコクコク頷いた。
「あははははー……先輩♪ 食え」
 先輩の小さな口を無理やりこじ開け、その中にハバネロを注ぎ込む。
「!!!??」
 先輩は目を白黒させて道路を跳ね回った。
「わはははは! 大丈夫か、先輩?」
 買っておいた清涼飲料水を先輩に渡すと、先輩は一気に飲み干した。
「…………」
「え、おいしかった? やっぱり辛いのなんてへーき? ……すごいな、先輩」
 強がりもここまでくると、逆に感心してしまう。
「…………」
「でも、もういい? お腹いっぱい? そりゃ残念、こんなのもあるんだけど」
 袋の中からチョコレートを取り出すと、先輩は目を輝かせた。
「…………」
「え、やっぱりちょっとお腹空いた? ……先輩、可愛いな」
 馬鹿にされたと感じたのか、先輩は頬を膨らませて俺の脚を蹴った。
「わはははは! はい先輩、チョコあげる」
 チョコを渡すと、先輩は途端に機嫌を直して嬉しそうに頬張った。
「……先輩、リスみたい」
 先輩は口をもごもごさせながら「リスじゃないもん」と小さく呟くのだった。

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【ツンデレにねこみみ渡してみた】

2010年04月10日
 萌え系の漫画を買ったら、初回限定でネコミミがついてきた。自分でつけて鏡を見たが、死にたくなったので即外した。
 やはりここは娘さんにつけるべきだろう。というわけで、懐にネコミミを隠して学校内を闊歩してると小さな先輩を見つけた。
「先輩、こんちは」
 先輩はとても小さな声で“こんにちは”と言い、ぺこりとお辞儀した。
「そーだ先輩、先輩は大人だからなんだってできるよな?」
 とーぜん、と小さな胸を反らす先輩に、俺は笑って懐の品を先輩に渡した。
「んじゃ、これつけて♪」
「…………」
 ネコミミをじっと見ること数秒、先輩は小さな小さな声で「変態」と言った。
「ちっ、違う! いや、自信ないけど!」
「…………」
 先輩はいつもの眠そうな目で俺をじーっと見た。
「え、えと、先輩がネコミミつけたらどうなるかな~? きっと、女神も羨むほど可愛くなるだろうな~?」
「…………」
「え? 可愛いより、キレイって言われたい? うーん……先輩、人間には分相応って物があるんだぞ?」
 先輩はいきなり俺の体をよじのぼり、ほっぺを思い切り引っ張った。
「……先輩、なんでそこまでして俺のほっぺを引っ張るですか?」
「…………」
「え、悪いことしたらほっぺを引っ張るのが普通? ……そうか、先輩の家ではそうなんだな」
 母親にほっぺを引っ張られ、半泣きの先輩を想像し思わずにやける。
「…………」
「え? 顔が気持ち悪い? 失礼な、見ただけで股ぐらが濡れそぼるほどの美男子だろう?」
 先輩は小さく「ばーか」と言い、地面に飛び降りた。
「とにかく、ネコミミつけて。見たいんだ、先輩の艶姿を。きっと……えへん、キレイだろうなぁ~」
 先輩はネコミミを見て、何か考えている様子だった。……あと一押しか?
「先輩、つけてくれたら後でお菓子おごってやるよ」
 先輩の目が怪しくきらめいたかと思うと、もう先輩の頭にネコミミが装着されていた。
「先輩、簡単だな……」
 口を尖らせ「簡単じゃないもん」とぶーたれる先輩だが、いやしかしこれは……。
「たまらんな……いかん、鼻血出そう」
 鼻を押さえる俺を見て、先輩は不思議そうな顔をして首を傾げた。……だから、そういう仕草がもう、もう!
「ああもうダメだ! 先輩、ちょっと保健室行こう保健室! 手でいいからお願いもうダメなのです!」
 先輩を小脇に抱え、保健室に突撃。
「おや、いらっしゃい」
 先生が気だるそうにタバコを燻らせながら、俺を迎えた。
「なんだ、別府と……猫?」
 先輩がにゃーと鳴いた。
「先生、ちょっと席外して!」
「……構わんが、何をするつもりだ?」
「ちょっと先輩とエロいことを!」
 しまった、つい本音が!
「……別府、ちょっと来い」
「あ、いや、違うのです! 手、手でしてもらおうとしただけで! 挿れるつもりは毛頭ないわけで!」
「……おまえなぁ、子供になんてことしようと……」
 先輩が俺に抱えられたまま小さく「子供じゃないもん、大人だもん」と言ってるが、それどころではない! このままではまた教師連中に吊るされる!
「いてててて急な腹痛! たぶんガン! なので早退しまっす!」
 先輩を置いて逃げようとしたら、わっしと肩を掴まれた。
「まぁそう言うな。ちょっと私と一緒に職員室行こう。ははっ、今日の職員会議の議題ができた」
「ははははは、これは愉快なことを。……冗談だよね?」
 にやりと笑みを見せる先生に、さてどうやって言い訳するかと思いながら、一緒に保健室を出た。

 口八丁でどうにかこうにか危機を脱し職員室を出る頃には、もう窓から夕日が差し込む時間帯になっていた。
 疲れ果てた体を引きずって教室に戻ると、先輩がいた。ネコミミのままで。
「先輩? どしたの?」
「…………」
「え? 待ってた? お菓子? ……ああ、そういやそんな約束してたっけ。今日は疲れたからまた後日……というのは嘘で、今すぐ買いに行こうな」
 先輩が泣きそうになったので慌てて買いに行くと言うと、先輩は晴れ晴れとした笑顔を見せた。
「……嘘泣き?」
 俺の疑問に答えることなく、先輩は嬉しそうに俺の腕にしがみつき、「早く、早く」と急かすのだった。

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