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2025年04月19日
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【ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら】
2010年05月24日
昼飯にパンを買ったのはいいが、ジュースを買う金がない。しかたないのでパンだけ食ってると、かなみがジュースを飲みながらこっちにやってきた。
「アンタなにパンだけ食べてるの? ジュース買うお金ないの?」
「貧乏学生にそんな高級なもんは買えん。……バイト代入るの、放課後なんだよ」
「じゃあ今が一番お金ないんだ。アハハハ、カワイソ」
心底馬鹿にした笑い声をあげ、かなみはジュースを飲んだ。
「……そうね。『かなみ様、哀れな私にどうかお恵みを』って言ったら、ちょっとあげてもいい」
「かなみ様哀れな私にどうかお恵みを」
一瞬の躊躇もなく言い切る。土下座も忘れるな。
「……なんかホントに哀れになってきた。ほら、半分しかないけどあげるわよ」
「おおおおお! 予想以上にいい奴だったんだな、かなみって」
かなみの手から素早く紙パックを受け取り、ストローに口をつける。
「あ、そういやこれって間接キスだよな」
「え? ……な、なな、あ、アンタ何言ってんのよ! バッカじゃないの! ホント馬鹿ね! ばか、ばーか!」
顔を真っ赤に染め、かなみは狼狽した様子でまくしたてた。
「か、かか、間接キスなんかで喜んじゃって。ホント、タカシってばお子ちゃまよね~!」
見ていて可哀想になるくらい真っ赤なままで、かなみはツインテールを揺らしながら必死に言葉を並べた。
「別に喜んじゃいないが……とにかくサンキュな、かなみ。よかったらパン半分食うか? 間接キスだけど」
「いらないわよっ!」
「残念」
ずちゅーっとジュースを飲み干す。捨てようと席を立つと、かなみに止められた。
「わ、私が捨ててってあげるから、それ、貸しなさいよ」
「え、いや別に自分で捨てるから……」
「いいから貸しなさいっ!」
俺の手からジュースをひったくると、かなみはえらい勢いで教室を出て行った。
「捨てないのか……?」
「……間接キス、だって。バッカみたい。……へへへ♪」
誰もいない屋上で、かなみは紙パックを見つめてはニコニコ笑っていた。
「アンタなにパンだけ食べてるの? ジュース買うお金ないの?」
「貧乏学生にそんな高級なもんは買えん。……バイト代入るの、放課後なんだよ」
「じゃあ今が一番お金ないんだ。アハハハ、カワイソ」
心底馬鹿にした笑い声をあげ、かなみはジュースを飲んだ。
「……そうね。『かなみ様、哀れな私にどうかお恵みを』って言ったら、ちょっとあげてもいい」
「かなみ様哀れな私にどうかお恵みを」
一瞬の躊躇もなく言い切る。土下座も忘れるな。
「……なんかホントに哀れになってきた。ほら、半分しかないけどあげるわよ」
「おおおおお! 予想以上にいい奴だったんだな、かなみって」
かなみの手から素早く紙パックを受け取り、ストローに口をつける。
「あ、そういやこれって間接キスだよな」
「え? ……な、なな、あ、アンタ何言ってんのよ! バッカじゃないの! ホント馬鹿ね! ばか、ばーか!」
顔を真っ赤に染め、かなみは狼狽した様子でまくしたてた。
「か、かか、間接キスなんかで喜んじゃって。ホント、タカシってばお子ちゃまよね~!」
見ていて可哀想になるくらい真っ赤なままで、かなみはツインテールを揺らしながら必死に言葉を並べた。
「別に喜んじゃいないが……とにかくサンキュな、かなみ。よかったらパン半分食うか? 間接キスだけど」
「いらないわよっ!」
「残念」
ずちゅーっとジュースを飲み干す。捨てようと席を立つと、かなみに止められた。
「わ、私が捨ててってあげるから、それ、貸しなさいよ」
「え、いや別に自分で捨てるから……」
「いいから貸しなさいっ!」
俺の手からジュースをひったくると、かなみはえらい勢いで教室を出て行った。
「捨てないのか……?」
「……間接キス、だって。バッカみたい。……へへへ♪」
誰もいない屋上で、かなみは紙パックを見つめてはニコニコ笑っていた。
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【肩のうしろの2本のツノのまんなかにあるトサカの下のウロコの右が弱点なツンデレ】
2010年05月22日
かなみがコスプレに目覚めた。
「どうしても、って言うなら見せてあげてもいいわよ」
死ぬほど断ったのだけど終始俺の話は聞かず、かなみの家に連行された。
「そこで待ってなさい。……勝手に部屋の物触ったら殺すわよ」
部屋を出て行った瞬間に家捜し開始。まずタンス。いきなりパンツ発見。手当たりしだいポケットに入れる。続いて他の場所も探そうとしたが、足音が聞こえたので素早く引き出しを閉め、何事もなかった風に振舞う。
「よぉ、早かった……な」
「……なによ。なんか言いなさいよ」
かなみが変な生き物になってた。頭と背中、合わせて三本の角が生えてる。肩とか腹にウロコ貼ってるし。
「変」
そのものズバリな感想を言ったら殴られた。
「どこが変よ! かっこいいでしょ? 素直に褒めていいのよ?」
「変。角とかウロコとか何考えてんだ」
また殴られた。素直に言ったのに。
「じゃ、じゃあ背中は? ほら、ウロコ。かっこいいでしょ?」
「かっこよくはないが……しかし、よくできてるな。本物のウロコか?」
角の間にあるトサカの下のウロコ周辺を触る。
「ちょ、そこらへんあんまり触らないで……きゃあああああ!」
ウロコの右を触った時、かなみの断末魔が聞こえた。
「しまった、弱点だったか! すまない、かなみ……」
俺は気絶したかなみに軽く謝罪の礼をして、家捜しを再開した。
「ふむ、ブラジャーはここか……ほうほう、スポーツブラか。……もらっとこう」
ポケットがぱんぱんになるまでブラを詰め込んでいると、背後からプレッシャーを感じた。
「……当然、覚悟は出来てるわね?」
「嘘気絶だったのですか?」
「……このキャラの設定、アソコが弱点なの。けっこう凝る性質だから」
「ははぁ、ロールプレイって奴ですな。凄いね」
次は気をつけよう、と救急車の中で思った。
「どうしても、って言うなら見せてあげてもいいわよ」
死ぬほど断ったのだけど終始俺の話は聞かず、かなみの家に連行された。
「そこで待ってなさい。……勝手に部屋の物触ったら殺すわよ」
部屋を出て行った瞬間に家捜し開始。まずタンス。いきなりパンツ発見。手当たりしだいポケットに入れる。続いて他の場所も探そうとしたが、足音が聞こえたので素早く引き出しを閉め、何事もなかった風に振舞う。
「よぉ、早かった……な」
「……なによ。なんか言いなさいよ」
かなみが変な生き物になってた。頭と背中、合わせて三本の角が生えてる。肩とか腹にウロコ貼ってるし。
「変」
そのものズバリな感想を言ったら殴られた。
「どこが変よ! かっこいいでしょ? 素直に褒めていいのよ?」
「変。角とかウロコとか何考えてんだ」
また殴られた。素直に言ったのに。
「じゃ、じゃあ背中は? ほら、ウロコ。かっこいいでしょ?」
「かっこよくはないが……しかし、よくできてるな。本物のウロコか?」
角の間にあるトサカの下のウロコ周辺を触る。
「ちょ、そこらへんあんまり触らないで……きゃあああああ!」
ウロコの右を触った時、かなみの断末魔が聞こえた。
「しまった、弱点だったか! すまない、かなみ……」
俺は気絶したかなみに軽く謝罪の礼をして、家捜しを再開した。
「ふむ、ブラジャーはここか……ほうほう、スポーツブラか。……もらっとこう」
ポケットがぱんぱんになるまでブラを詰め込んでいると、背後からプレッシャーを感じた。
「……当然、覚悟は出来てるわね?」
「嘘気絶だったのですか?」
「……このキャラの設定、アソコが弱点なの。けっこう凝る性質だから」
「ははぁ、ロールプレイって奴ですな。凄いね」
次は気をつけよう、と救急車の中で思った。
【ぽめらにあんかなみん】
2010年05月21日
かなみと賭けをした。連勝した。もうこれ以上はやめといたほうがいいんじゃないか、と俺が心配になるくらい勝った。実はイカサマ。
「賭けに負けまくったかなみさんには、これを着てもらいまーす」
あらかじめ用意しておいた鞄の中から、物を出す。
「何コレ……犬の着ぐるみ? ポメラニアン?」
「ポメラニアンになって俺に甘えろ」
「絶対イヤ!」
「敗者にそんな言葉が言えるとでも? まぁ、嫌なら裸踊りでもいいが」
「ぐっ……ぐぎぎぎぎ……いいわ、いいわよ! 分かった、着るわよ!」
神速で着ぐるみを渡し、着替え終わるのを待つ。じっと待つ。発狂しそうになるが待つ。
「……ど、どうよ。ポメラニアンよ。……きゃん、きゃん」
頬を染め、かなみはポメラニアンになって現れた。
「おお……かなみ、ありえないくらい可愛い」
「う……あ、ありがと。……じゃなくて! いい!? 嫌々なんだからね!」
そう前置きして、かなみはあぐらをかいた俺の膝の上に対面で座った。
「ぅあ……」
「……わん」
少し怒ったような目をして、かなみはすりすりと俺の顔に頬擦りした。
……いかん。可愛すぎて鼻血出そう。
「……何よ、変な顔して。……嫌々なんだからね」
わん、と付け足してかなみは俺の胸に軽く抱きついた。
「……ああ、可愛いなぁ。かなみは可愛いなぁ。すごいなぁ」
あまりの可愛さに、かなみの頭をなでる。
「あ……きゅ、きゅ~ん♪」
かなみはまんざらでもない声をあげ、もっとなでてくれ、とでも言わんばかりに俺を見上げた。
「ああ、イカサマしてでも勝ってよかった……」
「ん……へ、イカサマ!?」
しまった、口が滑った。殺されるかな、と思ったがかなみは動かない。
「……い、イカサマでも何でも負けは負けよ。……いいから、続けるわよ」
ごろごろと俺の膝で転がるかなみに、俺は助かった事と、この時間が続く事両方の安堵の息を吐いた。
「賭けに負けまくったかなみさんには、これを着てもらいまーす」
あらかじめ用意しておいた鞄の中から、物を出す。
「何コレ……犬の着ぐるみ? ポメラニアン?」
「ポメラニアンになって俺に甘えろ」
「絶対イヤ!」
「敗者にそんな言葉が言えるとでも? まぁ、嫌なら裸踊りでもいいが」
「ぐっ……ぐぎぎぎぎ……いいわ、いいわよ! 分かった、着るわよ!」
神速で着ぐるみを渡し、着替え終わるのを待つ。じっと待つ。発狂しそうになるが待つ。
「……ど、どうよ。ポメラニアンよ。……きゃん、きゃん」
頬を染め、かなみはポメラニアンになって現れた。
「おお……かなみ、ありえないくらい可愛い」
「う……あ、ありがと。……じゃなくて! いい!? 嫌々なんだからね!」
そう前置きして、かなみはあぐらをかいた俺の膝の上に対面で座った。
「ぅあ……」
「……わん」
少し怒ったような目をして、かなみはすりすりと俺の顔に頬擦りした。
……いかん。可愛すぎて鼻血出そう。
「……何よ、変な顔して。……嫌々なんだからね」
わん、と付け足してかなみは俺の胸に軽く抱きついた。
「……ああ、可愛いなぁ。かなみは可愛いなぁ。すごいなぁ」
あまりの可愛さに、かなみの頭をなでる。
「あ……きゅ、きゅ~ん♪」
かなみはまんざらでもない声をあげ、もっとなでてくれ、とでも言わんばかりに俺を見上げた。
「ああ、イカサマしてでも勝ってよかった……」
「ん……へ、イカサマ!?」
しまった、口が滑った。殺されるかな、と思ったがかなみは動かない。
「……い、イカサマでも何でも負けは負けよ。……いいから、続けるわよ」
ごろごろと俺の膝で転がるかなみに、俺は助かった事と、この時間が続く事両方の安堵の息を吐いた。
【人類最強なツンデレ】
2010年05月20日
流れの鍼灸師に鍼を打たれ、かなみは人類最強と思えるほど強くなってしまった。
「ど、どうしようタカシ~」
「ええい近寄るな! おまえが触れたもん全部壊れてるじゃねえか!」
「だ、だって仕方ないじゃない! 力がコントロールできないんだから!」
教室のドアもコンパクトになり、踏み抜かれた床は痛々しくささくれ立ち、机は飴細工のようにぐにゃりと変形している。
「仕方ない……ここは『誤射のタカシ』と呼ばれた俺が鍼を打って治してやろう」
「全く信頼できない異名ね……」
「大丈夫、大船に乗ったつもりでいろ」
「タイタニック号とか言わないわよね?」
「…………」
「なんか言いなさいよっ!」
なんだか知らないがうるさいかなみを無視し、鍼を用意する。無論そんなの持ってない。困った。
「これでいいか……」
「これでいい!? ちょ、ちょっとホントに大丈夫なの?」
落ちてたヘアピンを適当に伸ばしながら、かなみに近づく。
「ほれ、打てないから脱げ。そして瑞々しい肢体を衆目に晒せ」
「こんなとこで脱げるわけないでしょ、馬鹿! ほら、来なさい!」
かなみに手を掴まれ、教室を出る。手首が千切れそうなほど痛い。でも、男だから我慢。
「ここなら……アンタ何顔真っ青にしてんのよ!」
適当な空き教室に入ったところで、手首が痛いのがばれた。
「手が痛くて」
「なんか言いなさいよ! ああもう、手真っ赤じゃない! 普段いらんことばっか言ってるくせに、なんでこういう時は黙ってるのよ……」
急にしおらしくなったかなみの一瞬の隙を突き、適当に服の上から鍼を打つ。
「いったーーーーーーーーーー! 何すんのよこの馬鹿!」
殴り飛ばされ、放置された机に激突する。
「あ……つい殴っちゃった。た、タカシ、大丈夫……?」
「…………」
「やだ……ちょっと、返事してよタカシ……ねぇ、生きてるでしょ? ねぇ……」
「…………」
「ちょ……やだ、死んだらダメだよタカシ! ねぇ、返事しなさいよ! タカシ!」
「……ったく、うっせえなぁ。おちおち気絶もできやしねぇ」
ほんの少しの間だけ、気絶していたようだ。目を開くと、涙を滲ませたかなみがいた。
「お、成功したか? いやー、やるなぁ俺」
「……こ、この馬鹿! 適当に打ったでしょ!」
ゴシゴシと目元を袖で拭きながら、噛み付くようにかなみは言った。
「まぁ治ったみたいだし、結果オーライ。よかったじゃん、普通の筋力に戻って」
「あー……うん、まぁ、そうね。その……えっと、ありがと」
少しはにかんで、かなみは俺に礼を言った。
「うむ、感謝しろ。そうだな、礼はかなみの初めてでいいぞ」
かなみが礼を言ったことに少なからず驚きながらも、それをおくびにも出さず俺は憎まれ口を叩いた。
「…………」
「ん? どした震えて。寒いのなら俺が暖めて」
「せっかく人が感謝してるってのに、どうしてアンタはそうなのよーーーーッ!!!」
殴り飛ばされ、再び机に激突する。床を踏み鳴らして教室から出て行くかなみを見ながら、偶然にしろなんにしろ、治ってよかったなと思った。
「ど、どうしようタカシ~」
「ええい近寄るな! おまえが触れたもん全部壊れてるじゃねえか!」
「だ、だって仕方ないじゃない! 力がコントロールできないんだから!」
教室のドアもコンパクトになり、踏み抜かれた床は痛々しくささくれ立ち、机は飴細工のようにぐにゃりと変形している。
「仕方ない……ここは『誤射のタカシ』と呼ばれた俺が鍼を打って治してやろう」
「全く信頼できない異名ね……」
「大丈夫、大船に乗ったつもりでいろ」
「タイタニック号とか言わないわよね?」
「…………」
「なんか言いなさいよっ!」
なんだか知らないがうるさいかなみを無視し、鍼を用意する。無論そんなの持ってない。困った。
「これでいいか……」
「これでいい!? ちょ、ちょっとホントに大丈夫なの?」
落ちてたヘアピンを適当に伸ばしながら、かなみに近づく。
「ほれ、打てないから脱げ。そして瑞々しい肢体を衆目に晒せ」
「こんなとこで脱げるわけないでしょ、馬鹿! ほら、来なさい!」
かなみに手を掴まれ、教室を出る。手首が千切れそうなほど痛い。でも、男だから我慢。
「ここなら……アンタ何顔真っ青にしてんのよ!」
適当な空き教室に入ったところで、手首が痛いのがばれた。
「手が痛くて」
「なんか言いなさいよ! ああもう、手真っ赤じゃない! 普段いらんことばっか言ってるくせに、なんでこういう時は黙ってるのよ……」
急にしおらしくなったかなみの一瞬の隙を突き、適当に服の上から鍼を打つ。
「いったーーーーーーーーーー! 何すんのよこの馬鹿!」
殴り飛ばされ、放置された机に激突する。
「あ……つい殴っちゃった。た、タカシ、大丈夫……?」
「…………」
「やだ……ちょっと、返事してよタカシ……ねぇ、生きてるでしょ? ねぇ……」
「…………」
「ちょ……やだ、死んだらダメだよタカシ! ねぇ、返事しなさいよ! タカシ!」
「……ったく、うっせえなぁ。おちおち気絶もできやしねぇ」
ほんの少しの間だけ、気絶していたようだ。目を開くと、涙を滲ませたかなみがいた。
「お、成功したか? いやー、やるなぁ俺」
「……こ、この馬鹿! 適当に打ったでしょ!」
ゴシゴシと目元を袖で拭きながら、噛み付くようにかなみは言った。
「まぁ治ったみたいだし、結果オーライ。よかったじゃん、普通の筋力に戻って」
「あー……うん、まぁ、そうね。その……えっと、ありがと」
少しはにかんで、かなみは俺に礼を言った。
「うむ、感謝しろ。そうだな、礼はかなみの初めてでいいぞ」
かなみが礼を言ったことに少なからず驚きながらも、それをおくびにも出さず俺は憎まれ口を叩いた。
「…………」
「ん? どした震えて。寒いのなら俺が暖めて」
「せっかく人が感謝してるってのに、どうしてアンタはそうなのよーーーーッ!!!」
殴り飛ばされ、再び机に激突する。床を踏み鳴らして教室から出て行くかなみを見ながら、偶然にしろなんにしろ、治ってよかったなと思った。
【デートすっぼかされたツンデレ】
2010年05月19日
タカシにデートの約束を取り付けた。買い物に付き合って、と言ったけど、ほとんどデートよね、うん。
お風呂に入って体中キレイにして、明日着ていく服選んで、ワクワクしながら寝て、あんまりにもワクワクしすぎてなかなか寝れなくて。
日が昇る前に起きてお弁当作って、でもなかなか上手に出来ないから何度も作り直して、結局出来たのは約束の時間の2時間前。早起きしておいてよかった。ほとんど寝れなかったけど。
集合場所の公園に着いたのが1時間半前。……ちょっと早すぎたかな。
でも、いっか。こうやって待ってるのもデートの楽しみの一つだもんね。うん。
……タカシ、この服気に入ってくれるかな。とっておきの白のワンピース。……気合入りすぎてないよね? 変に勘繰られないよね?
そうだ、お弁当大丈夫かな? 夏だし腐りにくいのは入れてないけど、あんまり日なたに置いてたら痛んじゃうよね。日陰に置いておこ。
……10分前か。タカシのことだし、たぶん遅れてくるよね。それをあたしは「こらー!」とか言って怒って出迎えるんだ。ふふっ、楽しみ♪
……30分過ぎた。ちょっと遅いな。でも、タカシのことだし仕方ないよね。もうちょっと待とっと。
……一時間が過ぎた。どうしたのかな? 寝過ごしたのかな? 電話でも……あ、携帯持ってくるの忘れちゃった。取りに帰ろうかな……。
でも、その間にタカシが来たらがっかりするだろうし……うー、待とう。もうちょっとしたら来るよ、きっと。
……二時間が過ぎた。……忘れてるのかな。……それとも、あたしが相手だから嫌だったのかな。……やだ、涙出てきた。
……三時間が過ぎた。……嫌われちゃった、のかな。……帰ろう、かな。……でも、もし来たら、って思うと帰れない。
……タカシ。あたし、寂しいよぉ……。
「……はぁっ、はぁっ、かなみーっ!」
待ち望んでいた声がした。あたしは、その声に顔を上げた。
「ごめん、マジでゴメン! 俺、約束明日だとばっかり勘違いしてて! 本当にごめん! 謝って済むこととは思わないけど、今は謝らせてくれ!」
土下座しそうな勢いで、タカシはあたしにありったけの謝罪の言葉を口にした。
「……遅い」
あたしは、それだけ言うので精一杯だった。だって、ちょっとでも口を開くと涙がこぼれそうだったから。
「あああああ、俺の馬鹿! なんでもするから許して! 本当、俺にできることならなんだってするから!」
「……じゃ、ここで裸踊りして」
「任せろ!」
そう言って、人通りの多い公園でタカシは躊躇なく服を脱ぎだした。あたしは慌てて止めた。
「……冗談よ」
「へ? なんだ、冗談か。それでかなみの溜飲が下がるなら、俺は構わないのに」
……この人は、あたしのためならどんな恥ずかしいことでもできるんだ。
嬉しくって、でもあんなことを言った自分が恥ずかしくて、笑ったような、怒ったような、泣きたいような、微妙な表情を浮かべてしまう。
「えっと、それで、かなみさん、……買い物に付き合いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……ぐすっ。お腹すいた」
「あ、それじゃどっかで飯食うか? どんな高いのでもいいぞ。今日は全部俺のおごりだ」
「…………」
あたしは無言で首を振って、物陰に置いていたランチパックを取り出した。
「……遅れてきた罰。……これ、食べて」
「……罰って、えっと……」
不安そうなタカシに、あたしはランチパックを開けた。中にある弁当箱を見て、タカシはほっと息を吐いた。
「なんだ、かなみの弁当か。こりゃ罰じゃなくてご褒美だな」
あたしは恥ずかしくて、照れ隠しに満面の笑みを浮かべるタカシのほっぺをつねった。
「いへへへへ! なんだよ、本当のことなのに……」
あたしは無言で弁当箱を取り出し、タカシに渡した。
「……早く食べなさいよ。それ食べたら、今日のことは不問にしてあげるから」
「任せろ! ……あ、早く食べるのだけは却下。折角のかなみの手料理だ、味わって食いたいしな」
そう言って弁当箱の蓋を開けるタカシを、あたしはやっと笑って見ることができた。
お風呂に入って体中キレイにして、明日着ていく服選んで、ワクワクしながら寝て、あんまりにもワクワクしすぎてなかなか寝れなくて。
日が昇る前に起きてお弁当作って、でもなかなか上手に出来ないから何度も作り直して、結局出来たのは約束の時間の2時間前。早起きしておいてよかった。ほとんど寝れなかったけど。
集合場所の公園に着いたのが1時間半前。……ちょっと早すぎたかな。
でも、いっか。こうやって待ってるのもデートの楽しみの一つだもんね。うん。
……タカシ、この服気に入ってくれるかな。とっておきの白のワンピース。……気合入りすぎてないよね? 変に勘繰られないよね?
そうだ、お弁当大丈夫かな? 夏だし腐りにくいのは入れてないけど、あんまり日なたに置いてたら痛んじゃうよね。日陰に置いておこ。
……10分前か。タカシのことだし、たぶん遅れてくるよね。それをあたしは「こらー!」とか言って怒って出迎えるんだ。ふふっ、楽しみ♪
……30分過ぎた。ちょっと遅いな。でも、タカシのことだし仕方ないよね。もうちょっと待とっと。
……一時間が過ぎた。どうしたのかな? 寝過ごしたのかな? 電話でも……あ、携帯持ってくるの忘れちゃった。取りに帰ろうかな……。
でも、その間にタカシが来たらがっかりするだろうし……うー、待とう。もうちょっとしたら来るよ、きっと。
……二時間が過ぎた。……忘れてるのかな。……それとも、あたしが相手だから嫌だったのかな。……やだ、涙出てきた。
……三時間が過ぎた。……嫌われちゃった、のかな。……帰ろう、かな。……でも、もし来たら、って思うと帰れない。
……タカシ。あたし、寂しいよぉ……。
「……はぁっ、はぁっ、かなみーっ!」
待ち望んでいた声がした。あたしは、その声に顔を上げた。
「ごめん、マジでゴメン! 俺、約束明日だとばっかり勘違いしてて! 本当にごめん! 謝って済むこととは思わないけど、今は謝らせてくれ!」
土下座しそうな勢いで、タカシはあたしにありったけの謝罪の言葉を口にした。
「……遅い」
あたしは、それだけ言うので精一杯だった。だって、ちょっとでも口を開くと涙がこぼれそうだったから。
「あああああ、俺の馬鹿! なんでもするから許して! 本当、俺にできることならなんだってするから!」
「……じゃ、ここで裸踊りして」
「任せろ!」
そう言って、人通りの多い公園でタカシは躊躇なく服を脱ぎだした。あたしは慌てて止めた。
「……冗談よ」
「へ? なんだ、冗談か。それでかなみの溜飲が下がるなら、俺は構わないのに」
……この人は、あたしのためならどんな恥ずかしいことでもできるんだ。
嬉しくって、でもあんなことを言った自分が恥ずかしくて、笑ったような、怒ったような、泣きたいような、微妙な表情を浮かべてしまう。
「えっと、それで、かなみさん、……買い物に付き合いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……ぐすっ。お腹すいた」
「あ、それじゃどっかで飯食うか? どんな高いのでもいいぞ。今日は全部俺のおごりだ」
「…………」
あたしは無言で首を振って、物陰に置いていたランチパックを取り出した。
「……遅れてきた罰。……これ、食べて」
「……罰って、えっと……」
不安そうなタカシに、あたしはランチパックを開けた。中にある弁当箱を見て、タカシはほっと息を吐いた。
「なんだ、かなみの弁当か。こりゃ罰じゃなくてご褒美だな」
あたしは恥ずかしくて、照れ隠しに満面の笑みを浮かべるタカシのほっぺをつねった。
「いへへへへ! なんだよ、本当のことなのに……」
あたしは無言で弁当箱を取り出し、タカシに渡した。
「……早く食べなさいよ。それ食べたら、今日のことは不問にしてあげるから」
「任せろ! ……あ、早く食べるのだけは却下。折角のかなみの手料理だ、味わって食いたいしな」
そう言って弁当箱の蓋を開けるタカシを、あたしはやっと笑って見ることができた。