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2025年04月19日
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【ツンデレとライトセーバー】
2010年05月16日
かなみが工事現場でおっさんが持ってるピカピカ光る棒を振り回して「ライトセーバーよ!」とか言い出した。
「……かなみ、それライトセーバー違うぞ」
「違う! これはライトセーバー! 私はジュダイの騎士よ!」
スターウォーズ観たのか。簡単だね。
「どこで拾ったんだ?」
「工事現場のおじさんから奪……じゃない、ヨーダにもらったのよ!」
そうか。かわいそうにな、おっさん。
「勝負よ、タカシ! 敗者は勝者に一週間服従! いいわね!」
「え、いや、なんで? 俺、武器ないし」
「ええい、ごちゃごちゃうるさい! くらえ!」
棒を上段に構え、かなみが襲い掛かってきた。女の子を殴る趣味はないので、飛びかかってきたかなみを抱きとめる。
「こっ、こら! 何すんのよ変態!」
「うるさい、暴れるな! ええい柔らかいなぁ!」
「どさくさに紛れて何言ってんのよ馬鹿!」
暴れるかなみを抱きしめて拘束する。しばらくそのまま暴れていたが、諦めたのか次第に大人しくなっていった。
「うう……フォースが足りない」
「足りないのはおつむだ」
「なんでよ! ……あーあ、もういいわ」
「じゃ、今日から一週間服従な。そーだな、何させようか……」
「……えっちなのは、なしね」
「馬鹿な!?」
「当然でしょ。アンタみたいな変態に許可したら妊娠しちゃうわよ」
「んー……とすると、残るは……アレ、か」
にんまり笑うと、かなみは怯えて逃げようとしたが俺に抱きしめられているので逃げられない!
「な……なによ、なにするつもりよ」
「……恋人ごっこだ! 今日から一週間、おまえは俺の彼女になれ!」
「え……あ、えと、……し、しょうがないわね! 分かったわ、いいわよ! 彼女になって甘えてあげるわよ!」
てっきり断られるか殴られるかすると思ったが、意外にもかなみは素直に了承して俺の胸に体を預けた。
膝枕や一緒にお風呂を、と思ったが、今はとりあえずかなみの心地よい重さを感じてるだけで幸せだった。
「……かなみ、それライトセーバー違うぞ」
「違う! これはライトセーバー! 私はジュダイの騎士よ!」
スターウォーズ観たのか。簡単だね。
「どこで拾ったんだ?」
「工事現場のおじさんから奪……じゃない、ヨーダにもらったのよ!」
そうか。かわいそうにな、おっさん。
「勝負よ、タカシ! 敗者は勝者に一週間服従! いいわね!」
「え、いや、なんで? 俺、武器ないし」
「ええい、ごちゃごちゃうるさい! くらえ!」
棒を上段に構え、かなみが襲い掛かってきた。女の子を殴る趣味はないので、飛びかかってきたかなみを抱きとめる。
「こっ、こら! 何すんのよ変態!」
「うるさい、暴れるな! ええい柔らかいなぁ!」
「どさくさに紛れて何言ってんのよ馬鹿!」
暴れるかなみを抱きしめて拘束する。しばらくそのまま暴れていたが、諦めたのか次第に大人しくなっていった。
「うう……フォースが足りない」
「足りないのはおつむだ」
「なんでよ! ……あーあ、もういいわ」
「じゃ、今日から一週間服従な。そーだな、何させようか……」
「……えっちなのは、なしね」
「馬鹿な!?」
「当然でしょ。アンタみたいな変態に許可したら妊娠しちゃうわよ」
「んー……とすると、残るは……アレ、か」
にんまり笑うと、かなみは怯えて逃げようとしたが俺に抱きしめられているので逃げられない!
「な……なによ、なにするつもりよ」
「……恋人ごっこだ! 今日から一週間、おまえは俺の彼女になれ!」
「え……あ、えと、……し、しょうがないわね! 分かったわ、いいわよ! 彼女になって甘えてあげるわよ!」
てっきり断られるか殴られるかすると思ったが、意外にもかなみは素直に了承して俺の胸に体を預けた。
膝枕や一緒にお風呂を、と思ったが、今はとりあえずかなみの心地よい重さを感じてるだけで幸せだった。
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【ツンデレの事を「ハニー」と呼んだら】
2010年05月14日
弁当持ってくるの忘れた。金もない。さぁどうしよう。
うむ、ここは誰かの飯を徴収しよう。いいところにかなみがいる、ターゲット決定。
「ハニー」
かなみが牛乳を吹いた。
「げほっげほっげほっ! な、なに言ってんの? 牛乳吹いちゃったじゃない!」
「ハニー、牛乳は雑巾で拭くんだ。愉快なことになるぞ」
「だから、なによそのハニーって!」
「愛称だ。愛情を込めました」
「な、なによ愛情って……そんなの込められても、……困る」
「困るな、ハニー。さぁ、かなみも俺のことをダーリンと呼べ」
「誰が呼ぶかっ!」
「照れるな」
「照れてない! ……本当にどしたの? いつも変だけど、今日はいつにも増して変よ?」
「はは、何を言ってるんだいハニー。僕はいつもこうさ。……ところでハニー、物は相談だが」
「パンならあげないわよ」
「…………」
先手を打たれた。読まれてる?
「……な、何を言ってるんだハニー。パンを欲しいがために、おだててるだなんて一言も」
「あー、やっぱそういうことね」
「しまった、誘導尋問か!? 卑怯な!」
「アンタが勝手に言ったでしょうが! まったくもう」
そう言いながら、かなみはパンにかぶりついた。
「……ハニー、少しでいいんだ。このままでは、君のダーリンは飢え死にするぞ」
「誰がダーリンか! だいたい、一食抜いたぐらいで死にゃしないわよ」
無慈悲にも、かなみはパンを食う手を止めなかった。
「ええい、鬼め! もういい、そのまま食う!」
かなみの持つパンに下から食らいつく。
「あっ、何すんのよこの馬鹿! 食うな!」
かなみは俺の食う反対側から食べてる。ふん、俺が先に食いきってやる!
「がつがつ!」
「あぎあぎ!」
……ちゅ。
「ぬあっ!」
「ひゃっ!?」
なんか、口に柔らかいのが触れた。
「ななな、なにすんのよ!」
かなみは顔を真っ赤にして俺に食って掛かった。
「うっ、うるさい! おまえが俺に飯くれないのが悪いんだ!」
「……タカシ、顔まっか」
今まで傍観していたちなみが痛いところを指摘する。
「き、気のせいだ。そ、それより、腹減ったからおまえの飯よこせ」
「……キスされるのヤだから、あげない」
「き、キスって、おま」
「……じゃ、そゆことで」
ちなみは軽いステップで教室を出て行った。そして、衆目を集めてる俺とかなみが取り残される。
「……あー、その、腹が減りました、ハニー」
「まだ言うか!」
ハニーは顔を真っ赤にしたまま俺を蹴りとばし、教室を出て行った。
「いたた……」
周囲を見ると、みんなが俺を見てる。えーと、どうしよう。
「……以上、お昼の演目『腹減り太夫』でした」
拍手の代わりにチャイムが教室中に響き渡った。
うむ、ここは誰かの飯を徴収しよう。いいところにかなみがいる、ターゲット決定。
「ハニー」
かなみが牛乳を吹いた。
「げほっげほっげほっ! な、なに言ってんの? 牛乳吹いちゃったじゃない!」
「ハニー、牛乳は雑巾で拭くんだ。愉快なことになるぞ」
「だから、なによそのハニーって!」
「愛称だ。愛情を込めました」
「な、なによ愛情って……そんなの込められても、……困る」
「困るな、ハニー。さぁ、かなみも俺のことをダーリンと呼べ」
「誰が呼ぶかっ!」
「照れるな」
「照れてない! ……本当にどしたの? いつも変だけど、今日はいつにも増して変よ?」
「はは、何を言ってるんだいハニー。僕はいつもこうさ。……ところでハニー、物は相談だが」
「パンならあげないわよ」
「…………」
先手を打たれた。読まれてる?
「……な、何を言ってるんだハニー。パンを欲しいがために、おだててるだなんて一言も」
「あー、やっぱそういうことね」
「しまった、誘導尋問か!? 卑怯な!」
「アンタが勝手に言ったでしょうが! まったくもう」
そう言いながら、かなみはパンにかぶりついた。
「……ハニー、少しでいいんだ。このままでは、君のダーリンは飢え死にするぞ」
「誰がダーリンか! だいたい、一食抜いたぐらいで死にゃしないわよ」
無慈悲にも、かなみはパンを食う手を止めなかった。
「ええい、鬼め! もういい、そのまま食う!」
かなみの持つパンに下から食らいつく。
「あっ、何すんのよこの馬鹿! 食うな!」
かなみは俺の食う反対側から食べてる。ふん、俺が先に食いきってやる!
「がつがつ!」
「あぎあぎ!」
……ちゅ。
「ぬあっ!」
「ひゃっ!?」
なんか、口に柔らかいのが触れた。
「ななな、なにすんのよ!」
かなみは顔を真っ赤にして俺に食って掛かった。
「うっ、うるさい! おまえが俺に飯くれないのが悪いんだ!」
「……タカシ、顔まっか」
今まで傍観していたちなみが痛いところを指摘する。
「き、気のせいだ。そ、それより、腹減ったからおまえの飯よこせ」
「……キスされるのヤだから、あげない」
「き、キスって、おま」
「……じゃ、そゆことで」
ちなみは軽いステップで教室を出て行った。そして、衆目を集めてる俺とかなみが取り残される。
「……あー、その、腹が減りました、ハニー」
「まだ言うか!」
ハニーは顔を真っ赤にしたまま俺を蹴りとばし、教室を出て行った。
「いたた……」
周囲を見ると、みんなが俺を見てる。えーと、どうしよう。
「……以上、お昼の演目『腹減り太夫』でした」
拍手の代わりにチャイムが教室中に響き渡った。
【ツンデレと男がベストカップルに選ばれたら】
2010年05月14日
「かなみー、ちょっと貸して欲しいものがあるんだけど」
「嫌。アンタに貸す位ならドブに捨てる」
「えっと、シャーペンとノートと国語の教科書貸して」
「人の話聞きなさいよ! それに、それって全部じゃない! どうしたのよ?」
「遅刻しそうであまりに慌ててたのか、鞄持ってくるの忘れた」
「……はぁ、相変わらず馬鹿ね」
かなみに罵倒され傷ついていると、二、三人の男女がカメラを持って教室に入ってきた。そして壇上に上がった。
「別府タカシさん、椎水かなみさん、いますかー?」
なんか呼ばれてるので行く。
「なんだ? 内容次第によっては犯す」
「いきなり脅すな! で、なに?」
俺の脅迫に怯えてる眼鏡な女生徒は、おずおずと切り出した。
「じ……実は我が校で先日行われたアンケートで、別府さんと椎水さんがベストカップルに選ばれまして、その、表彰に……」
「だとさ、かなみ」
「なんでアンタ相手なのよ。ものすごい迷惑」
「だとさ、メガネちゃん」
「メガネちゃん……? と、とにかく、これを受け取ってください」
メガネがよく似合う女生徒からノートの束を渡される。
「では、皆さん拍手をお願いします」
教室に無責任な拍手が舞い起こった。
「それでは、私たちはこれで」
何枚か写真を撮って、メガネちゃんたちは出て行った。
「すごいじゃない、かなみ!」
「相手がこいつじゃなけりゃ、もっと嬉しかったんだけどね」
寄ってきた女生徒に、かなみは俺の顔を指しながら嫌そうに言った。
「やるなぁ、タカシ」
「ああ、とても嬉しい」
寄ってきた男子生徒に満面の笑顔でそう言うと、周囲から冷やかしの声があがった。
「あ、アンタなにを……!」
「本当のことを言って何が悪い?」
かなみは、何か言いたげにもごもごと口を動かした。
「これでノートはかなみの世話にならずに済む。あとは、シャーペンと教科書貸してもらえれば」
「……借りなくて済むから嬉しいってこと?」
「無論だ。まぁ、ベストカップルも悪くないがな」
周囲からため息が漏れた。
「……ったく、アンタは。で、それ使うの?」
「ノート持ってきてないからな。ちょうどいい」
「……えっと、全部貸すから、それちょうだい」
「え、いや、あの」
俺が何か言う前に、かなみはノートを奪ってしまった。
「はい。教科書はあたしも使うから貸せないけど、これでいいでしょ?」
自分の机に取って帰り、ノートとシャーペンを渡される。
「まぁいいんだが……そんなに景品のノートが欲しかったのか?」
「べっ、別にこんなの欲しくないけど、その、……ええと、かっ、描かれてるキャラが可愛かったから!」
よく覚えてないが、特にキャラクターは描かれていなかったような。
「いっ、いいから! ほら、みんなも戻る!」
首をひねっていると、かなみは手を叩いて皆を元の位置に戻した。いまいち納得できなかったが、とりあえず目的の品は手に入ったからまぁいいか。
その夜。かなみは鞄からベストカップルの賞品であるノートの束を取り出していた。
「アイツとベストカップル、だって……へへ、嘘みたい」
かなみはお日様のような笑顔でノートを見つめた。
「でも、タカシの奴平気でこれ使おうとしてたな……アイツにとって、ベストカップルなんてどうでもいいのかな……」
自分の考えに、かなみは落ち込んでしまう。
「……そうだね、どうでもいいんだろうね。そういう奴だし」
軽く息をついて、かなみはベッドに寝転んだ。
飾らない人。いつだって自分に正直な人。そういう人だからこそ、好きになったのだ。周りの目を気にしてしまう自分にとって、タカシはいつだって眩しく見える。
「……ま、いっか。ベストカップルも悪くない、って言ってたし。今はまだ、それでいいや」
いつか”悪くない”が”嬉しい”となる日を夢見て、かなみは目を閉じた。
「嫌。アンタに貸す位ならドブに捨てる」
「えっと、シャーペンとノートと国語の教科書貸して」
「人の話聞きなさいよ! それに、それって全部じゃない! どうしたのよ?」
「遅刻しそうであまりに慌ててたのか、鞄持ってくるの忘れた」
「……はぁ、相変わらず馬鹿ね」
かなみに罵倒され傷ついていると、二、三人の男女がカメラを持って教室に入ってきた。そして壇上に上がった。
「別府タカシさん、椎水かなみさん、いますかー?」
なんか呼ばれてるので行く。
「なんだ? 内容次第によっては犯す」
「いきなり脅すな! で、なに?」
俺の脅迫に怯えてる眼鏡な女生徒は、おずおずと切り出した。
「じ……実は我が校で先日行われたアンケートで、別府さんと椎水さんがベストカップルに選ばれまして、その、表彰に……」
「だとさ、かなみ」
「なんでアンタ相手なのよ。ものすごい迷惑」
「だとさ、メガネちゃん」
「メガネちゃん……? と、とにかく、これを受け取ってください」
メガネがよく似合う女生徒からノートの束を渡される。
「では、皆さん拍手をお願いします」
教室に無責任な拍手が舞い起こった。
「それでは、私たちはこれで」
何枚か写真を撮って、メガネちゃんたちは出て行った。
「すごいじゃない、かなみ!」
「相手がこいつじゃなけりゃ、もっと嬉しかったんだけどね」
寄ってきた女生徒に、かなみは俺の顔を指しながら嫌そうに言った。
「やるなぁ、タカシ」
「ああ、とても嬉しい」
寄ってきた男子生徒に満面の笑顔でそう言うと、周囲から冷やかしの声があがった。
「あ、アンタなにを……!」
「本当のことを言って何が悪い?」
かなみは、何か言いたげにもごもごと口を動かした。
「これでノートはかなみの世話にならずに済む。あとは、シャーペンと教科書貸してもらえれば」
「……借りなくて済むから嬉しいってこと?」
「無論だ。まぁ、ベストカップルも悪くないがな」
周囲からため息が漏れた。
「……ったく、アンタは。で、それ使うの?」
「ノート持ってきてないからな。ちょうどいい」
「……えっと、全部貸すから、それちょうだい」
「え、いや、あの」
俺が何か言う前に、かなみはノートを奪ってしまった。
「はい。教科書はあたしも使うから貸せないけど、これでいいでしょ?」
自分の机に取って帰り、ノートとシャーペンを渡される。
「まぁいいんだが……そんなに景品のノートが欲しかったのか?」
「べっ、別にこんなの欲しくないけど、その、……ええと、かっ、描かれてるキャラが可愛かったから!」
よく覚えてないが、特にキャラクターは描かれていなかったような。
「いっ、いいから! ほら、みんなも戻る!」
首をひねっていると、かなみは手を叩いて皆を元の位置に戻した。いまいち納得できなかったが、とりあえず目的の品は手に入ったからまぁいいか。
その夜。かなみは鞄からベストカップルの賞品であるノートの束を取り出していた。
「アイツとベストカップル、だって……へへ、嘘みたい」
かなみはお日様のような笑顔でノートを見つめた。
「でも、タカシの奴平気でこれ使おうとしてたな……アイツにとって、ベストカップルなんてどうでもいいのかな……」
自分の考えに、かなみは落ち込んでしまう。
「……そうだね、どうでもいいんだろうね。そういう奴だし」
軽く息をついて、かなみはベッドに寝転んだ。
飾らない人。いつだって自分に正直な人。そういう人だからこそ、好きになったのだ。周りの目を気にしてしまう自分にとって、タカシはいつだって眩しく見える。
「……ま、いっか。ベストカップルも悪くない、って言ってたし。今はまだ、それでいいや」
いつか”悪くない”が”嬉しい”となる日を夢見て、かなみは目を閉じた。
【ツンデレに俺ってもてない男だよなって言ったらどうなるの?】
2010年05月11日
高校生にもなって彼女の一人もいない。おかしい、俺の人生予想図にそんな状況は描かれていない。
「なぁかなみ、俺ってモテない男だよな」
「うん。アンタ変だもん」(即答)
よし、死のう。
「待て待て待て! ロープ持ってふらふらどっか行くな!」
「だ、だって、モテたいんだよぅ! 可愛い娘さんとイチャイチャしたいんだよぅ! 生まれ変わってモテるんだよぅ!」
「……この上なく情けなくも、男らしい叫びね」
「うっうっ、イチャイチャしたいよぅ! バカップルと呼ばれ陰口を叩かれたいよぅ!」
「あーもう泣かない! 鬱陶しい」
それでも泣き止まないと殴られたので、必死の思いで涙を止める。
「ったく、男らしくないわねぇ。男なら男らしく、好きな子を自力で射止めなさいよ」
「ふむ、一理あるな」
ごそごそとロッカーを漁り、目当ての品を取り出す。
「……ちょっと待って。やたら鋭利な弓矢を持ってどうするの?」
「射止める」
殴られた。
「殺すつもりなの!?」
「吊り橋効果で動悸ドキドキ、惚れるかと」
「自分を殺そうとする奴に惚れるなんて無理に決まってるでしょ!」
「ダメなら脅すまでだ」
殴られた。
「……ったく、本当に馬鹿ね。で? 好きな子って誰?」
「ん? ……ん~」
「な、なによ。何もったいぶってんの? どうせアンタのことだから、リナとか巨乳の子がいいんでしょ?」
「いや巨乳も悪くないが、ていうかそれ単に体目的じゃん。そうじゃなくてこう、心と心を通わしたいんだよ! ラヴい空気を醸し出したいんだよ! エッチもしたいけど!」
「うっわ、童貞の思考ね。キモい」
「うっうっ……、童貞を馬鹿にするねい! 妄想力は通常の三十倍だぞ!」
あとは概ね平均以下です。
「全く威張れないことに気づいてる?」
「チクショウ! こうなったら今夜の妄想はかなみにしてやる!」
「え……」
「学校帰りに買い食いしたり、一緒に遊びに行ったり、ちょっとイチャイチャする恋人の妄想してやる! 童貞の恐ろしさ、身に染みて感じるがいい!」
「……ていうか、買い食いはよくするし、一緒に遊びにも行くし、イチャイチャはしないけど、その、……普段どおりだけど?」
「…………」
「…………」
二人揃って黙ってしまう。かなみの奴はなんだか知らないけど赤面してるし。
「……知らない間にかなみと付き合ってたのか?」
「だっ、誰がアンタなんかと付き合うってのよ!? 身の程知らずも大概にしなさい!」
「よし、イチャイチャしよう。さし当たってポッキーを二人で端から食うというのはどうだ?」
拳が俺の顔面にめり込んだ。
「絶ッッッッッ対やんない!」
「照れるな」
「心底嫌なのよ!」
顔を真っ赤にさせたまま、かなみはドスドスと足音荒く教室を出て行った。
女心は難しい。
「なぁかなみ、俺ってモテない男だよな」
「うん。アンタ変だもん」(即答)
よし、死のう。
「待て待て待て! ロープ持ってふらふらどっか行くな!」
「だ、だって、モテたいんだよぅ! 可愛い娘さんとイチャイチャしたいんだよぅ! 生まれ変わってモテるんだよぅ!」
「……この上なく情けなくも、男らしい叫びね」
「うっうっ、イチャイチャしたいよぅ! バカップルと呼ばれ陰口を叩かれたいよぅ!」
「あーもう泣かない! 鬱陶しい」
それでも泣き止まないと殴られたので、必死の思いで涙を止める。
「ったく、男らしくないわねぇ。男なら男らしく、好きな子を自力で射止めなさいよ」
「ふむ、一理あるな」
ごそごそとロッカーを漁り、目当ての品を取り出す。
「……ちょっと待って。やたら鋭利な弓矢を持ってどうするの?」
「射止める」
殴られた。
「殺すつもりなの!?」
「吊り橋効果で動悸ドキドキ、惚れるかと」
「自分を殺そうとする奴に惚れるなんて無理に決まってるでしょ!」
「ダメなら脅すまでだ」
殴られた。
「……ったく、本当に馬鹿ね。で? 好きな子って誰?」
「ん? ……ん~」
「な、なによ。何もったいぶってんの? どうせアンタのことだから、リナとか巨乳の子がいいんでしょ?」
「いや巨乳も悪くないが、ていうかそれ単に体目的じゃん。そうじゃなくてこう、心と心を通わしたいんだよ! ラヴい空気を醸し出したいんだよ! エッチもしたいけど!」
「うっわ、童貞の思考ね。キモい」
「うっうっ……、童貞を馬鹿にするねい! 妄想力は通常の三十倍だぞ!」
あとは概ね平均以下です。
「全く威張れないことに気づいてる?」
「チクショウ! こうなったら今夜の妄想はかなみにしてやる!」
「え……」
「学校帰りに買い食いしたり、一緒に遊びに行ったり、ちょっとイチャイチャする恋人の妄想してやる! 童貞の恐ろしさ、身に染みて感じるがいい!」
「……ていうか、買い食いはよくするし、一緒に遊びにも行くし、イチャイチャはしないけど、その、……普段どおりだけど?」
「…………」
「…………」
二人揃って黙ってしまう。かなみの奴はなんだか知らないけど赤面してるし。
「……知らない間にかなみと付き合ってたのか?」
「だっ、誰がアンタなんかと付き合うってのよ!? 身の程知らずも大概にしなさい!」
「よし、イチャイチャしよう。さし当たってポッキーを二人で端から食うというのはどうだ?」
拳が俺の顔面にめり込んだ。
「絶ッッッッッ対やんない!」
「照れるな」
「心底嫌なのよ!」
顔を真っ赤にさせたまま、かなみはドスドスと足音荒く教室を出て行った。
女心は難しい。
【デレデレ焼きもち】
2010年05月11日
色々(この部分に原稿用紙1000枚以上費やしたいが省略)あって、かなみと彼氏彼女の関係になった。
けど、みんなに言うのは恥ずかしいと照れながら上目遣いにかなみが言うので、黙っておくことにした。
そして照れかなみの可愛さにますます惚れたりもした。上目遣いは反則だと思います。
翌日、かなみと手をつないで登校する。通いなれた道もなんだか新鮮に映って楽しい。
「へへ……アンタが恋人になるなんて、正直思ってもなかった」
隣で嬉しそうにはにかむかなみを見てると、今すぐにでもほお擦りしたくなるが我慢。
「ちょ、こ、こんなところでほお擦りなんて……」
我慢できなかった。かなみの柔らかなほっぺにすりすりとほお擦りする。
「ああ、やわかいなぁ。幸せだなぁ」
「ぁう……私も、その、……幸せだけど、外では我慢しよ? 恥ずかしいよ」
「うー……、分かった」
もっとすりすりしたいけど、かなみを困らせるのは嫌なので我慢しよう。
「そんな悲しそうな顔しないの。……帰ったら、いっぱいイチャイチャしよ?」
つん、とおでこを突付かれた。お姉さんぶられて悔しいやら顔がにやけるやら。
などとイチャイチャしながら歩いてると、学校が見えてきた。
「あ……もう着いちゃった。……手、離さないと」
そう言うものの、一向に手が別れる雰囲気はない。
「離さないと困るんじゃないのか?」
「あ……う~、うん。……名残惜しいけど」
不満そうに唸られても困る。俺だって名残惜しいんだから。
なんだか寂しくなった手を持て余しながら、かなみと教室へ。
「……おはよ、タカシ」
「おっすちなみ。相変わらず小さいな」
挨拶してきたちなみの頭をいつものように撫でる。
「……む。小さくない。これから大きくなる」
「高校生になって何言ってんだ。諦め……」
なんか、背後からものすげー殺気がビンビン伝わってくる。恐る恐る振り向くと、かなみが視線だけで殺す勢いで俺を睨みつけていた。
「……なんかしたの?」
ちなみが耳打ちするため顔を近づけると、殺気がさらに強まった。気のせいか、寒気がする。
「あー……ちょっと行って来る」
かなみの席へ向かい、できるだけ笑顔で話しかける。
「や、やぁかなみ。ご機嫌いかが」
「……別に」
なんか知らんが超不機嫌体質になってる。なんでだ?
「おっはよータカシ! なぁなぁ、学校終わったらどっか遊びに行かへん? ウチなぁ、久々にゲーセン行きたいねん」
いずみが俺の肩に腕を回しながらにこやかにそう言った。本能が「キケン、キケン」と叫んでる。
「…………」
ほーら、かなみを見てるだけで冷や汗が出てきたぞ。
「ん? どないしたん、なんや顔色悪いで?」
いずみが俺の顔を両手で挟みこみ、無邪気な目でじっと見つめる。
……う、こいつ、ガサツだけど可愛い顔してんだよな。
「……ん? なんや赤ぁなって。照れたんか?」
「てっ、照れてねえ!」
「なんや、照れんでもええやん。ウブやなぁタカシは」
「う、ウブじゃねえ! 超ハードボイルドだぞ! ブラックコーヒーをこよなく愛する無頼なのさ! 苦くて飲めないけど!」
「あははっ、なんや可愛いなぁタカシは。うりうり」
いずみは調子に乗って俺のほっぺをうにうにと突っついた。
「や、やめろって。可愛いとか言うな。ナイスガイと呼べ」
「うりうり、うりうりうり」
ぷちん。
「ん? なんや変な音せえへんかった?」
本能が「ゲームオーバーだ、坊主」とえらく渋い声で告げた。
「……別府君?」
かなみが何かを抑え付けたような声色で俺に話しかけた。名前がタカシじゃなく、別府というところに恐怖を感じずにはいられない。
「ちなみやいずみと、ずいぶん仲いいわねぇ?」
「あ、いや、その、友達だし、仲いいのはいいけど、その」
あれ、なんで俺慌ててるんだ? 変なこと言ってないのに。
「……そうね、友達だもんね。……でも、恋人ほっといて他の女の子とイチャイチャすんな馬鹿ッ!!!」
「げはぁっ!?」
突き上げるような衝撃が腹に響く。見事なまでのボディーブローだった。吐きそう。
「……恋人?」
芋虫のように床を転がっていると、いずみの問いかけるような声が耳に届いた。
「いっ、いや、その、なんていうか、……う~」
かなみは真っ赤な顔をして困惑したように唸っている。これで公認カップルかな、とかなみのパンツを下から眺めながら思った。
案の定、その日のうちに俺とかなみが恋人同士であるという報が学校中を駆け巡った。
同時に、恋人のパンツを覗いてるのがばれて顔を踏まれた馬鹿という報も流れやがった。畜生。
けど、みんなに言うのは恥ずかしいと照れながら上目遣いにかなみが言うので、黙っておくことにした。
そして照れかなみの可愛さにますます惚れたりもした。上目遣いは反則だと思います。
翌日、かなみと手をつないで登校する。通いなれた道もなんだか新鮮に映って楽しい。
「へへ……アンタが恋人になるなんて、正直思ってもなかった」
隣で嬉しそうにはにかむかなみを見てると、今すぐにでもほお擦りしたくなるが我慢。
「ちょ、こ、こんなところでほお擦りなんて……」
我慢できなかった。かなみの柔らかなほっぺにすりすりとほお擦りする。
「ああ、やわかいなぁ。幸せだなぁ」
「ぁう……私も、その、……幸せだけど、外では我慢しよ? 恥ずかしいよ」
「うー……、分かった」
もっとすりすりしたいけど、かなみを困らせるのは嫌なので我慢しよう。
「そんな悲しそうな顔しないの。……帰ったら、いっぱいイチャイチャしよ?」
つん、とおでこを突付かれた。お姉さんぶられて悔しいやら顔がにやけるやら。
などとイチャイチャしながら歩いてると、学校が見えてきた。
「あ……もう着いちゃった。……手、離さないと」
そう言うものの、一向に手が別れる雰囲気はない。
「離さないと困るんじゃないのか?」
「あ……う~、うん。……名残惜しいけど」
不満そうに唸られても困る。俺だって名残惜しいんだから。
なんだか寂しくなった手を持て余しながら、かなみと教室へ。
「……おはよ、タカシ」
「おっすちなみ。相変わらず小さいな」
挨拶してきたちなみの頭をいつものように撫でる。
「……む。小さくない。これから大きくなる」
「高校生になって何言ってんだ。諦め……」
なんか、背後からものすげー殺気がビンビン伝わってくる。恐る恐る振り向くと、かなみが視線だけで殺す勢いで俺を睨みつけていた。
「……なんかしたの?」
ちなみが耳打ちするため顔を近づけると、殺気がさらに強まった。気のせいか、寒気がする。
「あー……ちょっと行って来る」
かなみの席へ向かい、できるだけ笑顔で話しかける。
「や、やぁかなみ。ご機嫌いかが」
「……別に」
なんか知らんが超不機嫌体質になってる。なんでだ?
「おっはよータカシ! なぁなぁ、学校終わったらどっか遊びに行かへん? ウチなぁ、久々にゲーセン行きたいねん」
いずみが俺の肩に腕を回しながらにこやかにそう言った。本能が「キケン、キケン」と叫んでる。
「…………」
ほーら、かなみを見てるだけで冷や汗が出てきたぞ。
「ん? どないしたん、なんや顔色悪いで?」
いずみが俺の顔を両手で挟みこみ、無邪気な目でじっと見つめる。
……う、こいつ、ガサツだけど可愛い顔してんだよな。
「……ん? なんや赤ぁなって。照れたんか?」
「てっ、照れてねえ!」
「なんや、照れんでもええやん。ウブやなぁタカシは」
「う、ウブじゃねえ! 超ハードボイルドだぞ! ブラックコーヒーをこよなく愛する無頼なのさ! 苦くて飲めないけど!」
「あははっ、なんや可愛いなぁタカシは。うりうり」
いずみは調子に乗って俺のほっぺをうにうにと突っついた。
「や、やめろって。可愛いとか言うな。ナイスガイと呼べ」
「うりうり、うりうりうり」
ぷちん。
「ん? なんや変な音せえへんかった?」
本能が「ゲームオーバーだ、坊主」とえらく渋い声で告げた。
「……別府君?」
かなみが何かを抑え付けたような声色で俺に話しかけた。名前がタカシじゃなく、別府というところに恐怖を感じずにはいられない。
「ちなみやいずみと、ずいぶん仲いいわねぇ?」
「あ、いや、その、友達だし、仲いいのはいいけど、その」
あれ、なんで俺慌ててるんだ? 変なこと言ってないのに。
「……そうね、友達だもんね。……でも、恋人ほっといて他の女の子とイチャイチャすんな馬鹿ッ!!!」
「げはぁっ!?」
突き上げるような衝撃が腹に響く。見事なまでのボディーブローだった。吐きそう。
「……恋人?」
芋虫のように床を転がっていると、いずみの問いかけるような声が耳に届いた。
「いっ、いや、その、なんていうか、……う~」
かなみは真っ赤な顔をして困惑したように唸っている。これで公認カップルかな、とかなみのパンツを下から眺めながら思った。
案の定、その日のうちに俺とかなみが恋人同士であるという報が学校中を駆け巡った。
同時に、恋人のパンツを覗いてるのがばれて顔を踏まれた馬鹿という報も流れやがった。畜生。