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2024年11月25日
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【人類最強なツンデレ】
2010年05月20日
流れの鍼灸師に鍼を打たれ、かなみは人類最強と思えるほど強くなってしまった。
「ど、どうしようタカシ~」
「ええい近寄るな! おまえが触れたもん全部壊れてるじゃねえか!」
「だ、だって仕方ないじゃない! 力がコントロールできないんだから!」
教室のドアもコンパクトになり、踏み抜かれた床は痛々しくささくれ立ち、机は飴細工のようにぐにゃりと変形している。
「仕方ない……ここは『誤射のタカシ』と呼ばれた俺が鍼を打って治してやろう」
「全く信頼できない異名ね……」
「大丈夫、大船に乗ったつもりでいろ」
「タイタニック号とか言わないわよね?」
「…………」
「なんか言いなさいよっ!」
なんだか知らないがうるさいかなみを無視し、鍼を用意する。無論そんなの持ってない。困った。
「これでいいか……」
「これでいい!? ちょ、ちょっとホントに大丈夫なの?」
落ちてたヘアピンを適当に伸ばしながら、かなみに近づく。
「ほれ、打てないから脱げ。そして瑞々しい肢体を衆目に晒せ」
「こんなとこで脱げるわけないでしょ、馬鹿! ほら、来なさい!」
かなみに手を掴まれ、教室を出る。手首が千切れそうなほど痛い。でも、男だから我慢。
「ここなら……アンタ何顔真っ青にしてんのよ!」
適当な空き教室に入ったところで、手首が痛いのがばれた。
「手が痛くて」
「なんか言いなさいよ! ああもう、手真っ赤じゃない! 普段いらんことばっか言ってるくせに、なんでこういう時は黙ってるのよ……」
急にしおらしくなったかなみの一瞬の隙を突き、適当に服の上から鍼を打つ。
「いったーーーーーーーーーー! 何すんのよこの馬鹿!」
殴り飛ばされ、放置された机に激突する。
「あ……つい殴っちゃった。た、タカシ、大丈夫……?」
「…………」
「やだ……ちょっと、返事してよタカシ……ねぇ、生きてるでしょ? ねぇ……」
「…………」
「ちょ……やだ、死んだらダメだよタカシ! ねぇ、返事しなさいよ! タカシ!」
「……ったく、うっせえなぁ。おちおち気絶もできやしねぇ」
ほんの少しの間だけ、気絶していたようだ。目を開くと、涙を滲ませたかなみがいた。
「お、成功したか? いやー、やるなぁ俺」
「……こ、この馬鹿! 適当に打ったでしょ!」
ゴシゴシと目元を袖で拭きながら、噛み付くようにかなみは言った。
「まぁ治ったみたいだし、結果オーライ。よかったじゃん、普通の筋力に戻って」
「あー……うん、まぁ、そうね。その……えっと、ありがと」
少しはにかんで、かなみは俺に礼を言った。
「うむ、感謝しろ。そうだな、礼はかなみの初めてでいいぞ」
かなみが礼を言ったことに少なからず驚きながらも、それをおくびにも出さず俺は憎まれ口を叩いた。
「…………」
「ん? どした震えて。寒いのなら俺が暖めて」
「せっかく人が感謝してるってのに、どうしてアンタはそうなのよーーーーッ!!!」
殴り飛ばされ、再び机に激突する。床を踏み鳴らして教室から出て行くかなみを見ながら、偶然にしろなんにしろ、治ってよかったなと思った。
「ど、どうしようタカシ~」
「ええい近寄るな! おまえが触れたもん全部壊れてるじゃねえか!」
「だ、だって仕方ないじゃない! 力がコントロールできないんだから!」
教室のドアもコンパクトになり、踏み抜かれた床は痛々しくささくれ立ち、机は飴細工のようにぐにゃりと変形している。
「仕方ない……ここは『誤射のタカシ』と呼ばれた俺が鍼を打って治してやろう」
「全く信頼できない異名ね……」
「大丈夫、大船に乗ったつもりでいろ」
「タイタニック号とか言わないわよね?」
「…………」
「なんか言いなさいよっ!」
なんだか知らないがうるさいかなみを無視し、鍼を用意する。無論そんなの持ってない。困った。
「これでいいか……」
「これでいい!? ちょ、ちょっとホントに大丈夫なの?」
落ちてたヘアピンを適当に伸ばしながら、かなみに近づく。
「ほれ、打てないから脱げ。そして瑞々しい肢体を衆目に晒せ」
「こんなとこで脱げるわけないでしょ、馬鹿! ほら、来なさい!」
かなみに手を掴まれ、教室を出る。手首が千切れそうなほど痛い。でも、男だから我慢。
「ここなら……アンタ何顔真っ青にしてんのよ!」
適当な空き教室に入ったところで、手首が痛いのがばれた。
「手が痛くて」
「なんか言いなさいよ! ああもう、手真っ赤じゃない! 普段いらんことばっか言ってるくせに、なんでこういう時は黙ってるのよ……」
急にしおらしくなったかなみの一瞬の隙を突き、適当に服の上から鍼を打つ。
「いったーーーーーーーーーー! 何すんのよこの馬鹿!」
殴り飛ばされ、放置された机に激突する。
「あ……つい殴っちゃった。た、タカシ、大丈夫……?」
「…………」
「やだ……ちょっと、返事してよタカシ……ねぇ、生きてるでしょ? ねぇ……」
「…………」
「ちょ……やだ、死んだらダメだよタカシ! ねぇ、返事しなさいよ! タカシ!」
「……ったく、うっせえなぁ。おちおち気絶もできやしねぇ」
ほんの少しの間だけ、気絶していたようだ。目を開くと、涙を滲ませたかなみがいた。
「お、成功したか? いやー、やるなぁ俺」
「……こ、この馬鹿! 適当に打ったでしょ!」
ゴシゴシと目元を袖で拭きながら、噛み付くようにかなみは言った。
「まぁ治ったみたいだし、結果オーライ。よかったじゃん、普通の筋力に戻って」
「あー……うん、まぁ、そうね。その……えっと、ありがと」
少しはにかんで、かなみは俺に礼を言った。
「うむ、感謝しろ。そうだな、礼はかなみの初めてでいいぞ」
かなみが礼を言ったことに少なからず驚きながらも、それをおくびにも出さず俺は憎まれ口を叩いた。
「…………」
「ん? どした震えて。寒いのなら俺が暖めて」
「せっかく人が感謝してるってのに、どうしてアンタはそうなのよーーーーッ!!!」
殴り飛ばされ、再び机に激突する。床を踏み鳴らして教室から出て行くかなみを見ながら、偶然にしろなんにしろ、治ってよかったなと思った。
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