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2025年04月20日
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【うぐいすパンにうぐいすが入っていないのを本気で不思議がるツンデレ】

2010年04月30日
 昼飯を食い終わり、教室をいつものように徘徊してると、いつかのようにボクっ娘がパンを片手に唸っていた。
「あっ、タカシ。ねぇねぇ、なんでうぐいすパンにうぐいす入ってないのかな?」
 梓はさらりと怖いことを言った。
「気づかずに食っちまったんじゃないか?」
「食べてないよ! タカシ怖いよ!」
「なんだ、てっきり猟奇趣味に目覚めたのかと思った」
「そんなの目覚めないよ! でも、なんで入ってないんだろ……はっ! これって、ウソの広告だよね! どこに連絡するんだっけ、JAL?」
 梓はどこかへ旅行するようだ。
「……JARO、な」
「しっ、知ってるよ! わざとだよ! タカシが気づくまで知らないフリしてただけだもん!」
「へーへー。一応言っとくけど、マジで連絡すんなよ」
「なんで? これってウソ広告だよね?」
「…………」
 頭を軽く押さえながら、梓を手招きする。
「えっ? なになに?」
 子犬みたいにぴこぴこ寄ってきた梓にデコピンする。
「いったーーーーっ! 何すんだよぉ!」
「馬鹿」
「ば、馬鹿って言った! なんか前にも言われた気がする!」
「お、よく覚えてたな。褒めてやろう」(なでなで)
「えへへへ♪ ……あれ、なんか馬鹿にされてるような」
「気のせいだろ」
「……よく考えたら馬鹿にされてるよ! なでられたぐらいで誤魔化されないんだから!」
(なでなでなで)
「……ご、誤魔化されないんだから」
(なでなでなでなで)
「……う、う~……タカシ、ずるい。……怒れないよぉ」
 不満顔のまま喜ぶという器用な真似をする梓だった。

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【きつねそばにきつねが入っていると思っているツンデレ】

2010年04月30日
 たまには学食でそばを食う。ずるずるずる、おいしい。
「あっ、タカシ。おいしそうだね、それ」
 隣の席にボクっ娘がやって来た。手に持ってるのは親子丼か。
「秋深し きつねそば食う 美味しいな」
「……? それ、きつね入ってないよ? 学食のおばさん入れ忘れてるよ」
 梓は平気な顔してお馬鹿なことを言うので侮れない。
「狐が食いたいなら、動物園に活きのいいのが入荷したらしいぞ。盗ってこようか?」
「盗らなくていいよっ! ……でも、なんできつね入ってないんだろう。ここの学食変だよね」
 前々から思っていたのだけど、このお嬢さんは実は凄く頭が悪いんじゃないだろうか。
「梓、10たす3はいくつだ?」
「……タカシ、ボクのこと馬鹿にしてるでしょ。それくらい分かるよ、13だよ!」
「じゃあ251かける43わる11は?」
「えっ? ええと、ええと、ええと……そんなの分かるわけないよ!」
 そりゃそうだろうと思いながらそばをすする。
「もうっ! いっつもボクを馬鹿にして! 大っ嫌い!」
「俺は好きだけどな」
「えっ……えええええ!?」
「特にこの鳥肉が最高」
「それボクの親子丼だよ! 勝手に食うな! ていうか好きって親子丼のこと!?」
 親子丼おいしいなぁもぐもぐもぐ。
「黙ってもぐもぐ食べるなよぉ! なに不思議そうな顔してんだよぉ!」
「食事は黙ってしましょうと教わらなかったか?」
「教わったけど、人の物を取ってはいけませんとも教わらなかった?」
「お腹が空いたんだ」
「だからって取るなよぉ! ボクの分ほとんど残ってないじゃん!」
「うるさいなぁ……ほら、俺のそばやるよ」
「まぁ、それならいいけど。……やっぱりきつね入ってない。なんでかなぁ」
 不思議そうな顔でそばをかき混ぜてる梓を、ちょっと可愛いなんて思ってしまったのは内緒だ。

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【ソースと醤油を間違えてしまったツンデレ】

2010年04月30日
 新しいゲームを買ったと知らせたら、ボクっ娘が遊びに来ることになった。
「こんちは! ねぇねぇ、どんなゲーム買ったの?」
「これ」
「……これ、エッチなゲームだよ! 違うだろ、ゲーム買ったって言ってたじゃん!」
「だから、これ。えろりゲーム。素敵」
「ちっとも素敵じゃないよ! ううう、騙された……」
「それよりこれしよう、これ。面白いらしいぞ?」
 どう見ても子供にしか見えない女性があられもない姿を晒してるパッケージを見せ付けると、梓は真っ赤になった。
「しっ、しないよっ! タカシのえっち変態ロリコン!」
「事実だ、否定はしない」
「うう……かっこ悪いのに、かっこいい」
 なんかわーわー言ってるけど、特に気にせず梓を引っ張って自室へ連れ込む。
「……むーっ」
 連れ込んだのはいいが、さてどうしよう。梓は騙されたと知りヘソを曲げてるし。
「梓、腹減ってないか?」
 やはり怒ってる奴を慰めるには、飯を与えるのが一番だろう。俺も腹減ると荒れるし。
「……ちょっと空いた」
「よし、なんか食おう。ちょっと待ってろ」
「えっ? あの、ちょっと」
 何か言ってる梓を残し、台所に向かい冷蔵庫を開ける。……刺身しかないけど、まぁいいか。
「はいお待たせー」
「……刺身? お菓子とかじゃないの?」
「刺身嫌いか?」
「嫌いじゃないけど……なんで刺身なんだろ」
 不思議そうにしてる梓に箸を渡し、醤油を小皿に入れていただきます。
「もぐもぐ……ぶぶぶーっ! タカシ、これソースだよ! どんな間違いだよ!」
「……その前に何か言うことないか?」
「わ、タカシの顔刺身まみれ。怪人、刺身男みたい」
 夏場に弱そうな怪人だった。
「ったく、吐くなよな。もったいない」
 顔についた刺身を拾って食べる。
「わっ、食べた! ボクの出したの食べた!」
「むぐむぐ……ううむ、刺身とソースと梓の唾液が交じり合っててとてもまずい」
「なんだよそれっ! ボクの唾液がまずいって言うのかよっ!」
「あいにく単品で飲んだことないので分からんなぁ。ちょっと味見していい?」
「ダメに決まってるよっ!」
「口つけないで舌先だけで味わうから」
「なんかえっちぃよ! な、なんでちょっとずつ近づいてるの? タカシ目が怖いよ!?」
「そういやこれって間接キスだな」
「それどころじゃないよ! 今まさに直接されそうだよ!?」
 梓の唾液の味を知ろうとしたまさにその時、ドアが開いた。
「ねぇタカシ、晩に食べようと思ってた刺身知らない?」
 こんにちは、母さん。いつも言ってるけどノックして。

 別にエッチしようしたとか、そんなんじゃないです。純然たる興味からの行動なんです。
 だから母さん、小遣い3ヶ月カットとか嘘だと言ってよ。

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【ボクっ娘の家にお呼ばれ】

2010年04月26日
 料理のレパートリーが増えたので食べてみて、とボクっ娘の家にお呼ばれされた。
「何作れるようになったんだ?」
 何か作ってる梓の後姿に問いかける。
「んとね、クリームシチュー。タカシ、シチューって好き?」
「残飯以外ならなんでも食うぞ」
「……なんで素直に好きって言えないかな」
「照れ屋なんだ」
「照れ屋は普通自分でそう言わないよ。……はいっ、できあがり」
 梓はテーブルの上に大き目の鍋を置いた。蓋を取ると、中から暖かそうな湯気が立ち昇った。食欲をそそる匂いが部屋に立ち込める。
「おお、うまそうだ。早く食いたいと食欲が訴えております」
「待ってよ、今お皿に入れるから……はい、どうぞ」
 制服エプロン姿の梓から皿を受け取り、いただきます。
「……どう?」
「おいしい」
「食べてないじゃん! 食べてから感想言ってよ」
「ずずず……おいしい」
「……ホントかなぁ。タカシってなんでも美味しいって言うから信用ならないよ」
「そんなことないぞ。この間あんまり腹へってティッシュ食ったけど不味かった。あれだけは食わん方がいい」
「言われなくても食べないよ! で、ホントの所、どうなの?」
「ちょっと待ってくれ。ずずずずず……おかわり」
「あははっ、綺麗に食べたね。言わなくても分かっちゃった」
 梓は嬉しそうにおかわりを入れてくれた。
「梓って何気に料理うまいよな。お前と結婚する奴は幸せだな」
「そ、そっかな? ……ね、タカシが結婚するとしたら、ボクみたいな子ってどうかな?」
「…………」
 なんつー質問をするのだろうか、この娘さんは。
「どしたの? タカシ」
「……こほん。ええとそうな、梓の外見は身長:ちび 体格:ぺたんこ 一人称:ボク となっております」
「……あってるけど、なんだかすごく馬鹿にされてる気がする」(ほっぺぷくー)
「中身は……怒りっぽくてすぐ泣く。子犬みたいにふらふら着いてくる。撫でられるとふにゃふにゃになる」
「……そういう風に言われると、もうちょっと大人にならなくちゃって思うよ」
 梓は肩を落として落ち込んだ。
「まぁ、それら全てを複合して……ええと、まぁ、悪くない……かな?」
「……えっ?」
「い、いや、結婚とかよく分からんけど、一緒にいて楽しければいいんじゃないか? その点、梓は一緒にいても嫌どころか楽しいし」
「そ、それってボクと結婚してもいいってこと?」
「なっ! なに言ってんだよお前!」
「た、例えばの話だよ、例えば! 何顔真っ赤にしてんだよ、タカシ馬鹿みたい!」
「う、うっせ! お前こそタコみたいに顔真っ赤だぞ!」
「ぼ、ボクは顔赤くなんかないもん! タカシだけだもん!」
「どう見ても真っ赤だ、真っ赤!」
「うー!」
「がるるるる!」
 梓とにらみ合う。
「……そ、そんな話はどうでもいい。シチューが冷めちまうから、食うぞ」
「う、うん、そうだね」
 なんだか空々しい空気の中、俺は黙ってシチューをすすった。いつまで経っても梓の顔の赤みは取れず、俺の顔は熱を放っていた。

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【カレーにらっきょうと福神漬けどっちを入れるかでけんかする男とツンデレ】

2010年04月25日
 学食でカレーをもそもそ食ってたら、ボクっ娘がやってきた。
「あ、タカシだ。何食べてんの? カレー?」
「カレー。美味しいカレー、素敵なカレー、安っぽい肉とひたひたの飯が最高カレー」
「……学食だもん、仕方ないよね。あ、らっきょうついてないんだ」
「らっきょう? 普通カレーと言えば福神漬けだろう」
「あ! まーたタカシが変なこと言ってる。らっきょうなしでカレー食べるなんて、クリープのないコーヒーみたいなもんだよ!」
「ブラックが好きだから丁度いいな」
「すぐ屁理屈こねる……。ボク、おばさんに言ってらっきょうもらってくるね」
「あ、おい」
 梓は料理をテーブルに置いて学食のおばさんの元へ駆けていった。
 ……ふむ、梓はきつねうどんか。うまそうだな、ちょっともらおう。
「はい、らっきょう……あああああ! 何してんだよ!」
「毒見でござりまする、姫」
「何が毒見だよ! 油揚げ食べちゃったら、何うどんか分からなくなるじゃん!」
「おいしかったよ?」
「そんなの聞いてないよ! もう、タカシのカレー没収! らっきょうかけて食べちゃうもん!」
「馬鹿、らっきょうなんかかけたら食えなくなるだろ!」
 梓がカレーを奪おうとするのを必死に妨害しながら、間違いを正してやる。
「美味しくなるよ! 福神漬けなんてまずいよ!」
「漬物を馬鹿にすると漬物の神に漬けられるぞ!」
「漬けられないよ! なんだよ漬物の神って!」
「俺の考えた神。普段は寝てる子供の枕元に黙って立つのが仕事」
「怖いよ! ……あ」
 などと言い合いながらカレーを引っ張り合ってると、手元が狂って床に落ちた。
「か、カレーーーーーーーッ!!!!!?」
「……ぼ、ボクのせいじゃないもん。タカシが素直に渡さないのが悪いんだもん」
「……あ~ず~さ~?」
「た、タカシ、怖いよ? お、女の子に手を上げたりしないよね?」
「……安心しろ、俺は紳士だから女子供に手は出さない。……ボクっ娘は別だがな!」
 言うと同時に梓のほっぺをひねりあげる。
「あいたたた!? 痛い、痛いよタカシ!」
「何てことしてくれる! もう金ねーから昼抜きだぞ!?」
「ボクのうどん半分あげるから! あげるから離してよーッ!」
「それはありがたい」
 手を離すと、梓は痛そうにほっぺをさすさす撫でた。
「うー……。タカシは酷いね、外道だね」
「カレーの恨みは深いんだ。いいからほれ、うどん寄越せ」
「ううううう……半分こだよ?」
 梓の箸を使いうどんをすする。おいしい。
「あ、これ間接キスだな」
 言うと同時に箸を口に含む。
「く、口に入れた!? ボクもその箸使うのに!」
 梓が使ったと気づき、思わず口に入れてしまったがさぁどうしよう。
「や、その、……サービス?」
「とんでもない嫌がらせだよぉ!」
 俺のサービスは受け入れられないようだ。
「ううううう……ほっぺ引っ張られるし、らっきょう食べないし、嫌がらせされるし、タカシは最低だよぉ……」
「あー、悪い。新しい箸もらってくるな」
 さすがに悪ノリしすぎたと思い席を立とうとしたら、服を引っ張られた。
「どした? そこ持たれてると動けないんだが……」
「……べ、別にいいよ。……その、学食のおばさんに迷惑かけるのもなんだし」
「え、いや、でも」
「いいの!」
 梓はそう言って箸を持ち、うどんを食べた。
「……ほ、ほら、平気だもん。間接キスとか、ボク平気だもんね」
 平気と笑う梓だが、自分の顔が赤くなっていることに気づいているのだろうか。

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